平成26年度 刈羽小学校 校内研修の取組について

平成26年度
研究主題
刈羽小学校
校内研修の取組について
自立した学びができる子どもを目指して
~個の学びと仲間とのかかわりを通して~
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研究主題について
昨年度までの取組の中で、職員間で刈羽小学校の子どもたちの実態や身についている力、課題となる点など
を出し合い、今後の研修で向かうべき焦点を定めていった。そこでは、刈羽小学校の子どもたちが進んで学び、
進んで人とかかわり、自立に向けて成長していくことが大切だという結論に達し、今年度から「自立」をテー
マにした校内研修に取り組んでいくこととなった。
まず、刈羽小学校における「自立した学び」とは何か定義を検討するため、学年部毎に具体的な姿を話し合
った。今年度は1年目の取組であることを鑑み、子どもたちの実態と照らし合わせながら目指す児童の姿を固
めていった。そして、これを基に今年度は研修を進めていくこととした。
2 今年度の取組について
(1) 自立した学びとは(刈羽小学校としての定義)
意欲をもち、自ら課題を見つけ、解決方法や表現方法を工夫したり、
仲間とのかかわりの中で学びの質を高めていく姿
(2)学年部毎の目指す児童の姿(26年度職員研修で作成)
個の学び
仲間とのかかわり
高
自分 なりの活動 目的をもち、様々な解決方法
仲間 とのかかわ りの中で、互いの良さを認め
学 で追求 し、自分の 考えを言葉や図、具体物など 合い、 自分の考え を伝え合い、集団としてとも
年 で相手に伝わるように工夫して表現する姿
に学んでいく姿
中
自分が「~したい」という気持ちをもち、自
進んで聞いたり教えたりして仲間とかかわり、
学 分の考 えが相手に 伝わるように、学んだことを 友達の 話に反応し たり、友達の考えに対して自
年 活かして表現する姿
分の意見を言ったりする姿
低
自分のしたいことを選んだり決めたりし、自
進んで仲間とかかわり、相手の話を聞いたり、
学 分の考 えが相手に 伝わるように生き生きと表現 自分の考えを伝えたりする姿
年 する姿
(3)今年度の取組の成果と課題
①個人の研修計画の作成と振り返り
学年部ごとに目指す児童の姿を話し合い一覧表にまとめ、「個人の研修計画」を立てた。個人の研修計
画は各学級で授業、日常で取り組む活動を明記し、職員間で情報を共有した。日々の実践を学期毎に振
り返ったり、互いの実践の様子を伝え合ったりする事で、指導力を向上させることができた。今後は、
職員研修の時間に限らず、日頃から職員間で話をしていく中でよい指導の方法を浸透させていく必要が
ある。
②全学級による公開授業
全学級、級外職員が授業公開を年1回し、職員の授業力向上と、児童の自立した学びを目指した授業
作りをした。授業作りについては、以下の項目を意識して指導案を作成した。
○「身に付けさせたい力」を意識した指導案作り(わたしの授業改善)
○児童の学ぶ意欲や主体性を高める工夫(自立)
○自分の考えを伝え合い、共に学びの質を高めていく学習活動(協同)
指導案作成の際は学年部で指導案を検討し、身に付けさせたい力を意識して子どもたちの自立と協同
を視野に入れた授業作りをしてきた。公開授業では参観した職員が様々な意見を出し合い、成果や課題
を見い出すことができた。その成果と課題を、授業後のレポートで共有することができた。しかし、個
々の授業改善を全体の研修として積み重ね、次に生かすというところが弱かった。積み重ねて実になる
実践となるよう、今後工夫が必要である。
一方、外部から指導者を招くことにより、他校の取組を紹介していただくなど、様々な視点から専門
的な御指導をいただくことができた。刈羽村教育委員会指導主事からは月数回授業参観していただき、
児童の実態をよく知った上で、日頃から多くの御指導をいただくことができた。
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③「刈羽学びの五か条」の取組
学習の規律を守る上で基となる「刈羽学びの五か条」を各教室に掲示し子どもたちに常に意識させた。
学びの五か条を月別の生活目標に取り入れることで、全校で重点的に取り組むことができた。7月の
末と9月には、「学びの五か条強調週間」を設け、1週間自己評価させることで、自ら改善しようという
気持ちや態度を育てることができたと考える。
また、各学年で家庭学習の取り組み方や自主学習の進め方を指導していった結果、児童アンケート、
保護者アンケート共に家庭学習の取組に肯定的な意見の割合が増えたという成果が見られた。しかし、
自主学習には個人差が見られ、内容にも偏りがあるため、今後も家庭学習の充実に向けて指導方法を工
夫していく必要がある。
④ Web 配信集計システムの実施と結果分析
Web 配信テストは、事前に過去問をしてから本番のテストに取り組ませている。初めての形式の問題
に対して抵抗が強い子どもでも取り組みやすいため、県平均をほとんどの学年が上回るという結果につ
ながっている。また、Web 配信集計システムテストの結果は毎月全職員で見合い意見を書き込むなどし
て分析している。テストを受けていない低学年職員も学習の系統を考えて指導を強化することができた。
(4)校内研修年間一覧表
月
日
校内の研修
4 14 職員研修1
研修内容
備考(講師、指導者など)
校内研修計画と個人の研修計画作成
生活科・総合的な学習の時間の年間計画
個人の研修計画見せ合い
学習規律について
全体公開授業(国語:4年小林い)
中越・指導主事 小林 徹哉様
5 26 職員研修2
6
6 職員研修3
10 学力向上パートナー
事業要請訪問(刈小)
23 職員研修4
人権教育・同和教育研修
7
4 学年部公開授業
公開授業(算数:2年2組 廣田)
25 職員研修5
学習指導改善調査 結果集約・分析
8
4 職員研修6
人権教育・同和教育研修
22 職員研修7
1学期の振り返りと2学期以降の計画
9
11 学年部公開授業
公開授業(算数:3年 栁澤)
11 学年部公開授業
公開授業(算数:6年1組 桑原)
30 学年部公開授業
公開授業(国語:2年1組 片桐)
10 16 中越教育事務所計画 全体公開授業(国語:6年2組 本田)
訪問(刈小)
10 23 学年部公開授業
公開授業(算数:3年 駒谷)
11
6 学年部公開授業
公開授業(理科:4年 阿部)
7 学年部公開授業
公開授業(体育:5年 山口)
12 学年部公開授業
公開授業(人権教育:4年 田村)
14 学年部公開授業
公開授業(国語:6年1組 黒田)
18 学年部公開授業
公開授業(自立活動:わかば 大塚・山田)
21 職員研修8
学力分析とキャリア教育について
26 学年部公開授業
公開授業(国語:1年 大川戸)
1 26 職員研修9
個人の研修計画の振り返り
今年度のまとめと来年度の研修について
2
職員研修10
指導計画の見直しと修正
職員研修11
総合的な学習の時間の振り返りとまとめ
3
職員研修12
来年度の研修計画
3
刈羽村教育長
小林
志郎様
上越市立高田西小学校
白鳥美智子様
刈羽村教育長 小林 志郎様
刈羽村指導主事 小林 多佳子様
北鯖石小学校校長 赤澤 厚史様
中越・指導主事 吉井 純子様
刈羽村教育長
小林
志郎様
柏崎市教育センター副所長
山田 智様
愛知教育大学教授 森 勇示様
柏崎・指導主事 滝澤 豊様
北鯖石小学校校長 赤澤 厚史様
はまなす特別支援学校
北鯖石小学校校長
横田
赤澤
刈羽村指導主事 小林
旬子様
厚史様
多佳子様
今年度の研修を振り返って
今年度は自立をテーマにした校内研修を進めてきた。授業研究では、様々な教科で児童の「自立」を目指し
た授業が公開された。児童が自分なりの目的や課題をもち、友達とのかかわりの中で学びを深めていくような
授業が多く行われた。そこには、目的意識、相手意識、考える手段、伝える手段、かかわり合うためのスキル、
互いの意見を深める方法など、多くの手立てがあり、それぞれの成果や課題となった。その一つ一つが児童の
自立に向けた取組であり、学力向上に結びつくものであったことは言うまでもない。今後は、今年度の取組か
ら課題になったことをもとに、知識・理解など基礎基本の定着の上の、既習事項を活用する力、応用力、伝え
る力を付けさせるため、自立、協同、創造をキーワードに、研修を積み重ねていきたい。
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