平成27年全国地域安全運動の実施について(通達)

分 類 コ ー ド X - 1 - 1 - 1 -0 7
保 存 期 間 1年(平成28年12月31日まで)
秋本生企第586号 広 第192号
地 第212号 少安第181号
刑企第166号
平 成 2 7 年 8 月 7 日
各
所
属
長
殿
秋 田 県 警 察 本 部 長
平成27年全国地域安全運動の実施について(通達)
昨年の全国の刑法犯認知件数は、戦後最も少なかった昭和48年の119万件に迫る121万件
余りとなり、本年も7月末現在で前年同期に比べ約9.0パーセント減少するなど、一定の
治安水準の改善がみられる。
しかしながら、犯罪の種類によっては、増加又は脅威が増しているものがあるほか、社
会の安全・安心に寄与してきた様々なシステムは、少子高齢化の進展、世帯規模の縮小、
地域との関わりの希薄化といった社会構造の変化により、従来と同様に機能、維持させる
ことが容易ではなくなっている。
本県においては、刑法犯認知件数が平成14年以降13年連続で減少し、本年7月末現在で
は1,812件と前年同期に比べ約11.5パーセント減少しているが、特殊詐欺の被害は後を絶
たないほか、児童の誘拐事件や女性を対象としたわいせつ事件が連続発生するなど、犯罪
情勢は依然として厳しく、県民の不安を解消するまでには至っていない。
また、安全・安心を実感できる社会を実現するには、「地域安全ネットワーク」の整備
を更に進めるなど、その主体的な自主防犯活動を促進して社会の規範意識の向上と絆の強
化を図り、地域社会の安全の確保に取り組んでいくことが必要である。
このような情勢を踏まえ、みだしの運動を下記のとおり実施することとしたので、犯罪
の情勢を見据えた地域の安全・安心のための諸対策を効果的に推進されたい。
記
1 目的
防犯協会を始めとする地域安全に資する関係機関・団体及び警察が、期間を定め、地
域安全活動を更に強化するとともに、その相互間の連携の一層の緊密化を図ることによ
り、地域安全活動の効果を最大限に上げて一層の浸透と定着を図り、もって安心して暮
らせる地域社会の実現を図る。
2 期間
平成27年10月11日(日)から同月20日(火)までの10日間
3 主催
公益社団法人秋田県防犯協会連合会及び秋田県警察
4
スローガン
「みんなでつくろう安心の街」
5 運動重点
(1) 全国運動重点
ア 「子供と女性の犯罪被害防止」
平成26年中は、全国において子供の連れ去り事案が多発し、平成17年以来9年振
りに13歳未満の子供が被害者となる略取・誘拐事件の認知件数が100件を越えたほ
か、子供や女性を狙った強制わいせつ事案等の認知件数も依然として高い水準にあ
る。
こうした子供や女性を狙った犯罪は、一たび発生すると地域社会に大きな衝撃を
与え、治安に対する著しい不安を生じさせることから、被害防止対策の更なる強化
の推進のため選定された。
イ 「特殊詐欺の被害防止」
平成26年中の全国の特殊詐欺は、認知件数、被害額ともに前年を大幅に上回り、
特に被害額は、565.5億円と初めて500億円を超え、過去最悪の被害額を更新した。
本年6月末現在においても、前年同期に比べて認知件数が増加し、極めて深刻な
状況が続いており、特殊詐欺に対する国民の抵抗力の強化に向けた複線的な被害防
止対策を推進する必要があるため選定された。
(2) 警察本部運動重点
「住宅対象侵入窃盗の被害防止」
住宅対象侵入窃盗は、強盗等の凶悪事件に発展するおそれがあるほか、広範囲に連
続発生する可能性があり、県民が身近で体感する不安感も大きな犯罪である。
また、平成26年中の県内における住宅対象侵入窃盗被害の無施錠率は70.8パーセン
トで、全国平均の46.5パーセントを大幅に上回っており、県全体として対策に取り組
む必要があることから選定した。
(3) 警察署運動重点
全国運動重点・警察本部運動重点のほか、「地域の犯罪情勢に即した効果的な犯罪
抑止対策の推進について(通達)」(平成25年3月27日付け秋本生企第154号、務第
342号、刑企第76号、交企第76号、備一第69号)及び「地域の犯罪情勢に即した効果
的な犯罪抑止対策の推進に関する留意事項について(通達)」(平成25年3月27日付
け秋本生企第155号、務第343号、刑企第77号、交企第77号、備一第70号)に基づき、
最も適切と認められる事項を選定すること。
6 実施上の留意事項
(1) 犯罪実態の分析結果等に基づく実施計画の策定
実施計画の策定に当たっては、犯罪実態のきめ細かな分析を行うほか、不審者の徘
徊や子供に対する声掛け事案の情報、安全相談の受理状況、昨年の地域安全運動実施
結果の検証等についても分析の基礎資料とすること。
なお、防犯協会に対しては、実施計画の策定段階から参画を求め、本運動の重点及
び実施項目を示し、運動の中核としての実践的な活動を促すこと。
(2) 安全・安心なまちづくり推進施策との連携
本県においては、秋田県安全・安心まちづくり条例(平成16年秋田県条例第19号)
の規定により、10月11日を「安全・安心まちづくりの日」と定めて啓発活動を行って
いるため、本運動と連動させた活動を展開して防犯意識の高揚に努めること。
(3) 街頭活動の強化
犯罪の発生状況等に応じたパトロール、検問等により、制服警察官の姿を積極的に
街頭に示して犯罪等の発生を未然に防ぐとともに、職務質問等を通じて犯罪検挙活動
を積極的に推進すること。
なお、街頭活動においては、非行集団やその予備軍となる非行少年が敢行する犯罪
の検挙のほか、刃物等の凶器、侵入器具の携帯等、運動重点に掲げた犯罪の手段とな
り、又は犯罪に発展するおそれのある行為の取締りに配意すること。
(4) 関係機関・団体等と連携した安全・安心なまちづくりの推進
自治体、学校・教育委員会その他の関係機関のほか、防犯ボランティア団体等との
連携を緊密にして、住宅、道路、公園、駐車場、駐輪場等の防犯性能の向上を図るほ
か、街頭防犯カメラの設置・運用に関する地域住民等からの相談に対して適切なアド
バイスを行うこと。
(5) 地域安全情報等の提供と地域安全活動への参加促進
地域安全情報等の的確な提供により「地域安全ネットワーク」の主体的な自主防犯
活動の促進を図るほか、地域住民が広く参加しやすい創意工夫を凝らした諸活動を展
開すること。
特に、大学生等の若い世代や現役世代の防犯ボランティア団体に対しては、企画段
階から積極的な参画を呼び掛けるなど、活動の活性化と参加促進を図ること。
(6) 防犯指導の促進と警察相談窓口の利用等
本運動への幅広い地域住民の参加と自主防犯活動の促進を図るため、各種防犯指導
等を実施するとともに、警察相談専用電話「#9110」番を始めとする警察安全相
談窓口の利用促進を図ること。
(7) 広報
報道機関に対する広報においては、活動を行う関係機関・団体等を明示して具体的
な活動状況を発表し、地域住民の防犯意識の高揚と地域安全活動の周知を図り、防犯
ボランティア団体の士気の高揚と防犯ボランティア活動への参加促進に努めること。
(8) 受傷事故防止
防犯ボランティア団体等の街頭における地域安全活動の実施に当たっては、交通事
故等の受傷事故防止について事前教養を行うこと。また、防犯腕章や帽子等の装着に
より、地域安全活動を実施中であることを明示させるほか、夜間の活動については、
照明器具、反射材等の携行を指導すること。
7 報告及び効果の検証
各警察署においては、本運動期間中における活動の実施計画を、全国地域安全運動警
察署実施計画報告書(別記様式1)により9月17日(木)まで生活安全部生活安全企画
課長を経由して報告すること。また、実施した各種施策や活動の結果については、全国
地域安全運動警察署実施結果報告書(別記様式2)により11月5日(木)まで同様に報
告すること。
なお、今後の地域安全運動がより効果的に実施できるように、本運動期間中に実施す
る施策の効果について検証を行うこと。
※
様式省略