平成 27 年度 生理研研究会 「生体界面研究会」 プログラム(第 3 回) 代表者: 日比野 浩(新潟大) 所内対応者: 久保 義弘(生理研) 日時: 平成 27 年 7 月 16 日(木) 13 時 〜 7 月 17 日(金) 15 時 場所: 生理研研究所(明大寺地区) 1 階 大会議室 懇親会: 平成 27 年 7 月 16 日(木) 18 時 30 分 〜 研究会趣旨 従来の医・生物学は、細胞内や形質膜、そしてバルク細胞外液で生ずる事象を主な研究対 象として発展してきた(図)。結果として示された多様な生命現象やその成立機構は、種々 の病因の解明にも貢献し、現代医療の礎となっている。しかし、成因不明の生体機能や難 病は未だ多く、かつてない概念に基づく研究が必要である。ごく最近、これまで注目され てこなかった細胞外液と形質膜との間の境界相である“界面”(図)の物質環境の破綻が、 直接の病因となる例が見出されてきた。そこで本研究会では、異分野連携を介して、この 『生体界面』の生理的意義と病態を解明し、次世代の医療に資する革新的な生体機能学お よび病態生理学を樹立するためのプラットフォームを創る。生体界面現象の制御因子は、 イオン、水、種々の生体活性物質、糖鎖、膜タンパク質、膜脂質などが想定される。界面 研究は、医・生物学では未開であるが、理・工学領域では、めっきや電池などの分野で古 くから重視されてきた。しかも近年、 生体の形質膜を模倣した人工材料表 面と外液が織りなす界面の新奇な物 理化学現象が、特殊な計測手段で捉 えられるようになってきた。本研究 会 で は 、 こ のような先端技術を開 発・活用して生体界面を観測する理 工学者、独自のモデルを用いて生体 界面の現象を in vitro や in silico で解 析する理工学・理論科学・生物学者、 そしてこれらの科学者と協働して生 体界面を研究する医・生物・薬学者 を集めて議論し、共同研究を推進し 図 て世界初の学際領域を開拓する。 1 本研究会の研究対象 第 1 日目 (平成 27 年 7 月 16 日) [開会の挨拶] 13:00-13:05 日比野 浩 (新潟大院・医歯学総合・分子生理) [第 1 部] 司会 黒川 洵子(東京医科歯科大・難治疾患研・生体情報薬理) 13:05-13:30 ○高井 まどか 1、久代 京一郎 1、本田 文江 2 (1 東京大院・工、2 法政大・生命) 『生細胞のシアル酸を標的としたレクチン付蛍光ナノプローブの創製』 13:30-13:55 ○酒井 秀紀、藤井 拓人、清水 貴浩 (富山大院・薬・薬物生理) 『胃細胞の分泌膜界面の構成と機能』 13:55-14:20 ○三善 英知、鎌田 佳宏 (大阪大院・医・機能診断) 『がん免疫とフコシル化』 14:20-14:45 ○楠原 洋之 (東京大院・薬・分子薬物動態) 『薬物トランスポーターが関与する医薬品体内動態のモデリング&シミュレーション』 休憩 (14:45-14:55) [第 2 部] 司会 日比野 浩(新潟大院・医歯学総合・分子生理) 14:55-15:20 ○高橋 康史 1,2,3、井田 大貴 1、周 縁殊 2、珠玖 仁 1、末永 智一 1,2 (1 東北大院・環境、2 東北大・WPI-AIMR、3JST さきがけ) 『走査型イオンコンダクタンス顕微鏡を用いた細胞表面の連続測定』 15:20-15:45 ○栄長 泰明 (慶應大・理工) 『ダイヤモンド電極の機能化による生体関連物質の測定』 15:45-16:10 ○近藤 剛史、相川 達男、湯浅 真 (東理大・理工・工化) 『ダイヤモンド電極の機能化と電気化学分析への応用』 休憩 (16:10-16:20) 2 [第 3 部] 司会 酒井 秀紀(富山大院・薬・薬物生理) 16:20-16:45 ○日比野 浩、任 書晃、吉田 崇正 (新潟大院・医歯学総合・分子生理) 『界面イオン動態による内耳電気現象の成立と制御』 16:45-17:10 ○黒川 洵子、児玉 昌美、古川 哲史 (東京医科歯科大・難治疾患研・生体情報薬理) 『心筋 Kv7.1 チャネル分子複合体による多彩な細胞シグナル応答』 [特別講演] 17:10-18:00 司会 酒井 秀紀(富山大院・薬・薬物生理) ○月田 早智子 (大阪大院・生命機能・医) 『TJ クローディンによる上皮細胞シートバリア構築と生体システム』 [懇親会] 18:30~ 第 2 日目 [第 4 部] 9:00-9:25 生理研研究所(明大寺地区) (平成 27 年 7 月 17 日) 司会 高井 まどか(東京大院・工) ○野口 秀典、魚崎 浩平 (物質・材料研究機構) 『界面振動分光法による生体モデル界面の構造・機能評価』 9:25-9:50 ○中野 実 1、中尾 裕之 2、林 千尋 1、池田 恵介 1 (1 富山大院・医薬・生体界面化学、2 京大院・薬・製剤機能解析) 『膜貫通ペプチドのリン脂質フリップフロップ誘起メカニズム』 9:50-10:15 ○長尾 秀実、齋藤 大明、川口 一朋 (金沢大・理工・数物科学系) 『脂質膜界面に関する理論的研究』 休憩 (10:15-10:25) 3 [第 5 部] 司会 中野 実(富山大院・医薬) 10:25-10:50 ○鈴木 宏明 (中央大・理工・精密機械) 『細胞膜と人工細胞膜のイメージングのためのマイクロ技術』 10:50-11:15 ○梅田 倫弘 1、李 永波 1、本田 諭志 1、川島 実紗 1、松倉 由幸 1、 長崎 秀昭 1、太田 善浩 2 (1 東京農工大・工・機械システム工学、2 東京農工大・工・生命工学) 『ハイブリッド顕微鏡の開発〜物理ストレスと生理活性評価を中心に〜』 11:15-11:40 ○永森 收志、金井 好克 (大阪大院・医・生体システム薬理) 『生体界面構成因子の定量的解析に向けた膜タンパク質定量プロテオミクス』 11:40-12:05 菅井 祥加1、上松 亮平1、中瀬 生彦2、坂本 清志1、荒木 保幸1、高井 まどか3、 石橋 哲4、横田 隆徳4、○和田 健彦 1 (1 東北大・多元研、2 大阪府大・21 世紀、3 東京大院・工、4 東京医科歯科大) 『生体界面と人工核酸の相互作用 — 細胞膜透過性向上を指向したアルギニン残基導入とその効果 —』 昼食・休憩 (12:05-13:10) [第 6 部] 司会 長尾 秀実(金沢大・理工・数物科学系) 13:10-13:35 伊藤 太一、山崎 隼也、安藤 嘉倫、篠田 渉、○岡崎 進 (名古屋大院・工・応化) 『分子の脂質二重層膜透過の経路依存性について』 [第 7 部] 13:35-14:55 自由討論 『生体界面研究をいかに進めるか?』 [閉会の挨拶] 14:55-15:00 高井 まどか(東京大院・工) 連絡先: 代表者: 日比野 浩 (新潟大) 所内対応者: 久保 義弘 (生理研) Email: Email: hibinoh[at]med.niigata-u.ac.jp ykubo[at]nips.ac.jp 4
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