テイスティング - Believe in Olive Oil

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2015.10.8 再入稿
テイスティング
口蓋から喉に至らせる。このようにする理由は、周知のように、舌、口蓋、喉の位置によっ
て味覚や触覚の知覚の強さが変化するためである。
10.4. オイルの鑑別
オイルは、欠陥の中央値と フルーティ の中央値に従い、以下のように等級づけされる。
ここで強調しておくべきことは、苦味と辛味が感じられる順序に注意しつつ、十分な量の
オイルをゆっくりと舌の奥から口蓋と喉に送り込むということである。これを怠ると、オイ
ルによっては、苦味も辛味も感じられないままになってしまう恐れがあるばかりか、辛味
によって苦味が消されてしまう可能性もある。
欠陥の中央値は、最も強く感じられた欠陥の中央値と定義され、欠陥の中央値と フルー
ティ の中央値は小数第 1 位まで表現される。
オイルは、欠陥の中央値と フルーティ の中央値を下に示す参考範囲と比較して等級づ
けされる。この方法のエラーは、すでにこうした範囲の限界を決めた時点で考慮されてい
短く連続的に口から空気を吸い込むと、サンプルを口全体に広げることができるだけで
なく、鼻の奥で揮発性の芳香族化合物を感知することが可能になる。
る。それゆえ、これらの範囲は、絶対的であると考えられている。ソフトウエア・パッケー
ジは等級づけを統計表またはグラフとして表示することを可能にするものである。
(a) エキストラバージン・オリーブオイル:
注記
(Decision No DEC-18/10 0 -V/2013 に よって 暫 定 的 に 採 用 さ れ、Decision No
DEC- 6/S.ex.23 -V/2015 によって改定 ):
テイスターがあるサンプルに フルーティ さを感じず、
ネガティブな属性鑑別の強さが 3.5 以下の場合
は、リーダーの権限で、そのサンプルを室温で再度テイスティングさせることができる(COI/T.20/
Doc. No 6/Rev. 1, September 2007, section 3 – General specifications for installation)。
その間に室温のコンテキストとコンセプトを特定化する。そのサンプルが室温に達したら、
テイスター
は再評価して フルーティ さが感じられるかどうかだけをチェックする。感じられたら、その強さを
記録する。
辛味の触覚的感覚は、考慮されるべきである。そのためには、オイルを飲み込む方がよい。
欠陥の中央値がゼロで フルーティ の中央値がゼロを超えるもの。
(b) バージン・オリーブオイル:
欠陥の中央値がゼロを超え、3.5 以下で、フルーティ の中央値がゼロを超えるもの。
(c) オーディナリー・バージン・オリーブオイル:
欠陥の中央値が 3.5 を超え、6.0 以下のもの、または欠陥の中央値が 3.5 を超えず、
フルーティ の中央値がゼロのもの。
(d) ランパンテ・バージン・オリーブオイル:
欠陥の中央値が 6.0 を超えるのもの。
10 .1. 2 .
バージン・オリーブオイルの官能評価を行う際、各セッションで最大 4 種類のサンプルを
評 価すること、および一日のセッション数は 3 回に留めることが推奨される。これは、
テイスティングの間隔が狭まることによる対比効果を避けるためである。
連続的にテイスティングを行うと、疲労するだけでなく、前のオイルによって感覚が鈍る
ので、口に残ったオイルを洗い流した方がよい。
注記: 苦味 と 辛味 の両方あるいは 苦味 と 辛味 どちらか一方の中央 値が 5.0 以
上の場合、パネルリーダーは、検査証にその旨を記載する。
コンプライアンスを監視することを意図した評価のため、あるテストが行われる。再検査
の場合には、パネルリーダーは、評価が別のセッションで並行して行われるよう手配しな
ければならない。属性の中央値は、両方のテストにおける全てのプロフィール・シートの
リンゴのスライスは噛んだら紙コップに吐き出し、少量の室温水で口に残ったオイルを洗
い流してもよい。セッションとセッションの間には少なくとも15 分の休憩を挟むこと。
データを基礎として計算されることになる。
官能特性に関して宣言されたカテゴリーをパネルが確認しない場合は、利害関係者の要
請で、国の当局またはその代表が、他の承認済みパネルによって速やかに2つの対抗評価
10 . 2 . テイスター によるプロフィール・ シ ートの 使 用
を実施することになる。このうち少なくとも一つは関連生産国メンバーによって承認され
テイスター用のプロフィール・シートについては、詳細が図 1 で説明されている。
たパネルによって実施される。少なくとも二つの再検査が宣言された等級を確認すれば、
パネルの各テイスターは、対象のオイルの香りを嗅ぎ、次に味見する(注 1)。次にネガティ
ブな属性とポジティブな属性の強さを、プロフィール・シート上の 10 センチのスケール
に記録する。
関連する特徴は、宣言された特徴と一致するものと見なされる。そのような結果となら
なかった場合、利害関係者は再検査の費用に責任を持つことになる。
*付録はここに記載しておりません。
テイスターが、セクション 4 に列挙されていないネガティブな属性を感じたら、最も正確
な表現で「その他」に記録すること。
10 . 3 . パネルリー ダー によるデ ー タの 使 用
パネルリーダーは、テイスターが記入を終えたプロフィール・シートを集め、各属性の強
図1
バージン•オリーブオイルの
官能評価方法
さをレビューする。異常が認められたら、テイスターにシートを見直してもらい、必要に応
じて再検査してもらうこと。
パネルリーダーは、各パネルメンバーの評価データを、この「方法」の付録と同様のコン
ピュータ・プログラムに入力する。その際、分析結果を、中央値に基づいて統計的に計算
することを視野に入れる。この「方法」のセクション 10.4 と付録1を参照のこと。与えられ
たサンプルのためのデータを、マトリックスの助けを借りて入力する。このマトリックスは、
9 コラムと 9 つの感覚的属性で構成されている。
一つの欠陥が、少なくとも 5 0 % のパネルメンバーによって「その 他 」に入れられたら、
リーダーは、その欠陥の中央値を計算し、対応するカテゴリーに入れる。
鑑別(強さが最大の欠陥とフルーティな属性)を決める変動係数は 20 %以下でなければ
ならない。
20%を超える場合、
パネルリーダーは、
そのサンプルの評価を、
別のテイスティング・セッショ
ンで繰り返さなければならない。
こうした状況が頻発する場合、パネルリーダーは、テイスターに具体的な追加研修を受け
させた方がよい
(IOC規格の
「COI/T.20/Doc. No 14/Rev. 4, November 2012,
5」)。
また、再現性指標と偏差指標を使ってテイスターの成績をチェックした方がよい(IOC
規格の「COI/T.20/Doc. No 14/Rev. 4, November 2012,
6」)。
計算方法は、付録*の中に示されている(Decision No DEC-18/100-V/2013 によって
暫定的に採択)。
(注 1)直接的な嗅覚によって極度に強いネガティブな属性に気付いた場合は、
テイスティング
を控えてもよい。この場合、
この例外的な状況をプロフィール・シートに記録すること。
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H4
H1
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テイスティング
Method For The Organoleptic Assessment
Of Virgin Olive Oil
5. オイル・ テイスティング・グラス
8 .1.1 パネル の 副リー ダー
IOC規格「COI/T.20/Doc. no. 5」の「Glass for Oil Tasting(オイル・テイスティング・
グラス)」を参照のこと。
「SENSORY ANALYSIS OF OLIVE OIL METHOD FOR THE ORGANOLEPTIC ASSESSMENT OF VIRGIN OLIVE OIL」COI/T.20/Doc. No 15/Rev.7 February 2015 ENGLISH Original: FRENCH
※Believe in Olive Oil 事務局が英語版を翻訳(仮翻訳)
6. 検 査 室
1. 目的
定し、それらの特性に基づく鑑別方法を国際的に確立することにある。
触したオイルに特徴的な臭い。
Esparto エスパルト(圧搾マット)臭
2. 適用範囲
新しいエスパルト・マットで圧搾されたオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。
ここに記述されている方法は、バージン・オリーブオイルとその鑑別にのみ適用できるも
この臭いは、グリーン・エスパルトか乾燥エスパルトかで異なる。
よって判定されるものであって、知覚されるオイルの欠陥と フルーティ さの強さに基づ
Grubby 虫害臭
のである。鑑別は、パネルとして選抜・訓練されて監視下にあるテイスターのグループに
くものである。
オリーブミバエ(B a ct ro c e r a o l e a e)の幼虫に甚だしく食害されたオリーブ果実から作
られたオイルに特徴的な臭い。
ここに記述されている方法は、任意的なラベル表示のための指標ともなるものである。
Cucumber キュウリ臭
3. 官 能 分析のための 一 般 的な 基 礎 用 語
オイルが必要以上に長く密封された時、特にスズの容器中で生成する臭い。これは、2,6
ノナジエナールの生成によるものである。
IOC 規格「COI/T.20/Doc. no. 4」の「Sensory Analysis: General Basic Vocabulary
(官能分析:一般的な基礎用語)」を参照のこと。
4 . 3 . ポジティブな 属 性
Fruity フルーティ
4 . バージン・ オリーブオイル のための 特 定の用 語
熟度に関係なく健全で新鮮なオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な嗅覚的感覚
4 .1. ネガティブな 属 性
の香りであり、品種によって異なる。嗅覚で直接に感知されるが、鼻の奥で感じられる場
Fusty/muddy sediment 嫌気性発酵臭/泥状沈殿物臭
嫌気性発酵が進む条件下で山積み、または貯蔵されたオリーブ果実から作られたオイル
に特徴的な臭い。または、地下のタンク底の沈殿物と接触して嫌気性発酵が進んだオイ
ルに特徴的な臭い。
合もある。
Bitter 苦味
緑色あるいは着色しつつあるオリーブ果実から作られたオイルの基本的な味で、舌のV
ゾーン上の有郭乳頭で感じられる。
Musty-humid-earthy カビ臭/湿気臭/土臭
オリーブ果実が湿度の高い環境に数日貯蔵された結果、大量の菌類や酵母が発生したオ
リーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。もしくは、土や泥と一緒に採取され、洗
Pungent 辛味
クロップイヤー(収穫年)の初期に、主として未成熟なオリーブ果実から作られたオイルに
浄されていないオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。
特徴的な触覚的刺激。口腔全体で感じられるが、特に喉を強く刺激する。
Winey-vinegary acid-sour ワイン臭/ビネガー臭/酸酢臭
4 . 4 . 任 意 でラベ ルに 表 示 できる用 語
ワインまたはビネガーを連想させるオイルに特徴的な臭い。この臭いは主としてオリーブ
果実あるいはオイルペーストの好気性発酵プロセスに起因するもので、使用後適切に洗
浄等が施されていなかった圧搾マットに残ったオリーブペーストから、酢酸、酢酸エチル、
エタノールが生成することによるものである。
知覚の強さに対応
Rancid 酸敗臭
• Intense( 強 ) ……… 属性の中央値が 6 以上
• Medium( 中 ) ……… 属性の中央値が 3 と 6 の間
• L i g h t ( 軽 ) ………… 属性の中央値が 3 未満
Frostbitten olives (wet sood) 霜害オリーブ果実臭(ウエット・ウッド)
樹上で霜害を受けたオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。
Fruity フルーティ
熟度に関係なく健全で新鮮なオリーブ果実から作られたオイルの香りであり、品種によっ
4 . 2 . その 他 のネガティブな 属 性
て異なる。嗅覚を直接刺激するが、鼻の奥で感じられる場合もある。
搾 油プロセス時 に 過 剰 にあるいは長 時 間 加 熱された オイル に特 徴 的 な 臭い 。特 に
ペーストを不適切な温度環境で攪拌する時に発生しやすい。
以下の形容詞に対応する定義と範囲に適うかどうかを保証することができる。
ポジティブな属性(フルーティ、苦味、辛味)
強い酸化プロセスを経たオイル特有の臭い。
Heated or burnt 加熱臭または焦げ臭
パネルリーダーは、要請に応じて、評 価されたオイルが各属性の強さと知覚に従って、
Greenly fruity グリーン・フルーティ
青い果実を連 想させるオイルに特 徴的な香り。品種によって異なるが、健 全で新 鮮な
緑色のオリーブ果実から作られたオイルの香りであり、嗅覚を直接刺激するが、鼻の奥で
Hey-wood 乾草臭/木臭
感じられる場合もある。
Rough 不快臭
完熟した果実を連想させるオイルに特徴的な香り。品種によって異なるが、健全で新鮮
乾ききったオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。
古いオイルで粘度が高く、ペーストのように粗い口内感覚。
Greasy グリース臭
ディーゼル油、グリース、あるいは鉱油を連想させるオイルの臭い。
Vegetable water 植物性水分臭 発酵プロセスが進行した植物性水分と長時間接触した結果、付いたオイルの臭い。
Brine 塩水臭
Ripely fruity ライプ・フルーティ
なオリーブ果実から作られたオイルの香りであり、嗅覚を直接刺激するが、鼻の奥で感じ
られる場合もある。
Well balanced 好バランス
嗅覚と味覚と触覚におけるバランスの欠如を感じさせないオイル。苦味 辛味 の中央値
が フルーティ の中央値を 2 ポイント以上上回る。
Mild oil マイルド・オイル
苦味 辛味 の中央値が 2 以下のオイル。
塩水中に保存したオリーブ果実から作られたオイルの臭い。
1
オリーブオイルの官能検査でテイスターの役目を果たす人々は、自発的でなければなら
する手腕に従って、パネルリーダーにより、選抜・訓練・監視されることになる。手腕は
7. 用具 類
訓練によって向上することを肝に銘じるべきである。
以下の用具類は、テイスターにとって、任務を適切に果たすために必要なものであり、
各ブースに提供され、各テイスターの手の届く範囲に配置されるものとする。
テイスターは、個人的な好みを忘れて、自分が知覚したことのみを報告し、責任あるテイ
コード番号を付され、時計皿で覆われている。
検査に望まなければならない。そして、サンプルに全神経を集中させなければならない。
スターとして振る舞わなければならない。そのため、常に冷静に、リラックスし、落着いて
温度は 28 度 2 度に保持すること。
金属を連想させる臭い。破砕、ミキシング、圧搾、貯蔵などの過程で金属表面に長時間接
8 . 2 . テイスター
ない。それゆえ、候補者は申請書を提出することが望ましい。候補者は、サンプルを鑑別
一回の検査には 8 名から12 名のテイスターが必要となるが、突然の欠席者に備えて補充
• プロフィール・シート(図 1 参照)のハードコピーまたはソフトコピー。
Metallic 金属臭
この「方法」の目的は、バージン・オリーブオイルの官能特性を評価するための方法を決
(検査室設置ガイド)」を参照のこと。
• サンプルを入れた所定のグラス。
バージン・オリーブオイルの官能評価方法
に地位を譲ることがある。交代要員には、パネルリーダーに求められる全ての手腕が必
要となる。
IOC 規格「COI/T.20/Doc. no. 6」の「Guide for the Installation of a Test Room
インターナショナル・オリーブ・カウンシル( I O C )
のバージン・オリーブオイル官能評価方法をご紹介いたします。
パネルリーダーは、公正な手続きを経て、検査成績に関する義務を代行できる副リーダー
プロフィール・シートの条件が満たされていれば、使用法についての指示を添付。
要員も確保しておくべきである。
• リンゴのスライス、水、炭酸水、ラスクなどを並べたトレー
9. 検 査 条 件
• ペン、または消せないインク。
• 室温の水の入ったグラス
9.1. サンプル の 提 示
• セクション 9.4 と10.1.1 に列記されている一般規則を確認するためのシート
検査するオイルのサンプルは、
所定のテイスティング・グラス
(IOC規格
「Glass for oil tasting
• オイル等を吐き出すための紙コップ
(オイル・テイスティング・グラス)
」
)
で提示されるものとする。
8. パネルリー ダーとテイスター
このグラスにはオイルを14∼16 ミリリットル(12.8∼14.6 グラム)入れ、時計皿で蓋をする。
パネルリーダーは、適切な訓練を受けた人物であり、仕事で出会う種々なオイルについて
各グラスを、番号、または文字と番号のランダムな組み合わせでコード化する。このコー
8 .1. パネルリー ダー
の専門知識を備えていなければならない。パネルの中心人物として、組織運営に責任を
持つ。
ド化に使用する素材は、無臭でなければならない。
9. 2 . 検 査とサンプル の 温 度
パネルリーダーには、官能 評 価の用具と手腕についての基 本的な訓 練 が必要である。
検査するオイルのサンプルの温度は、検査中、常に 28 度 2 度とする。その理由は、室温
となる。
ロマ化合 物が気化しにくくなり、高温では加 熱されたオイルに特 有の揮発 性化合 物が
また、評価の準備や実施を周到に行う能力、科学的な検査に必要な手腕と忍耐力も必要
よりも官能的な差が分かりやすくなるからである。また、低温では、各オイルに特有のア
パネルリーダーは、テイスターの選抜、訓練、監視を一人で担当し、テイスターの能力レベ
「 COI/T.20/Doc. No 5」の「Glass for oil tasting(オイル・テイスティング・グラス)」
形 成されるからである。グラスに入れたサンプル の加 熱 方 法については、IOC規格
ルを確認・査定しなければならない。査定は常に客観的でなければならないので、テス
を参照のこと。
必 要 がある 。
IOC規格「 COI/T.20/Doc. no. 14 」の「Guide for the selection,
検査室の温度は、
20 度から 25 度とする。
(IOC規格の
「COI/T.20/Doc. No 6」
参照)
ーブオイル・テイスターの選抜、訓練、監視の手引き)」を参照のこと。
9. 3 . 検 査 の 時 間
トに基づく具体 的な手 続きを作成 する必 要がある。また、可 否 の 基 準を明 確 化する
training and monitoring of skilled virgin olive oil tasters(熟練バージン・オリ
パネルリーダーは、パネルの成績と評価に責任を持ち、評価については、確かな客観的根拠
を示さなければならない。いかなる場合でも、常にテイスターをコントロールする必要が
ある。パネルの定期的な補正が推奨される(IOC規格「COI/T.20/Doc. 14/Rev 4,
5」)。
パネルリーダーは、パネルの記録保存に責任を有する。これらの記録は常に経過を辿る
ことができるものでなければならない。国際的な官能評価基準で決められた品質要求
事項を守るとともに、サンプルの匿名性を常に確保しなければならない。
パネルリーダーは、在庫管理に責任を持つとともに、この「方法」の細則および官能評価
条件に準拠するための装置や器具の維持管理にも最善を尽くし、その証拠を文書化して
保管しなければならない。
オイルのテイスティングには朝が最も適している。朝が一日のうちで味と香りを感じるの
に最適なタイミングであることは証明されている。食事前は、嗅覚と味覚が鋭くなり、食後
には鈍くなる。
しかしながら、この基準を重視し過ぎると、テイスターの集中力が空腹感で弱まってしま
う恐れがある。それゆえ、テイスティングは午前 10 時から正午の間に実施することが望
ましい。
9. 4 . テイスター の 一 般 的 な 行 動 規 範
作業中のテイスターの行動については、以下の事柄が推奨される。
テイスターは、パネルリーダーに官能検査への参加を要請されたら、以下の項目に注意し
パネルリーダーは、サンプルの到着時点から、
その受け入れと保管に責任を持つとともに、
評価後の貯蔵にも配慮する。その際、サンプルの匿名性を常に確保するとともに、適切な
保管を行う。そのための手続きを文書化するとともに、プロセス全体の経過を辿れるよ
うに保証しなければならない。
て所定の時間に参加すべきである。
• 所定の開始時刻まで 30 分を切ったら、タバコやコーヒーを控えること。
• 香水、化粧品、石鹸は匂いが残るので使用しないこと。手洗いには無臭石鹸を使用し、
よく洗い流すこと。
さらに、パネルリーダーは、サンプルの準備とコード化およびテイスターへの提示を担当
する。その際、事前に決めたプロトコルに沿って作成された適切な試験のデザインに従う
こと。また、パネルリーダーは、テイスターが入手したデータの組み立てと統計処理にも
責任を持つ。
• 所定の時刻まで 1 時間を切ったら食事を控えること。
• 体調が悪く、特に嗅覚と味覚に影響が出ていたらテイスティングを辞退して、その旨を
リーダーに伝えること。心理的なショックで集中力に欠ける場合も同じ。
• 以上の点で問題がなければ、テイスターは静かに落ち着いて自分の席につくこと。
• プロフィール・シートに書いてある指示を注意深く読み、十分心の準備ができるまで
パネルリーダーは、この基準を補完してパネルの機能を万全にするために必要となるな
り得るその他全ての方法の作成とそれを文書化する責任を有する。パネルリーダーは、
パネルによるバージン・オリーブオイルの評価結果を他のパネルの評価結果と比較して、
評価の適切性を確実にする方法を探さなければならない。
テイスティングを始めないこと。疑問点はリーダーに個人的に尋ねること。
• 作業中は静粛にすること。
• 携帯電話は電源をオフにすること。
10 . 官 能 評 価とバージン・オリーブオイル の 鑑 別 方法
パネルメンバーであるテイスターの関心、好奇心、競争心を刺激してモチベーションを高
10 .1. テイスティングのテクニック
めるのはパネルリーダーの義務である。そのため、パネルリーダーは、メンバーとの双方
10 .1.1.
また、自分の意見を知られないようにするとともに、リーダー候補が自分の基準を他のテ
グラスを回し、内側をできるだけオイルで湿らせる。この作業が終わったら蓋を取って匂
向コミュニケーションを円滑にして、職務の内容と成果を常に知らせなければならない。
イスターに押し付けないように配慮すべきである。
いを嗅ぐ。評価のためゆっくりと深く息を吸い込むが時間は 30 秒以内とする。その間に
結論が出なかったら、少し休んで再度試みる。
パネルリーダーは、十分な時間的余裕を持ってテイスターを招集しなければならない。
また、試験の成績についての問い合わせにも答えなければならないが、サンプルについて
の意見を示唆すべきではない。
テイスターは、グラスを取り上げ、時計皿で蓋をしたままそっと傾ける。そのままの位置で
嗅覚テストが終わったら、口腔の感覚(レトロネイザルな鼻の奥の嗅覚全般、味覚、触覚の
すべて)による評価を行う。そのため、オイルを3ミリリットル程度口に含む。オイルを口
腔内全体に回すことが非常に重要。口と舌の前部から両脇を経由して後部に到達させ、
2