急性嘔吐下痢症の原因 伊東市民病院 山崎、ジョン 内科 「嘔吐」 １）悪心（はきけ）および嘔吐： 応して起こる 嘔吐中枢が反 ２）急性の重度の嘔吐：脱水症状および電解質異 常 ３）慢性嘔吐：栄養不良，体重減少，および代謝 異常 「急性」、「下痢」 • WHO 「下痢」 定義： ：軟便（泥状）～水様便 ＋ 1日3回以上、または普段より回数増加 ① ② ⇒ 授乳中の乳児のペースト状便 固形便の回数増加 下痢ではありません 「急性」、「下痢」 • WHO 「急性下痢」 定義： ： 下痢が、14日以内持続する場合 14～30日：亜急性下痢 30日以上：慢性下痢 急性（嘔吐）下痢症の原因 • 「急性」、（嘔吐）「下痢」症の大多数は、 感染性と言われています。 感染性の場合は、数日以内に自然改善されます が、14～30日以上続く場合は、非感染性の原因精 査が必要です。 非感染性下痢症の原因 • 薬剤性 • 浸透圧性 ：乳糖不耐症 • 吸収不良性 ：セリアック病、小腸細菌増殖、 慢性膵炎、肝硬変、腸切後、慢性腸管虚血 非感染性下痢症の原因 • 炎症性 ：慢性感染症、IBD、新生物、放射線/虚血性腸炎 • 分泌性 ：ホルモン性、緩下剤乱用、新生物、胆嚢切除後 • 蠕動性 ：過敏性腸症候群、機能性下痢症、糖尿、甲状腺亢進症 感染性下痢症の原因 • ウィルス ：最も多い原因 ス ：ノロ、ロタ、アデノ、アストロ、サイトメガロウィル • 細菌 ：サルモネラ、カンピロバクター、赤痢、大腸菌 、クロストリジウム、ビブリオ、ブドウ球菌、バチルス • 寄生虫 ：ジアルジア、シクロスポラ、クリプトスポリジウム、赤痢 アメーバ ＜カンピロバクター菌＞ ＜大腸菌＞ ＜サルモネラ菌＞ ＜赤痢菌＞ ＜バチルス菌＞ ＜黄色ブドウ球菌＞ ＜赤痢アメーバ＞ ＜ジアルジア＞ 感染性の予防 急性胃腸炎の病原体の多くは人体外でも長時間生 存できる １） 石鹸と流水で手洗い。 ノロウイルスの場合アルコール消毒 ２） 紙オムツはビニール袋で密封 ３） 洗濯 注意が必要な症状 • 次の症状がある、急性下痢の場合は直ちに病院受診して ください。 脱水（意識低下、腋下乾燥、頻脈、尿量低下） 血便/粘液便 38.5℃以上発熱 6回/日以上の排便、2日以上続く下痢 激しい腹痛 近日内、抗生剤使用/入院 妊娠、高齢（>70歳）、免疫抑制治療中 治療 １）補液 ２）安静 ３）乳酸菌製剤 まとめ • 急性下痢症 ：14日以内持続する、軟便～水様便（1日3回以上） • 感染（ウィルス、細菌、寄生虫）＞非感染 ：14日以上持続時は、非感染原因精査必要 • 脱水、発熱、血便/粘液便、6回/日、48時間 以上持続、激しい腹痛、抗生剤/入院歴、妊 婦/高齢者 ：診察が必要
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