手続実施者等の選任について

手続実施者等の選任について
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手続実施者等の選任について
(1) 手続実施者等の選任方法と役割について
当センターでは、手続にかかわるセンターの担当者を次のとおり選任しています。
①
事件管理者
事件管理者は、当センターに備えられている手続実施者名簿から、事務長1が選
任します。なお、事件管理者が選任されない場合は、事務長が事件管理者の職務
を行います。
事件管理者とは、紛争解決手続の中で必要な、各種の通知や連絡、日程の管理
等を担当する者です。
②
パートナー司法書士
パートナー司法書士は、申込人さん及び相手方さんにそれぞれ一人ずつ、当セ
ンターに備えられている手続実施者名簿から、センター長が選任します。
パートナー司法書士とは、紛争解決手続をご利用いただくにあたり必要な手続
についての相談や説明、センターとの連絡調整等、当事者の方に対する各種の支
援を担当する者です。申込人さんと相手方さんは、これらの各種支援のほか、ご
自身のパートナー司法書士に対して、紛争の目的の価格が140万円以下の民事
に関する紛争についての法律相談を依頼することができます。この法律相談は、
紛争解決手続の終了まで、いつでも利用することができます。
③
手続実施者
手続実施者は、当センターに備えられている手続実施者名簿から、センター長
が選任します。
手続実施者とは、ADR室での紛争解決手続実施期日2において、当事者双方の
お話をお聴きしながら、公正中立な立場で、お話し合いの進行役を担う者です。
1 センターの運営管理者です。当センターの運営管理者には事務長とセンター長がいます。
2 実施期日については、19 ページをご覧ください。
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手続実施者等の選任について
手続実施者名簿とは
手続実施者名簿
札幌司法書士会ADRセンターに備え置かれている手続実施者名簿には、
平成 23 年 7 月現在 50 名程の司法書士が登載されています。名簿に登載され
るためにはまず認定司法書士(簡易裁判所での代理権を有している司法書士
のこと)であることが求められます。これに加え、手続実施者名簿に登載さ
れるためには、ADRに関する研修を特別に受講する必要があります。手続
実施者名簿に登載された後も、継続してADRに関する研修を受けないと名
簿登載が抹消されます。
研修の内容は、「ケアの理念」や「心理学に関する講義」、「ADRの理
念」や「わざの習得」、「臨床倫理」等です。研修の方法は、講義形式の研
修に加えて、ロール・プレイという、司法書士が相談者さんの役やADRの
利用者さんの役になって模擬の相談手続や紛争解決手続をやってみて、後か
ら、感じたことを分かち合う実践的な研修も行っています。これらの実践的
な研修は、ともすれば専門家の枠に縛られて利用者さんのご事情や感情に疎
くなりがちな自分を戒め、利用者さんの言葉に真摯に耳を傾けて、利用者さ
んと共に問題を解決するための将来志向的で協調的な感覚を養ってくれてい
ます。
このように、利用者の皆様が安心してセンターでのADR手続をご利用頂
けるよう、名簿登載者には研鑽義務が課せられています。日々、ADRにつ
いて研鑽している司法書士が手続実施者名簿に登載され、その名簿の中から、
利用者の皆様の支援をさせて頂く申込人パートナー司法書士、相手方パート
ナー司法書士、手続実施者、事件管理者が選任される仕組みになっています。
手続実施者等の選任について
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(2) パートナー司法書士、手続実施者を排除するための方法
当センターは、パートナー司法書士や手続実施者が紛争の当事者と利害関係を有
することその他の手続の公正な実施を妨げるおそれがある場合は、次のとおりパー
トナー司法書士、手続実施者を排除するための方法を定めています。
①
申込人パートナー司法書士の排除(実施規程第 13 条 1 項)
次に掲げる場合には、申込人パートナー司法書士に選任することは出来ません。
(1) 申込みに係る案件(以下「案件」という。)について相手方と共同権利者、
共同義務者又は償還義務者の関係にあるとき3
(2) 相手方の配偶者、四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であ
るとき又はあったとき
(3) 相手方の後見人、任意後見人、後見監督人、任意後見監督人、保佐人、保佐
監督人、補助人又は補助監督人であるとき
(4) 案件について証人又は鑑定人となったとき
(5) 案件について相手方の代理人若しくは補佐人であるとき又はあったとき
(6) 案件について相手方から司法書士法第3条第1項第5号又は第7号に規定
する相談を受けたことがあるとき
(7) 相手方と任意後見契約を締結しているとき
(8) 案件について事件管理者、相手方パートナー司法書士、手続実施者若しくは
運営規程第28条の運営委員4であるとき又はあったとき
(9) 運営管理者(センター長、事務長)であるとき
②
相手方パートナー司法書士の排除(実施規程第 20 条 1 項)
次に掲げる場合には、相手方パートナー司法書士に選任することは出来ません。
(1) 案件について申込人と共同権利者、共同義務者又は償還義務者の関係にある
とき5
(2) 申込人の配偶者、四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であ
るとき又はあったとき
(3) 申込人の後見人、任意後見人、後見監督人、任意後見監督人、保佐人、保佐
監督人、補助人又は補助監督人であるとき
(4) 案件について証人又は鑑定人となったとき
(5) 案件について申込人の代理人若しくは補佐人であるとき又はあったとき
3
ADRセンターで話し合われる事がらについて、相手方さんと連帯保証人や連帯債務者であるなど契約上の利害関係
がある場合などは排除されます。
4 運営規程第 28 条の運営委員とは事務長の職務を分掌している司法書士のことを言います。
5 ADRセンターで話し合われる事がらについて、申込人さんと連帯債務者、連帯保証人であるなど契約上の利害関係
がある場合などは排除されます。
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手続実施者等の選任について
(6) 案件について申込人から司法書士法第3条第1項第5号又は第7号に規定
する相談を受けたことがあるとき
(7) 申込人と任意後見契約を締結しているとき
(8) 案件について事件管理者、申込人パートナー司法書士、手続実施者若しくは
運営規程第28条の運営委員6であるとき又はあったとき
(9) 運営管理者(センター長、事務長)であるとき
*パートナー司法書士は、自ら前記の排除事由に気づいたときや該当することとなったときは直ちにセンター
長に報告しなければならないとされています。
③
手続実施者の排除(実施規程第 26 条 1 項)
次に掲げる場合には、手続実施者に選任することは出来ません。
(1) 案件について当事者と共同権利者、共同義務者又は償還義務者の関係にある
とき7
(2) 当事者の配偶者、四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であ
るとき又はあったとき
(3) 当事者の後見人、任意後見人、後見監督人、任意後見監督人、保佐人、保佐
監督人、補助人又は補助監督人であるとき
(4) 案件について証人又は鑑定人となったとき
(5) 案件について当事者の代理人若しくは補佐人であるとき又はあったとき
(6) 案件について当事者から司法書士法第3条第1項第5号又は第7号に規定
する相談を受けたことがあるとき
(7) 当事者と任意後見契約を締結しているとき
(8) 案件について事件管理者、パートナー司法書士又は運営規程第28条の運営
委員8として関不したとき
(9) 運営管理者(センター長、事務長)であるとき
*手続実施者は、自ら前記の排除事由に気づいたときや該当することとなったときは直ちにセンター長に報告
しなければならないとされています。
6 運営規程第 28 条の運営委員とは事務長の職務を分掌している司法書士のことを言います。
7 ADRセンターで話し合われる事がらについて、申込人さんや相手方さんと連帯債務者、連帯保証人であるなど契約
上の利害関係がある場合などは排除され手続実施者に選任されません。
8 運営規程第 28 条の運営委員とは事務長の職務を分掌している司法書士のことを言います。
手続実施者等の選任について
(3) パートナー司法書士、手続実施者の交替の方法
当事者の方はいつでもパートナー司法書士の解任を請求することができます。ま
た、手続実施者に公正な紛争解決手続の実施を妨げるおそれがあるときは、当事者
の方は、手続実施者に対する忌避9の申立てをすることができます。
①
パートナー司法書士の解任請求(実施規程第 14 条、第 21 条)
申込人さん及び相手方さんは、何らの理由なくご自身のパートナー司法書士を
解任することができます。パートナー司法書士の解任をご希望なさる場合は、事
務長又は事件管理者に電話で申し出て下さい。速やかに後任のパートナー司法書
士を選任してご通知致します。
②
手続実施者の忌避(実施規程第 27 条)
忌避の申立ては、当センターに書面を提出して行わなければなりません。書面
はセンターの事務局に用意してあります。実施期日10において忌避の申立てをす
る場合は、手続実施者又は控え室に待機しているパートナー司法書士にお申しつ
け下さい。期日外で忌避の申立てをする場合は、パートナー司法書士にお申しつ
け下さい。
忌避の申立ては、忌避事由があると知ってから 15 日以内に忌避申立書を提出
して行って下さい。やむを得ないご事情があった場合は、15 日経過後でも申立て
を受け付けます。
忌避の申立てが行われると当センターは次のとおりの手続を行います。
①直ちに紛争解決手続を停止します。
②忌避を申立てた当事者以外の当事者の方に忌避の申立てがあったことが通
知されます。
③センター長は速やかに忌避の決定をするか否かを判断し、すべての当事者に
判断の結果が通知されます。
④忌避の決定がされると、後任の手続実施者が選任され通知されます。
9 紛争解決手続において手続実施者について紛争解決手続の公正を妨げるような事情がある場合に、当事者の申立てに
より当該手続実施者を手続の執行から排除することを言います。
10 実施期日については、19 ページをご覧ください。
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手続実施者等の選任について
忌避申立書文例
事案番号
平成 23 年第○○号
申込人
○○ ○○
相手方
○○ ○○
札幌司法書士会ADRセンター 宛
手続実施者忌避申立書
私は、以下の理由により手続実施者の忌避を申し立てます。
手続実施者の氏名
×× ××
忌避の理由
(例)手続実施者の××氏は、手続の相手方である○○氏の夫と同級生であり親し
い間柄であるため、公正な手続の実施が見込めない。
平成
☑ 申込人
年 月 日
○ ○
○ ○
□ 相手方
役割と位置イメージ図
申
込
人
パ
ー
ト
ナ
ー
司
法
書
士
申
込
人
さ
ん
話合いの
テーブル
手続実施者
事 件 管 理 者
相
手
方
さ
ん
相
手
方
パ
ー
ト
ナ
ー
司
法
書
士