地下水調査 ∼建設工事に伴う井戸水への影響∼ 建設工事に伴う土工事、コンクリート打設、重量構造物の設置は、①地下水脈の遮断、②地下水位の低下、③地下水の汚染等の 地下水障害を引き起こすことがあります。また、これに伴い、井戸・湧水の利用障害、農作物への影響等が予測されます。 地下水調査では、その地域における涵養機構と水質変動を基に、工事による影響を調べます。 水質解析 Na+ 40 Pt.B 100% SO42- 40 +N l- HCO3- 40 2+ +C a 100% 4 SO 2- ● Ⅴ Ⅰ Ⅳ 0% 0% Na NO3 40 → - + ← → ● 100% ← Ca2+ 0% 0% 2 相関係数 0. 9800 50 ■ Cl- +NO -3 → ヘキサダイヤグラム 地下水は周辺の地質構造や土地利用により水質が異なります. 地下水の化学組成・水循環過程における組成変化を利用して、 地下水の起源・流動機構・涵養の解明を行います。 100% 地下水調査を行う場合、調査地の地域特性や井戸構造などを把握した上で、観測値を検討することが重要です。 0 2000. 1. 1 2000. 3. 1 2000. 5. 1 2000. 7. 1 2000. 9. 1 地下水位が低下しています 工事後 工事中 工事前 2000. 11. 1 B p.H :硝酸イオン当量 (窒素肥料の影響) 井戸タイプ 1 タンクモデル流出解析による井戸の推定水位高と実測水位高との比較 電気伝導度・pH 水位高( mm) 降水量(mm) 3 100 0 99. 11. 1 40 Mg2 4 実測水位高 推定水位高 降雨量 150 Pt.B Mg2+ Ca2+ Na++K++NH4+ SO42HCO3+ Cl +NO3 濃度分布図 ▲ トリリニアダイヤグラム 200 Pt.B 2- SO 4 + H4 HCO 3 +N Ⅱ Pt.C ← +K Mg 2+ 40 Cl- Ⅴ + 工事中 工事着手前 me/l Pt.A + 40 Ca2 - 100% ■ 100% + Pt.C ■ 0% 0% ▲● 地下水位 陽イオン 1 2 3 40 K +NH4 Pt.A 2+ +C ▲ + 陰イオン -2 -1 0 -3 Mg O3 - Ⅲ ← → Pt.A Pt.C (単位:%) 井戸A 井戸B 8.6 基 準 値 5.8 素掘り井戸(Pt.A) 井戸側壁が茶色い土で覆われているもの 石積み井戸(Pt.B) 井戸側壁が石積となっているもの 井側の井戸(Pt.C) 井戸側壁がコンクリート壁で覆われたもの 濁度観測 2004年4月 2004年12月 2005年8月 2006年4月 濁度観測では、濁りの度合いとその時の降水量を照らし合わせて工事の影響かどうか判定します。 工事中など、一時的に変動傾向を示す場合もあります 工事後 工事中 電気伝導度[mS/m] 工事前 B 井戸A 井戸B ① ② ③ ④ ⑤ バック グラウンド値 2004年4月 2004年12月 2005年8月 水道法に基づく基準値やバックグラウンド値(工事前の事前調査結果)と比較・解析を行い、工事の影響による 環境の変化を調査します。 2006年4月 平成15年6月13日 (左)電気伝導計、(右)p.H計 水質の変化を監視しています。 平成15年6月18日 平成15年6月16日 GWL : E. C : p. H : 水温: 108. 75m GWL : 24. 0mS/m E. C : 7. 4 p. H : 15. 6 水温: 107. 47m GWL : 28. 8mS/m E. C : 7. 1 p. H : 13. 5 水温: 平成15年6月21日 平成15年6月19日 108. 02m GWL : 26. 0mS/m E. C : 7. 3 p. H : 14. 8 水温: 6月 降水量 11 0 12 23 13 2 14 2 15 0 16 0 17 1 18 33 19 36 20 3 21 0 22 4 110. 29m GWL : 23. 9mS/m E. C : 7. 3 p. H : 15. 9 水温: 109. 26m 23. 8mS/m 7. 3 15. 6 工事中に豪雨が発生し、 井戸水が濁りました。 濁りの時間変化を表し ています。
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