紙測定の自動化 - メリット

紙測定の自動化 - メリット
汎用性や安定性を備える優れた紙質に対するニーズは、かつてないほどに高まっています。
それ
故、今日の製紙会社はそうした要求を満たすだけでなく、
それを上回る製品を生産できるように
多くの情報源や測定ツールを活用しています。多種多様なオンラインセンサーが市場に出回っ
ていますが、抄紙機のパフォーマンスを総合的かつ明確に知るには十分とは言えません。Labに
よる紙質測定データが必要です。
ただし、Lab で得た紙質データが適時に抄紙機のオペレータに提供されない場合は、
こうした情報は参照用
に記録されるだけで、短期間にプロセスを改善するツールにはなりえません。こうした問題のソリューションと
は何でしょうか。
L&W Autolineによる全自動紙測定システムでは、
リールのウェブ全体を多数ポイントで短時間の内に測定
できます。つまり、製紙会社が安定した高品質の製品を維持するために必要とする重要な情報がほぼ即時に
手に入ります。
L&W Autoline全自動紙測定システム
L&W Autolineは、
オペレータが測定操作に費やす労力のほとんどを取り去り、紙質や 紙の状態についての
信頼できる精確な情報を提供する高度なデバイスです。紙測定の自動化に対する最高のソリューションの実
現には、Lorentzen & Wettre による長年の紙測定の経験が適用されました。
その結果、L&W Autolineが今
日世界で最も愛用される紙測定の自動化システムを構築することができたのです。
L&W Autolineでは、ほとんどすべての品質測定、
レポートの準備、
データの保管、およびプロセスパラメー
タをモニターする他のデバイスとの通信を行います。
しかも、それらの作業にオペレータが携わる必要はほと
んどありません。
さらに、大半の測定方法は確立された業界規格に準拠しているため、従来の測定器から得た
情報はそのまま続けて生かすことができます。
これらにより、品質を改善しコストを削減することで良好なキャ
ッシュフローを生むことができます。
オペレーティングシステムとして Windows の最新バージョンを使用すると、
さらにメリットを享受できま
す。L&W Autolineからの重要な測定データーは工場全体にわたる情報ネットワークにより、短時間で手に入
れることができます。
L&W Autolineは世界各地 400 ヵ所以上で実証されたソリューションです。
自動紙質試験 |
91
L&W Autoline 400
Lorentzen & Wettre の L&W Autoline 400 は、紙プロファイル測定システムです。
プロファイル
の測定はすべて、
自動シーケンスで行われ、
その結果は図や表として、ただちに画面上またはプリ
ンタに表示されます。設定はすべて事前に行われているので、操作は非常に簡単です。
L&W Autoline 400プロファイラーを使用すると、
ウェブ幅全体でさらに良好な品質管理を行えます。
ダイレクト・フィードバック
L&W Autoline 400は工場の 情報ネットワークにも
容易に接続できます。
そのためプロセスのモニター
や品質管理をする際には、マシン幅方向のプロファ
イルデータをかなり高速にレポートできます。
プロセスコントロールでは、
プロセスを最適化した
り、仕様に適合しない紙を生産するリスクを減らすた
めに、高速のフィードバックが非常に重要です。
Lab 測定器を L&W Autoline DAWに接続できる
ので、工場での手作業による定期測定も最適化でき
ます。
92 |
L&W AUTOLINE 400 • 自動紙質試験
クォリティ データ エクスプローラー
クォリティ データ エクスプローラーはどのコンピ
ューターにも問題なくインストールでき、測定結果を
リアルタイムでフォローできるソフトウェアです。
マシ
ンオペレーターは試験結果を参考にして即座にアク
ションを起こすことができ、その結果、製造を最適化
しばらつきを最小限におさえることができます。
市場における 最速のソリューション
L&W Autoline 400 プロファイラーは簡易性、速度
および高精度を重要視して設計されています。それ
はユニークなパフォーマンスと測定オプションを備え
クォリティ・データ・エクスプローラーでダイレクトフィードバックが可能
L&W Autoline 400は紙質試験結果
通信のハブ的役割をします。すべての
データが収集され、
レポートが作成さ
れ、組織内の各担当者に示されます。
マシンオペレーターは試験結果を参考にして即
座にアクションを起こすことができ、その結果、製
造を最適化しばらつきを最小限におさえること
ができます。
L&W データ収集ワークステーション
(DAW)を接続し、
スタンドアロン型測
定器からL&W Autoline 400に測定
結果を送ったり転送したりします。
クォリティ・データ・エクスプローラー
により、組織の各担当者はリアルタイ
ムで測定結果にアクセスできます。
紙機の問題をオペレーターに知らせ、次のリールが
た高速な紙測定システムを実現しています。50種類
仕様外になることを防ぎます。
以上の紙物性を素早く測定・レポートする能力をも
つL&W Autoline 400が1台あれば、最小限の人数
400台以上の L&W Autoline を販売
で数台の抄紙機をカバーできます。
このハンドブック発行時点で、弊社では世界中で
一例を挙げると、8メートルのウェブ幅上(20か
400台以上のL&W Autolineを販売しました。
これ
所)
で最適化した測定プログラムの出力に約8分か
らの試験機は製紙業界のあらゆる製品を試験して
かります。測定が完了すると、その結果が直ちに画面
にCD方向のプロファイルグラフ又は表形式で表示さ います。L&W Autoline 400 は低坪量(最小で15g/
れます。測定した各紙リールから取得したデータは容 m²)の紙から、最高重量レベルのパッケージ用板紙
(800g/m²以上)にいたるまでさまざまな紙を試験
易に文書化できます。
します。
また、商用パルプシートの物性の一部も測定
その結果により紙質を確認し、
プロセスを最適化
できます。
します。迅速なフィードバックは操作中に発生した抄
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE 400 |
93
サンプルのロード。
測定結果は 8 分で出力されます。
L&W Autoline 400の設計、最高品質のみの材料を
使用するという弊社の方針、紙質試験機の設計と製
造で培った技術などが、そうした広範囲の紙の測定
を可能にしました。様々な試験モジュールおよびプロ
ファイラーの精確で頑丈な構造により、可能な限り精
確で再現性のある試験を行うことができます。
- 新聞紙
- 段ボール原紙
- 折りたたみ箱用板紙
- 軽量塗工紙
- 銀行券用紙
- 中芯原紙
- 製袋クラフト紙
- 上級紙
- 装飾用紙
- コピー用紙
- 電話帳
- 印刷および筆記用紙
- 封筒用紙
- ブリストル板紙
- セッコウ紙(ボード)
- パルプシート
自動紙質試験機のマーケットリーダー
Lorentzen & Wettre は常に、新しい重要な試験機
を開発する革新者として活躍してきました。弊社は
製紙業界と密接な関係を保ち、市場にリサーチとい
う形で貢献しています。結果として、L&W Autoline
400は自動紙質試験機のマーケットリーダーとして
認められるようになりました。
弊社では製紙業界の規格に準拠する各種測定法
を提供しています。
また、現在生産されている殆どの
紙および板紙グレードに対応する完璧なソリューシ
ョンを用意しています。L&W Autoline 400 が測定
する紙および板紙は次のとおりです:
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L&W AUTOLINE 400 • 自動紙質試験
L&W Autoline 400 のモジュールは容易に利用でき、新規のモジュールも今後追加することができます。
顧客からの賛辞
L&W Autolineを使用しているお客様からの精巧例
をご紹介します:
ハロルド・ノーランド氏(Harold Norlund)- Nippon Paper Industries, USA工場長:
「私は以前、他の工場でL&W Autoline 300を導
入した経験がありましたから、
これを使用すれば次の
ようなことが可能になるということはよくわかってい
ました:
- 従来の試験方法に比べより迅速に測定結果を取
得できる
- 測定のばらつきの削減(確立された再現性)
- 抄紙機を目標の製品仕様に近づけるよう操業さ
せることができ、結果的にコストの削減を図ることが
できる
- 長期間に及ぶ品質の追跡と改善
- 効率改善のための人手の最適化」
「L&W Autolineは、走行・メンテナンス費用を最
小限に抑えることができる」
「L&W Autolineは、工業規格に準拠したモジュ
ールを搭載している」
「L&W Autolineは、キャリブレーションやメンテ
ナンスが簡単である」
「L&W Autolineの測定技術は簡単で、規格に準
拠し、最も信頼性が高い」
「L&W Autolineのモジュールはサービス実行時
に変更する必要がないため、他の試験装置に比べ長
期的にコストの削減が可能になる」
この他、L&W Autolineに次のようなお褒めの言葉も
戴いております:
Harold Norlund 氏– 工場管理者
(Nippon Paper Industries、USA)
特色
• 50 を超えるさまざまな特性を測定し、算出します。そのほと
んどが国際規格に対応しています
• Windowsベースのソフトウェア
• 測定結果が指定した目標および制限外になると、オペレー
タには警報がでます
• 容易に操作および保守を行えます
• 迅速:僅か8分で20ヶ所のプロファイルを測定
• 工場のローカルエリアネットワークを介して容易に測定結
果にアクセス可能
• 様々なタイプの測定シーケンスを選択可能
• リアルタイムのデータを供給するリモート監視ステーション
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE 400 |
95
測定のばらつきを減少させること
が、
カギになります
L&W Autoline 400 により、現在の製紙工場では不安定な測定や測定のばらつきを減少させる
ことができます。今日の競争の激しい市場では、
コストは最低限に切り詰められています。紙を生
産するプロセスを段階的に変化させていけば、
コストを最大限に削減することが可能です。
こうし
たコスト削減を実現するには、
プロセスを精確に測定する必要があります。
ご承知のように、手作業でサンプル紙を収集・測定す
る従来のシステムでは、正確な測定値を得るには不
充分でした。しかし、L&W Autoline を使用したユー
ザーからは、測定結果のばらつきが著しく減少したこ
とが報告されています。
この信頼性の向上および迅
速な測定結果の取得により、製紙会社は生産目標を
変更して、
さらに安定したパフォーマンスを実現でき
ます。
さらにコスト削減も可能になります。
L&W Autoline は従来の紙の測定における変動
要因を大幅に減少、
さらには削除しています。
– オペレータと測定器の変動要因。個別に測定
器を使用するのとは異なり、紙測定自動化システム
ではオペレータが直接関わったり、特定の技術をも
つ必要はありません。
そのため、測定器の変更により
測定結果または操作方法に差異が生じることは全く
ありません。紙測定の自動化システムでは、
オペレー
タはサンプルを挿入するだけです。
サンプル紙は自
動的にデバイスを介して供給され、次いで測定され
ます。
– サンプルの準備。
サンプルの準備は最も重要な
作業のひとつですが、軽視されがちな作業でもあり
ます。手作業で特大のリールからサンプルをリール
間やオペレータ間で何度も正確に切断するのは困難
L&W Autoline 400は、すべての人が 365
日 24 時間いつでも実行できます。サン
プル紙がサンプルローディングシステム
に挿入されると、測定が自動的に行われ
ます。
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L&W AUTOLINE 400 • 自動紙質試験
精確な測定 → 精確なプロセス制御 → 収益
です。
リールから不適切にサンプルを切断すると、個
々の測定紙の準備面だけでなく、測定器内のサンプ
ルの配向にも影響を与えてしまいます。
プロファイル
サンプルカッター を使用すると、サンプルは毎回同
じ方法で収集されるので、安定したばらつきのない
サンプル紙が得られます。
– 真の MD 方向および CD 方向の測定。
リールか
ら手作業でサンプルを切断し、再度測定紙を個々に
切断するとばらつきが生じる可能性があります。
サン
プルをまっすぐに切断しないと、毎回真の MD 方向
および CD 方向の測定はできません。真の MD 方向
および CD 方向の測定を行わないとばらつきを生じ
させるだけでなく、測定結果の品質を低下させてし
まいます。
プロファイルサンプルカッター を使用する
と、サンプルは 真の CD 方向に切り取られます。サン
プルを精確に供給すると、紙測定自動化システムで
は真の MD および CD 方向で毎回測定が確実に行
われます。
– 同じ位置の測定。
リール上の同じ位置で毎回測
定を行わないと、実際の品質の問題というよりむしろ
位置から生じるばらつきが発生します。それはかえ
って、実際の品質上の問題や問題源が無視される可
能性もあります。L&W Autoline 400 では、精確な給
紙メカニズムが使用されているので、毎回全く同じ位
置で測定することが可能です。特定のマシン間の位
置を長期間容易に比較できるので MD 方向の変動
要因を分析できます。
– データポイント数の増加。測定位置の数を増加
すると、測定値の平均が統計上より信頼できる数値
になります。全自動紙測定システムでは、測定できる
量が手作業による測定に比べて劇的に増加し、
あら
ゆる特性、
リールごとに毎回測定できます。顧客は通
常、
リール幅全体にわたって 20 ヵ所で測定していま
す。
財政上のメリット
L&W Autoline の所有者は実際、
どのように収益を
上げているのでしょうか。厳格な管理、測定工程の
最適化、および全体的なコストの低下により、ユーザ
ーは収益を上げています。
このシステムを使用すれば、
プロセスの操作条件
を最適化し、顧客の苦情を減少させ、市場占有率を
保持または拡大できます。高速で精確な測定を繰り
返し実施できるため、製紙会社はプロセスの短期的
な改善やプロセスの長期的な変更を織り込みなが
ら、変動要因を減少させた安定した高品質の操業が
できます。
こうした自動化により、仕事場および社員の役割に
対する態度が根本的に変化したり、発想の転換も生
まれます。高度な技術をもつ社員はこれ以上反復作
業や決まりきった業務をこなす必要はありません。こ
うした作業は今やマシンでさらにコスト効率よく行え
るので、技術者は測定やデータ収集ではなく、
プロセ
スや品質向上に一層集中して時間をかけることがで
きます。
当社では、測定の信頼性を向上することで、目標
の変更やコストの削減に大きな可能性が生まれると
考えています。他にも次のようなさまざまなメリットが
挙げられます。
生産能力の向上
– 乾燥条件が限られている場合のスピードの向上
– 重量の減少(面積 または強度あたり)
– 製品の品質低下の減少
– 銘柄変更に伴う損紙の減少
– 起動時間の減少
– 紙切れ減少
品質の向上
– 市場占有率の向上
– 顧客の苦情の減少
– 既存の市場占有率の維持
– MD 方向の変動要因の減少
– CD 方向の 変動要因の減少
コストの削減
– 1 トンあたりのスチームコストの削減
– 繊維使用量の減少
– 重量の増加(重量あたり)
– バージン繊維の代用となるリサイクル繊維
– 繊維の代用となる填料の増配
– 化学添加物のコストの減少
– リファイニングの減少
– 輸送コストの削減
– 労働力の最適化
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE 400 |
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開始から測定終了まで10分未満
L&W Autoline 400 は市場で最も高度な全自動紙測定システムで、サンプルの準備から最終リ
ールレポートまで、ほんの僅かなオペレーターの介入で、お客様が必要な全ての作業をこなす完
璧な紙質測定装置です。L&W Autoline のシステムは世界のどの紙測定自動化装置よりも多量
の紙を測定します。
L&W Autoline 400 はサンプルの準備から最後のリ
ールレポートの出力まで必要な作業をすべて完璧に
こなす測定システムです。
サンプルのカット
測定サンプルは常に同じ方法で精確に切断されるこ
とが重要なため、L&W Profile Sample Cutter (コー
ド 148) の使用を強くお勧めします。サンプルカッタ
ーはサンプルをリールから直接切断します。
また、1
人のオペレータで容易に操作できます。
また、サンプ
ル紙はまっすぐに切断され、MD 方向とは直角にな
ります。
さらに、サンプル紙はカッターに巻き上げられるの
で、
しわになりません。
サンプルは正しい幅、約 300
mm(約 12 in)
で切断されるので、L&W Autoline
400 の給紙システムに合致します。
サンプルの確認
L&W Autoline 400でサンプル紙を確認/登録する
方法は2つあります。
1. サンプルカッターでサンプルを切断し
ます
98 |
- オペレータによる登録 - オペレータが測定紙に
関する製作情報を L&W Autoline に登録します。
- 自動登録 - L&W Autoline 400 がプロセスコン
ピュータのデータに基づいて自動的にサンプル紙を
確認します。
オペレータは対象の測定を確認し、サン
プルを供給するだけです。バーコードで、サンプル紙
が直接コンピュータにより識別されます。
バーコード付或いはバーコード無しで自動登録を
行うためには、L&W Autoline の測定プログラムを工
場のコンピュータネットワークに接続する必要があり
ます。
測定の開始
サンプルを確認すると事前に設定した測定シーケン
スおよびレポートフォーマットを制御します。
オペレ
ータはサンプル紙を確認したら、そのサンプルをシス
テムに供給するだけです。
L&W Autoline 400 ソフトウェアは Windows を
ベースにしているので、測定シーケンスおよび他の
設定が容易に行えます。
2. サンプルにはバーコードを貼付可能で
す。
L&W AUTOLINE 400 • 自動紙質試験
3. 測定するサンプルを確認して [スタート]
ボタンを押します。
各種モジュール
オペレーターは事前に設定された各種測定シーケン
スを選択できます。測定シーケンスにより測定物性
の選択、各測定ポイント間の測定頻度および測定間
隔が制御されます。
また、出力対象のレポートや工場
のシステムにデータを転送するかどうかも制御され
ます。選択できる測定オプションは2つあります:
- ポジションテスティングーすべての測定は、全く
同じ位置で行われます。各測定の高い繰返し精度を
求める場合にはこのモードをお勧めします。
- スピードテスティングーモジュールに用紙が置
かれていれば、全ての測定を行います。
このモードで
は、結果に対するフィードバック時間が高速になりま
す。
多彩な測定モジュールを選択可能
L&W Autoline 400は、お客様が必要な測定に対応
できるようなモジュールを選択して組み込むことがで
きます。
モジュールには、動的吸水性と湿潤性をはじめ
Lorentzen & Wettre独自の地合測定モジュールな
どもあります。
モジュールの大部分は現行の工業規
格に準拠しています。最新モジュールとしては、L&W
Autoline STFI圧縮強度モジュール、L&W Autoline
触針タイプ平滑度モジュール、L&W Autoline表面地
合、L&W Autoline王研式平滑度モジュールなどがあ
げられます。
レポートフォーマット
レポートは下記の3種類を作成できます:
- リールレポート– 平均値、標準偏差又は変動係
数を示すサンプルの統計上の概要です。
このレポー
トには、目標値および制限値も含まれます。
- プロファイルレポート– 物性のCD/MDプロファ
イル。
このレポートでは、実際の測定ポイントをハイ
ライト表示して連続曲線で描くか、又はロールの位
置毎に平均値を算出したロールポジションプロファ
イルを示します。
- 全測定レポート – 測定した全てのデータポイン
トを1つのレポートで表示。
これが工場のコンピュー
ターシステムに送信される主要なレポートです。
事前に設定された目標値と許容範囲
全てのレポートで、目標値と許容範囲も出力されま
す。値が許容範囲外になると、異なる色でハイライト
表示されます。
完全なプロファイルレポートを10分未満 分で出力
測定結果は、測定方法、測定した特性の数およびサ
ンプルの長さにより 5 分 ~ 10 分の範囲で出力さ
れます。例えば、8 メートルのウェブ幅上(20 ヵ所)
で最適化した測定プログラムの出力には約 8 分か
かります。
測定が完了すると、その結果が画面に CD 方向の
プロファイルグラフまたは表形式で直接表示されま
す。測定した各リールの紙から得たデータは容易に
文書化できます。
その結果により紙質を確認し、
プロセスを最適化
します。迅速なフィードバックは操作中に発生した抄
紙機の問題をオペレータに知らせ、次のリールが仕
様外になることを防ぎます。
抄紙機のオペレーターは試験結果に基づいて製
造を最適化することができます。
4. システムにサンプルを入れると測定が自 5. 測定結果は10分未満で出力されます。
動的に開始されます。
6. 結果はプロファイルまたは表形式で画
面に表示されます。
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE 400 |
99
特色
• 迅速:僅か8分で20ヶ所のプロファイルを測定
• 工場のローカルエリアネットワークを介して容易に測定結
果にアクセス可能
• 様々なタイプの測定シーケンスを選択可能
• リアルタイムのデータを供給するリモート監視ステーショ
ン
実行中の測定値はすべて表示されま
す。L&W Autoline 400 は工場の情報シス
テムとリンクできるため、新しいサンプル
が Lab に提供される時、オペレータに通
知されます。
100 |
各特性が図示されるので、CD プロファイ
ルの結果を容易に判定できます。
L&W AUTOLINE 400 • 自動紙質試験
リールレポートでは、サンプルの統計上
の概要が得られます。色の付いた印は制
限値を超えたかどうかを示しています。
種類の豊富な測定モジュール
L&W Autoline 400 は求められるプロファイル測定に対して測定モジュールを自由に選択構成す
ることができます。
モジュールの大半は、現在の業界規格に準拠して測定します。
L&W Autoline Smoothness, Bekk
仕様
測定範囲
5–3000 ベック秒
測定圧力
–50.7 kPa (–380 mm
Hg)
規格
DIN 53107, ISO
5627:1995, TAPPI
T479
Code 513
平滑度モジュールは、ベック法に従ってサンプル紙の
両側の平滑度を測定します。測定結果はベック秒で記
録されます。
この測定メソッドは上質で超平滑な紙に
最もよく使用されますが、表面が粗い紙にも使用され
ます。.
L&W Autoline Smoothness, Oken
仕様
測定範囲
5–5000 Bekk 秒
測定圧
4,9 kPa
規格
Japan TAPPI No. 5-2
Code 512
L&W Autoline 平滑度、王研式は王研式測定方式に従
い紙の両側で平滑度を測定します。
これは上質紙の測
定によく使用される測定方式で、測定結果はBekk 秒で
レポートされます。
L&W Autoline Roughness, PPS
仕様
測定範囲
0.6–6 µm
クランプ圧
0.5, 1 or 2 MPa
規格
BS 6563, ISO 8791/4,
PAPTAC D.31.P, TAPPI
555
Code 541 U/D (上部/ダブル)
L&W Autoline 粗さモジュールは PPS 法に従って、紙
サンプルの上側または両側を測定します。
L&W Autoline Roughness, Sheffield
仕様
測定範囲
5–400 シェフィールド
の各単位(SU)
測定空気圧
9.85 kPa
規格
APPITA AS 1301.441,
PAPTAC D.29P, ISO
8791/3, TAPPI T538
Code 514 U/D (上部/ダブル)
L&W Autoline 粗さ
(シェフィールド)は、
シェフィールド
法に従って表面粗さを測定します。測定ヘッドを上部又
は両側からシートへあてがいます.
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE MODULES |
101
L&W Autoline Roughness, Bendtsen
Code 515 U/D (上部/ダブル)
両方の測定器を同じモジュールで組み合わせられま
す。粗さモジュール(ベントセン)はベントセン法に従っ
て、表面の粗さを測定します。測定ヘッドを最上部また
は最下部から紙シートへあてがいます。SCAN P84 に
従って、気圧を補正して測定します。
L&W Autoline Roughness, Bendtsen 4x
Code 549
L&W Autoline 粗さ
(ベントセン)は、ベントセン法に従
い、4個の測定ヘッドを上部から紙シートへあてがい、
表面粗さを測定します。
L&W Autoline Roughness, Stylus type
Code 548
L&W Autoline 平滑度モジュール – 触針タイプ(Emveco法)
、紙と板紙の表面のトポグラフィーを測定しま
す。印刷品質に影響を与える表面の特性の検知、評価
および分析を行います。
L&W Autoline Tensile
Code 510
L&W Autoline 引張強度モジュールは引張強度および
サンプル紙の MD 方向や CD方向の紙の伸びを測定し
ます。
102 |
L&W AUTOLINE MODULES • 自動紙質試験
仕様
測定範囲
50–4000 ml/
min (SCAN P84),
50–2800 ml/min, 補
正なし
測定圧力
98 または 490 kPa
規格
APPITA AS 1301.440,
DIN 53108, ISO
8791/2, SCAN P84
仕様
測定範囲
50–3000 ml/min
(SCAN P84)
測定圧力
98 kPa
規格
SCAN P84
仕様
スキャニングの
長さ
76 mm
針のサイズ
25 µm
基準ヘッドのサ
イズ
38.1 mm
垂直解像度
0.00025 mm
規格
TAPPI T575
仕様
引張強度
最大83 kN/m(ロード
セルと サンプルの引張
強度によります))
伸び率
1–15%
引張エネルギ
ー吸収率
計算されます
規格
SCAN P67に密接に関
連 、ISO 1924/3
L&W Autoline Compressive Strength STFI
仕様
坪量
約 100–400 g/m²²
規格
APPITA AS 1301.450 rp,BS
7325, DIN 54518, ISO
9895, SCAN P46, TAPPI
T826
Code 530
L&W Autoline 圧縮強度(STFI)
モジュールは
Lorentzen & Wettre とスウェーデン製紙研究所
(STFI)
で共同開発した SCT 法に従って、
ライナーや
中芯原紙の圧縮強度を測定します。
L&W Autoline Bursting Strength P and J
仕様
P タイプ
70–2000 kPa
J タイプ
170–5000 kPa
規格
P type: APPITA AS
1301.403, BS 3137,
PAPTAC D.8, ISO 2758,
SCAN P24, TAPPI T403
J type: APPITA AS
1301.438, BS 3137, ISO
2759, SCAN P25, TAPPI
T807
Code 520 U/L – J タイプ, (上部/下部 )
L&W Autoline 破裂強度モジュールはサンプルの下
側や上側から紙(P バージョン)
または板紙(J バージョ
ン)の破裂強度を測定します。
L&W Autoline Tearing Strength
仕様
引引裂強度(測
定範囲3バージ
ョン)
50–1700 mN
100–3400 mN
200–6800 mN
規格
エルメンドルフ引裂
強度の測定(APPITA
AS 1301.400S, BS
4468, PAPTAC D.9,
DIN 53128、ISO 1974,
NF Q03-011, SCAN
P11, TAPPI T414)
(約 Elmendorf値)
Code 522
L&W Autoline 引裂強度モジュールはMD 方向および
CD 方向のサンプル紙の引裂強度を測定します。得ら
れた値は Autoline ソフトウェアの公式で、エルメンドル
フ法に対応する値に換算できます。
L&W Autoline Bending Resistance
仕様
曲げの長さ
Code 519 U/L – P タイプ, (上部/下部 )
10 mm(542)、50 mm
(543)
坪量範囲
80–150 g/m² (542),
150–500 g/m² (543)
曲げの角度
5°
, 7.5°
, および 15°
サンプルの幅
38 mm
曲げの速度
5°
/s
規格
DIN 53 121, ISO 2493,
5628, SCAN P29, TAPPI
T556
Code 542 と 543
L&W Autoline 曲げ抵抗モジュールは紙、板紙サンプ
ルの MD CD 方向の曲げ抵抗を、上、下方両方向で測
定します。
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE MODULES |
103
L&W Autoline Grammage
Code 538
L&W Autoline 坪量モジュールはサンプル紙の坪量を
測定します。.
L&W Autoline TSO
Code 526
L&W Autoline TSO モジュールは TSO(引張こわさ配
向)および TSI(引張こわさ係数)特性を測定します。
この測定は超音波による測定で、紙の弾性や配向を評
価する非破壊的で簡単に使用できる測定法です。
L&W Autoline Gloss
仕様
坪量範囲
約 20–800 g/m²
規格
ISO 536, ASTM D646-96,
SCAN P6, TAPPI T410
仕様
TSI
0–25 kNm/g
TSO
0–90 度
規格
開発中
仕様
光沢
Code 524 U/D (上部/ダブル)
L&W Autoline 光沢モジュールはサンプル紙のMD
方向の光沢値を測定します。
この測定は、反射角度
75°
/20°
(TAPPI規格に基づく)又は75°
/45°
(DIN 規
格に基づく)のいずれかで行います。
L&W Autoline Brightness, Opacity and Colour
Code 539U (上部)
Code 539L (下部)
L&W Autoline 光学モジュール(ISO バージョン)は拡
散照明を用い観測角・0°
でサンプルの白色度、不透明
度および色調を測定します。
104 |
L&W AUTOLINE MODULES • 自動紙質試験
0–100 光沢単位
規格
TAPPI 75°
ISO 8254-1, TAPPI
T480
TAPPI 20°
ISO 8254-3, TAPPI
T653
DIN 75°
ISO 8254-2, DIN 54502
DIN 45°
DIN 54502
仕様
反射率
0–200%
規格
ISO 2469/2470-1/
2471/9416/5631/11475/
11476, SCAN G5/P72, DIN
53140/53145/53146/53147/
54500, TAPPI T519/
525/527/560, PAPTAC E1/
E2/E5P
L&W Autoline NIR (例えば灰分含有量の計算用)
仕様
測定モード
拡散反射
スペクトル分
解能
10 nm
スペクトル
範囲
1100–2300 nm
L&W Autoline Thickness
仕様
測定範囲
0–1250 µm
分解能
0–130µm で
0.1µm
130–1250µm で
1µm
上昇高さ
10 mm
測定面積
2 cm2
クリーニング機能
自動クリーニング
とプロファイル開
始前のゼロ設定
規格
APPITA/AS
1301.426,
1301.427, DIN
53105, ISO 534,
SCAN P7, TAPPI
T411
0.003 m–100 µm/Pa
s、2–40000 ガーレー、
0.3–8800 ベントセン
ml/min、0.2–1400 シ
ェフィールド単位
測定空気圧
20 kPa
規格
206-207ページを参照
してください。
規格
Code 516
L&W Autoline 透気度モジュールは最も一般的に使用
されている方式に従って紙の透気度を測定します。取
得した数値はベントセン・ガーレーやシェフィールド法
に従って、透気度の値を容易に換算することができま
す。
L&W Autoline Air Permeance, Low Range
仕様
測定範囲
Code 518
厚さ/キャリパーモジュールはサンプル紙の厚さ/キャリ
パーを測定します。
この測定は、Lab 測定器として実証
されたL&Wのマイクロメータをベースにしています。
こ
のモジュールでは、非常に高精度な自動測定が可能で
す。測定中に取得した値は指定規格に従ってメートル
単位またはインペリアル単位で表示されます。
L&W Autoline Air Permeance
仕様
測定範囲
Code 560
L&W Autoline 400 NIR モジュールは、分子振動 (伸
びと曲げ) によるNIR 放射の吸収と反射を測定しま
す。NIR測定器を使用するにあたってはサンプルのばら
つきなどの不確実性の低い条件で 標準試験法等で十
分な期間データ収集を行い、比較検討する必要があり
ます。測定対象となる物質には、NIR波長領域の少な
くとも一部で伸び、振動などの挙動を示す分子グルー
プ、即ちC-H、O-H、N-Hなどといった分子基を含んでい
る必要があります。
20 kPaの測定圧力及び
50 cm²の測定範囲で
100–0000 pm/Pa s
20 kPaの測定圧力及び
100 cm²の測定範囲で
8 – 800 pm/Pa s
N/A
Code 517
L&W Autoline 透気度モジュール(低レンジ)は、耐油
紙、導体絶縁紙、剥離紙など、透気度が低レベルな紙質
の透気度を測定します。
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE MODULES |
105
L&W Autoline Moisture
Code 523
L&W Autoline 水分モジュールは、最も汎用されている
二重共振周波数を利用したマイクロウェーブ法で、紙
の含水量を測定します。紙の含水量は L&W Autoline
坪量モジュール、
コード 538 で得た坪量の情報を利用
して計算されます。
L&W Autoline Dynamic Absorption and Wettability
Code 544
L&W Autoline 動的吸水性と湿潤性モジュールは接触
角(湿潤性)
、量(吸収性)
および水滴径(拡散性)時間
の関数としてすばやく光学的に評価します。用途として
はモットリング、
フェザリングおよび罫線の不具合など
印刷上の問題の評価が挙げられます。他の用途には、
コーティング、サイジング、ホットメルトや水性接着剤に
よる接着があり、表面活性剤、バイオセンサーおよび粉
末も対象になります。
L&W Autoline Formation
Code 545
L&W Autoline 地合モジュールはカメラを使用して画
像を解析します。
この解析ソフトウェアは高度なアルゴ
リズムを使用して複数のスケールで地合を数値化しま
す。得られた測定値は紙および板紙の重要な特性と密
接な関係をもっていることがわかっています。
L&W Autoline Surface Formation
Code 545S
L&W Autoline 表面地合モジュールはカメラを使用し
て画像解析を行います。解析ソフトウェアが高度なアル
ゴリズムを使用して複数のスケールで地合の質を数値
化します。得られた様々な地合レベルの測定値は紙お
よび板紙の重要な特性と非常に密接な関係をもってい
ることがわかっています。測定はサンプル表面で行われ
るため、坪量の影響を受けません。
この方法は、表面が
白色の段ボール原紙を測定し、下の茶色層の「透き通
し」
を定量化するために開発されました。
106 |
L&W AUTOLINE MODULES • 自動紙質試験
仕様
水分
2–15% H₂O、30–500 g/m²
規格
N/A
仕様
水滴経
0,5 – 20 µl
(通常は 4,0 µl )
水滴精度
5 % 又は + - 0,1
µl以内
接触角、測定範囲
10 – 150 度
タイミング精度
1 ミリ秒以内
画像数
初期接触秒の
間、50画像
規格
TAPPI T558
仕様
坪量範囲
15–400 g/m² (紙の光学的
特性による)
規格
N/A
仕様
坪量範囲
無制限 (但し、紙の光学的
特性にある程度依存。黒ま
たは非常に暗い色のサン
プルは測定できません)
規格
N/A
仕様
L&W Autoline 400 – Code 411
同梱品
L&W Autoline 400 は次に示すコンポーネントを
完備した総合システムとしてお届けしますので、
そのまま設置していただけます。
-L&W Autoline 400プロファイラー
- L&W Autoline 400 ソフトウェア
-コンピューター、
トラックボールおよびキーボ
ード
- レポートプリンター
- ホストコンピューターとの通信用インターフ
ェイス
- 他の L&W Autoline 400 ユニットとのネットワ
ーク機能
- Lorentzen & Wettre 社員によるインストール、
スタートアップおよび研修
測定
測定
- 平滑度、ベック、王研式
- 粗さ、ベントセン、シェフィールド、PPS
- 透気度、ベントセン、ガーレー、シェフィールド
- 厚さ
- 破裂強度、バージョン P と J(紙と板紙)
- 引裂強度
- 曲げこわさ
-水分
- 光沢
- 坪量
- TSO
- 光学測定
- 動的吸収性と湿潤性
- 地合
- 表面地合
- 引張強度
- 触針式平滑度
- 圧縮強度(SCT)
- NIR (例えば灰分含有量の計算用)
坪量範囲
15–800 g/m²、サンプル紙の厚さおよびこわさ
による
測定時間
使用するモジュールおよび測定するサンプルの
長さや測定回数に依存
設置要件
電力
総消費量:組み込まれたモジュールによります
測定器用空気
0.6–1 MPa
消費量
組み込まれたモジュールによります
オプション
バーコードリーダー
バーコードプリンター
サンプルローディングシステム
サンプルの読み込みシステム
L&W プロファイルサンプルカッター 、
コード
148
L&W サンプルトリマー、
コード 149
寸法
2.85 × 1.5 × 0.9 m
容積
6 m³
本体重量
500-900 kg
総重量
600-1000 kg
製品の総合仕様書「Autoline 400 Product Profile」などの情報は、
最寄の Lorentzen & Wettre 社または代理店で入手してください。
測定精度についての全般的な情報は、200 ページを参照してください。
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE 400 PROFILER |
107
Seven Hills Paperboard(米国、
リ
ンチバーグ)のL&W Autolineによ
るプロセス管理
2006年秋、
それより2,3年ほど前にL&W Autolineを導入したヨーロッパの他のラファージュ製
紙工場からの推薦により、
セブンヒルズ(Seven Hills)はL&W Autolineを導入しました。
セブン
ヒルズ(Seven Hills)によるこの決定は人事面で多大な倹約になりました。
導入後数ヶ月間自動紙質試験装置の利点を享受し
た後、2007年1月、工場では引張強度を維持しつつ
坪量を下げるSix Sigmaプロジェクトを開始しまし
た。
このプロジェクト実施中、チームはマシンの1か
所で引張試験に極端なバラツキが出ることに気付き
ました。
L&W Autolineによる紙質試験の優れた再現性に
より、工場の職員は特定の場所に影響する要因に的
を絞ることができました。
-Lynchburg工場の品質&環境担当マネージ
ャーであるBurnell Woodson氏は、
『Seven Hills の
L&W Autolineは非常に正確且つ丈夫で、
シフト間で
の試験のバラツキを減少させました。
この装置は使
い易く、Lorentzen & Wettreのテクニカルサポート
はL&W Autolineに関するどのような質問にも答えて
くれて非常に優秀です』
と、語っています。
正確な測定ポジション
かつて、
ウェブの4ポジションだけでマニュアル試験
を行っていた当時、正確に同一ポジションで測定を
行うことは困難でしたし、
また、
ウェブの4ポジション
だけでの試験では、いかなる変動を見ることも困難
でした。L&W Autolineはリールの幅方向サンプルを
フィーディングして8ポジションで試験をします;試
験ポジションはリールの幅方向と同一です。
-『測定の再現性が得られるようになったため、
試験はサンプルからサンプルまで同一の関連性の
あるポジションで行うという知識と同時に、我々が
予期していなかった利益をも得ることができました』
と、Lynchburg工場のGeneral ManagerであるEd
Melton氏は述べています。
この装置にはL&W Autoline TSOモジュールが含
まれています。TSO(引張こわさ配向:繊維配向の関
連値)
と引張試験値の関係により、工場の担当者はヘ
ッドボックス・インレット・ヘッダーの圧力不安定問題
を正確に指摘することができました。
108 |
自動紙質試験
多大な節約
Six Sigmaプロジェクト以前、測定仕様に合わせるた
めに、規定の坪量より高い状態でマシンを走行させ
る必要がありました。L&W Autolineは試験実行時
に非常に高速であるため、
リール毎に複数の試験片
を測定できます。測定時間は110インチの試験片
でおよそ4分です。Seven Hills のSix Sigma Black
BeltチームはL&W Autoline を使用することで、坪
量を減らすだけでなく、製造方法を変更し廃紙レベ
ルを引き下げることが可能になりました。
-Ed Melton氏は、
『我々は最初、IRRで20%以上
の労働コストを削減することによりL&W Autoline
の購入の意味付けをしました。
この数字は我々のプ
ロジェクトのあるものにとってはむしろ低すぎました
が、成功の可能性は高いものでした。測定の再現性
を備えたL&W Autolineを使い始め、TSO(我々はそ
れがはっきりと有効であると考えてはいなかった)な
どのデータを加えてから、マシンの設定を調整でき
るようになり、その結果、年間100万ドル以上を節約
できるようになりました』
と、述べています。
ショートファクト:
このプロジェクトにより、次のような様々な分野で多額の節約
が可能になりました:
坪量の引き下げ
クリームグレードの坪量を ~3.5% までに引き下げ
グレイバックグレードの坪量を ~2.3% までに引き下げ
•
•
繊維置換
• 完成紙料の製造方法の変更により、多くの古紙や新聞紙を
混合できるようになり、強度を損じることなくOCCの量を削
減できるようになりました
ブロークの削減
• (低引張り強度により)ブロークを月当たり65から0トンに
削減
薬品の節約
• 強度添加剤の使用を23.5%まで削減
ショートファクト:
• Seven Hills Paperboard, LLC はLafarge Corporation と
Rock-Tenn Company が2000年に設立したジョイントベン
チャーです。
• 工場が以前に所有していたRock-Tenn Lynchburg 第2号
マシンは、チップボードを製造する多シリンダマシンから
セッコウ上貼り用紙を製造するウルトラフォーマーマシン
に入れ替えました。
• ジョイントベンチャーの目的は、ニューヨーク州ブキャナ
ン、
フロリダ州パラツカ、ケンタッキー州シルバーグローブ
にあるLafarge壁板紙施設にセッコウ上貼り用紙を供給す
ることです。
• L&W Autoline導入の本来の目的は各シフト当たり1担当
者まで試験スタッフを削減し、マンパワーを効率活用する
ことでした。
自動紙質試験 |
109
L&W Autoline Sample Loading
System
当社のサンプルローダー、L&W Autoline サンプルローディングシステムを設置すれば、L&W
Autoline をさらに効率よく使用できます。
オペレータはサンプル紙をローダーのいずれかのカセ
ットに挿入するだけです-残りの作業は自動的に行われます。
ローダーには最大12個のカセット
を収納できます。
そのカセットには新しいサンプルやプロファイルストリップをいつでも挿入でき
ます。
L&W Autoline サンプルローディングシステムは品
質の定期チェックだけでなく、検査結果に迅速にアク
セスし、
プロセスの最適化を実現する完璧なシステ
ムです。
L&W Autoline サン
プルローディング
システムでは、
自動
的にサンプル紙を
L&W Autoline に
供給します。
特色
• 最大 12 枚のサンプル紙を処理します。– CD プロファイル
サンプル、MD ストリップ、A3
• 測定操作中にカセットを挿入できます
• シングルシートやプロファイルストリップを挿入できます
• バーコードプリンターおよびバーコードリーダーが備わっ
ています
• バーコードは各サンプルに使用する測定プログラムを指
定します
• L&W Autoline の効率を最適化します
• 測定シーケンスを完全に自動化します
• 容易に操作および保守を行えます
サンプルストリップおよびシングルシートの処理
L&W Autoline サンプルローディングシステムで
は、L&W Autoline に紙サンプルを自動的に供給し
ます。この機能により完全自動紙測定を実現してい
ます。
オペレータはサンプル紙をカセットに挿入する
だけです。
サンプルローダーには最大12個のカセッ
トを収納できます。
そのカセットには新しいシートお
よびプロファイルストリップをいつでも
(別のサンプ
ルの測定中でさえ)挿入できます。用紙の幅は 295
~ 307 mm 最短で 400 mm です。
バーコードベース
L&W Autoline サンプルローダーにはバーコードプ
リンターおよびバーコードリーダーが用意されてい
ます。
このプリンターはサンプルを識別するラベルを
出力します。バーコードリーダーは測定されるサンプ
ルを識別し、その情報を L&W Autoline に送信しま
す。バーコードは L&W Autoline へのサンプルを識
別するだけではありません。バーコードリーダーには
実行される測定プログラムを指定する情報(モジュー
ルの選択や測定の頻度)
も取り込まれます。
L&W AutolineサンプルローダーをL&W
Autoline曲げ抵抗モジュールと共に使用することは
お勧めしません。
サンプルをきつく丸めた場合、曲げ
抵抗の測定に影響が出ることがあります。
仕様
L&W Autoline Sample Loading System – Code 525
同梱品
L&W Autoline サンプルローディングシステム
バーコードプリンター
バーコードリーダー
12 個のカセットを完備
設置要件
110 |
測定器用空気
0.6–1.0 MPa
電力
80 W( L&W Autoline により供給)
寸法
1.1 × 0.7 × 2.3 m 容積
カセットがない場
合の重量
200 kg
L&W AUTOLINE SAMPLE LOADING SYSTEM • 自動紙質試験
3.6 m³
2 kg
カセットの重量
最大 12 カセット (1カセット)
L&W Autoline Sheet Feeding
System
枚葉紙を製造している工場ではシートを測定することが必要であり、
それには搬送されているも
のを統計的にチェックすることが必要です。
また、
もう一つ必要なことは欠陥の測定を行うことで
す。現在では、測定の統計値を保証するために、大量の枚葉紙の測定が必要です。
これは、L&W
Autoline に接続したシートフィーダーを使って簡単に行うことができます。L&W Autoline なら、
オペレーターの関与なしでも再現性のある測定結果を保証します。
L&W Autoline シートフィーディング装置は頑健で
実績のあるシートフィーダーで構成されています。
こ
れらの各部品が紙シートを上手く搬送できるか十分
に試験を重ねました。
シートフィーダーはプロファイ
ル本体の横に設置します。一度に1シートがL&W
Autolineに搬送され、その後、Autolineの中に設置さ
れている様々なモジュールで測定されます。
プロファ
イル本体には同時に数シートを収容できます。
試験シートは上から最高660mmの高さにまで積
むことができ、
これはコピー紙約6,600枚に相当しま
す。試験シート層は数種類の異なった紙で構成され
ることもあります。
シート層の中でバーコード付の紙
を見つけると
(シートフィーダーにはバーコードリー
ダーが組み込まれています)
、
これがシリーズで最初
の1枚(シート)
であることが表示されます。
この1枚の
紙から下のシートは、次のバーコードが検出されるま
で同一ユニットとみなされます。
オペレーターはその
シートのアイデンティティや測定プログラムを明示し
て新たなバーコードを作成することができます。
コー
ドは同梱されるバーコードプリンターで印刷します。
推奨するシートサイズはA3シート
(297mm x
420mm – 11.7 x 16.5 in)
です。破壊測定が多すぎ
て全測定ができない場合、追加シートを用意して測
定をする必要があります。
シート測定は、
プロファイル測定に変更できます。
この測定がしやすいように、
プロファイル用特殊ロー
ラーホルダをシートフィードテーブルの上に設置し
ます。
一度1シートがL&W Autolineに搬送され、その後、L&W
Autolineの中に設置されている様々なモジュールで測定されま
す。
プロファイルには同時に数シートを収容できます。.
仕様
L&W Autoline Sheet Feeding System – Code 570
同梱品
L&W Autoline シートフィーディング装置
バーコードプリンター
バーコードリーダー
必要要件
寸法
1.5 x 1.0 x 1.3 m(フードを
閉じた場合)2.1 x 1.0 x 1.3
m(フードを開けた場合)
重量
100 kg
体積
1,56 m³
シートフィーダーの坪量
範囲
40 – 250 g/m²
シートサイズ
最低: 420 mm (A3-フォーマット -- 297 x 420
mm – 11.7 x 16.5 in)
最大:297 x 940 mm (11.7 x 37 in))
最高積層高
660 mm (26 in)
設置要件
測定器空気
0.6-1.0 MPa
電源
350 W
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE SHEET FEEDING SYSTEM |
111
L&W Autoline Data Acquisition
Workstation
L&W Autoline データ収集ワークステーション
(DAW)は、既存又は新型の L&W 測定器および
他社の測定器をデータ収集ネットワークに接続します。
そのネットワークでは結果の記録、表示
および保存が行われます。
特色
• 測定器を最大10台まで各ステーションに接続できます(最
も効率良く使用するには設置数を5台以下にしておくこと
を推奨します)。
• Windows ベースのソフトウェアを使用するので、測定器は
すべて同時に作動できます。
• 本システムの納品時には、測定器に対応するPC、ソフトウェ
アおよび接続用具が同梱されています。
• システムはネットワークとL&W Autolineに接続できます。
L&W Autoline データ収集ワークステーションは、手動測定器を
PC に接続して、研究所の通常の測定を最適化するように設計さ
れています。.
測定結果はすべてレポートに表示できます。
112 |
L&W Autoline データ収集ワークステーションは、全
自動測定器(L&W Autoline)とラボ測定器による紙
測定の間のギャップを埋める最適なソリューションで
す。
お使いの測定器をWindows ネットワークに接続
することによりギャップを埋めています。ハードウェア
およびソフトウェアを使用することにより、
データ収
集や情報の分析をさらに迅速に効率よく行え、時間も
コストも節減できます。
各 L&W Autoline データ収集ワークステーション
の納品時には、各測定器に対応するソフトウェアプロ
グラム、
ドライバ(測定器のインターフェイス)
および
測定器を PC に接続するケーブルが同梱されていま
す。Windows 環境は適応性に富むので多くの測定
器を同時に操作できます。結果はホストコンピュー
タまたは社内ネットワークに即座に送信されるので、
すべての人達がただちに重要な情報を得ることがで
きます。
L&W Autoline データ収集ワークステーションの
導入により研究室の紙測定の効率および精度が向
上します。測定結果を手作業で記録する際の問題に
L&W AUTOLINE DATA ACQUISITION WORKSTATION • 自動紙質試験
測定器5台を各L&W Autoline データ収集ワークステーションに接続できます。
対処するためのソリューションにもなります。L&W
Autoline プロファイラーに容易に接続でき、その結
果にはお使いのローカルエリアネットワークを介して
ただちにアクセスできます。
L&W Autoline データ収集ワークステーションは、
手作業の紙測定用測定器を PC に接続して、研究所
の通常の測定を最適化するように設計されていま
す。提供される各 PC には測定器のインターフェイス
を10個まで収容できますが、実用上、各 PC に接続
する測定器の数は5台以下にしておくことを推奨しま
す。
オペレーターは各種のサンプルを扱う場合でも、
同時に数種類の測定器を操作でき、数種類の測定ウ
ィンドウが画面に表示されます。
測定し、算出した値は収集されて保存されます
L&W Autoline データ収集ワークステーションのソフ
トウェアは測定値またはキーボードで入力した値を
収集し保存します。
このソフトウェアには情報(グレー
ド、目標値、
グレード限度およびアラームリミット)
を
すべて指定し、保存するデータベースが備わってい
ます。
結果は3種類のレポートフォーマットにて表示さ
れます。
– サンプルの統計データを示す リールレポート
– 特定の位置で測定したすべてのデータを示す ポ
ジションレポート
– 測定したデータポイントがすべて示される値レポ
ート
測定完了後、測定データをデータベースに転送して
長期間保存したり、E-mailやFTPでXLSやHTMLファ
イル形式により他の装置に転送することもできます。
測定プログラムでは、
より分かり易くするために3D
グラフを表示することができます。L&W Autoline デ
ータ収集ワークステーションはほとんどの Lorentzen
& Wettre 測定器およびメトラーの秤に接続できま
す。
このワークステーションもネットワーク上で容易に
L&W Autolineに接続できます。すべての製品のデー
タを確実に文書化できるのでエンドユーザーに正し
い情報を供給することができます。自動プロファイラ
ーで得た測定結果を単独で使用できる測定器と組
み合わせる機能は、L&W Autoline 独自のものです。
他社の測定器も接続できます。詳細および測定器
の互換性については Lorentzen & Wettre にお問い
合わせください。
自動紙質試験 • L&W AUTOLINE DATA ACQUISITION WORKSTATION |
113
仕様
L&W Autoline Data Acquisition Workstation – Code 414 または 414A
同梱品
(コード414)
PC
プリンター
DAW対応の Autoline 400 ソフトウェア
測定器 1 台を接続するためのケーブル
Lorentzen & Wettre 測定器インターフェイス(ドライ
バ)1個
測定結果
リールおよび位置レポートには下記が含まれます:
- 平均値
- 最小値および最大値
- 標準偏差または変動係数
- 測定の回数
値定レポートには次のものが含まれます:
- 測定したすべての値
- 平均値
- 最小値および最大値
- 標準偏差または変動係数
- 測定の回数
設置要件
電力
コンピュータ装置:320 W
プリンター:200 W
オプション
バーコードリーダー
バーコードプリンター
L&W Autoline データ収集ワークステーションに接続できる測定器
次のリストは予告なしに変更される場合があります。
測定器
コード
項目
L&W Bursting Strength
Tester
002P/J
180/181
破裂強度
破裂エネルギー吸収率
L&W Tearing Tester
009
引裂強度
L&W 4-point Bending
Stiffness Tester
018
曲げこわさ
L&W Crush Tester
048
248
圧縮強度
L&W Micrometer
050/051
250
251
厚さ
L&W Compression Strength
Tester
052/053
圧縮強度
L&W Tensile Tester
062
066
引張強度, 破断時の伸び, 引
張エネルギー吸収率, 引張
こわさ
L&W Tensile Tester with
Fracture Toughness
064
タフネス, 引張強度, 破断時の
伸び, 引張エネルギー吸収率,
引張こわさ
Elrepho
071/070
色調, 白色度, 不透明度
L&W PPS Tester
115
165
265
粗さ、PPS
L&W ZD Tensile Tester
155
Z軸方向層間強度
L&W Bending Tester
160
曲げ抵抗
L&W Roughness Tester
162
262
粗さ, シェフィールド
L&W Bendtsen Tester
164
264
粗さ, ベントセン
L&W Air Permeance Tester
166
266
透気度
L&W Air Permeance Tester,
Low Range
168
透気度
L&W Air Permeance Tester,
high range
167
透気度
L&W PPS Flex Tester
175
粗さ, PPS
L&W Gloss Tester
224
光沢
L&W Compressive Strength
Tester
152
圧縮強度
L&W Stylus Roughness
Tester Emveco
263
粗さ
Mettler balance
坪量
次のことに留意してください。新規測定器または他社の測定器を
接続する場合には、新たに測定器のドライバーを作成する必要が
あります。
「請求があり次第」
ドライバーを作成します。
新しい測定器のドライバーを開発するためには、測定器について
の下記のような情報を得る必要があります。
BCD または RS 232 出力
データ転送フォーマット
114 |
L&W AUTOLINE DATA ACQUISITION WORKSTATION • 自動紙質試験
プロセスライン近くにラボを設置
コスト削減が必要な製紙業界にとって、
プロセスの
迅速な適正化は基本です。最終製品である紙の品
質測定では、
プロセスの調整前に、サンプルを切り取
り、研究所に運び、準備をし、手動で測定・分析しな
ければなりません。
こうした手順には時間もコストも
かかり、
また素早いフィードバック制御を妨げ正確な
プロセス調整を難しくします。
こうした状況を打開す
るため今日では、
プロセスラインの近くに自動ラボを
設置して、
リアルタイムで測定値をコントロールルー
ムに送ります。
こうした動向の最前線にあるのが紙パ
ルプ産業です。
自動ラボでは品質問題を素早く見つ
けるとともに、各種オンライン測定器の測定データを
確認して補正するためのデータを供給することもで
きます。
-「毎分ということはマネーセーブを意味します」
と、Billerud Gruvön PM2製造マネージャーであるク
リスチャン・パーッソン氏は述べています。彼が担当
する抄紙機は4メーター幅の紙シートを500m/分
の速度で紙を抄きますから、パーッソン氏のこの発
言はポイントを突いているわけです。
多量の紙を浪費
オンライン品質管理で品質問題を発見し損なった結
果、製紙業界ではかなりの額の損失を出しています。
長いことラボ試験の完成を待っている間に、多量の
紙が製造されてきました。
今日の自動ラボ測定では紙をリールアップした時
点から10~20分で完了します。紙片をリールから切
り取り、測定準備をし、多数の紙物性試験モジュール
を組み込んだ自動ラボ装置にかけます。
この測定結
果は直ちにコントロールルームにいるオペレーター
のスクリーンに表示されます。測定速度は劇的に改
良され、測定精度も一層完璧になっています。
こうし
た測定によるあらゆるデータがデータベース化され、
トレンド予測やプロセスモジュールを更に正確にし
ます。
このように、
自動ラボ測定は短期的・長期的い
ずれの視点からも、高品質化を目指す作業であるこ
とを意味します。
オペレーターによるサンプリング
スウェーデン西部(Varmland)にあるBillerud Gruvön工場では、全ての品質サンプリング作業は抄紙
機のオペレーターに移行されています。
オペレータ
ーは紙サンプルを用意し、
コントロールームの近くに
設置されている自動ラボ試験機まで持っていき、装
置に挿入して品質測定を行います。
-「オペレーターは新たな仕事をもつことで専門
Lorentzen & Wettre社製、L&W Autoline 400を使用しているBillerud
Gruvön のオペレーター、パトリック・スヴァルド(Patrik Svärd)氏は次
のように述べています。
「自動ラボシステムとして最も重要な点は、
如何に迅速にプロセス・コントロールのための情報を取得するかで
ある。」
写真:ニルス・リンドストランド(Nils Lindstrand)
的要素を増やす機会を得ることができます」
と、パー
ッソン(Mr. Persson)氏は語っています。
また、彼らは
どのように測定が行われているかという理解を深め
ますし、彼らが分析や結果の全てでサンプルを追求
できた結果、
より高い信頼性を得ます。
プロセス操作
とラボの関係は非常に密接になってきています。
ラボ測定結果と品質基準の間には食い違いが出
ることもあるかもしれませんが、
オペレーターは数分
以内に再測定をし、品質問題はプロセスで発生して
いるのか、サンプリング或いは測定に問題が生じた
のかを発見することができます。
「大量のサンプルを処理する能力により、
プロセ
ス内でより高い信頼をオペレーターに与えます」
と、
パーッソン氏(Mr. Persson)は述べています。彼ら
は、紙質が持続的に維持されていることを確信でき
ます。
オペレーターは、製造と品質管理の両方を担当
し、それにより仕事に対して一層理解を深めることが
できるのです。
ラルス・トルステンソン(Lars Torstensson)はSCA
オルトゥヴィケン工場(SCA Ortviken mill)の研究所
マネージャーです。彼は、
自動ラボ装置がオペレータ
ーに品質測定に対する新たな考え方を示しているこ
とを実証しています。
-今日では、彼らは測定データを頻繁に参考にし
ています。
「彼らはプロセス・パラメーターと品質結果
との関係をよりはっきり見ることができます」
とトルス
自動紙質試験 |
115
テンソン氏は語っています。我々も、今日、
プロセス・
コントロールのベースであるオンライン・モニター装
置が適切に作動していることを立証するために自動
ラボデータを使用しています。
プロセス・コントロールをより効果的にするソフトセ
ンサー
トルステンソン氏は自動ラボ使用のもう一つの利
点、即ち、測定は常に安定した方法で行われるという
利点を指摘しています。
これはマニュアルでのラボ測
定では不可能です。毎日一貫した測定結果を得るこ
とができることで、製造スタッフのラボ測定結果に対
する信頼が増します。
-「ラボアシスタントが2人いたとして、彼らがた
とえ技術的に優れていたとしても、同一サンプルか
ら必ずしも全く同じ結果を得るということはありませ
ん」
と、
トルステンッソン氏は言います。
「しかし、
自動
ラボ機なら、何度でも同じ結果を得ることができま
す。
このことは、その日は結局、弊社の製品品質レベ
ルが保たれ、次第に改善されていることを示します。
それはまた、我々の長期にわたる品質管理作業のた
めのしっかりしたベースにさえなるということでもあ
ります。
」
ラボ・アシスタントのワーキングシフト
段ボール製造工場コルスナス・フローヴィ
(Korsnas
Frovi)
では、
ラボ・アシスタントはシフトでサンプリン
グを行っています。
それでも、
この工場での測定結果
は常に同じです;自動ラボでは、非常に迅速に、多頻
度で、多数のサンプルのサンプリングと測定が長時
間にわたってできるということです。
-コルスナス・フローヴィ
(Korsnas Frovi)工場の
システム・エンジニアであるジャン・ショグレン(Jan
Sjögren)
は、
「自動ラボ機能は製造管理部門での極
めて重要な部門になってきています」
と言います。
自
動試験機から取得するデータはオペレーターが紙質
管理を構築する基本となります。
自動測定装置で測
定を行うと同時に、
オペレーターはコントロール室に
設置されているスクリーン上に表示される全てのデ
ータを取得します。
データは図表モードで表示され、
それには白色度、引張強度、その他多くの重要な品
質測定が含まれます。
ショグレン氏によれば、多くのラボ・スタッフがコ
ルスナス・フローヴィ
(Korsnas Frovi)
で作業をする
理由は、
この工場が多くの種類の板紙を製造してお
り、非常に多くの品質試験が要求され、その専門性
が問われるからです。
また、
コルスナス・フローヴィ
(Korsnas Frovi)工
場のオートメーション・スタッフもオンライン測定器
の補正に、
自動ラボ装置から取得した測定結果を使
用します。
また、多くのデータポイントとその測定結
果からプロセスモデルを築き、測定が難しい物性を
計算から予測します。
これを彼らはソフトセンサーと
呼んでいます。
116 |
自動紙質試験
-「我々はこうしたソフト・センサー測定値と最終製
品である紙品質との良好な組み合わせを得るように
してきました」
と、
ショグレン氏は語っています。
論議の的になるテクノロジー
自動ラボを導入すれば研究所に必要な人数はほん
の僅かですむという事実が、技術者を多く採用する
企業にとって問題になっており、組合の争点ともな
ってきています。
これは自動ラボシステムは時として
物議の種になるということを意味してきました。
しか
し、
自動ラボ導入の主要な利点はコスト削減ではな
く、
ラボ試験を製造に近接させるということです。
これ
は、品質管理と製造効率の両者を改善します。
-「多くの測定を定期的に行い、
しかも再現性が
高く機差の少ない測定はプロセス効率や紙品質の
両者を向上させるために、非常に有効に使用できる
ということです」
と、紙パルプ業界に長年に亘り測定
機器を提供してきた経験をもつLorentzen & Wettre
のプロダクト・マネージャー、
ラース・コンゲ(Lars
Känge)は言います。
こうした機器は次々に自動化さ
れてきています。
国際規格が基準
コンゲ氏(Mr. Kånge)は、Lorenzten & Wettre社の
自動ラボ装置で最も重要なことは、測定の多くが国
際規格に準拠していることであると力説しています。
国際規格に準拠しているということは、結果がラボ試
験と同様な信頼性を持ち、紙質だけでなくプロセス
改善にも有用である大きなメリットを持っています。
Lorenzten & Wettre社はスウェーデンの製紙工
場と共に密接に自動ラボ開発を行ってきました。今
日、
このスウェーデン企業は彼らのホームグラウンド
市場で
(また、全世界の他の市場においても)堅実な
地位を築いています。
ニルス・リンドストランド
(Nils Lindstrand)
、
テクノロ
ジー・リサーチ及び革新分野ジャーナリスト&ライタ
ー
Automation Magazine 2007年11月発行 (スウェーデン)