資産管理の知ッ得情報 法人で加入する医療保険のメリット 1. なぜ法人で医療保険に加入するのでしょうか? 医療保険の入院給付金や手術給付金などの受取金は、個人で受け取ると非課税になるため、 個人で医療保険に加入されている方は多くいらっしゃるでしょう。 しかし、法人で加入すると、受取金は収益となります。また、受取金をお見舞い金としてお渡しすると 自社の「慶弔金規定」に則って上限を決めるなどしていますから 活用しづらいところがあります。 「ではなぜ法人で医療保険に加入するのでしょうか?」 たとえば代表である先生が入院された場合、売上は激減 しますが、入院給付金等でしばらくは休業して職員を養う、代診 の医師をまかなうことができます。資金が潤沢でない法人の 場合は加入される必要性が大いにあるでしょう。法人で加入 する医療保険にはもっと大きなメリットがあるのです。 次でご紹介しましょう。 2.短期払の医療保険に法人加入するメリット ここ最近、法人でご加入頂ける短期払、終身タイプの医療保険が全額損金の 算入が可能になったため、個人で加入して、保険料控除を受ける従来のスタイ ルよりも実施負担額が大幅に削減できるようになりました。 この保険の特徴・手続きは、 ・ご勇退されるタイミングで法人から個人へ名義変更します。短期間に 保険料の払込が終了しているので、個人は保険料を払い込む必要はあり ません。 ・保険の評価は時価評価ですので、個人は名義変更時の解約返戻金をお支払い頂きます。 この保険は払込み期間中は解約返戻金は 0 円ですが、払込みが完了した時点で少額 (入院給付金日額の 10 倍)の解約返戻金が発生します。個人のご負担はほとんどなく、 一生涯の保障を得ることができます。法人の経理処理は、解約返戻金相当額を「雑収入」 として処理します。 ・保険料払込期間中に解約をした場合の経理処理は、解約返戻金・前払い保険料計上額が ともにないため、経理処理は不要です。 もし、在任中にご病気をされ、入院される場合は法人に日額給付金が支払われ、収益計上されます。 ほとんどの場合、退職をされてからの方が入院の可能性はより高くなり、個人に名義変更されてからも 一層、医療保険をご活用頂けると思います。 3.死亡保障付きの医療保険に加入するともっと大きなメリットが ほかに入院されたときに入院給付金や手術給付金がもらえる終身タイプの医療保険と亡くなられたとき に死亡保険金がもらえる保険があります。低解約返戻金の名前のとおり、解約返戻金がわずかでありな がら、死亡保障は生涯つくというものです。 たとえば次のような形で低解約返戻金型終身保険にご契約されたとしましょう。 契約者・受取人: 医療法人 被保険者: 保険期間: 払込期間: 保険金額: 解約返戻金: 理事長 40 歳男性 終身 60 歳まで 日額給付金 1 万円 / 死亡保険金 500 万円 60 歳時 0 円 61 歳以降 20 万円 先生が 60 歳で退職され、退職金の一部として医療保険の名義を変更します。名義変更をする際は、 その変更時の解約返戻金で買い取る決まりです。したがって 60 歳時の解約返戻金は 0 円ですので 0 円で法人から個人の契約に切り替わります。そして個人は 0 円で、一生涯の医療保障を得ることが できます。 法人にとってはいままでかけていた資産計上分が個人に名義書換えをすることで、譲渡損となり、ほぼ 全額が損金として認められます。もし 61 歳以降に個人に名義書換えをした場合は、個人は法人に 20 万 円の解約返戻金を支払うことで買い取ることができます。 法人は保険料を支払い、保険料を払いきったところで個人に名義を変えると、法人には全額損金として 認められ、個人の立場で見ると、タダで一生涯の医療保障と死亡保険金を受け取ることができるというメリ ットがあります。 短期払の医療保険のメリットをまとめますと ・全額損金であること ・払込期間中は解約返戻金が 0 円、 払込完了時点で入院給付金日額の 10 倍と比較的少額 であること ・お支払は法人で、名義書換え後は個人が一生涯医療 保障が受けられること ぜひこの機会に短期払の医療保険のご加入をご検討下さい。 ㈱関総研・相続事業承継研究会ホットライン 06-6947-1315
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