熊谷先生の「数学リスト」

熊谷先生の「数学リスト」に関するQ&A
---------------------------------------------------------------------------(Q1)
「青チャート」と「黄チャート」はどちらが難しいの?
----------------------------------------------------------------------------(回答)
「青チャート」の方が高いレベルです。
リストを丁寧に読んで頂けると、
「難関大学の志望者のみ」に、
「難関大学の志望者のみ」
青チャートを勧めた事が
お分かり頂けると思います。
(大抵の大学については、
「黄チャート」のみで充分という
立場を私は取っています。)
学校から「青チャート」が配布されたが、
うまく使えないというお悩みも、
例年とても多いものです。
それに対して、
まず「黄チャート」の完全習得を提案しています。
たとえば、
学校からもらった「青チャート」は、
(今使いこなせないなら)
そのまま棚に入れておき、
先に「黄チャート」を練習する事で
グングン伸びる生徒さんも多いのです。
なお、“急がば回れ”
急がば回れ”はもう1点あります。
「数学 I+A」で苦労している場合、
「数学 II+B」にはまだ入れません。
数学は積み上げ式の科目なので、
ひとつ前のステップが分からないと、
次が理解できないのも特徴です。
ぜひ順番に、得意にしていきましょう。
(土台を無視して積み上げると、
軽い振動で崩れることがあるのは、
建物と同じといえます。
せっかく覚えた知識が
混乱して無になったら悲しいので、
ひとつひとつ、無理なく固めましょう。)
基礎からしっかり積み上げたものは、
簡単には崩れないので、
それが本物の「実力」となりますよ!
---------------------------------------------------------(Q2)
チャート式は昔からある参考書ですよね。
受験制度は新しくなっているのに、
昔と同じ「定番」のみで、拍子抜けです。
---------------------------------------------------------(回答)
私は以前、仙台市内の予備校で
高3生を多く担当してきましたが、
同僚の数学講師たち(全員、東北大学卒)は、
軒並み「黄チャート」を
自らの受験時に使用していました。
のみならず、予備校での授業においても、
「隅々まで習得すれば、
東北大はこれで入れる」
と明確に語り、
その方針に基づいて
授業をプランしていました。
実際、生徒さんの成績も上昇し、
私自身も授業で使用しています。
実例として、お2人の生徒さんを
ご紹介します。
いずれも「黄チャート」と
真剣に格闘した結果です。
静岡大学に合格、Nさん:
http://www.goukaku-tsubo.com/houkoku/shizuoka.html
模試で実力アップを証明、向井さん:
http://www.goukaku-tsubo.com/moshi/mukai.html
たしかに、受験制度は年々変化しています。
しかし、逆にこう問うてみましょう。
受験制度は変わったが、
教科書の内容は変わっただろうか? と。
じつは、20年前も、現在も、
教科書の学習項目は
ほとんど変わっていません。
考えてみれば当然のことで、
(最先端の数学は発達していきますが)
「高校生が学ぶべき、基礎数学」は
「高校生が学ぶべき、基礎数学」
変わらないのです。
そもそも、私たちが高校で学習する
sin (サイン)や cos (コサイン)
という三角比じたい、
はるかギリシア時代には
もう発見されていた定理を含んでいます。
思い切って言いましょう。
数学の本質は、過去数千年、
数学の本質
変わってなどいません。
だからこそ、いつの時代にも、
学校では数学を授業し、
入試には数学があるのです。
そして、「定番」の学習方法があり、
「定番」の問題集があるのです。
もちろん、
・大学で数学を専門にしたい
大学で数学を専門にしたい
・高校数学を究めたい
高校数学を究めたい
という方に対して、
「黄チャート」だけで充分と
言うつもりはありません。
専門家を志す方は、
もっともっと研鑽を積んで、はるかな高みを
目指すべきだと思います。
三角関数ならこの問題集、
数列ならこの問題集…
というように、
分野ごとにすぐれた参考書を探すことも、
数学を究めたい方には
とても意味のあることです。
いっぽうで、
私がリストでお伝えしたかった事は、
・合格に、“最低限”
最低限”必要な問題集は何か
必要な問題集
・合格に直結する問題集
合格に直結する問題集は何か
合格に直結する問題集
という事でした。
要するに、
『それに載っている問題が、
もっとも入試に出ますよ』
と言える問題集は何ですか?
という問いにお答えしたかったのです。
そして、これらの疑問については、
リストでお答えできたと思っています。
なお、制限時間内に入試問題を
解けるようになるには、
「サーキット・トレーニング」が必須です。
それを面倒だ…とおっしゃる方には、
少し厳しいようですが、
「大学に行くこと自体が面倒ですよ?」
「卒論を書いて、
卒業するのはもっと大変ですよ?」
「就職活動は、さらに面倒なのですが?」
ということも、言わなくてはいけない
かもしれません。
とはいえ、
Yuki 先生のメルマガ読者の皆さんは、
そのあたりの甘えはもう
クリアできていると思いますので、
今回のリスト公開が、
皆さんの合格への後押しとなる事を
心から望んでいます。
受験生の皆さん、夢に向かって
まっすぐに頑張ってください!
(※ 次ページへ続きます。)
----------------------------------------------------(Q3)
「黄チャート」と「青チャート」は
違うということでしたが、
ぜんぜん違うのでしょうか。
「黄チャート」を先にすべきという
ご意見、理解はできるのですが、
もし両方やろうと思ったら、
時間は2倍かかると思います。
それは正直、非現実的では?
すでに息子は高3生で、
今から「両方」は間に合わないと
言っています。
リストを拝見して、ため息が出ました。
今年の受験は、もう間に合いませんか。
----------------------------------------------------------(回答)
今から、下記の
下記の (A) 、(B) に
該当する方のために、
お答えしようと思います。
- 「黄チャート」と「青チャート」を
両方マスターしたいと考える方… (A)
- 学校配布が「青チャート」で、宿題なので、
難しくて困るが無視もできない方… (B)
このどちらかに該当する方が、
・2冊やったら、時間と労力も「2倍」では?
と、不安になるのもよく分かります。
(この種のお問い合わせも、
毎年とても多いものなのです。
)
毎年とても多いもの
実は、この種のご心配に対しては、
事情をご説明すると、「安心した」と
おっしゃる方が増えるので、
メルマガ上でお答えする事にしました。
結論から言えば、
■2種類使っても、
労力が「2倍」にはならない
■「青チャートのみ」よりも、楽になる
というのが私の視点です。
『何を言ってるんですか?
2種類ならページ数が2倍ですよ。
時間も2倍かかるでしょう?』
と腑に落ちない方もいると思うので、
もう少し説明させて下さい。
まず、「黄チャート」と「青チャート」には、
共通の問題もあります。
ですから、
「黄チャート」に戻っても、
「青チャート」の全否定にはなりません。
「黄チャート」を習得した後で、
「青チャート」に入る際、
この問題は「黄チャート」で
一度やった…と気づいたなら、
そこは「青チャート」では飛ばせます。
こう考えると、少し楽にならないでしょうか?
2種類あるからといって、
「解くべき問題の量が2倍」には
ならないのです。
“急がば回れ”と、諺にもある通り、
「黄チャート」に戻った方が
うまくいく事もある、
(=あとで「青チャート」がもっと分かる)
と申し上げたかったのです。
数学の基礎力に自信がない方には、
「青チャート」の説明は難しい事が
よくあります。
それに対して、
「黄チャート」の解説は、基本的に
教科書の記述に沿っています。
(※ 数学上級者から見れば、
それが物足りないと言われる
要因であることは事実ですが。)
つまり、高1生や数学初級者に、
“いかに分かりやすく伝えるか”
いかに分かりやすく伝えるか”
という意識で執筆されているのが
「黄チャート」です。
丁寧な解説が、自習に最適なのです。
(※ なお、Yuki 先生もおっしゃいましたが、
「黄チャート」の解説でも難しく感じ、
「教科書」もよく分からない…
という場合は、
入試までの日数を考慮した後、
家庭教師や個別指導塾などを
検討する必要はあります。)
そして、
ぜひ書店で「黄チャート」を一度、
開いてみてほしいのですが、
「黄チャート」には基本題しかない、
というのは誤解です。
最難関大学の過去問と比較すれば、
もちろん見劣りはしますが、
■大抵の大学の入試過去問と、
「黄チャート」収録問題は大いに重なる
このことを、論より証拠――
できれば皆さまご自身で、
ご確認いただきたいのです。
(書店の棚には、多くの大学の
過去問も用意されています。)
その上でなお、
「黄チャート」はやはり不要…
とおっしゃる方は、
今すでに上級者である可能性が高いので、
今すでに上級者である
「青チャート」や、もっと上の問題集で
トップレベルを狙うという、
これまでの方針でもちろん大丈夫です。
『一般的な国公立大を目指したいです』
という、アンケートで最も多かった
皆さんにお届けした情報が、
問題集を分野ごとに1冊用意し、
何冊でもこなしていきたいと望む、
東大志望者に物足りなかった点は
どうかご容赦ください。
皆さんの志望校と、それに基づく
「数学リスト」へのご意見を、
たくさん送って下さり、心から感謝しています。