モバイルネットワークにおける ビッグデータ活用検討 2015年7月15日 情報通信ネットワーク産業協会 IPネットワークシステム委員会 目次 1. はじめに 2. ビッグデータとは 3. ビッグデータの主要国の取組み 4. モバイルビッグデータの活用事例 5. モバイルビッグデータ活用の課題 〈参考〉 ビッグデータの解析ツール 《関係者外秘》 1 《2015.7.15版 IPネットワークシステム委員会資料》 1. はじめに 目的 ICTの進展に伴い、多様・多量なデータ(ビッグデータ)を分析する ことで、未来の予測や異変の察知等が可能となり、革新的なサー ビス、業務の効率化や新ビジネスの創出等が期待される。 そこで、モバイルネットワークにおけるビッグデータ活用について 調査・分析して、ネットワークビジネスへの影響等を検討する。 IPネットワークシステム委員会の活動方針 ① ICT分野における市場動向や技術動向等を把握し、その動向に対する ネットワークの役割やビジネス推進のための課題等を検討して、ネットワ ーク関連市場の振興に寄与する。 ② ネットワーク機器の省電力化に関する技術動向や標準化動向等を把握 して、評価基準が存在しない機器については、新たな省エネ評価指標 等を検討して、ネットワーク機器の省電力化の促進に寄与する。 《関係者外秘》 2 《2015.7.15版 IPネットワークシステム委員会資料》 2. ビッグデータとは(1/3) ビッグデータの特徴 ビッグデータは新しい概念であり、明確な定義はないが、要素として 以下の3Vがあげられる。ペタバイトやエクサバイト級の巨大なデータ 量(Volume)だけではなく、従来と比較にならない、その発生頻度 (Velocity)とデータの多様性(Variety)が揃っていることが特徴 データの発生元は、フェイスブックやツィッター等のSNS上で大量に 発信される情報やスマートフォンのGPS情報等が挙げられる。 今後、家電製品を含めたあらゆる製品がIPアドレスを持つように なれば、各製品のセンサー情報、監視カメラ等の情報も含め、爆発 的なデータが発生する。 膨大なデータを取り扱うための分散処理システム等の技術進歩と 普及、そして、分析技術がビッグデータを資産としてビジネス利用 するために重要となる。 《関係者外秘》 3 《2015.7.15版 IPネットワークシステム委員会資料》 ビッグデータとは(2/3) ビッグデータの種別 データは出所が多様なため、様々な種類があるが、POSデータや 企業内で管理する顧客データといった「構造化データ」と、SNS上 で発信される情報やセンサー情報といった多種・多様な「構造化 されていないデータ」に分類される。 構造化データ ・ 定形型のデータ群で、取扱いが容易。顧客データ、売上データ、 電子取引データ、業務データ、企業データベース等 非構造化データ ・ 一般的なリレーショナルデータベース(RDB)では格納できない 不定形のデータ形式を持つデータ群。音声、ブログ、SNS、 GPS、 映像/動画、電子書籍、センサー等 ・ 現在のビッグデータの7割が非構造化データで、今後この比率は さらに高まると予想される 《関係者外秘》 4 《2015.7.15版 IPネットワークシステム委員会資料》 ビッグデータとは(3/3) ビッグデータを構成する各種データ(例) 出典:情報通信審議会ICT基本戦略ボード「ビッグデータの活用に関するアドホックグループ」資料 《関係者外秘》 5 《2015.7.15版 IPネットワークシステム委員会資料》 5. モバイルビッグデータ活用の課題 モバイルビッグデータの技術的課題 情報の収集(顧客情報の逐次更新等)、情報の伝送(膨大な情報の リアルタイム伝送等)、情報の分析(適切な処理)が求められる。 モバイルビッグデータの制度的課題 モバイルビッグデータは個人情報に係る情報が主体であるため、 個人の不利益に繋がる利用や悪意(犯罪)に繋がる利用をいかに 規制するかが課題である。 モバイルビッグデータ活用ビジネスの影響 モバイルビッグデータを活用した事例を見ても、携帯電話ビジネスに 次ぐ、大きな柱(収入源)となるのではなく、付加価値提供の位置付 けであり、ネットワークビジネスへの影響は限定的と思われる。 《関係者外秘》 6 《2015.7.15版 IPネットワークシステム委員会資料》
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