マイナンバー制度

Tax Consulting Firm EOS
Firm News Vol.24 Oct’15
~社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)について~
「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)」により社会
保障・税番号制度(マイナンバー制度)が導入されます。国税分野では、確定申告書等の税務関係書類
における名寄せや突合がより効率的に行えることにより、所得把握の正確性が向上することが期待され
ています。個人番号(マイナンバー)に関する解説等は多く見られますが、同時に導入される法人番号
に関する情報は少ないため、今回は法人取引を主体とした納税者に必要な箇所を分かりやすくピックア
ップ致しました。法人番号及び法人が行う税務申告での番号の記載を中心にマイナンバー制度を紹介致
します。
法人番号は、設立登記法人などの法人等に対し、1 法人 1 番号を国税庁長官が指定します。具体的に
は、以下が法人番号の指定対象となります。
(1) 会社法その他の法令の規定により設立の登記をした法人
(2) 国の機関
(3) 地方公共団体
(4) 設立登記法人以外の法人(設立登記のない法人)又は人格のない社団等であって、法人税・消費
税の申告納税義務又は給与等に係る所得税の源泉徴収義務を有することとなる団体
※(4)について、具体的には以下の届出書を提出することとされている団体が該当します。
給与等の支払をする事務所の開設等の届出書
内国普通法人等の設立の届出書
外国普通法人となった旨の届出書
収益事業開始の届出書
消費税課税事業者届出書
なお、法人番号を指定されない法人又は人格のない社団等であっても、個別法令で設立された国内
に本店を有する法人や国税に関する法律に基づき税務署長等に申告書・届出書等の書類を提出する団
体など一定の要件に該当するものは国税庁長官に届け出ることによって法人番号の指定を受けるこ
とができますが、ここでいう「人格のない社団等」には民法上の組合、匿名組合、投資事業有限責任
組合、有限責任事業組合は該当しません。
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番号の記載は、税務関係書類の種類ごとに番号記載時期が定められています。
記載対象
一般的な記載開始対象
3 月末決算法人の場合:
法人税
平成 28 年1月1日以降に開始
する事業年度に係る申告書から ・平成 28 年 4 月 1 日~平成 29 年 3 月 31 日に係
る確定申告書及び同事業年度に係る中間申告書
3 月末決算法人の場合:
消費税
平成 28 年1月1日以降に開始
する課税期間に係る申告書から ・平成 28 年 4 月 1 日~平成 29 年 3 月 31 日に係
る確定申告書及び同事業年度に係る中間申告書
(例)
平成 28 年分給与所得の源泉徴収票
平成 28 年分報酬、料金、契約金及び賞金の支払調
書
法定調書
平成 28 年1月1日以降の金銭
等の支払等に係る法定調書から
※「配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書」
や「特定口座年間取引報告書」等の税法に告知義務
が規定されている一部の調書のうち、所得税法施行
令第 336 条第 2 項に規定するいわゆる「みなし告知」
の適用がある場合など、金融商品取引業者等におい
て継続的な取引が行われているものについては、個
人番号・法人番号の告知について3年間の猶予規定
が設けられています。
申請書
平成 28 年1月1日以降に提出
届出書
すべき申請書等から
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各税法に規定する、提出すべき期限
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法人番号は法人番号公表サイトを通じて公表することが予定されています。公表される情報は法人番
号の指定を受けた団体の①商号又は名称、②本店又は主たる事務所の所在地及び③法人番号の 3 項目で
す。また、法人番号の指定を受けた後に商号や所在地等に変更があった場合には、公表情報を更新する
ほか、変更履歴も併せて公表することとされています。
国税庁HPによると、法人番号公表サイトではこの3項目による検索の他、ダウンロードしたデータか
ら法人番号指定年月日で絞込みを行うことが可能とされています。但し、番号法施行日時点で既に存在
している設立登記法人の法人番号指定年月日は番号法施行後のいずれかの年月日に統一されるため、法
人番号指定年月日による絞込み機能が活用できる範囲は今後設立される法人等に限定されます。
番号法整備法や税法の政省令の改正により、国税当局に提出される申告書や法定調書等の税務関
係書類に個人番号・法人番号を記載することが義務付けられています。従って、申告書や法定調書
等を税務署等に提出される際には、その提出される方や、扶養親族など一定の方に係る「個人番号・
法人番号」の記載が必要となります。
国税庁 HP によると、申告書等に個人番号・法人番号を記載していない場合については、税務署
が書類を受理しないということはないようです。また、申告書や法定調書等の税務関係書類を税務
署等に提出する際に、個人番号・法人番号を記載しなかった場合や誤りがあった場合の罰則規定は、
税法上設けられておりません。
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