農福連携プロジェクト始動! - 公益社団法人やどかりの里

2015 年6月 15 日
機関紙やどかり
6月号
vol.45 -3(通算 504 号) 2015 年
第三種郵便物許可
2015 年6月 15 日発行
(毎月1回 15 日発行)
1987 年 12 月 19 日第三種郵便物認可
発行人 公益社団法人やどかりの里
代表者 土橋 敏孝
〒 337 - 0043
さいたま市見沼区中川 562
TEL 048 - 686 - 0494
FAX 048 - 686 - 9812
定 価 50 円(含会費)
農福連携プロジェクト始動!
やどかり情報館では,4月から新しく「農
と福祉の連携を推進するプロジェクト」(就
労継続支援 B 型事業)が立ち上がりました.
無農薬,無化学肥料の自然栽培にこだわり,
障害のある人たちの働きがいのある仕事づく
りを進めていきます.
チャレンジ・ザ・農業!
1.自然栽培に挑戦します
耕作放棄地を開墾し,土づくりから,野菜
を育て,出荷し,種取りまでを行います.
2.農産物の加工・販売
乾燥野菜の製造・販売など,農産物の加工・
販売を行います.
耕作放棄地の開墾
公園緑地の除草
3.緑地管理
公園緑地の草刈や除草作業など,植栽管理
を行います.
4.農福連携や自然栽培に関する情報発信
地域の人たちと,食の安全安心をテーマに
した学び合いの場,無肥料・自然栽培の野菜
やこだわりの食材を使ったワークショップの
開催などを行います.
5.地域のイベントに積極的に参加します
野菜や加工食品の販売の他,ポップコーン
の実演販売でイベント会場を賑やかに演出し
ます.
農福連携に関心がある方は,気軽に声をお
かけください!
ポップコーン実演販売
(1)
加工食品のワークショップ
野菜の自然栽培
ランチミーティング
2015 年6月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
市民集会
「くらしの最低保証の引き下げに NO !~私の居場所を奪わないで~」報告
社会全体の地盤沈下にストップを
~生活保護基準は「社会保障の岩盤」・引き下げはみんなの問題~
2015 年4月 29 日,
「生活保護基準引き下げ
反対埼玉連絡会」主催による,
「くらしの最低
保証の引き下げに NO !~私の居場所を奪わ
ないで~」市民集会が,さいたま共済会館で
開催された.生活保護基準引き下げの3回目
となるこの4月の審査請求の動きが各地で始
まり,住宅扶助引き下げも目前に控えている
今,263 人の参加者が会場を埋め尽くした.や
どかりの里でも多くのメンバーが生活保護を
受給しており,生活保護引き下げ違憲訴訟に
6人のメンバーが立ち上がっている(機関紙
503 号1面参照).集会には,やどかりの里か
らも多くのメンバー,職員が参加した.
社会全体の地盤沈下をストップ
埼玉弁護士会会長の石河秀夫による冒頭挨
拶では,軍事化をはじめ憲法を蔑ろにする現
政権の姿勢を,
「一種のクーデター」と批判
し,憲法に保障されるはずの国民の権利と生
活が根底から崩されると危機感を露わにした.
基調講演では,NPO 法人自立生活サポート
センターもやい理事の稲葉剛氏より,「貧困は
自己責任?~貧困の現場から社会を変える~」
と題して講演があった.生活扶助,住宅扶助,
冬季加算の引き下げや削減を「引き下げのト
リプルパンチ」と称し,問題点が指摘された.
さらに,生活扶助基準引き下げの影響として,
生活保護受給者の生活悪化にとどまらず,受
給対象者であるはずの人が保護から排除され
ることをあげた.低年金の高齢者で医療や介
護を受けられなくなる人や,学習支援を受け
ら れ な い 子 供 が 増 え, 貧 困 の 連 鎖 に も つ な
がっていくという.さらに,
「社会保障の岩
盤」と言われる生活保護基準が下がることは,
社会全体の地盤沈下であるとし,憲法 25 条を
謳っている以上,国には貧困問題を解決する
責任があること,
「貧困」の基準値を下げるこ
とはその責任を放棄しているに等しいと危機
感をもって批判した.
生活保護基準引き下げはみんなの問題
続いて生活保護受給者3人の方が発言した.
母親であるひとりの女性は,
「大きくなったら
何になりたい?」とわが子に聞けない悲痛な
思いを語り,減額によって人との交流を削り,
孤立していくことでしか生活を維持していけ
ないのではと不安を訴えた.3人の方それぞ
れが,自身のためだけなく子供の未来のため,
自分より苦しい暮らしを強いられている人た
ちのためにも声を上げていきたいと語った.
さらに,労働組合,不動産業,元行政職や
新聞記者などさまざまな立場の方が登壇して
発言した.自分ごととしてこの問題を受け止
め怒りをもって発言する姿に,共感の輪が広
がっていることを実感し,会場に集う多くの
人たちが勇気をもらえたのではないだろうか.
基準引き下げに対する審査請求は,既に全
国で1万件以上に上っている.稲葉氏は講演
の中で,
「生活保護利用当事者が声を上げるこ
とが他者の権利を守り,社会の底上げと人権
保障の水準を上げていく」と訴えた.
「暮らし
の最低ライン」の基準が下がることは,国民
1人 1 人の生存権が脅かされることだ.加速
する社会保障の後退に異議を唱え,
「生存権」
を懸けたこの運動はまだ始まったばかりだ.
今声をあげていかなければ,私たちのいのち
と暮らしは本当に守られなくなっていく.背
景にある問題意識を分かち合い,ともに行動
する仲間を増やしていきたい.
(中村 由佳)
(2)
2015 年6月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
報告
仲間づくりの方法と実践を学ぶワークショップ
~自分の気づきをみんなの気づきにして~
変化するメンバー,多様なグループ
やどかりの里は仲間づくりを大切にしてい
る.グループ活動を大切にし,日々の暮らし
の中でも仲間同士の支え合う姿がごく自然に
ある.また,生活の場,働く場,憩いの場,
いずれにおいてもメンバーと職員がともに創
り合う活動を大切にしてきた.一方で,2006
(平成 18)年に施行された障害者自立支援法へ
の対応や,多様なニーズを抱えるメンバーの
個別的な支援に追われ,グループ活動にじっ
くり取り組む機会が得られない職員も増えて
いった.
そうした中,
「メンバーの回復や成長のため
には仲間同士の支え合いの力は欠かせない」
「メンバーと職員はともに支え合う,共育ち
の関係にある」改めて「グループワークがで
きる職員を育てたい」と,2012(平成 24)年
から「仲間づくりの方法と実践を学ぶワーク
ショップ」を開催してきた.柳義子さん(や
どかりの里理事・やどかりの里の創設時の職
員の1人)を講師に,毎年5,6人の職員が,
グループ活動の基礎,グループのダイナミク
スを生かした仲間づくりの方法と実践を学ん
でいる.
昨年度のグループ活動は,仲間との生活体
験の中で仲間の存在を感じていくグループ,
不安な思いを仲間同士で解決しこれからの生
活 を 描 け る よ う な グ ル ー プ, 事 業 所 の 運 営
ミーティングを通し自分の働く場の運営を担
う意識を持っていくグループ,憩いの場の行
事の企画などを通して仲間づくりを意識する
グループなど多様であった.これらは,やど
かりの里にかかわるメンバーのニーズが多様
化していることを表しており,私たち職員は
それに対応できる力量が問われている.また,
専門的な技術や知識だけでなく,自身の主体
性の確立,組織運営の意識なども求められる.
個人と集団の両方に働きかける意味
2014(平成 26)年度,
年 12 回のワークショッ
プに加え,講師の柳さんは,参加者のグルー
プ活動に参加し,個別スーパービジョンを実
施した.
本来ワークショップは,みんなが集まって共
通のテーマで意見を出し合うグループ学習で
ある.グループ学習と合わせて,個別スーパー
ビジョンを実施したことは,2012(平成 24)
年度から開始したワークショップの特徴でも
ある.講師がそれぞれのグループ活動に参加し
たことで,現場の状況や雰囲気を把握した上で
のスーパービジョンを実施することができた.
参加者は,ワークショップと個別スーパー
ビジョンの中で,グループ活動の技術的な手
法だけに着目するのではなく,グループメン
バーへの個別的な配慮,1人1人を見ていく
視点が必要だと気づいていった.グループと
個人の関係性を意識するという視点が広がっ
ていったのだ.また,参加者自身が自らの内
面を見直し,自己点検の作業をする必要があ
ると感じた人もいた.個人の気づきを話し合
いで深めていく.それぞれに気づきのあった
時間だった.
職員には,自らの人間観を醸成しつつ,グ
ループ活動に参加する精神障害のある人たち
の心理を洞察し,理解する力も求められる.
それは,日々の活動の中で,多様化するニー
ズに気づき,対応していく力を育てていくこ
とでもある.
今年度も,多様化しているニーズに対応で
きるよう,新たなグループを立ち上げようと
準備を進めている.やどかりの里らしく,仲
間との出会いから自らの生き方を見出す機会
となるグループ活動を担える職員の力量形成
はこれからも大切にしていきたい.
(木村 千夏)
(3)
2015 年6月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
第6回メンバー交流会 バーベキュー大会
つながり広げる,楽しい時間
5月 20 日(水),さぎ山記念公園キャンプ
場にて,やどかりの里第6回メンバー交流会
が開催されました.今年も約 90 人の参加とな
り,天候にも恵まれ,大にぎわいの中行われ
ました.
今年で2回目となるバーベキュー大会です
が,昨年の参加者のアンケートを参考に,良
かった点,反省点を踏まえてメンバー交流会
企画メンバーの話し合いを重ね,開催されま
した.昨年の反省として,たくさん食べられ
た人とそうでない人の差が出てしまったため,
今回は各グループごとにあらかじめ炉と食材
を分け,それぞれのグループで食材を焼いて
いく方法をとりました.それにより昨年より
もグループが炉を囲み,協力している様子が
印象的だったように思います.牛豚肉,チキ
ン,ソーセージと肉だけでなく,サラダ,焼
きそば,デザートと食べきれないほどの食事
が用意され,満足できた人も多かったのでは
ないでしょうか.
参加者からも「自分からは積極的に話せな
かったが,交流を深められた」
「疲れたが,参
加してよかった」
「久しぶりに知り合いに会え
た,会えて良かった」
「人間関係づくりができ
る機会だから参加した」という声を聞くこと
が出来ました.
メンバー交流会の企画会議では,各事業所
の代表者が集まり「どうしたらより多くの人
が参加したいと思うか,参加した人同士が,
楽しく交流することができるか」ということ
を大切に,企画メンバー・職員がいっしょに
なって話し合っています.4月からは新たに
大宮東部活動支援センターから企画メンバー
が仲間に加わり,14 人の企画委員で,今後の
つながりを意識した活動がさらに広がればと
思います.
私自身も,メンバー交流会の企画会議に参
加したばかりですが,企画メンバーが主体的
に企画・運営し,その活動が名前も知らない
人同士が知り合う機会になったり,普段はな
かなか会えない人と,久しぶりに会える機会
になっていると感じることができました.メ
ンバー交流会は参加者にとって,たくさんの
つながりをつくる時間やきっかけとなってい
るように思います.今後も参加する人同士が
交流し,つながりを広げていけるような,楽
しい交流会ができるようにしていきたいと考
えています. (山田 菜々)
(4)
バーベキューの様子
2015 年6月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりの里 45 周年
人から人へ
誰もが暮らしを楽しめるように!
それぞれに充実した時間を過ごして欲しい
あやこ
~情熱と笑顔で活動を支える~
佐々木文子 さん
とまる か よ こ
今回は,みなみハウス(グループホーム)に勤務している佐々木文子さん
を紹介します.
戸丸佳予子 さん
今回は,浦和区障害者生活支援センターやどかりと,大宮中部活
養護老人ホームのボランティアに誘われたの
日曜日,グループホーム「みなみハウス」
動支援センターに勤務している,戸丸佳予子さんを紹介します.
が最初です.余暇サークルや外出の手伝いで
には休日ならではの賑わいがあります.全員
した.徐々に状態の重い人にも関わるように
が顔を揃えるお昼の食卓.通所する事業所も
活動の中で大切に感じていること
なり,
「これは勉強して知識を身につけなけれ
やどかりの里との出会い
休みで,それぞれがゆったりと過ごす1日を
大宮中部活動支援センターでは,
ホットサン
ば」と思い始めた頃,市でホームヘルパーの
戸
丸さんがやどかりの里で働き始めたのは
穏やかな笑顔と美味しい家庭的な料理で支え
ドイッチづくりを週1回,
約7年間継続してい
講習会が始まったのを知り受講しました.そ
約7年半前.
以前介護福祉士として入所施設で
てくださっているのが佐々木さんです.改め
ます.戸丸さんも入職当時より携わっており,
の後,ヘルパーとして働き始め,現在も続け
働いていた時,
入所中の人たちが地域での生活
てやどかりの里に来られる以前や今のお仕事
思い入れがあるということです.
ています.
に移
行できるように支 援する役 割を担うよう
のことなども含めてお話を伺いました.
「みんながおいしいと言って食べてくれるこ
2002
年に,事業所で精神障害について学ぶ
になり,社会福祉を学ぶために働きながら大学
とが嬉しい」
と,70歳を超える今でもパン焼き
研修があり大宮東部活動支援センターで交流
に通い始めたそうです.その頃,やどかりの里
見学だけのつもりが……
を続けているメンバーや,
楽しみにして参加し
させてもらい,メンバー理事でもある辰村さ
に見学に来たことが,
やどかりの里との初めて
みなみハウスで働き始めたのは,当時この
てくれるメンバーの姿が,
この活動を続けてい
んのお宅にも伺いました.長期入院のお話な
の出会いでした.それは,戸丸さんにとって大
地区の民生委員をされていた増澤さんに声を
きたいという戸
丸さんの原 動 力になっている
どとても良い勉強になったのを覚えています.
きな衝撃であったそうです.
かけてもらったのがきっかけです.どんな様
といいます.
思えばそれが最初の出会いでしたが,まさか
子なのか,まずは見学だけと思って伺ったと
これからについては,
高齢化してきているメ
自分がそこで働くようになるとは思っていま
「地域で暮らす」
とは
ころ何だか勢いでその日の内に契約をしたの
ンバーもいる中で,
日常的に活動支援センター
せんでした.
1990年代の社会福祉基礎構造改革の流れの
を覚えています.初めての場所に緊張しまし
でいっしょに過ごせるという非常勤
職員の強
ヘルパーの仕事でも精神障害のある人の支
中で,
施設でも収容から入所という考え方に変
たが,「穏やかな雰囲気でほっとした」という
みを活かして,
メンバーが充実した時間を過ご
援をします.ひきこもりがちや自分の思いを
わり,少しずつ地
域に出ていく取り組みが始
のが最初の印象です.毎週日曜日に掃除や買
せるための活
動をいっしょに創っていけたら
伝えるのが苦手な人に出会うことが多く,み
まっていったそうです.その頃,戸丸さんはや
い物,食事づくりを中心に仕事をしています.
いいなと,
熱く思いを語ってくれました.
なみハウスの皆が,賑やかにおしゃべりをし
どかりの里の見学をして,
「地域で暮らす 」と
皆さん,話を聞いて欲しいようで,いろいろ
たり買い物に行ったりと,自分なりの生活を
いうことについての考え方が変わったといい
な話を聞けるのは楽しみですが,相談ごとな
正義感とバイタリティーにあふれ,
おかしい
楽しんでいるのを見ると,とても嬉しい気持
ます.
地域で生き生きと暮らすやどかりの里の
どはどこまで聞いてあげたら良いのだろうと
と思うと突き詰めたくなる性
ちになり応援したくなります.分もあるという
メンバーの様子を目の当たりにして,
「同じよ
戸惑うこともあります.結果的には自分たち
戸丸さん.事務に調理にガーデニングなど,持
うな障害の状態なのに,
入所施設の中で生活し
で解決できている様子なので,手を出しすぎ
ち前の器
用さを活かしてやどかりの里の活 動
いろいろな経験や学びから,メンバーの暮
ている人たちと,
どうしてこんなに違うのだろ
ず,できるだけ見守るようにしています.
を支え続けてくださっています.
らしをいつも絶妙な距離感で支えてくださる
うか」
「地域性の違いだけではない」と衝撃を受
このような熱い情熱を持った戸丸さんに,
改
佐々木さんです.笑顔の奥の熱い思いが伝わっ
けたといいます.その後,転職を機に,地域の
やどかりの里との出会い
めて頼もしさを感じたインタビューでした.
てきたインタビューでした.
資源で働いてみたいと思い,
やどかりの里に入
若い頃は事務職をしていた私が福祉の仕事
(鈴木 裕貴)
(聞き手 森本 紀子)
職したということです.
に関わることになったのは,ママ友から特別
(5)
2015 年6月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりミーティング
戦後から学び,条約を味方に
5月 21 日(木),障害者交流センターにて
やどかりミーティングが行われ約 40 人が参加
した.
1.戦後 70 年にむけて
今年の8月 15 日で終戦から 70 年が経過す
る.戦後 70 年,障害のある人がどう生きてき
たのか.その事実を知ろうと1月5日に NHK
で放送されたハートネット TV の特集を会場
で上映.その後,参加者で意見を出し合った.
戦時中から戦力にならない者は人間扱いされ
ず,
“穀潰し”
“非国民”と言われてきたこと,
就学免除制度,入学選考等の制度が作られあ
たりまえの生活や仕事が奪われてきたこと.
また,仕事に就けない障害者が自ら声をあげ
共同作業所を作っていったことなどが述べら
れていた.「戦争は生き辛さを強調するような
出来事だと思った」
「70 年間の歴史を振り返っ
た映像を見て,世の中の流れとともに障害者
運動も進んできたんだなと実感できた」など
の意見が多数出された.
2.えほん障害者権利条約の読み合わせ
5月3日に藤井克徳氏(JD 代表)作の“え
ほん障害者権利条約”が発行され,読み合わ
せを行った.参加者にマイクが渡り,声に出
して読み進めた.本作は版画調の絵とともに
“障害者権利条約ができてから日本が批准する
までの道のり”と“条約が大切にされたらど
のような世界になるだろうか”ということが
描かれている.会場では「条約ができるまで
の道のりは大変だったんだ」という意見が出
た一方で「やどかりの里に来なかったら知る
ことはなかったかもしれない」という意見も
あり,“無関心”の怖さとこれからこの絵本を
用いて障害者権利条約がどのような広がりを
見せるのかという“期待”を感じさせた.
3.審査請求の報告
5 月 15 日 ( 金 ) に 埼 佛 会 館 に て 行 わ れ た
生活保護の審査請求書提出について報告され
た.今年の4月分の見直しに対する審査請求
で,埼玉県で 295 世帯,やどかりの里からは
22 世帯が提出した.また,審査請求のアピー
ル文も読まれ,
「贅沢を求めているわけではな
い」という思いを伝えた.やどかりのから参
加していたメンバーは「今回初めて審査請求
をする.消費税増税と生活保護見直しでダブ
ルで苦しくなる.住宅扶助の見直しもこれか
ら行われ,生活していけるのか不安」と語る.
法人としても最低限の生活をどのようにして
守っていけるか検討していかなければならな
いということが話された.
4.今月のスポットライト
5月 20 日に行われたメンバー交流会のバー
ベキューについて,当日撮影した写真をスラ
イドで流しながら報告された.
(本紙4P 参照)
今回の参加者は約 90 人.昨年とは違い,
グルー
プごとに焼くという新たな試みをした.企画
者や参加者からは「楽しいという声が聞けて,
やってよかった」
「美味しかった」等の意見が
出た.
今年は戦後 70 年という節目であり,障害者
権利条約の実施状況を国連へ報告する年でも
ある.最低限度の生活が脅かされつつある中
で,条約をどのようにして味方につけるかが
重要となってくる.
“えほん障害者権利条約”
を通して条約が少しでも親しみのあるものに
ならないだろうか.多くの人に広めていきた
い. (伊藤 侑矢)
(6)
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりの里の動き(5月1日~ 31 日)
<全国ネットワーク>
日本障害者協議会
5/ 8 三役会に増田出席
5/12 理事会に増田出席
5/23 総 会 に 増 田 出 席, ボ ラ
ン テ ィ ア で 萩 﨑, 石 井
(み)出席,政策会議に
増田,萩﨑,檜山,石井
(み)出席
5/25 社会支援雇用研究会に増
田出席,広報委員会に増
田,萩﨑出席
5/24 日本難病・疾病団体協議
会 10 周年記念式典に増
田出席
全国社会就労センター協議会
5/12 協議員会に増田出席
日本健康福祉政策学会
5/27 広報委員会に増田,尾形
出席
病棟転換型居住系施設を考える
会
5/13 寄合に増田出席
<埼玉県内ネットワーク>
埼玉県セルプセンター協議会
5/20 社会福祉法人の社会貢献
活動推進協議会運営委員
会に増田出席
5/22 27 年度通常総会に増田,
田 中( 学 )
, 堤, 中 村
(恵)出席
5/27 埼玉県社会福祉協議会評
議員会に増田出席
埼玉県精神障害者社会福祉事業
所運営協議会
5/20 役員会に永瀬出席
5/22 広報委員会に永瀬出席
5/29 生活支援部会世話人会に
鈴木(裕)出席
きょうされん埼玉支部
5/15 役員会に永瀬出席
5/18 南部ブロック会議に永瀬
出席
5/21 生保チーム会議に永瀬出
席
<さいたま市内ネットワーク>
さいたま市障がい者施設連絡会
5/ 1 役員会に檜山 増田出席
サービス調整会議
5/26 大宮区サービス調整会議
に鈴木(裕),阿部,水
村出席
さいたま市精神保健福祉地域
ネットワーク連絡会
5/26 打ち合わせに三石,渡邉
(奏),中村(由),鈴木
(裕)出席
きょうされんさいたま市ブロッ
ク
5/12 ブロック会議に担当者出
席
5/26 ブロック会議に担当者出
席
配食ネットワーク見沼
5/28 定例会に西垣,金子(猛)
出席
その他
5/22 大宮コミュニティ「わ」
の女性の会定例会に浅見
出席
<研修事業>
講演
5/15 西武文理大学の精神看護
学にて花野講義
体験研修等
5/ 8 首都大学東京より看護学
生 14 人,教員3人体験
研修.花野講演
5/ 8 なごみ福祉会より2人体
験研修
(7)
5/20 帝京科学大学より看護学
生8人精神看護学実習.
花野講演
5/20 ~ 22 人間総合科学大学
より看護学生4人地域看
護学実習.
5/29 越谷市家族会やまびこ会
より6人体験研修
<やどかりの里内部の
調整連絡会議>
5/ 1 やどかりミーティング企
画会議
5/ 1 家族の集い打ち合わせ
5/ 7 チーフ会議
5/ 8 危機管理委員会
5/12 45 周年祝賀会実行委員
会
5/13 生保引下げ問題担当者会
議
5/14 単身生活者調査チーム打
ち合わせ
5/16 第1回職員研修会
5/21 生活支援連絡会
5/21 やどかりミーティング
5/26 機関紙編集会議
5/28 顧問医研修
5/29 労働支援会議
5/29 生活支援会議
5/29 健康増進会議
<<その他>>
5/ 3 見沼合併記念公園春祭り
にエンジュ,ルポーズ,
すてあーず出店
5/ 6 浦和レッズハートフル
カップにやどかり F.C. 出
場
5/16 与野バラまつりにまごこ
ろ出店
5/30 精神保健福祉援助実習の
実習説明会開催
2015 年6月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかり日誌
すてあーず
『おおみやリサイクルマーケット』
まごころ
『与野公園ばらまつりに参加しました』
おおみやリサイクルマーケットに出店して
います.場所は,市民会館のとなりの山丸公
園です.すてあーずで売る「綿あめ」は,春か
ら秋にかけて,オレンジ,マンゴー,レモン,
ブルーハワイ等々いろいろな味が楽しめます.
子どもさんから大人の方まで人気の高い商品
です.丸くするのが難しいくて私には出来ませ
ん.でも,メンバーに上手に作る人もいます.
お洋服などリサイクル品も持っていきますが,
売れません.また,冬場にかけて「豚汁」もつ
くります.雪の降るような寒い冬場,暑い夏に
来て下さる方に,本当に「ありがとうございま
す」という気持ちでいっぱいです. (M・N)
去る5月 16 日(土)与野公園でばらまつり
が開催されました.まごころはまんじゅうの
出店販売を行いました.
天候は曇り時々晴れでしたが,持って行っ
たまんじゅう 320 個は完売となりました.メ
ンバーとスタッフの協力が無ければ成り立た
ないと感じた1日でした.
まごころは,今後も積極的にイベントに参
加していきます.みなさん,街でまごころを
見かけたら声を掛けてください.
また,まごころでは働くメンバーを募集中
です.仲良く助けあっているまごころで働い
てみませんか. (Y・S)
サポートステーションやどかり
『やどかりテラスでバーベキュー』
総務
『やどかりの里を支え続けてくれる方たち』
5月8日,青空の会主催のバーベキューを
行いました.天候も良く,参加者は 25 人集ま
りました.材料は前日に買い出しに行き,当
日は,材料を切る係,炭をおこす係,焼く係
と分担に分かれて準備をしました.炭のつき
が悪く四苦八苦しました.焼く時には,5人
1チーム,計4チームに分かれて 30 分交代で
焼いたので少し時間はかかったけど,ゆっくり
食べることができました.とにかく天候がよ
く,飲み物があっという間に減りました.他
にもキャベツやきゅうりを生で食べて,最後の
焼きそばを食べる時にはみんなお腹いっぱい
になりました.緑に囲まれて,交流ができ,楽
しい1日となりました. (青空の会メンバー)
この6月号が皆様のお手元に届くころには,
やどかりの里 45 周年記念式典・祝賀会が無事
終わっていることと思います.
45 周年にあたって,長きに渡りやどかりの
里を会員として支え続けて下さっている方々
を表彰させて頂きました.会員歴が 30 年を超
えるのは 18 人.ご家族やメンバー,職親とし
て仕事や住む場を提供してくれた方,設立当初
のスタッフと知人だった方など,さまざまな立
場から活動を応援し続けて下さることに,感謝
の気持ちを新たにしました.
いつの時代もこうして支えてくれる方々が
いることに思いを馳せながら,また次の5年間
に臨んでいきたいと思います. (日野 陽子)
やどかりの里の決算が 3 月であるように,多くの企業も3月末に決算を迎える.そして先日来新聞やテレビ
ニュースでは,
「アベノミクスの好影響」があり「大企業の業績は好調」と報道がされている.確かに大企業の
決算状況は好調なのかもしれない.しかし国民は経済の好況を実感しているのだろうか.また企業間 , 業種間の
差異も大きく,中でも販売業は軒並み苦戦と聞く.私たちの側に目を転じれば,財政再建の号令ばかりで,障
害のある人を取り巻く制度や環境は悪化の一方である.やどかりの里創設 30 年に際して「学習の課題」を掲げ
経済の勉強会を続けたが,今必要な学習課題は広く大きいと感じた創設 45 周年のときである. (浅見 典子)
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