非公式組織における 「社交」 の要素

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Title
非公式組織における「社交」の要素
Author(s)
小高, 加奈子
Citation
小高加奈子:奈良女子大学社会学論集, 第22号, pp.23-38
Issue Date
2015-03-01
Description
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http://hdl.handle.net/10935/3992
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非公式組織における「社交」の要素
小高
加奈子
はじめに
株式会社島精機製作所(以下,島精機という)は,和歌山市に本社工場を置くコンピュ
ータ横編機およびデザインシステムのトップメーカーである.1962 年に現社長の島正博氏
が創業し,日本の高度成長期の繊維機械ブームの中で手袋編機と横編機の自動化と高性能
化を武器に競合メーカーを追い越して約 10 年で国内上位に躍進し,オイルショックの逆風
に見舞われたものの,コンピュータ制御量産機とトータルデザインシステムの開発により
世界市場の攻略に成功し,約 20 年で世界のトップクラスに駆け上った.
世界初の独創的な製品を次々と開発してきた島精機の技術力は業界の枠を超えて広く知
られており,2007 年には「無縫製コンピュータ横編機およびデザインシステムを活用した
ニット製品の高度生産方式の開発」により,事業体による優れた独創的研究に対して与え
られる第 53 回大河内記念生産特賞を受賞している.
筆者は,同社のご好意により,同社の躍進を支えた組織の変遷とそこで生まれた情報的
相互作用に関する調査研究を2011年より続けている.2012年に50周年を迎えた同社の組織
現象の解明に取り組むにあたり,まず同社の経営基盤・企業文化が形成された創業初期の
組織の特徴を理解することから始めることとした.その結果,同社の創業初期には,島社
長を中心とする極めて効率的な組織的情報創造の基盤があったことが確かめられた.
画期的な新製品の開発と量産に次々と成功して事業の規模と範囲が急拡大した島精機に
おいては,それを支える組織の規模と構造も大きく変化した.筆者は,組織の規模や構造
の変化に伴い,その内部で生じる情報的および心理的相互作用の内容や性質も変容する可
能性が高いと考え,組織的情報創造の理論の基礎とすべき組織概念に関してはチェスタ
ー・I・バーナードの理論を援用して島精機の組織の変化を辿ってみた.その結果,創業
初期の島精機の組織はバーナードのいう非公式組織の状態にあったことが判明した.
バーナードによれば,非公式組織には公式組織を支える重要な機能がある.それでは,
その機能はどのように発揮されるのか.この問題を掘り下げるため,理論面ではゲオルク・
ジンメルと山崎正和の社交論をレビューする一方で,実証面では島精機に関する調査結果
を分析した.このような作業の結果,非公式組織の機能発揮には,目的や成果より方法や
実現過程を重視する社交の要素が重要な役割を果たしていることが浮かび上がってきた.
本稿はこれらの試みの成果をとりまとめたものである.
1. 場のマネジメント論を用いた初期検討
1.1
場のマネジメント論の概要
筆者は,組織における情報創造のあり方を研究することが,伊丹が提唱する場のマネジ
メント論(伊丹 1999)とレヴィンの心理学的力の場の理論(Lewin 1951=1956)を相互補
完的に援用することによって可能になると考えている.
伊丹は,組織構造や管理システムなどの手段そのものでなく,それらが人びとに働きか
けて生じる情報創造のプロセスに注目する経営の新たなパラダイムとして,場の概念に基
づくマネジメントの理論を提起した.
伊丹のいう場とは,
人びとの情報的相互作用の容れもののことをいう.人びとが参加し,
意識・無意識のうちに相互に理解し,相互に働きかけ合い,共通の体験をする枠組みであ
り,その基本要素は,①アジェンダ(情報は何に関するものか),②解釈コード(情報はど
う解釈すべきか)
,③情報のキャリヤー(情報を伝えている媒体),そして④連帯欲求の4
要素である.これらの要素の共有が進むことで,周囲の共感者と相互作用を通じ,絶えず
全体のなかで自分を位置づけながら行動を決めていくようなミクロマクロループが働いて,
共通理解と心理的共振が同時に達成される.
レヴィンは,人間の行動は生活空間の認知構造から生み出されるさまざまな心理学的な
力が合成された結果として生起するという考え方を打ち出し,そのような力の配置を力の
場と呼んだ.筆者は,伊丹のいう場のダイナミズムの源泉をレヴィンの心理学的力の場の
状態や変化により生み出されるものと理解することにより,場のマネジメント論を経営の
現場に適用する組織的な情報創造の説明原理および具体的アプローチのための手法として
一層有効なものにできる可能性があると考えている.
1.2 創業初期の島精機に関する考察
創業初期の島精機にはいわゆる「組織」はなかった(1).現存している最も古い組織図は
従業員数が約 150 人に達していた 1971 年頃のものであり,その頃までに「漠然と」できた
とされる.その基本的考え方は,開発部門と製造部門が柱であり,総務や経理,資材など
はサポート役に徹するというものであった.第一次・第二次オイルショックへの対応が急
務であった 1974 年頃にはサポート部門を含め全社を挙げて製品販売や代金回収に取り組
んでいるし,日常的にも組織の壁は意識されず,業務の繁閑に応じて頻繁に相互応援をし
ていたようである.
このような組織未成熟の状態の中で非常に活発な情報創造を行っていた創業初期の島精
機の組織状況を解明するには場のマネジメント論が有効であると考え,同社のOBへのイ
ンタビューにより初期検討を開始した.
そこから明らかになったのは,初期の組織を動かした原動力は,島社長でも 30 歳台,平
均年齢は 20 歳台という組織の若さとハングリー精神であったということである(小高
2013)
.島社長の示す高い目標を目指してお互いに支え合い顧客に密着して学びながら,が
むしゃらに知識と技術を蓄積し,製品化と量産化を実現してきた.現場の人びとの島社長
に対する絶対的な信頼と柔らかい現場指導,そしてお互いに支え合うシマイズムの職場風
土がこのような組織での事業成長を可能にした基盤であり,そこは多くの従業員にとって
厳しい中にもやりがいや楽しさの感じられる職場となっていた.
島社長はその柔らかい現場指導のなかで,現場に対して製品開発や技術課題など膨大な
「アジェンダ」を巧みに提示し,現場の自発的な取り組みや成果を注視することにより,
非常に高効率の情報的相互作用の容れものである場を創り出していたと推測される.創業
時の島精機においては「若さ」と「ハングリー精神」が各メンバーの心理学的力の場の構
成要素として共有され,お互いに支え合う職場風土「シマイズム」が醸成されていた.そ
のなかで顧客とのやりとりを通じて製品開発や生産販売の成功と失敗の共通体験を積み重
ねるうちに,
「心理的共振」を生み出すと同時に,「連帯欲求」も強まっていったものと推
測される.また,顧客への営業やサービスの場面以外は,数十人から約 100~300 人の規模
で,和歌山市の工場一カ所で,和歌山県内出身者が大半を占める従業員が働いていたこと
から,そこでメンバー間で受発信されまた新たに創造される情報の「解釈コード」の共有
と「情報のキャリヤー」の設定のために理想的な条件があったといえる.
以上の初期検討の結果から,筆者は,創業初期の島精機の強さの源泉は,そこに非常に
効率の良い情報的相互作用と心理的相互作用の容れもの=「伊丹の場」があったからであ
ると考えた.
2. バーナードの組織概念
画期的な新製品の開発と量産に次々と成功して事業の規模と範囲が急拡大した島精機に
おいては,それを支える組織の規模と構造も大きく変化した.組織の規模や構造の変化に
伴い,その内部で生じる情報的および心理的相互作用の内容や性質も変容する可能性が高
いと考えられる.
初期検討の結果を踏まえ,製品開発と量産のための内部組織の整備に伴い島精機の組織
の状態がどのように変化したのかを辿るため,経営者としての幅広い実務経験を背景に,
さまざまな組織現象や管理技術について考察し,近代経営組織論の始祖ともいわれるバー
ナードの理論を参照することとした.
バーナードが提示した「組織」の概念は,世間一般のイメージを超えた広がりと奥行き
をもっている.画期的な新製品の開発と量産に成功した結果,急激な成長と変化を遂げた
島精機のような組織を分析する概念装置としても適切なものである.
バーナードは,組織を「意識的に調整された人間の活動や諸力の体系」と定義した
(Barnard 1938=1968: 75).そして組織を構成する要素として,コミュニケーション,協働
意志および共通目的を挙げた.これら3要素のうちの共通目的の有無によってまず「公式
組織」と「非公式組織」に分類される.公式組織は,さらに結合の形態と論理によって,
垂直的な「階層組織」と水平的な「側生組織」に分類される.共通目的のない個人相互間
の接触や相互作用,集団形成であっても,
「一定の態度,理解,慣習,習慣,制度を確立す
る」「公式組織の発生条件を創造する」などの結果をもたらすことが重視され,「非公式組
織」の定義が与えられて考察の対象とされている.
2.1
公式組織
バーナードが公式組織として挙げた2種類の組織のうち,まず側生組織の方から概観し
ていく.側生組織は,自由な協定―相互理解,契約,条約―から成る組織である(Barnard
1948=1972: 137).それは命令の義務と服従の意欲が基本的に欠けた組織であり,対等の立
場の個々人や団体を協働へもたらすことを目指した組織である.こうした側生組織は,各
構成員の個人的目的を達成するための自発的意思と協力により生み出され維持されており,
彼らの間のこうした協定を維持するものは,組織にとって外在的である公衆の意見や習慣,
一般法規や裁判所,警察といった社会的規制である.この組織に参加する構成員の間の関
係は,原則として平等であり,上下関係は存在しない.こうした性質の組織では,その行
動が構成員の個人目的に直接結びついているので,各構成員にとっては意志決定が容易で
あるが,組織としての意志決定には構成員同士の交渉や構成員の間であらかじめ合意され
た手続を要する.組織の規模が大きくなれば,構成員の一部の協定違反が組織全体に影響
する程度も少なくなり,組織全体としては環境変化への耐久力や適応力が出てくる.
これに対して階層組織は,構成員や単位組織が垂直的に結ばれて成り立つ複合的な組織
である.構成員が一種の協定によってそこに参加していることは大半であるが,その内部
関係は,構成員相互の合意に基づく協定によって統制されるのではなく,組織の利益に基
づいて管理組織が決定する内部規則と指示命令によって統制される.
階層組織は,各構成員の個人的目的とは区別された「組織の利益」に基づく独自の目的
を持ち,その達成のために各構成員に下位目的を割り当て,その遂行を要求するとともに,
その遂行を強制するための手段として「特別の警察力」即ち,解雇,昇給,減俸,昇進,
降格等の人事や賞罰の権利を保持している.階層組織の本質は,集中化された権限を通じ
ての全体の調整である.そして,各階層において職責を果たすのに必要な権限として付与
された「地位」が重要な要素となる.
現実の組織においては,典型的な階層組織と典型的な側生組織との間に,両組織の特徴
に応じた無数の中間的ないし混合的な性質の公式組織が現れる.例えば,事業部制などは,
混合的な公式組織の一種である.また,企業集団や企業系列と呼ばれるグループには,側
生組織に近い性質の階層組織が見られる.
また階層組織は,常にその一部に側生組織を伴っているのが普通である.例えば,企業
の場合であれば,顧客や取引先,株主,地元住民,関係官庁などといった他の関係者との
間の関係は,非権威的,水平的な協約関係となる場合が少なくなく,それらの関係者との
間で組織が生み出される場合には側生組織となる場合が通常である.
バーナードによれば,人々が協働を行う基本的理由は,各参加者が単独で行った場合の
働きを越える成果を生み出す点にある(Barnard 1938=1968 第3章).そして,協働の成果
を一層大きなものとするには,分業と調整による専門化や効率化を中央集権的に実現でき
る階層組織の方が,構成員の合意を基本に運営する側生組織より一般的には有利であると
考えられる.
しかし現実には,階層組織における権威的なコミュニケーションが,激しい環境変化へ
の適応に重大な制約を課すこととなるケースがあり,そのような状況では非権威的なコミ
ュニケーションを可能とする側生組織の要素を注入しようとする試みが現れる.また研究
者や専門家,有識者などで構成する相互研鑽団体や諮問会議のように,階層組織の要素は
可能な限り排除した形で構成員の自発的な意志に基づく対等な立場での参加と貢献を求め
る形態の側生組織が望ましいケースもある.
2.2
非公式組織
公式組織の構成員が,当該組織内のコミュニケーションや意思決定とは独立して,個人
レベルで他者との接触をしばしば試み,お互いに影響を及ぼし合っている事実があること
は否定できない.このような個人相互間の接触や相互作用は,それが共通の目的を持った
意識的な関係でないにもかかわらず,結果として共通ないし共同の結果を人々にもたらす.
バーナードは,こうした関係の重要性に着目して「非公式組織」の定義を与え,公式組織
にとっても重要な結果をもたらすことを見出した.
非公式組織とは,個人的な接触や相互作用の総合,および……人々の集団の連結を
意味する.定義上,共通ないし共同の目的は除外されているが,それにもかかわらず,
重要な性格をもつ共通ないし共同の結果がそのような組織から生ずるのである.
(Barnard 1938=1968: 120)
非公式組織とは,不明確なものであり,むしろきまった構造をもたず,はっきりと
した下部単位をもたないということである.……形のない集合体であり,……どのよ
うな公式組織にもそれに関連して非公式組織が存在することが重要である.(Barnard
1938=1968: 121)
意識的な公式組織の過程と比較すれば,非公式組織は無意識的な社会過程から成り
立っているが,それは,次のような二種類の重要な結果をもつ.すなわち
(a)一定の
態度,理解,慣習,習慣,制度を確立するということ,(b)公式組織の発生条件を創造
するということ,がそれである.(Barnard 1938=1968: 121)
公式組織が共通目的の需要,伝達,協働意欲のある心的状態の達成により成立する以上,
これに先立って関係する人々が何らかの形で接触し,相互作用を積み重ねることが必要に
なると考えられる.そのようにして発生した公式組織が,当初予定した共通目的を達成し
た後に新たな目的が見出せなければ,それまでの組織とは異なる緩やかな結びつきに変容
する可能性が大きい.また,公式組織と構成員の一部を共有し,相互補完するような形で,
非公式な集団が発生するケースも少なくない.
バーナードは,公式組織における非公式組織の重要な3つの機能を挙げる(Barnard
1938=1968: 128).第1の機能は伝達機能であり,第2の機能は貢献意欲と客観的権威の安
定とを調整することによって公式組織の凝集性を維持する機能である.そして,第3の機
能は,自律的人格保持の感覚,自尊心および自主的選択力を維持することである.公式組
織において,非公式組織は組織の統合や安定化に関わる重要な機能を発揮している.
3. 非公式組織の典型:
創業初期の島精機の組織
島精機からご提供いただいた社内資料,関連文献及びインタビュー結果を精査し,上述
のようなバーナードの組織概念に基づき同社の組織の成長と変化の跡を辿ってみたところ,
次の3段階に大まかに区分できることが判明した(小高 2014)
.
第1段階
創業初期(1962年前後)
従業員数
約20~30名
非公式組織優位
第2段階
約10年後(1971年前後)
従業員数
約150~230名
側生組織優位
第3段階
約20年後(1983年前後)
従業員数
約340~420名
階層組織優位
本稿において掘り下げてみたいのは,非公式組織の特徴が明確に現れていた創業初期の
島精機の組織の状況である.
3.1
創業初期の島精機の組織
新興の手袋編機メーカーとしてスタートした島精機の創業当初の組織の骨格は,半自動
手袋編機などを生産する「工場」と,それを支える「裏方」であった(2).創業当初5年間
の従業員数は,1962年4月期末,1963年4月期末,1964年4月期末,1965年4月期末およ
び1966年4月期末の従業員数はそれぞれ24名,38名,30名,40名および70名であった.こ
の規模では,単純明快な論理と時々の必要性に基づく体制づくりが自然であったようであ
る.
この時期の島精機の業務の流れは,島社長が開発した設計図面に基づいて,まず部品を
製作し,それを最終製品に組み立てるのだが,当初は部品製作の技術は未熟であったので,
その多くは外注に頼らざるをえなかった.
生産技術や品質管理が確立していない初期には,編機を顧客に納入した後でトラブルが
起こることが珍しくなく,それらを解決するための調査や修理などの「サービス」業務も
多かった.製品のトラブルの連絡があれば,まず納入先の縫製工場に出向いて稼動状況を
確認した.問題が判明すれば,当然その場で調整や修理を行うのが基本であった.
ところが,当時の島精機は手袋編機メーカーとして新規参入して間もなく,従業員も20
歳台前半の若手社員が主体であったことから,問題解決に必要な知識やノウハウを顧客と
の対話や社内関係者との相談の中で,四苦八苦しながら見出していったのが現実であった.
小高:お仕事の中で特に印象に残っている出来事は何ですか?
上野:特に印象に残ってるっていうんは,僕が入ってから横編み機っていうのが出来
上がったわけですわ.それまでやってなかったんで.
小高:横編み機というのは,業界初なのですか?
上野:後発です.
小高:既にどこかが?
上野:もうどんどんやってました.それで,やってトップに(なった),それが印象か
な.後発メーカーっていうんか,やっぱり,色んな面で知らないんやね.機械は出来
上がっても,編み組織が分からない.それでまぁ,お客さんに教えてもらいながら覚
えたっちゅうんかな,そういうのがありますね~.
小高:実践で学んでいくっていうことですね?
上野:そうそう.今の人でしたら,まぁ,先輩ってのが全部指導やってくれるけども,
そうじゃなくてお客さんに教えてもらうちゅうのは…….
小高:先輩自体もあまりご存知ではない?
上野:そう,分からないです.機械は出来たわ,模様作りは出来ないわってそんな形.
小高:先輩方もお若い方ばかりでしたか?
上野:そうですね.僕ら入った時分は,やっぱり若いわな~.平均年齢が 20 歳そこそ
こぐらい.
小高:じゃあ,なかなか技術といっても…….
上野:分からないですよ.あのじゅうやったら 20 なんぼぐらいやったかな~,4か5
ぐらいやったんとちがうかな~.若い子ばっかりやったもんね.なにせ,年配者を数
えるのが大変よ.
小高:それなら,横の連帯感のようなものはあったのですね?若い方ばかりなので.
上野:あったんやけども,やっぱりそのへんが分からない.僕は外が多かったんでね.
だから,戻って来て仕事終わって,しばらく中の仕事をやって,そしたらまた次のと
こって形で.まぁ,1週間行って戻ってまた1週間,そんな感じで.例えば,月曜日
行って土曜日に帰って,日曜月曜ってやって,次の週は火曜日からこんな形で.1日
2日休んで,外へ行って,戻って,そういう形で.交通費って感じもありますからね
~.やっぱり1回行ったら,その近辺は…….
小高:回って帰ってこようという…….
上野:はい.1ヶ月ぐらいの出張もありましたからね,当然ね.
小高:昔は交通も不便だったから,時間もかかったでしょうしね.今までずっと働い
てこられた中で,印象に残った方はいらっしゃいますか?
上野:印象に残った人っていうのは,う~ん……無いです.
小高:この間お話を聞かせていただいた中に沖さんがいらっしゃるのですが,
「僕は上
野さんに色々と教えてもらいました」って,
「一言二言後ろからアドバイスをしていた
だいて,ものすごく教えていただいた」って仰っておられました.
上野:印象に残った人って無いな~.多すぎて,逆にね.
小高:色んな方がいらっしゃった?
上野:ものすごいなんか教えてもらったんで,感謝ばっかりで.あんまり多すぎて特
にって…….
小高:特にこの人っていうわけではない?
上野:ないんですわ,あんまり多すぎて.多いのも良し悪し(笑).だから,専属に教
えてもうたり,導いてくれたりっていう人が無かったんでね.
小高:ひとりに付いて(教わる)とか,そういうことじゃないんですね.
上野:うん.だからもう,色んな人から情報を頂いたり,色んな人から教えてもうた
んで感謝感謝っちゅう形で.っていうのはやっぱり,一番最初スタートっちゅう形も
あるかもわからない.
小高:そうですね,早い段階でご入社されているから,確立されているというよりも
…….
上野:そうそう,みなさんこっからスタートですわ.スタートやさかいに分からない.
その関係でな~.
小高:ご入社された時はまだ小さな会社でしたが,こんなに大きくなると思っていら
っしゃいましたか?
上野:いや,それは思ってないわな.
小高:ここまでなるとは…….
上野:うん.まぁ,食べていけたらいいわっていう程度やと思てるわな.
小高:始めは.
上野:うん,始めは.ここまで大きなるとは,規模な,大きなるとは(思ってなかっ
た)
.期待もやってないしな,そこまで.そんな大きくならいでもね,人そこそことい
う形で.別にな,確かに大きなってくれるにこしたことはないけれども,大きなって
くれやんでもそこそこ利益があって,まぁやり繰り出来てたらいいわっていう考えや
もんな~.
小高:想像以上に発展された?
上野:そうそうそうそう.(3)
3.2
創業初期の島精機に見られる非公式組織の特徴
上野氏へのインタビューから読み取れるように,この時期の島精機においては,階層や
権威の感覚が希薄であり,階層組織の要素は無かった.また,構成員間の関係は,主要な
構成員の年齢が20歳台前半ということもあり,島社長を含め上下関係があまり意識されな
い平等な関係であった.
島精機の一員であるという仲間意識が自然な形での協働をもたらしており,そのための
特段の協定や合意があった訳ではない.従業員が仕事に取り組んでいた理由は,主として
従業員の側で感じている責任感ややりがい,仕事自体の楽しさなどで,会社側の事情とは
関係が薄いものであった.
この時期の島精機の組織を特徴づけるのは,意図的な調整による公式組織の要素でなく,
個人の自主性を原動力とした非公式組織の論理であった.
小高:吉尾さんは何か思い出は?
吉尾:まぁ,どっちかて言うたら,あのじゅうは和気藹々で人数も少ないからね~.
慰安旅行とかいうのも多かったけどね~,うん.
久保田:大変なんは楽しいわな~.僕ら親父はもう絶対会社辞めさせるっていう気で,
公務員の方向へわいを引きずろうとするけども,絶対わいは辞めへなんだもんよ~,
楽しいもん.親としてはえらいと思うで~,親も一緒に寝てへんと思うで~,18 の子
が単車で夜中3時頃帰ってきて,ほいてまた朝出て行くんやさけね~,親としては今
わえな~,親やったらえらいわな~.
吉尾:そやから僕も寮に入ってもたからね.
小高:寮があったのですか?
吉尾:寮ありましたよ.
小高:どこに?
吉尾:会社に.この横の会議室みたいなとこが,あれが寮やった.
小高:寮生は何人くらいいらっしゃったのですか?
久保田:20 人ぐらいか.
吉尾:寮生はね,あれ,20 人もうちょっといてたと思う.
小高:独身者ばかり?
吉尾:そう,独身ばかり.
小高:岩出の方からですと遠いですものね.
吉尾:今は岩出ですけども,実家はかつらぎ町なんで,橋本の方なんでね,遠かった
んでね,帰るのが.ほいでもう,親にも迷惑かけるのイヤやし,ほいでもう寮へ入っ
て.その方がまた楽しい(笑)
.
小高:仕事も楽しいし寮で暮らすのも楽しいというのは,社内の人間関係はとても過
ごしやすい環境だった?
吉尾:過ごしやすいよね,うん.
久保田:そらな~.目的がみな同じやもん.
吉尾:同じ.同じやし,もう兄弟みたいなもんやもん.
久保田:目的同じやもんよ~.
小高:目的というのは?
久保田:ここの会社を日本一にまずすることや.島精機を日本一にすることよ~.
それするために 100 社追い抜かなあかんねん.こんな会社が 100 社あってん,昔.
小高:日本の中に?
久保田:うん,日本の中に.海外も含めて.
小高:あ~.
久保田:そいつを1社ずつ追い抜いて,初めて島精機が伸びていくだけの話.
小高:
『日本一になりたい』という皆さんの気持ちが 1 つになって…….
久保田:全員や.
下村:うんうん.
久保田:全員やから.
小高:そこへ向かったわけですね~.
吉尾:そこへ向かった.
久保田:だからね,
「社長を尊敬しますか?」ってよう聞かれるけどね,今ここまで大
きくなってから入ってくる人は社長を尊敬すると思うんよ.そんな感覚違うもんな~.
小高:じゃあ,社長さんも一緒になって『仲間』という感覚ということですか?
吉尾:そうそう.
久保田:うん.
下村:そうそうそう.
久保田:
「島社長を尊敬してへんの~?」って言うさけ,
「そんな感覚違うんや」って.
一緒にやってきて,最終的にはこんなんになっただけで.
小高:じゃあ,社長さんにも,物を言いやすい環境だったということですね?
久保田:言いやすい.
小高:とても良い環境でお仕事をされてきたのですね.
吉尾:うん.
久保田:良かったで.だから,辞めるって思ったことは一切無い.
小高:一度も無い?
久保田:一度も無い.そら色んな,今まで潰れかかったり,これから生活どうしょう
って思た時期も何回もあったけどね,この会社に居てる限り.ほいでもここ辞めてど
っかの安定先があるかな~と思たことは1回も無い.(4)
4. 非公式組織における社交の働き
バーナードが指摘した公式組織における非公式組織の重要な3つの機能,即ち,コミュ
ニケーションの促進,公式組織の凝集性の維持,そして,構成員の個性と自律性の維持の
機能は,どのようにして発現するのか.この論点を考察するため相互作用の社会学の先駆
者であるジンメルの所論に手がかりを求めようとしたところ,彼の社交論を後世のさまざ
まな学問分野の論考や現代社会の現実に照らして多面的に検証し,展開することに踏み込
んだ山崎正和の思索に辿りついた(山崎 2006).
4.1
ジンメルの社交概念と山崎による修正
ジンメルの社会観の特徴は,社会を諸個人の相互作用の集合体と捉えた点にある.この
点について『社会学の根本問題』において次のように表現している.
この場合の相互作用は非常に表面的で一時的であるが,それでも,それなりに社会
を作っていると言えるものの,そしてこれが大切な点なのだが,本当に社会を作ると
言えるためには,こういう相互作用がもっと頻度や強度を増し,それに似た多くの相
互作用と結びつきさえすればよいのである.社会という名称を永続的な相互関係,つ
まり,国家,家族,ギルド,教会,階級,目的団体など,名のある統一的構成物に客
体化された相互関係だけに限るのは,日常用語に理由もなく固執するものである.こ
ういう相互関係のほかにも,人間と人間の間には,もっと小さな,一つ一つとしては
問題にもならないような関係形式や相互作用形式が無数にあって,それらが公的とも
言える大きな社会形式の間に忍び込んで,それで初めて世間でいう社会が生まれるの
である.(Simmel 1917= 1979: 20)
人間の社会関係は,絶えず結ばれては解け,解けては再び結ばれるもので,立派な
組織体の地位に上ることがなくても,永遠の流動および脈搏として多くの個人を結び
合わせるものである.……社会の概念というと直ぐ思いつく,あの大きな制度や超個
人的な組織は,すべて個人と個人の間を一瞬の休みもなく永遠に往復する直接の相互
作用が――永続的な構造や独立の構成物に――結晶したものにほかならない.
(Simmel 1917= 1979: 21-22)
ジンメルが社交という相互作用形式を重視したのは,そこで生じるのは基本的に遊びで
あり,利益や目的といった実質的な中身がなく,そこでは純粋に過程そのものを楽しむこ
とが求められるという特徴のためである.彼が目指した純粋社会学の前提は形式と内容の
峻別であるが,そのような理論が可能であることを端的に示すため社交の例を用いた.
社会生活における本当の「社会」というのは,相互協力,相互援助,相互対抗のこ
とであって,これと結びつくことによって,衝動や目的から生まれた実質的乃至個人
的な内容や関心が構成され促進されるのである.そして,これらの諸形式は,新しく
独立の生命を獲得し,内容という根から一切開放された活動を営む.ただ諸形式その
もののための,また,この開放から生まれる刺激のための活動を営む.これこそ社交
という現象である.……芸術衝動とでもいうべきものが現実の事物の全体の中から謂
わば事物の形式を引き出して,この衝動にうまく適合するような特殊な構成物に作り
上げると同じく,
「社会衝動」が自由に働くと,社会生活のリアリティのうちから純粋
な社会化過程を価値や幸福として切り離し,こうして,私たちが狭義の社交と呼んで
いるものを作り上げる.(Simmel 1917= 1979: 72)
山崎は,社交が単なる暇つぶしや贅沢ではなく,人間が人間らしくあるために不可欠の
営みであることを見抜き,人間の行動における目的と方法,成果と実現過程を区別し,社
交を日常の功利的な行動と同格の位置づけに引き上げたとして,ジンメルの功績を高く評
価している(山崎 2006: 51-52).
ただし,社交とは目的より方法を重視する功利活動であり,功利活動とは成果のために
過程を極限まで合理化した社交にほかならず,両者は同じ要素を持った行動であって連続
的に変質する行動の両極であるとして,両者を峻別するジンメルの考え方を修正した(山
崎 2006: 58-60).
山崎の主張点は,このように考えることによって,限りなく純粋に近い社交と限りなく
効率的な功利活動のあいだに,程度の違いを見せて連なる多様な人間関係を認めることに
なり,現実の社会活動の実態をより忠実に説明しうるということにある.
4.2
創業初期の島精機において見られた社交的要素
山崎は,上述のような社交論を展開した上で,厳しい企業社会のなかにも社交的な気分
の絆があり,合目的的な規律とつきあいの作法が混然としている例が見られるとしている
が(山崎 2006: 59)
,創業初期の島精機におけるメンバーの間の相互作用のあり方を丹念に
見ると,確かに社交の要素を豊富に含んでいたことが分かる.
まず,社交の要素の強さを測る物差しである目的と方法あるいは成果と実現過程のバラ
ンスについて見てみる.創業初期の島精機の状況は,島社長の示す高い目標を目指して,
若者達がお互いに支え合い顧客に密着して学びながら,がむしゃらに知識と技術を蓄積し,
製品化と量産化を実現していくというものであった.島社長が従業員に投げかけた目標や
課題は実現・解決すれば画期的な技術革新や企業成長につながる的確なものであったが,
後発のベンチャー企業であった島精機およびその従業員たちには実務的な経験とノウハウ
が不足していたため,それらに取り組んでいく方法や実現過程の選択は各メンバーに任さ
れていた.従業員の立場からすれば,島社長の掲げる目標や課題の正しさについては疑う
余地がなく,その実現・解決に全力でチャレンジすることで自分の実力を試し,周囲にも
認められたいという素朴な思いがあったに過ぎないであろう.このような意味で,当時の
島精機の従業員にとっては「方法」と「実現過程」が全てであった.
次に,合目的的な規律とつきあいの作法についてはどのような状況であったのか.この
点に関しては島社長のリーダーシップとそれを背景とする職場風土について振り返る必要
がある.当時の島精機には,従業員に浸透した島社長に対する絶対的な信頼と島社長自身
の柔らかい現場指導,そして課題解決のためお互いに支え合うシマイズムの職場風土があ
った.関係者へのインタビューの結果を総合すると,創業当初の島精機は組織と呼ぶには
あまりに未熟であり,製品の開発・生産・販売などに必須の知識とノウハウに関わる規律
は徐々に形成されていったが,職場運営についてはメンバーによる協働のために最低限必
要な,世間常識に基づく,まさに「つきあいの作法」が基礎になっていた.こうした状況
においてはリーダーの感覚や言動が集団における価値観と共通理解を支配する.従業員の
個性や自律性,そしてそれに基づく創意工夫を重んじつつ,必要な時には協力して対処す
る職場風土が生まれたのは,島社長のリーダーシップのスタイルが自然に浸透したものと
考えるのが自然である.
4.3
非公式組織における社交の働き
前項において創業初期の島精機の職場風土に社交の要素が豊富に含まれていたことを確
かめたが,バーナードが非公式組織と呼んだ,複数の人々が明確な目標の共有なしに個人
的な接触や相互作用を行う状態には,社交の要素が少なからず含まれている可能性が高い
と考えられる.目的や成果に対する期待や関心が少ない状態であるのは明らかであるし,
その状態がある程度継続するには何らかのつきあいの作法が求められるからである.
したがって,非公式組織における社交の要素は,一般的に,コミュニケーションの促進,
凝集性の強化,個性と自律性の維持などの機能発揮の基盤と成り得ると考えられる.目的
や成果よりも方法や実現過程に重きを置くことで, さまざまなアプローチが可能であり,
そこでの創意工夫の余地が大きい後者において,各メンバーが個性と自律性を自由に発揮
する場が拓かれる.そして各人が目的や課題にチャレンジした成果や実現過程について周
囲に認知され,評価や助言を受けるためのコミュニケーションが自然に生まれる.このよ
うな自己実現と相互認知のスパイラルが安定的に持続する集団にそのメンバーが強く惹き
付けられるのは当然であろう.このような状態が現実に生じ得ることは,本稿において詳
細にレビューしてきた創業初期の島精機の組織の状況が証明している.
ただし当然のことながら,
非公式組織が全てこのような状態に到達できるわけではない.
到達できるかできないかの岐路は,やはり方法と実現過程における自由と規律のバランス
にあると考えられる.創業初期の島精機の例をつぶさに見ると,メンバー自身は方法と実
現過程においてほぼ全面的に自由さを感じている中で,目標や課題を示しつつもしばしば
自ら回答を出してしまう島社長との競争の感覚が各人の潜在力を引き出しているとともに,
島社長にたびたび声をかけられることで常に緊張感と高揚感を刺激されて各人が全力を尽
くすような職場環境が生まれていた.
このような状態が生じた要因としては,まず,メンバーを絶えず刺激しながら統制はせ
ず成果や実現過程をじっくりと見守る島社長の柔らかい現場指導を挙げなければならない.
島社長が高い目標や課題を示すだけでその後の取り組みをメンバーに任せてしまうだけで
は,各人が試行錯誤の連続の中でモラル高く,粘り強く取り組みを続けることは難しかっ
たはずである.
島社長という競争相手でありオブザーバーであるという存在があってこそ,
困難な目標や課題の解決も真剣に楽しめるゲームになるのであり,競争相手が分からず成
果の有無も不明という状況であればそこに参加するモチベーションは持続しない.
その他の要因としては,島精機が競合他社の多い業界の後発のベンチャー企業であった
ことと,従業員の大半が 20 歳台の若者であったことには留意する必要があると思われる.
創業初期の島精機が新規参入を試みた繊維機械産業には多数の競合メーカーが存在したが,
島社長が開発した技術は製品化・量産化に成功すれば圧倒的な優位をもたらすものであり,
現実にそれらは次々と実現して市場シェアを急速に拡大した.島社長が示した高い目標と
課題をクリアすることで現実の成果が生まれたことにより,従業員は島社長の先見性や指
導力への信頼と自らの潜在力への自信を強めていったことだろう.また,従業員の大半は
名もないベンチャー企業であった島精機をあえて就職先に選んだ若者たちであり,目的や
成果の確実さより方法や実現過程の面白さや楽しさを重視する傾向が強かったと考えられ
る.こうした状況が実際にあったことは本稿で引用したインタビュー結果から明らかであ
る.
5. おわりに
最後に,本稿をまとめるにあたり,多くの方にご協力いただいたことに触れておきたい.
とりわけ島社長には,本研究の実施に関して最大限のサポートを賜った.また島精機の藤
田取締役総務人事部長には,さまざまな手配や貴重なアドバイスとコメントを頂戴した.
更に島精機の社員や関係者の皆様にも,ご多忙のなか快くインタビューにお付き合いいた
だいた.ここに心からお礼を申し上げたい.
[注]
(1) 島精機の藤田取締役総務人事部長へのインタビュー結果による.
(2) 島精機の藤田取締役総務人事部長へのインタビュー結果および同社からの提供資料に
よる.
(3) 2011 年 12 月 5 日の島精機OBの上野氏へのインタビュー結果より抜粋.
(4) 2012 年 12 月 20 日の島精機OBの久保田氏,下村氏および吉尾氏へのインタビュー結
果より抜粋.
[文献]
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かなこ
社交する人間
―ホモ・ソシアビリス―』中央公論新社.
奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程単位取得満期退学)
The Element of Sociability in Informal Organization
KOTAKA
Kanako
Abstract
SHIMA SEIKI Mfg., Ltd. is the leading manufacturer of the computerized flatbed knitting
machine and related design systems which has its main office and factory in Wakayama City, Japan.
Mr. Masahiro Shima, its current president, started the business. Despite the negative impact of oil
shock, it reached Japan's top three in ten years and world's top level in twenty years from the
start-up with the successful development of mass-produced computerized machines and
comprehensive design systems.
According to Chester I. Barnard, informal organizations have important functions to support
formal organizations. A review of the theories of sociability of Georg Simmel and Masakazu
Yamazaki and an analysis of results of my field studies at SHIMA SEIKI revealed that proper
functioning of informal organization depends considerably on the element of sociability where
method and realization process are valued more highly than purpose and result.
(Keywords: Informal Organization, Sociability, SHIMA SEIKI)