せお福祉まちづくり計画 福祉用具・住宅改修ニュース 2013.2 H25(2013)冬号 福祉用具貸与・販売、住宅改修に係る最近の話題をお届けします。 高齢者の家庭内の事故 ~居室で歩いていた時に事故が多い~ 平成 24 年度高齢社会白書によりますと、高齢者(65 歳以上)の家庭内事故は、 「居 室」で「歩いていた」時に多く起こっています。ちなみに、20 歳以上 65 歳未満の方 の家庭内事故は、「台所」で「調理中」に起こっています。 (出典:平成 24 年度高齢社会白書、内閣府) 「高齢者の転倒」を別の資料によりますと、以下のような場所で起こっています。 ○屋内廊下 ○居間 ○寝室 ○トイレ ○屋内その他 ○玄関 ○歩道 ○その他 (出典:眞野行生;高齢者の転倒とその対策、医歯薬出版) 実際に、「転びやすい場所」では、以下のような場所があげられています。 ○床の上のちょっとした厚み・・・・居間や玄関、脱衣所などのカーペットやマット ○段差・・・・畳の部屋の敷居やトイレと廊下の境目などの段差、玄関の上がりかまち ○滑りやすい床材・・・・靴下で歩くとフローリングの床は滑りやすい ○散らかった床・・・・床の上の新聞紙や折り込み広告、電気コードなど ○着替えの時・・・・ズボンを脱ぐなど片足で立つ時 靴をはいたり、脱いだりする時 ○浴室・・・・滑りやすい床材/敷いたマットごと滑る ○階段・・・・階段の段の先端の丸まりなど ○はき物・・・・スリッパのサイズが合わない(足先が引っかかりやすい) (出典:溝口千恵子;転倒しない住まい方のくふう、栄養と料理) 高齢になると筋力などの活動性やバランス感覚、敏捷性、注意力が衰えるため転倒 しやすくなります。 歩くこと、歩けることは、元気で健康に過ごすための基本です。また、その方らし く生活できるために欠かせないことです。 家庭内の転倒などの事故を未然に防ぐために、まずは室内の片付けです。 次いで、介護保険制度による以下のような住宅改修や福祉用具のレンタルを利用し て転倒などを未然に防ぐことが望まれます。 《転ばないためには》 【移動を支援し、転倒を防止するための主な住宅改修】 ○手すりの取り付け 廊下、トイレ、浴室、玄関から道路までの通路などへの転倒防止や移動補助のた めの手すりの取り付け ○段差の解消 居室、廊下、トイレ、浴室、玄関などの各室間の段差及び玄関から道路までの通 路などの段差を解消するために、敷居を低くすることやスロープを設置するなどの 改修(通路などの傾斜の解消を含む) ○滑りの防止や移動を円滑にするための床、または、通路面の材料の変更 居室を畳敷きから板張りやビニール系床材などに変更、浴室の床を滑りにくいも のに変更、通路面においては滑りにくい舗装材への変更など 【移動を支援し、転倒を防止するための主な福祉用具の貸与(レンタル)】 ○手すり;取付けに際して工事を伴わないもの ○スロープ;段差の解消のためのものであって、取付けに際して工事を伴わないもの ○歩行器;歩行が困難な者の歩行機能を補う機能があり、移動時に体重を支える構造 のもの ○歩行補助つえ;松葉つえ、4点杖など 福祉用具専門相談員 ・ 福祉住環境コーディネーター1 級 ・ 一級建築士 瀬尾 潔
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