レンタサイクルで小江戸川越めぐり<埼玉県/川越市街>Vol.7

スポーツバイクニュースVol.07
【レンタサイクルで小江戸川越めぐりコース編】
埼玉県
Published by 自転車産業振興協会
旅人・文/田中弾
写真/小野口健太
蔵造りの町並み残る「小江戸」川越
時がゆるやかに流れる
埼玉県の南西部に位置する川越市。江
戸時代は北の守りの要地として、また舟運
の物資の集積地として、武士や町人でにぎ
わい発展してきました。「江戸のように栄え
た」ことから、「小江戸」とも呼ばれています。
明治時代に大火に見舞われたため中心
街のほとんどが焼失しましたが、これを機に
火事に強い耐火建築の蔵造り商家が多く
距離:約7km
建てられました。その街並みはいまも現存し、
訪れる人をタイムスリップに誘います。
今回は、西武新宿線・本川越駅前の「サ
イクルセンターしも(スポーツ館)」で、レンタ
サイクルを借りて周辺を散策しました。走行
距離は7km。30~40分で走れますが、町
全体が見どころの「小江戸」は、時間に余裕
をもっていきましょう。
まずはサイクルセンターしも(スポーツ
館)から東照宮中院通りを東へ走って、
「喜多院」(きたいん)に到着。ここは関東
の天台宗の総本山であり、徳川家ともゆか
りの深い寺院です。敷地内には、客殿(徳
川家光公誕生の間)や、書院(春日局化
粧の間)などの重要文化財があります。写
真は「喜多院」の本堂である「慈恵堂」。
「喜多院」から住宅街を抜けて、「川越城
本丸御殿」へ。市道に出ると自転車専用
通行帯を見つけました。道の拡張工事の
際に、自転車と歩行者の混在を避けるた
めに設置されたそうです。路面をブルーに
塗ることで、この場所が専用通行帯である
とクルマからもひと目でわかるようになって
います。
川越藩の藩主は、代々重臣だった親藩、
譜代の大名(8家21人)が務め、江戸時代
後期には最大17万石を誇っていました。そ
んな当時の隆盛をうかがえる建造物が「川
越城本丸御殿」。堂々とした作りの正面玄
関を入ると、大広間、家老詰所などを見学
することができます。「国内でも本丸御殿が
残っている城は珍しいです」と、サイクルセ
ンターしもの代表、下浩明さん。
「新河岸川」(しんがしがわ)の側道は、川
のせせらぎが聞こえる緑の道。江戸時代に、
この川を使った舟運が発達し、領内の農
産物や特産物を江戸に運んでいました。
当時、川越のサツマイモの人気が高まった
ことから、いまでは「イモの町」としても有名
です。市内では趣向を凝らしたサツマイモ
の和菓子やスイーツを売るお店が点在し
ています。
江戸と川越を結んだ
「新河岸川」。当時は
川岸に河岸場がいく
つもあった。陸路と比
べて一度に荷を大量
に運搬できる利点を
生かしていた
「新河岸川」沿いを走って、中心
街の西へ。「菓子屋横丁」には
20軒を超える店舗が連なります。
人通りが多いので、自転車は押
して歩くのがマナーです。
色とりどりの飴が並ぶ
「玉力製菓」(たまりき
せいか)。創業は大正3
年。昔ながらの手造り
にこだわっています。こ
こで定番のニッキ飴を
チョイス。ピリッとした辛
さ と や さ し い 甘みに 身
体がいやされます。
玉力製菓
川越市元町2-7-7
TEL049-222-1386
「菓子屋横丁」を抜けて一番街通りから、鐘つ
き通りに入ると、江戸時代初頭から城下町に
連綿と時を告げてきた「時の鐘」はすぐ近く。鐘
楼は16mの高さがあり、遠目からもよく見えま
す。午前6時、正午、午後3時、午後6時に鐘
の音が響き渡ります。
「時の鐘」の隣は和菓子の「福
呂屋」(ふくろや)。名物は「絹
美人団子」です。豆腐に豆乳
を 混ぜて仕 上げ た 、 一 風変
わったお団子を食べられます。
もち米100%の皮を使った「鐘
つきもなか」も
人気です。
福呂屋
川越市幸町15-1
TEL:049-222-1103
「ミオ・カザロ 蔵のまち店」は、お肉好きなら
ぜひ訪れたいお店。川越のサツマイモを与
えて一貫生産された、「小江戸黒豚」のハム
やソーセージ、ベーコンをいただけます。
テイクアウトな
ら、「黒豚ドッ
ク」が手軽で
おすすめです。
ミオ・カザロ 蔵のまち店
川越市元町1-15-3
TEL049-222-2861
一番街通りの食事処が、「うんとん処春夏
秋冬」です。営むのは川越市の隣町、川島
町の「笛木醤油」。同ブランドの「金笛醤油」
を使った食事を楽しめます。
スイーツの「醤油もなかアイス」は、バニラ
に濃口醤油を練りこんだ一品。口の中に醤
油の香りがフワッと広がる上品な味わいです。
併設された直売店で、各種醤油を買い求め
ることができます。
うんとん処春夏秋冬
川越市幸町10-5
TEL049-225-6701
市内の醤油蔵をもう一軒ご紹介。
それが「松本醤油商店」。一番
街通りの仲町交差点を西に向か
い、住宅街の中を通ると蔵が並
んでいます。「はつかり醤油」は、
天然醸造方式にこだわって、木
桶で約2年間、自然のまま発酵
熟成させています。まろやかな
味わいです。
松本醤油商店
川越市仲町10-13
TEL:049-222-0432
このコースは
「サイクルセンターしも(スポーツ館)」さんに教えていただきました。
大正12年創業の老舗。ス
ポーツ館の担当は4代目の下
浩明さん。スポーツバイクメカ
ニックの合格者です。同店の
スタッフにも2名の合格者がい
ますので、点検&整備作業も
安心です。
西武新宿線本川越駅から 〒350-0042
徒歩3分。東武東上線川越 埼玉県川越市中原町1-22-1 TEL:049-224-9950(スポーツ館)
市駅から徒歩6分。JR川越駅 営業時間 10:00~19:00 定休日 水曜日
から徒歩15分。
レンタサイクルを実施中
レンタサイクルの台数は20
台以上。電動アシスト自転
車と普通自転車を用意して
います。事前に電話予約か、
来店時に直接お申し込みく
ださい。貸出&返却場所は、
「サイクルセンターしも」の前
で行います。
●料金
電動アシスト自転車1日1回
普通自転車1日1回
●利用時間
10:00~19:00
1,000円
700円
今回走行したルート
ルートラボ
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=1cf3fd7b9dc0dbb3aaf0f88419f75094
≪注意≫
紹介の内容や写真などについては、時間が経過した情報が含まれ、現状と違っていることがあります。
必ずご自身で現地の状況を確認し、自己責任でサイクリングを行ってください。
お問い合わせ先
一般財団法人自転車産業振興協会
TEL:03-6409-6922 FAX:03-6409-6868
URL http://www.jbpi.or.jp
〒141-0021 東京都品川区上大崎3-3-1 自転車総合ビル4F
スポーツバイクニュースVol.07