11 月 第 30 号 岩手の大地の誕生について 柳沢

2015 年
11 月
第 30 号
岩手の大地の誕生について
柳沢先生が謎に迫る
四国四県に近い広さを持つ岩手県。多くの地層に謎が秘められています。し
かも地震に強いことはこれまで大きな被害が他県と比べて少なかったことはな
ぜでしょう。殊にも講演会で県央部にスポット当てて見る機会がありました。
いわてシニアネットと川口印刷共催の第 62 回文化サロン・講演会が 5 月 28
日午後、盛岡市内丸のもりおか歴史文化館で日本洞穴学研究所代表の柳沢忠昭
先生を講師に開かれました。
演題は「岩手、盛岡
大地の成り立ち」。会場には定員 60 人をオーバーする
盛況、高齢者をはじめ女性陣が研修室を満杯にしました。
柳沢先生は宮古市出身で岩手大学を卒業後、県内の高校教諭、県立
博物館の学芸調査委員として個人研究やクラブ指導を通じて鐘乳洞
や北上高地の地質の調査、天体観測に携わっています。また岩泉町ジ
オパーク推進協議会委員として、ガイドブック作成等にあたりまし
た。
北上山地は岩手県の面積の3分の1を占めています。三葉虫、アン
モナイト、恐竜など化石を産し、その東半分が 2013 年に三陸ジオ
パークとして認定されました。
今回は柳沢先生に広く研究の中から、我々が住んでいる地形に知らないでいる多くの謎を解明するのに
手がかりとなるヒントを頂きました。以下は講演の中から絞って紹介します。
話題のジオパーク、育てよう
近年話題になっている「ジオパーク」の説明をします。
ジオ(GEO) は大地のことで 20 年前に(「グリーンツーリズム」とか(「地元学」に動きがありました。釜
石市、田野畑村などは地元学で先行しています。上手く流れに乗れた感じがします。ジオパークは 2004 年
に世界ジオネットワークが欧州を中心に発足、日本では 2009 年に日本ジオネットワークが設立されまし
た。
1
日本は 7 カ所が認定され三陸は 2013 年に認定され、4年毎の再審査でチェックされ、取り組みが甘いな
ど問題があれば落とされます。世界に認められるよう育てて行かねばなりません。
放射性元素を利用して測定
地質時代について、地球の過去を区分したもので、その時代に使われるのが化石です。38 億年前に生物が
誕生、徐々に進化してある時代ではアンモナイト、恐竜と特徴的な生物が生きていました。
一方、この岩石は何年前にできたかを年数を示したものを絶対時代と言います。その測定には放射性元素
を利用します。利用できるのは花崗岩(Gゴマ石 などの火成岩に限られ、ジュラ紀は何年前となると相対年
代と絶対年代をそれぞれ組み合わせて行かねばなりません。その前に(「不整合」という重要な用語がありま
す。不整合は海、湖で水平に堆積した地層が隆起して地表が風化(・浸食作用を受けて不規則で凸凹した浸食
面ができます。その後、海や湖となるとその浸食の上に新しい地層が水平に堆積します。このように下の地
層と上の地層との間に堆積の中断がある関係を不整合というのです。岩泉町茂師海岸、宮古市田老町の三王
岩付近に見られます。
次に北上山地の成り立ちですが、盛岡、早池峰山、釜石を結ぶラインの北と南で地質構造が異なり北の方
を北部北上帯、南の方を南部北上帯と呼んでいます。
北部北上帯は、深い海で堆積した岩石が多く化石は含まれていません。一方、南部北上帯は赤道付近にあっ
た大陸あるいは大陸の端で生まれたと考えられ、主に古生代の中ごろから中生代にかけての浅い海の堆積
物で化石が多く含まれています。それがプレートの運動で北上してアジア大陸に衝突し、現在の配置になっ
たとされます。
地震に強い盛岡地域の花崗岩
盛岡は、北上山地が出現したころ地下8キロメートルぐらいだったといわれます。その花崗岩は、現在北
上山地の総面積の4分の1ぐらいの面積に露出しています。大きなところは遠野盆地で、宮古、田野畑、青
森(
・階上、千厩、姫神というようにあちこちに顔を出します。花崗岩は固くて物理的な力に対しては強いが、
化学的風化をうけやすく粘土と石英の混じった真砂土G山砂
が残ります。
花崗岩は固いので地震に強く、岩手県が誘致しようとしている ILC も花崗岩中に計画されています。固
く地震にも強いことが分かってきます。
260万年前からは第4紀と言われる人類の時代です。私たちホモサピエンスは 20 万年前に現れました。
この時代は「氷河期」と呼ばれ寒くなったり温かくなったりを繰り返しました。
カルストについて話を進めます。カルストとは石灰岩が作る独特の地形を言います。石灰岩は炭酸カルシ
ウムから出来ていてサンゴ、有孔虫の殻が固まったものです。北上山地の石灰岩は一番広いのは安家石灰石
が分布する岩泉・久慈地域です。安家カルストと言う地形が見られます。県内では洞窟が 560 本ほど確認
され日本では 2 位。第 1 位は沖縄県、3 位は山口県です。
安家カルストでは、龍泉洞、安家洞、氷渡洞、内間木洞などの巨大洞窟をはじめ 120 本ほどの洞窟が確
認されています。
G( 波多野勝夫)
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趣味、趣向をより楽しいものに
理事長
千葉文夫
私は時折、我が会の定款を見ることがありますが、先輩をはじめ、会員のみなさまが協力し合っ
て、当会の目的に沿って活動を展開してきたおかげで、現在に至ることが出来ましたことに先ずも
って感謝の意を表したいと思います。最近は市町村等における社会活動においても、パソコンを活
用する機会が多くなっているのではないでしょうか。
当会の会員も 70 歳を超える方が半数を占めているかと思われますが、人生経験豊かな方々の集
団であります。時には趣味(・趣向などをパソコンを通じて、豊かな表現で綴り、あるいはデジタル
カメラなどを使って表現するなどして、我が会の活動への参加が今後とも楽しみ多きものであるこ
とを願っております。当会の組織はご存じの通り、3 部会と事務局とで運営されておりますが、皆
さまが情報通信技術を取得される過程においては当会の組織を活用して(「習うより慣れよ」で、日
頃、利活用されているのが現状かと存じます。
情報通信技術が多くのご家庭で利活用されている現在、我々の活動が情報通信技術を会得しよう
とする方々のお役に立っていると思っておりますが、私は時折、我が会の(「設立趣旨書」を見るこ
とがあります。その中にこんな言葉があります。
「高齢者がインターネットや電子メールを利用し、
遠隔地に住むお孫さんや兄弟と交流したり、ホームページから趣味やライフワークの成果を発信し
たりすることが現実のものとなった。自宅に居ながらにして交流し、情報発信できることが身体が
虚弱になり、外出が困難になっても社会参加し、生きがいを持ち続けられる可能性を大きく広げる
ものである。」とあります。これを見るとき、この会に入って良かったとつくづく思う昨今であり
ます。
会員の皆さまには日頃、会の活動にご協力頂き、我が会の活動が情報通信技術の会得に励んでお
られる方々のお役に立っていることに感謝しております。
27年度上期を終え
事務局長
髙坂隆治
平成27年度も、9月末で1年の半分が終了し、その実績についてみますと
本年5月の総会で皆さまからご審議いただきました27年度の事業計画は、前年度に比して収支と
もに下回る計画でしたが、4月から9月までの実績を見ますとやはりその通りでした。
特に事務局から見ますと、会員数の伸び悩みです。当初小生がシニアにお世話になったころは、
確か200人ぐらいの会員数であったような気がしましたが、26年度末つまり27年3月末は8
3
8人でした。この10数年の間に半減しました。今年の9月末で見ますと会費を納めた方が56人
です。会費納入をお忘れの方がおられると思います。年度いっぱいと言わずできるだけ速やかに納
めて頂きますようお願いいたします。
また、何時もこの広報でお願いしておりますが、総会には是非皆さんご出席をお願いいたします。
また、それより以前に当事務所にお出かけいただきたいものです。少し町の中心よりは離れており
ますが、多少の駐車場もありますので「わが事務所」として是非お運びください。
タブレット講習に参加望む
IT 事業部会長
小笠原
漸
IT 事業部会は対外向け・会員向けに種々の IT 関連事業を実施していますが、主要事業は(「西部
公民館での IT 講習会」となります。しかしながら、以前にも報告している通り年々受講者は減少
傾向となっており、部会であの手この手と知恵を絞って受講
者の増員を目指してはいるのですが・・・。
そして今年度はこの減少が顕著で、4 月から 9 月の 6 カ月
間に計画(
・実施の計 21 講座での受講者の平均がわずか(
「6 人」
と惨たんたる結果となっています。
G昨年度通期実績は 9 人
一方なんでも相談会は毎回 15 人前後の利用があり、こちら
は盛況となっています。
しかしながら主要事業が低調なため、受講料収入が激減状
態であり、サロン来訪者の減少(・会費納入の遅延と相まって、
会の財政状況は大変厳しいものとなっています(G話を変えて 前号でも記載しましたが、会として
タブレット端末を新規に 12 台購入したことで、機器の調達に頭を悩ませることなく(「タブレット
教室」を開催することが可能となりました。現在は、西部公民館において毎月一回(「初めてのタブ
レット端末」と題して講習会を開催しています。実施場所として公民館にとらわれることはないの
で、会員皆さまの希望があればどこででも(
G地元自治会、所属サークル、友人仲間等 開催します。
ただ、タブレット講習の実施には(「無線 LAN(GWi-Fi 」の環境が必要であり、この環境の構築には
色々なやり方がありますので、ご相談頂ければと思っています。
上述の通り厳しい財政状況の改善への一助として、会員皆さまの西部講座の受講(・サロンの利用(・タブレッ
ト講習の計画等、実行動を起こしてくれることを期待しています。
恵まれた環境、スキル向上
4
交流部会長
宮谷 諒
今期から交流サロンの活性化を図るべき試みとして毎週火、水、木週に 3 回開かれていた集いの時間を
週に一度として会員の皆さま向けの(
「パソコン何でも相談会」としサポーターもシニア情報生活アドバイザ
ーの資格を持っておられる方及びパソコンの知識な豊富な方を常時3人配置し新しい体制で発足いたしま
した。
その結果は当然の事ですが一日当りのサロンへの利用者は平均6人となっており以前より増えておりま
すがサロン利用者は一部の方に偏り会員の方のごく一部の方です。
そのサロン利用者の方の感想は概ね(
「良かった」
「満足した」
「助かった」と好評であったと思っております。
サロンの開催されるいわてシニアネットの事務所はネット関係もそろっており場所も近く駐車場も完備
しており熟練したサポーターもそろっておりパソコンを習熟するには大変恵まれた環境でないかと自負し
ております。
是非一度サロンへのお越しをお待ちしております。
ただ残念ながら事務所には古い機種のパソコンしかありませんので皆さまのお使いのパソコンをご持参下
さると適切なアドバイスを受けられると思います。
年賀状を送る季節が近づいて来ました今年の年賀状はパソコンで作成したいと考えている方是非この機
会にサロンへ来て年賀状を作ってみてはいかがでしょうか?
スタッフ一同心からのお出でをお待ちしております。
当会ポスター制作に協力を
広報部会長
平成27年5月28日(木)
「第62回文化サロン・講演会」開催
講師
柳沢
演題
「岩手、盛岡大地の成り立ち」
会場
もりおか歴史文化館研修室
受講者数
忠昭先生G日本洞穴学研究所
代表理事
午後1時30分~3時30分
定員ほぼ満杯の70人
シニアネットからスタッフ5人派遣
内容は冒頭記事に掲載
平成27年5月10日
会報51号
平成27年10月22日(木)
講師
神山
ホームページに掲載
「第63回文化サロン・講演会」開催
仁氏(日本城郭史学会委員)
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熊谷正敏
演題「盛岡城には不思議がいっぱい」
会場
受講者
もりおか歴史文化館研修室
60人
午後1時30分~3時30分
G131人に案内状を発送
盛岡城には不思議がいっぱい
クイズ形式で聴衆を魅了
63 回文化サロンの講演会
第 63 回いわてシニアネット・川口印刷工業主催の「文化サロン」
は 10 月 22 日午後 1 時 30 分から盛岡市内丸 1 丁目、もりおか歴史
文化館研修室で開かれました。テーマは(
「盛岡城には不思議がいっぱ
い」で講師はわがスタッフの神山仁さん。
神山さんは盛岡市出身、川口印刷工業社員でライフワークとして日本城郭史の調査に取り組み、盛岡城に
関する資料調査をはじめ、主に元和一国一城令、江戸幕府の武家諸法度による城郭統制、江戸時代後期に造
られた台場などに関する調査を行っています。
この日の会場は定員オーバーの 70 余人の満席でした。常連の人々に新顔が結構入り交じり確実に増える
勢いです。神山さんは七つのクイズを中心に史実をかみ砕くように説明、ところどころにユーモアを交えな
がら親しみ深い話ぶりに出席者はペンを取りながら熱心に聞き入っていました。
七つのクイズを基に展開された講演は①盛岡城の石垣は主にどんな石を使っているか。②盛岡城の天守
櫓Gやぐら の鯱Gしゃちほこ
を作った職人だれ。③南部信直が見た一番南の城は。④昭和 36 年、石垣
が崩れた原因は。⑤(「不来方」に由来する、鬼伝説が残る神社の名は。⑥南部、伊達両氏が(「国境」を接し
た北上市。関所がある伊達領の町名は何か。⑦東北二大名城というものがありますが、二城とはどこ。など
など・・・
この他いわてシニアネットのポスターを制作予定。
6
被災4年半後の田老を訪ねて
盛岡市
笠水上
譲
9月初旬に、盛岡市上田地域の12の町内会で組織している(「上田地域活動推進会」の主催で、先の大津
波で甚大な被害を受けた宮古市田老地区の復興状況を確かめるとともに、仮設住宅で暮らしている住民の
方々との交流を図ろうという趣旨で開催された旅行会に参加しました。
復興の様子は、「田老地区防災集団移転促進事業」による高台への宅地造成事業が、鋭意、進められてい
るさなかであり、順調に進ちょくしているという感じを受けました。また、私たちが訪れた樫内仮設住宅は、
戸数は68戸で、住民との交流会は仮設住宅の一室(「談話室」で行われましたが、住民の方は15人、当方
は、一行40人ほどで懇談しました。私たちはどちらからと言えば聞き役で、住民の方々からは(「高台の団
地に転居した場合、今と同じように皆と交流することができるだろうか」とか(「知らない人との付き合いが
うまくいくのだろうか」「本当に元気が戻るのは何年後になるのか心配だ」とか「防潮堤は徹底して高く大
きくしてほしと思っている」などの心情が吐露されました。
私たちは、復興事業の実施主体ではないので適切なアドバイスはできませんでしたが、暮らしで役立つと
思われる少しばかりのお土産に(
「長い仮設住宅暮らしで大変でしょうが、前向きに考えてお元気で暮してく
ださい」との励ましの言葉を添えて帰りましたが、少しは元気を差し上げられたがどうか、余り自信があり
ません。
帰路のバスの中では、自分たちがあの人たちの立場ならどうなんだろうと考えて、何とも切ない複雑な気
持ちになったことも事実でした。あの人たちは、まだまだ支援を必要としていると感じましたが、今後私た
ちにできる支援は何なのだろうか?
継続して必要とされることはどんな支援なのだろうか?などなど考
えながら戻ってまいりました。
7
ISN活動日誌 平成27年4月~9月
8
編集後記
パソコンを主体にしたITの普及促進、学習支援の傍らわがシニアネットは自信をもって続けているの
が文化サロン。社会的に幅広く教養と常識を教授する手伝いとでも言おうか、まず会員対象に身に付けてほ
しい事柄を専門の講師から伝えてもらっています。
しばらく休止していましたが、25 年 7 月に再開して今日に至っています。川口工業の全面協力を重ねるご
とに人気は上昇し、毎回ポスター、チラシ、新聞等を見て新しい出席者が増え、主催者側として満足度は高
まっています。
講師先生もいろいろ。第 63 回の講演会はわがスタッフの一人でもある神山仁さん。
「盛岡城には不思議がい
っぱい」と題して日頃の研究を基に熱弁を振るいました。中でも盛岡城は不来方城とは同じではないとの説
明があり
常識が崩れました。身近な不思議(・謎は聞くほどに興味津々~~。皆さん老い防止にもぜひ足を
運んでください。
発行:特定非営利活動法人
住所:〒020-0136
G波多野
いわてシニアネット
発行日:平成27年11月 4 日
盛岡市北天昌寺町 1-60Gコーポ介護センター
電話・FAX:019-681-6160
Oメール:[email protected]
URL:http://www.moon.sphere.ne.jp/isnn/
9
あい1階