麻生区、多摩区、宮前区、高津区、青葉区、町田市、稲城市で、 リニア

みなさまへ
麻生区、多摩区、宮前区、高津区、青葉区、町田市、稲城市で、
リニア中央新幹線の工事が、3年後から始まるのを、知っていますか。
̶̶
原発がなくては運用がきびしい過剰なエネルギー浪費型の、
巨額な借金を抱え、少子化人口減で採算もとれそうにない乗り物は必要でしょうか
̶̶
私はひとりの母親です。9 月末、新聞の折り込み広告の束を見て驚きました。ひっそりと入っていた地味な紙は、
リニア中央新幹線の説明会のお知らせでした。県や市の便りにも、新聞にも載っていなかったことでした。スーパーの
チラシに紛れて、ザラ版紙のような細かな字で埋められた告知書は、誰に聞いても気づいた人はいませんでした。やは
り説明会当日は、大きなホールの会場に、ほんの 50 人程度の出席しかなく、質問も十分に受けてもらえず、一方的に
打ち切られて終わりとなってしまいました。
ただそれだけで、2年後までに確実な路線位置、5∼10kmごとの巨大な立杭や通気施設の位置が決まってしまい
ます。3 年後には工事開始です。地下とはいえ、地上に巨大な施設が次々建設、非常に強い電磁波もほぼ素通りかもし
れず、騒音、振動、地盤のゆるみ・・・問題が山積みです。リニア実験線のある山梨では、工事で大量の残土搬出のため
のダンプ走行や騒音で悩まされ、地下水脈が絶たれたそうです。環境アセスメントはこれから行われますが、
「
『建設あ
りき』のアセスメントはいくらでも都合のいいようにデータはつくられる」と、業界を経験した人が言っています。
はたして本当にリニア中央新幹線は、必要なのでしょうか。説明会では「原発がなければリニア新幹線の運用は厳
しい」と、担当部長が答えていました。5∼9兆円にも及ぶ大事業は、JR東海が巨額の借金を抱え、しかも少子化で
人口も減る日本では採算のとれる乗り物とは思えません。必要ではないもののために、地域住民として直接的被害をこ
うむるのは納得できません。
また、十分に周知を行わず、具体的な数値も出さずに「安全基準をクリアしている」と、うやむやに進めるやり方
は、原発をはじめとする大事業建設で聞いてきた話とまったく同じです。3月の震災と原発事故以来、
「原発に依存しな
い社会をめざしたい」と思う人が増えてきたはずです。国民や各知事を対象としたさまざまな調査や、各地で相次ぐ大
規模なデモが、それを教えてくれています。私たちは足りない電力のために、できるかぎりの努力をして節電してきた
のです。それなのに、国民の感情を全く無視して、しかも知らないところで「原発が不可欠だ」という既成事実がつく
られつつあると思えてなりません。しかも国が建設指示を出したのが、震災後の 5 月なのです。建設費はJR東海が全
額負担するため、国はあくまで「一企業の事業」として横から見ているだけです。
せめて、この事実とリニア中央新幹線の危険性を多くの人に知ってもらいたいと思い、手紙を差し上げました。
「リ
ニア・市民ネット」という団体もできていました。署名活動もしています。
* 「リニア・市民ネット」というホームページ(
「ガウスネット」のホームページから入れます)
* 「STOP!リニア中央新幹線計画」というブログ
を見てください。多くの人に伝えてください。市民活動をしている方は、どうぞ「リニア・市民ネット」とリンクを結
んでください。つながってください。人がつながれば、大きな力になっていくと思うのです。
ドイツや中国は、リニア計画が決まったものの、反対運動が起こり都市部は中止され、世界に都市間リニア鉄道の
実施例は一つもないそうです。
どうぞよろしくお願いします。
リニア中央新幹線は、本当に必要でしょうか。
* 充分な周知なく、3 年後に工事が始まります。
説明会の告知は、自治体等の便りや新聞等には全くなく、新聞広告の折り込みチラシに紛れて細かい字で埋めら
れたザラ版紙刷りのような地味なものが入っていただけ。
地域住民のほとんどが気がつかず、説明会は大ホールに
50 人程度の出席。質問も時間切れとなり、一方的に打ち切られました。
* 地下約40mに設置されますが、地上にも 5~10kmおきに巨大な立杭と通気施設がつくられます。
立杭は直径30m。その周囲に敷地も設けられるでしょう。住宅街の中に、次々立てられるのです。通気施設か
らは、騒音・強い電磁波等の影響が考えられます。予定地は決まっていますが、調査次第でどこに迂回してくる
かわかりません。山梨実験線の工事では大量の残土搬出のためダンプ走行、騒音に地域住民は悩まされました。
* 原発がなければ運用は厳しい、とJR東海も語っています。
リニアは通常の新幹線の何倍も電力を必要とします。
「東京―名古屋27万kW、東京―大阪74万kW」と国土
交通省が公表しましたが、10 月現在、東電中電あわせて7500万kWしか電力が作られていないというのです。
説明会で「原発がなくてもリニア運用できるのか」という質問に対して「今の電力ではまかなえない。電力会社
にはもっと頑張ってもらわないと厳しい」と、建設部担当部長がはっきり答えています。また、JR東海会長は、
5 月に産経新聞で「リスクを承知のうえで、それ(原発)を克服・制御する国民的な覚悟が必要である・・・原
発継続しか日本の活路はない」と語っています。
また、国土交通省の数字は、最大瞬間消費電力なのか疑問があります。ピーク時に合わせて備えなければ、実用は
できないのです。ドイツのリニアを例に具体的に試算した最大瞬間消費電力は、544 万 kW、つまり原発3基分
の電力と、あまりに数字の違いが気になりませんか。
* 非常に強い電磁波が、地上にも及ぶおそれがあります。
高圧線などの電磁場では4ミリガウスの居住環境で小児白血病が二倍という国内外の報告に対して、リニア実験
線では、車内の床で 6000∼40000 ミリガウス。磁気シールドを使用するというものの、JR東海は数字を明ら
かにしないままです。しかも電磁波を遮断できるのは鉄だけであり、地上に及ぶおそれが充分考えられます。
* 巨額の借金を抱えるJR東海と地元自治体
5∼9 兆円の大事業をJR東海が負担します。すでに 3 兆円あまりの借金を抱えている上での大事業。かつて国
鉄が民営化された時借金の多くは国民が負担したのです。
また、中間駅
(2200臆円)
は地元自治体の負担です。
* 将来人口減で、採算は取れるのでしょうか。JR東海の労働組合も強く反対しています。
東海道新幹線のバイパスとしての計画ですが、東海道新幹線は利用客が横バイな上に、少子高齢化で日本の人口
は減ります。JR東海は利用者を「年 1.05 億人」と設定。現在の東海道新幹線の 1.5 倍という過大な需要想定。
* 本当に便利で速いのでしょうか。
東京―名古屋間は、現在「のぞみ」で 96 分。リニア中央新幹線は 40 分。でも中間駅に停車するたび 6 分かかる
ので、24 分プラスされます。中間駅ができても通過することが多く予想され、また在来線との乗換えも困難です。
* ドイツや中国では、建設を決めた後に中止されました。
ドイツでは、コストが高すぎる等の理由で議会で否決され中止に、中国では上海リニア空港線の一部が開通した
ものの都市部までの延伸計画は、
騒音や電磁波による健康被害を懸念する沿線住民の反対などで中止されました。
都市間でのリニア鉄道の実施例は世界に一つもありません。
* 南アルプス地下にトンネルを作るなどの自然破壊、地盤のゆるみ 、JR東海の財源不安 、長距離ト
ンネル内の無人運転等に対する技術的不安、南アルプス大断層の不安・・・・いろいろな問題があるの
です。
※中間駅建設費の地元自治体負担分は、近く変更される見通しとなりました。
※正確な数値などについては「リニア・市民ネット」のホームページやパンフレットをごらんください。