施政方針 - 最上町

平成 27 年度
施政方針
選択と集中
英知の結集による
ぬくもりに満ちた元気な地域の再生
平成27年3月
山形県最上町
目
次
1.はじめに
1P
2.町政施行60周年を終えて
2P
3.27年度における町政運営の基本姿勢
3P
4.重要施策・事業
4P
(1) 6次産業をはじめとする地域産業基盤の整備
4P
(2) ぬくもりに満ちた「子育て王国」の創生と人づくの充実
(3) いのちと暮らしを守る安全・安心な社会の構築
(4) 若者交流や福祉連携による定住対策の強化
(5) 再生可能エネルギーの普及・推進
7P
8P
11P
12P
(6)
地域力を生かした魅力ある地域の再生
(7)
健全財政の維持にむけた取り組みの強化
12P
13P
5.共通戦略〈職員力・行政力の向上〉
15P
6.結びに
15P
27 年度最上町施政方針
1.はじめに
本日ここに、平成二十七年度の各会計予算並びに諸議案の審議をお願いするにあたり、
私の町政運営にむけた基本的な考えと施策の大綱を申しあげ、議員並びに町民の皆様のご
理解とご協力を賜りたいと存じます。
まずは昨今における内外情勢について申しあげます。
今年一月、イスラム過激派組織による日本人人質事件が発生し、私たち国民の願いもむ
なしく〝人質殺害〟という、残忍かつ卑劣極まりない事態となりました。ここに衷心より
哀悼の意をささげるととともに、戦後七十年を迎える今日、国民一人ひとりが〝平和の尊
さ〟というものを再認識し、内外にむけて発信すべき時にあり、その一端を私たち自身も
担うべきものであると認識するところです。
一方、経済面では、アベノミクス効果等により、首都圏域等の大都市や一部の業種に明
るい兆しが見えてきてはいるものの、地方においては未だ景気回復の実感には程遠く、む
しろ地方と都市部との二極化が進んでいることを心配するところであります。
こうしたなか、増田寛也氏が座長を務める「日本創生会議・人口減少問題検討会」が、
『このままでは八百九十六の自治体が消滅しかねない』という、大変衝撃的な調査結果を
発表いたしました。いわゆる〝増田レポート〟と呼ばれるもので、人口減少問題に警鐘を
鳴らすとともに、国と地方自治体が一体となってこの問題に真正面から取り組むことの重
要性を訴えたものです。
しかし、この増田レポートは、何もしなければそう言った状況になると言う事であり、
逆に都会の課題を地方の魅力で連携・共生し合うと言う視点に立てば、これは極めて大き
なチャンスであると思います。
一つ例を挙げれば、〝都会は決して子育て環境が良い〟とは思いません。その点、地方
には、隣りの子供も地域の財産として温かく育てる、素晴らしい環境があると思います。
昨年、議会の皆様から「子育て王国・最上町を目指そう」という、ご提案をいただきま
した。このご提案を下に、若い世代の就労・結婚・子育て環境を充実するために、国に先
がけて「保育料の無償化」を実現してまいります。
二つ目の都会の課題は、今後、地方以上に超高齢社会を迎えると言う事であります。親
戚付き合いをさせていただいております板橋区におきましても、福祉の施設に入所したく
ても、入所出来ない方が何万人もおられると聞き及んでおります。こうした課題について
も国が検討しているプラチナコミュティー政策として、住所地特例にあるように、住所は
そのままで地方に来ていただいて、温かいもてなしで美味しい物を食べていただいて長生
きしてもらう。まさしく都市と農村の福祉連携は、健康と福祉の町としての財産でありま
す。
そしてこれからの国づくりの大きな課題は、震災の教訓として学ばさせていただきまし
た、再生可能エネルギーと環境問題であります。産業として成り立つ仕組みも含めて地方
の財産であります。そう言った視点を軸として、今後の「まち・ひと・しごと創生総合戦
略ビジョンの策定に取り組んでまいります。
-1-
27 年度最上町施政方針
その基本は何と言っても町民一人ひとりがこの町に自信と誇りを持つと事が何より重
要な事であり、これをなくして「地方創生」は成り立ちません。
自治協働のまちづくり、これは私の政治理念であります。町民一人ひとりがまちづくり
政策のどの位置に立っているかを常にイメージする。これは誰よりも負けませんよ、この
事は一人で出来ないがあの人とあの人、あの人も仲間に入ってもらおう、そう言ったつな
げ方。「集落自治活性化応援交付金」のさらなる充実等も図りながら、行政と地域が一体
となって、本町の良好な維持・発展に向けて、議会をはじめ町民の皆様との話し合いを通
して、強い信念を持ってまちづくりに取り組んでまいりますことを、まずは冒頭に申し上
げさせていただきたいと思います。
2.町政施行六十周年を終えて
昨年、本町は「町制施行六十周年」の記念すべき大きな節目を迎えました。六十年とい
うまちづくりとしての「還暦」を迎えるに際し、決してお祭り騒ぎやお祝いムードに終わら
せることなく、これからの時代の変容をしっかりと見据え、求められるあるべき姿にむけ
てスタートを切るものでなければならない、そして「次代を担う子どもや若者たちが、こ
の町をこよなく愛し、誇りを持ち続ける」ことにつなげていくことを、記念事業の統一し
た趣旨としたところです。
振り返りますと、子供たちの元気いっぱいで、はつらつとした姿が実に印象的だった「町
民大運動会」
、八百人を超える老若男女による大合唱と、子供たちからまちづくりへの力
強いメッセージをいただいた「六十周年記念式典」等の代表的な記念事業は、まさしく今
後のまちづくりに必要とされる原動力を生み出す大変意義深いものであったと思います。
時というのは、絶え間なく刻み続けられるものであり、過去に刻まれてきた時は「歴史」
となり、これから刻み込まれていく時は「未来」へと受け継がれていきます。六十年とい
うのはあくまでも通過点に過ぎません。数々の記念事業をとおして学んだ点を糧とし、二
十七年度におきましては〝町制施行六十一周年〟という気概をもって、積極果敢な町政運
営に臨んでまいります。
平成二十六年度の振り返りとして特筆すべき点は、前中村町政時代からの懸案課題であ
りました最上小国川の治水対策が、いよいよ実現の運びとなったことです。その具体的な
取り組みである「流水型ダム」の建設につきましては、皆様ご承知のとおり、本年二月に
施工業者が決定し、間もなくダム本体工事が着工されます。
この場をとおして、改めまして議員の皆様、そして実現にむけてご尽力賜りましたすべ
ての皆様に、心から感謝を申し上げますととともに、今後も引き続き、早期完成と下流域
の整備にむけて、県等の関係機関と連携を密にしながら、安心安全の環境づくり、清流小
国川の魅力づくりに頑張ってまいります。
もう一つ特筆すべき点は、
「ふるさと納税」の大幅な伸びでございます。今年二月末時
点で約二億三千万円、ご寄附をいただいた個人・団体等の件数は、本町の人口を大きく上
まわる約一万八千人となっています。これらの数値は前年度対比で約五倍となっています。
-2-
27 年度最上町施政方針
この一万八千人のふるさと応援団の皆様とどう向き合っていくか、今後のまちづくりの
大きな鍵を握っていると言っても過言でありません。
現在、国はこの制度の手続きを簡素化することとしておりますので、一過的なブームで
終わることなく、本町におきましても〝ご寄附をいただいた皆様とどうつながりを持たせ
るか〟に留意し、きめ細かな情報発信と魅力ある返礼品づくりと合わせて「最上町ファン」
の更なる獲得にむけて取り組んでまいります。
また平成二十六年度は、米価の大幅な下落や国の農政の大改革、教育制度や社会保障制
度の改革等、さまざまな分野において大きな転換が余儀なくされる〝変革の年〟でもあり
ました。このことは、町政面におきましてもこれまでにない課題が新たに生じるとともに、
行政が担うべく役割と責任が一段と大きくなったと言えます。
このため施策目標に基づく各課横断による執行体制の確立と、選択と集中を具体的に進
めるための事務事業評価などの制度設計、それを実行するために不可欠である職員力の向
上が、より強く求められた一年であったと振り返ります。
3.二十七年度における町政運営の基本姿勢
以上、これまで申しあげました内外の情勢、そして二十六年度の振り返りを踏まえると
ともに、第四次基本構想と第五次行財政改革プランに基づき、平成二十七年度における町
政運営の基本姿勢を『選択と集中、英知の結集によるぬくもりに満ちた元気な地域の再生』
とさせていただきました。さらにこの方針の下に、それぞれ七つの重点施策と五つの共通
戦略を設定したところです。
まずは「選択と集中」についてですが、これ自体は三年連続しての表現となります。町
行政の守備範囲がますます広がるなか、そして中長期的な課題の解決にむけた戦略が強く
求められているなか、
「今やらなければならないこと」のために、
「あれも、これもか」か
ら「あれか、これか」にむけた姿勢をこれまで以上に徹することの必要性を象徴したもの
です。
次に「英知の結集によるぬくもりに満ちた元気な地域の再生」についてですが、このな
かの「英知の結集」とは、私の政治理念であります〝自治協働のまちづくり〟を表したも
のであり、行政だけでなく、全ての町民の皆様が知恵を出し合うことによって、未来にむ
けたまちづくりの可能性がより大きく広がるという、期待を込めたものです。
さらに「ぬくもりに満ちた元気な地域」では〝やさしさ〟や〝支えあい〟〝認め合い〟
のまちづくり精神をもって活力を生み出していこうとする姿勢です。
こうしたテーマのもとに平成二十七年度のまちづくりを進めてまいりますが、留意すべ
き点、大事にすべき点は、何と言っても「町民の皆様と行政が膝を交えてきちんと話し合
う」ところにあります。
人口減少社会と少子高齢社会が進み、これまでに経験したことのない課題が生じている
なか、本来的には、町政課題とこれに対する町民の皆様との間に認識のズレがあってはな
-3-
27 年度最上町施政方針
りません。課題解決にむけた手法にそれぞれ違いはあっても、目指すべき目標を共有し合
うことが、極めて重要であると心得ます。そういう意味におきましても、二十七年度にお
きましては、話し合いの原点である集落等での座談会を行ってまいります。
「英知の結集」という点ではもう一つの意味がございます。主管課による施策や事業の
展開のみに終始せず、国や県等との縦軸的な連携はもとより、関係課との横軸連携、PD
CAサイクルの徹底を図っていく姿勢も言い表しております。
今般の予算編成作業につきましては、これまで申し上げました新年度にむけたまちづく
り指針を基に、全課をあげて所期の目的達成にむけて、最も実効性の高い適正な税金の使
い道に知恵を絞ってまいりました。いわゆる各課における予算の分捕り合戦ではなく、よ
り一体感のあるまちづくりを強く意識しなければならないとの共通認識のもとに成り立
っているものと自負しております。
4.重要施策・事業
次に、基本姿勢に基づく七つの重点施策について、その基本的な考えと特徴的な取組み
についてご説明申し上げます。重点施策の一点目は「六次産業をはじめとする地域産業基
盤の整備」です。
(1) 6次産業をはじめとする地域産業基盤の整備
① 農業の担い手育成及び経営体組織化の推進
まずは「農業の担い手育成及び経営体組織化の推進」として、農業生産額〝五十億
円の達成〟にむけた各種施策の推進について申し上げます。
国は「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づき、農林水産業を成長産業とし
て位置付け、農業者の所得向上と農山村のにぎわいを作り出すことを目指すとともに、
食料自給率・自給力の維持向上にむけた施策展開を示しました。
主な施策の柱は「担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進」「新たな
経営所得安定対策の着実な実施」
「強い農林水産業のための基盤づくり」
「畜産・酪農
の競争力の強化」
「農林水産物・食品の高付加価値化等の推進」
「人口減少社会におけ
る農山漁村の活性化」、
「林業の成長産業化」等であります。
これらの施策や制度に対しては、いち早く情報を入手し、農業者に対し、より有効
に対応できるよう努力してまいります。
基幹作物である稲作については、今般の大幅な米価の下落と高齢化による離農者が
増加することが懸念されることから、農地集積による農作業の効率化と生産コストの
低減に向けた直播栽培等の取り組みを進めてまいります。
また、平成三十年以降の米の需給調整廃止を踏まえた、ブランド力と特色ある米づ
くりについても推進してまいります。
次に畜産振興については、最上市場における和牛子牛価格が高値で安定しており、
生産者の意欲が高まっていることが明るい材料として挙げられます。しかしながら、
-4-
27 年度最上町施政方針
町内で肥育されている和牛に対して、町内で生産される和牛仔牛は一割程度となって
いるため、引き続き、県の「やまがたの和牛増頭戦略」と一体となり和牛仔牛の生産
増大に努めてまいります。
特に、二十七年度からは、黒沢の肥育団地、横川の繁殖団地が稼働することにより、
計画的な増頭が期待されるとともに、地域内一貫生産をとおして、畜産部門での生産
額の増大と所得の向上を目指してまいります。
園芸作物の生産拡大については、アスパラガスの生産体制の安定化により、生産額
四億円の達成が目前に近づいてまいりました。さらには、ニラやネギ、キュウリ、ト
マト、リンドウなどの露地作物部門におきましても、六億円の売り上げを目指す勢い
にあります。二十七年度につきましては、県の事業と併せて積極的に支援を行い、主
要作物生産への新規取り組みの確保と新規栽培面積の拡大を図るとともに、周年農業
の作物である「菌茸」の生産拡大にも引き続き取り組み、五十億円の目標達成にむけ
て、ハードとソフトの両面から取り組んでまいります。
また、二十七年度からは、昨年国が策定した「新たな農業・農村政策」に沿うかた
ちで、町の施策をさらに推進することを基軸にしています。その一つが、農地中間管
理機構による担い手への農地集積や集約化を加速化し、農用地を継続して耕作するこ
とによる遊休農地の発生防止と、農作業の効率化による経営の向上を進めるものです。
特に、大幅な米価の下落や、家族内に担い手のいない農業者の高齢化による離農者
の増加が懸念されるなか、地域農業の守り手として、また、農地集積を図る上では、
認定農業者や人・農地プラン位置付けられた地域の中心経営体の存在はますます重要
となってきます。
認定農業者や人・農地プランに位置付けられた地域の中心経営体は、着実に増えて
いる状況にありますが、個人としての農地集積の容量には限界もあることから、将来
を見据えた、中心経営体の組織化と集落営農への組織化に向けた支援、併せて基盤整
備事業の導入を進めてまいります。
そのためには、まずは地域での農業や地域づくりの話し合いを進めていただくため
の啓発活動と、多面的機能支払交付金事業を活用した営農環境の基盤づくりを継続し
て進めてまいります。
② 地域資源を活かした産業創出及び着地型観光の推進
産業振興分野の二点目は、「地域資源を活かした産業創出及び着地型観光の推進」
でございます。
本町には、有形無形の地域資源が豊富にあります。むしろ無尽蔵であると言っても
過言ではありません。これらの地域資源を活用することは、新たな産業創出を可能に
するものであり、本町の産業構造をより強固なものにします。
二十七年度は、中心商店街の活性化をはじめ商工業振興、観光業振興を推進するに
あたり、マンパワーを含めた「地域資源」の積極的な発掘を行い、また生活課題や地
-5-
27 年度最上町施政方針
域課題の解決と直結する新しいスタイルのビジネスチャンスを創り出すための取り
組みを強化してまいります。
また観光面では、昨年は「山形デスティネーションキャンペーン」をはじめ「県民
総参加・全産業参加」をテーマに、県内各地で様々な事業が実践されました。二十七
年度は「山形ポストDC」としての位置付けを行うとともに、バイオマス視察ツアー
をはじめ、JR日東日本とのタイアップ事業、奥の細道や義経・弁慶伝説にちなんだ
事業、巨木ツアーや教育旅行の受け入れなど、本町の観光資源を生かした着地型体験
観光の取り組みと、「食の魅力」「おもてなし」「風土・歴史」といった地域の資源や
魅力を組み合せた取り組みをさらに強化してまいります。
さらに、両温泉の連携した取り組みと広域観光の推進、土産品の開発など、新たな
ページを開く観光地づくりを推進してまいります。
なかでも特筆すべき事業は、「瀬見温泉共同浴場」の改築でございます。瀬見温泉
街のシンボル的な交流拠点づくりにむけて、平成二十四年度から同地域と行政関係者
との間で「活性化検討委員会」を組織し、また昨年からは「活性化推進協議会」に名
称を改め、これまで十数回にわたり議論を重ねてまいりました。
こうした議論の集積の成果として、今年度は共同浴場の実施設計に着手し、二十七
年度にはいよいよ改築工事に着手する運びとなりました。年内での工事完成と供給開
始を目指し、翌二十八年度は周辺整備として、無散水による融雪対策を施した駐車場
整備を予定しております。
本事業は単なるハコモノ整備でなく、各旅館と温泉街全体との新しい関り、さらに
は瀬見温泉街と瀬見地域との新しい関りを創出するものであり、今後の観光振興にお
いて先導的な役割を担うものであると確信しております。
くわえて、事業の企画・立案の時点から徹底した話し合いを経て今日に至りました
ことは、まさしく自治協働のまちづくりの真髄とも言えるものです。
③ 六次産業化の推進及び農観商工、産学官金による連携強化
「六次産業化の推進」につきましては、本町を代表する産業の一つである農林水産物
の生産を基盤として、加工、流通・販売を一体的に取り組むことによって、そこで生
み出された付加価値をできるだけ地域の中で蓄積・循環させることが重要です。
そのためには、農林水産物の魅力を最大限に引きだす加工技術を持った食品加工業
者を核として、観光・商業・教育・医療福祉など食産業に関わる関係機関や団体が相
互に連携、協働して加工品の製造・販売等までを実践していくことが重要であり、そ
れによって地域の様々な産業の振興が図られ、地域産業の発展及び雇用の創出に結び
付いていくものと考えます。
また、地域に伝わる伝統的な食文化を継続していくためには、生活に密着した女性
の活動の支援や若者の発想を活かした新しい販売市場の開発に取り組んでいくことも
重要であるとの考えのもと、それを実現するために、これまでの「夢チャレンジ交付
-6-
27 年度最上町施政方針
金事業」から「農観商工ビジネスチャンス支援交付金事業」に名称を改めて、支援内
容の強化・充実を図ってまいります。
さらに産業振興センターの機能のあり方につきましても、ただ今申し上げました「六
次産業化」と「農観商工連携」による総合的支援をより強固にしていくために、組織
体制の見直しと施策・事業の充実を図ってまいります。
(2) ぬくもりに満ちた「子育て王国」の創生と人づくの充実
重要施策の二点目は「ぬくもりに満ちた子育て王国の創生と人づくりの充実」でご
ざいます。
① 子育て・子育ち日本一の郷(さと)づくりの推進
まずは「子育て・子育ち日本一の郷づくりの推進」ですが、昨年の六月定例会後に、
議会の皆様から「子育て王国・もがみ」にむけた積極的な施策展開の一つとして、保
育料の無償化を求めるご提言をいただきました。
このご提言を裏付けるデータとして昨年、本町が実施した保護者層へのアンケート
調査から「保育所や幼稚園にかかる費用負担の軽減」を求める声が、約六〇%にも達す
ることを確認いたしました。
こうしたニーズにお応えするために、二十七年度は国に先がけて、三歳から五歳時
における保育料の完全無償化に踏み切るとともに、未満児につきましても利用料金の
軽減化を図ってまいります。
ここで重要な視点は、単なる無償化ということではなく、将来の最上町を担う子供
たちが最上町の財産として皆で支えていくと言った、集落自治機能の醸成の上で成り
立っている政策であるという目的を共有することが重要と考えております。
そして子育て世帯への経済的な支援を通して、家庭経済の安定化につながる事で少
子化対策の一助となる一方、女性の就労支援にもつながり、家庭教育の一層の充実が
図られると共に、
「子供たちの子育ち環境の充実」にむけて、地域全体で子供たちを育
もうとする機運づくりにつなげてまりたいと考えております。
二十七年度の重点としましては、今年四月からスタートする「子ども・子育て新制
度」の下に、本町でも「最上町子ども子育支援事業計画」に沿った幼児教育・保育を
進め、子育て、子育ち日本一の郷を目指してまいります。
② より効果的で総体的な「学び」「学びあい」環境の充実
続いて「学校教育」における学びの充実について、申し上げます。
児童生徒の学力向上が喫緊の教育課題として挙げられるなか、主体的な学びの環境
づくりを図るために、本町では「最上町読書推進計画」を策定し、小・中すべての学
校で読書活動の推進に取り組んでまいりました。
二十七年度は、この環境をさらに充実するために、学校図書館の蔵書へのバーコー
ド化に取り組みます。このことにより、本を借りる時も、パソコンにつながったバー
-7-
27 年度最上町施政方針
コードリーダーに読み込ませるだけで、簡単に手続きが終了します。どの本が、どの
学年に、どれだけ読まれているか等が、自動的に集計され、より効率的に読書活動の
推進に富み組みやすくなります。
また、以前より進めていた特別支援を要する児童生徒への対策として、特別支援教
育支援員の配置や巡回相談をとおして、個の特性に応じた柔軟な学びへの支援を行っ
てまいります。
子どもたちに居心地の良い環境を構築することが、引き続き不登校ゼロの継続につ
ながり、それが学力向上という結果に結び付いていくものと信じています。
③ 郷土への誇りを実感できる人材の育成
本町の教育目標は、
「この町に住み続けたいと思える子どもの育成」です。そのため
には、地域を理解し町を好きになってもらうことが大切であり、この町の住民の一員
であることに自信と誇りとを持ってもらうためのきっかけづくりが必要です。二十七
年度は、その取り組みとして、青少年海外研修事業の継続や芸術文化活動への支援そ
して、子どもたちに受け継がれる郷土の文化や歴史の継承を推進してまいります。
また小・中学校で取り組まれている、俳句を通じた文化力の向上に努めるほか、二
十七年度の「子ども議会」では、最上中学校の生徒を対象に実施してまいります。
町技であるスキーの振興にも力を入れてまいります。二十九年冬に「全国中学校ス
キー大会」のアルペン競技が赤倉温泉スキー場で開催されますので、これに照準をあ
わせてスキーの強化を図り、スキー王国としての伝統を守ってまいります。
(3) いのちと暮らしを守る安全・安心な社会の構築
重要施策の三点目は「いのちと暮らしを守る安全・安心な社会の構築」についてで
あります。この分野は非常に間口が広く、また町民の皆様の生活と密接に関係するも
のですが、防災、ウエルネス、生活環境面の三点を重点に申し上げます。
① 消防力強化と防災・減災の推進
一点目は、危機管理、防災・減災対策についてです。
昨年は八月に発生しました広島県での土砂災害や九月の御嶽山噴火などの自然災害
により多くの尊い命が失われ、あらためて災害に対する備えの大切さを痛感しており
ます。
二十七年度は、各方面からのご意見をもとに改訂しました「最上町地域防災計画」
の具体化にむけて、計画内容の周知の徹底はもとより、自助・共助・公助の一層の連
携をとおして、いのちと暮らしを守る施策をすすめてまいります。
「共助」の部分では、地域防災の要となる「自主防災組織」の組織率向上と活動内
容の充実を重点に取り組んでまいります。特に未結成地区に対しましては、引き続き
積極的に組織化を働きかけ、二十七年度末までに「組織率一〇〇%」を達成するよう
-8-
27 年度最上町施政方針
目標を設定します。また、結成済みの自主防災組織につきましても、広域的な連絡・
連携を図るとともに、地域防災のリーダーを担う人材育成を図り、防災のまちづくり
を目指します。
「公助」としての取り組みとしましては、地域防災計画の改訂に併せて避難判断基
準等が見直されたことにより、土砂災害ハザードマップ等の見直しを行ってまいりま
す。また、自然災害や事故災害に対する、職員や住民の行動・対処マニュアル等の整
備・見直しに取り組み、発災時の迅速な対応・対策を指標とします。
続いて、消防力の強化につきまして申し上げます。
消防団は地域に密着した消防機関として、郷土愛護と使命感のもと、地域の防災リ
ーダーとして幅広い活動を行っておりますが、昨今の団員の減少は、地域防災力の弱
体化に直結する大きな課題であります。
二十七年度につきましては、消防団の重要性や必要性を町民の皆様から認識してい
ただき、さらなる協力と消防団への加入促進を図るとともに、消防団活動協力員、さ
らには自主防災組織との連携による消防団を中核とした地域防災力の充実強化にむけ
て、総合的、計画的に取り組んでまいります。
② 生涯現役生活にむけたウエルネスの推進
次に「生涯現役生活にむけたウエルネスの推進」についてでございます。
超高齢社会の進展に伴い、地域包括ケアの必要性が全国的に注目されているなか、
本町ではかねてより、健康と福祉のまちづくりを礎とした「ウエルネスタウン構想」
に基づき、保健・医療・福祉の連携による「最上町地域包括ケアシステム」を構築し、
これを実践してまいりました。
団塊の世代の皆様が七十五歳以上になる二〇二五年に向けて、これまで以上に行政
のみならず、主役である町民の皆様さん一人ひとりが持てる力を出し合い、みんなで
満足を分け合い、そして地域の様々な資源を町が有機的に結び付けることによって、
高齢者の方々がより一層、生き生きと光り輝く“光齢者”となるべく、本町の地域包
括ケアシステムはさらなる充実が求められています。
今般策定の「第七次最上町高齢者保健福祉計画」は、こうした諸情勢と必要課題を
踏まえながら「第六期介護保険事業計画」と併せたものであり、高齢者の皆様がこれ
からも安心して住み続けていただけるための一助とするために、二十七年度からは、
おむつ券支給や介護激励金制度の充実を図り、在宅介護を積極的に支援いたします。
また、「第二次最上町地域福祉計画」と「第二次ウエルネスタウン最上二十一計画」
の双方の連結により、町民の皆様の年代や、健康レベルに応じた総合的な取り組みを
とおして、サロン活動を中心とする健康づくりや予防活動、地域の支え合い活動を進
めてまいります。
「健康ポイント制度」も個人の健康づくりから地域での取り組みに進化しておりま
すので、二十七年度におきましても、集落を中心とした健康づくりの輪を広げていく
-9-
27 年度最上町施政方針
とともに、制度への登録者数の増強を図ってまいります。
最上病院につきましては、経営の安定化を図ることはもとより、町民の皆様からよ
り信頼される病院となるために、医療スタッフの接遇面を重視した研修に努めるほか、
昨年、導入しました電子カルテシステムの効率的な運用と運用体制の充実をとおして、
各種医療サービスの品質向上に努めてまいります。
また、介護老人保健施設「やすらぎ」及び「グループホームやすらぎの家」につき
ましては、最上病院や特別養護老人ホーム「紅梅荘」等との連携を密にし、中間施設
としての機能を最大限に発揮し、在宅支援サービスの充実に努めます。
③ 安全で快適な生活環境の整備・充実
次に生活環境面につきましては、引き続き、町道の改良事業をはじめ、道路ストッ
ク事業による舗装修繕、老朽化した橋梁整備を実施するほか、志茂・新田集落におけ
る流雪溝の整備や町営住宅の修繕とエコ住宅改修費補助、住宅リフォーム事業などを
実施してまいります。
また、五年目をむかえたPFI方式による浄化槽の整備事業につきましても、積極
的な啓発活動を図りながら、普及率の向上を目指します。
続いて雪対策でありますが、五年連続の豪雪となった状況を踏まえますと、もはや
豪雪は特別なものではない、という意識のもとに雪対策に万全を期していかなければ
ならないと肝に銘じているところです。
やはり降雪期の前に、集落単位での「雪対策会議」の開催や除雪委託業者との打ち
合わせを行い、万全の体制をもって冬期間の安全・安心を確保するとともに、懸案課
題であります排雪場所の確認や排雪のルール化等について、住民の皆様としっかりと
話し合い、認識の共有化を図ってまいります。
安全・安心面では、交通事故や犯罪という事件事故を未然に防止するとともに、悪
質な飲酒運転の撲滅に向けて、関係機関との連携した啓発活動や立哨活動を展開し、
特に子供と高齢者の関係する交通事故の抑止のため、相互年代間の交流の機会を捉え
た交通安全指導を取り組んでまいります。
また、衛生環境面では、特にゴミの量に関しては、減少傾向にあった人口一人当た
りのゴミ排出量は下げ止まりに予想されており、今後、より減量化に向けた三R(スリ
ーアール)運動の推進として、さらなる啓蒙運動に努めてまいります。
いずれにしても、子供たちの手本になる大人のマナーが大切であります。交通安全
やゴミの分別減量はもちろん、不法投棄、野焼き、たばこのポイ捨て、犬の散歩など、
マナーの向上によって改善できるものであり、あらゆる機会を通じて「快適な生活環
境」を目指した取り組みを実施してまいります。
- 10 -
27 年度最上町施政方針
(4) 若者交流や福祉連携による定住対策の強化
重要施策の四点目は「定住化対策の強化」であります。
①
若者定住環境モデルタウンの整備
将来に希望をもって本町に住み続ける若者や、本町のまちづくりに共感し、移住を
希望する若者に、環境にやさしく安心して子育てができる居住空間として計画を進め
てまいりました「若者定住環境モデルタウンの整備」に、いよいよ着手します。
整備の内容は、区域内の道路整備や上下水道等のライフライン整備、地域内住宅の
暖房・給湯を木質バイオマスボイラからの熱供給による集中管理を行うことや地下熱
利用による融雪などの環境整備となっています。
また、住宅整備の手法としましては、
「最上町版モデル住宅」と「地域優良賃貸住宅」
そして「分譲地」の三つに区分されます。実質的には二十八年度の建築となりますが、
施主の意向が充分に反映されることを大切にしながら、産・学・金・官の知恵を結集
して、最良の「最上町版モデル住宅」を創りあげてまいります。
②
婚活支援の充実と取り組みの強化
今日の社会的課題の一つとして、若者たちの間に「結婚したくても結婚できない」
という点が挙げられます。本町としても、結婚への支援として「結婚サポータ推進協
議会」を立ち上げ、小規模ではありますが、年間三回の若者交流パーティーを開催し
てまいりました。現時点では、成婚にまでは至りませんが、このパーティーをきっか
けにお付き合いをしているカップルも何組か誕生しております。
課題としましては、当該者であるご本人の参加意欲が低い点にあります。こうした
課題を踏まえ、全体を同一として捉えるのではなく、個々人の思いが反映されるよう
な企画が必要であり、きめ細やかな配慮をもって取り組む必要があると考えています。
二十二年度から最上地域八市町村で取り組んでおります「域婚イベント」では「結
婚を意識した出会い」という目的を外すことなく、これまで約五百名の方々が応募さ
れ、最上地域最大の婚活活動を行っている団体として広く周知されるようになってき
ております。
二十七年度におきましては、効果を上げるためにターゲットを絞り、より多くの参
加者が集うことのできる新しいスタイルの婚活支援と男女双方の新たな婚活需要に応
えるため今後も積極的に取り組んでまいります。
③ 都市部との積極的な交流によるUJIターン受入れの充実
交流事業の推進につきましては、東京都板橋区との交流をはじめ、東日本大震災等
を契機とする「防災協定」の締結など、自治体間での連携した取り組みがなされてい
るところであります。地方と都市との魅力を相互に理解し合うことで新たな交流が生
まれ、そこに住む人々のくらし、情報を共有することで新たな展望が開けるものと信
じております。
- 11 -
27 年度最上町施政方針
特に若者の交流については、出会いの場の創出やUJIターンを希望する若者たち
への活動支援、受入れ態勢を整備、生活基盤確保の視点から具体的な相談に丁寧に対
応するため「移住アドバイザー」の設置などを検討してまいります。
また本町を多くの皆様に知っていただくために、特に首都圏に本町の魅力をPRし
ていく手段の一つとして、東京有楽町にある「ふるさと回帰センター」を積極的に活
用してまいります。
(5) 再生可能エネルギーの普及・推進
重要施策の五点目は「再生可能エネルギーの普及・推進」であります。
① 環境資源の保全活用による地域力の向上
本町の面積の八四パーセントを占める二万七千八百ヘクタールの森林は、木材等の林
産物の生産資源としてだけでなく、町土の保全、水源の涵養、自然環境の保全など、多
面的機能を通じて地域経済の振興と住民生活の安定に大きな役割を果たしております。
林業振興につきましては、森林の間伐を継続して行い、木質エネルギーの利用と森林
の管理の徹底に努めてまいりたいと考えております。
また間伐を行う際に必要不可欠な林道につきましても、管理の徹底に努めてまいりた
いと考えております。
併せて、近隣で木材加工会社の参入も計画されていることから、新たな用材の需要に
ついても積極的な取り組みを行います。
豊かな森林資源とそこを源とする、豊かで母なる清流最上小国川の水産振興を行ない、
漁場の活性化と交流人口の拡大に努めてまいります。
② 森林資源の活用や地域エネルギーの地産地消にむけた取組みの推進
本町はこれまでバイオマスエネルギー地域システム化実験事業をはじめ、再生可能エ
ネルギーによる地域循環利用システムの構築にむけて「最上町スマートコミュニティ構
想」を策定し、その具現化を図ってまいりました。
こうしたなか、最近では一般家庭にも再生可能エネルギーの需要が高まってきており、
また暖房用の燃料としてのペレットを加工生産し、地域内外に供給し町の新たな産業に
繋げようとしている事業者の試みも出てまいりました。
これらのことを踏まえ、「スマートコミュニティ構想」に基づく再生可能エネルギー
の活用による新たな雇用の創出と地域産業の活性化を展開していくために、旧広域最上
衛生事業所の跡地を「再生可能エネルギーの生産拠点」として位置づけ、バイオマス関
連産業の集積化を図ってまいります。
(6)
地域力を生かした魅力ある地域の再生
重要施策の六点目は「地域力を生かした魅力ある地域の再生」です。
- 12 -
27 年度最上町施政方針
① 集落自治機能の充実と協働の仕組みづくりの支援
まずは集落自治の振興についてですが、今年一月に開催しました「区長と行政の語る
会」で、集落の実情と今後のあり方をテーマに、ワークショップ形式で話し合いを行い
ました。
やはり、人口減少と超高齢社会の進展により、集落での生活を不安視する声が多く、
なかには集落としての存続そのものを心配する声も聞かれました。また、集落間におけ
る自治機能についても、その差が広がってきていることを実感しました。
私が町政の舵取りをさせていただいてから、これまで一貫して「自治協働のまちづく
り」を政治理念に掲げ、さまざまな施策や事業を展開してまいりましたが、集落を取り
巻く今日の課題を踏まえ、二十七年度からは、いよいよ「集落自治機能の整備」にむけ
た取り組みを行います。
その一環として、「区長連絡協議会」をはじめとする関係機関や団体の関係者、町民
皆様との話し合いを基本に、区長制度や分館長制度の抜本的な見直しを図るとともに、
個々の集落の特徴や問題・課題に即した自治会づくりにむけて、全面的に支援してまい
ります。
二か年にわたり実施してまいりました「元気な集落づくり応援交付金事業」につきま
しては、
「公民館」を拠点としながら「地域福祉」
「地域防災」など、それぞれの集落に
あった形での事業を有効に展開していただきました。二十七年度からは「集落自治活性
化応援交付金事業」に姿を変え、自治機能のさらなる充実にむけて支援してまいります。
協働のまちづくりでは、集落をはじめ地域内の機関や団体、企業などの異なる主体が
〝公共の問題や課題の解決〟にむけて、自らが果たすべき役割を認識し、主体的に取り
組む姿勢と相互に補完しあう姿勢が強く求められます。
いわゆる「行政と町民との協働」という大枠だけでなく、より具体的で実効的な協働
体制の構築にむけた環境整備が急務です。
集落等の小地域における自治機能の向上にくわえ、現行の地区公民館の活動範囲であ
る「富沢」
「向町」
「大堀」の三地区におけるコミニュニティの推進につきましても、集
落同士が連携し、企業やNPO等が協働しながらさまざまな活動を展開しております。
これらが円滑に機能していくためには、何と言ってもその担い手となる人材の発掘と
育成が急務であると考えます。これからも「地域間連携推進交付金事業」を活用しなが
ら、将来の地域づくりに求められる担い手像について地域全体で話し合い人材育成を図
ってまいります。
(7)
健全財政の維持にむけた取り組みの強化
重要施策の最後・七点目は「健全財政の維持にむけた取り組みの強化」であります。
①
第六次行財政改革の実践
現在、第六次となる行財政改革プランを策定しており、この四月から三十年度までの
五か年を計画期間として、その実践に踏み出します。今般の計画の大きな特徴は、先に
- 13 -
27 年度最上町施政方針
申し上げました「自治協働のまちづくり」そして「公共施設等総合管理運営計画の策定」
「地域公共交通体系の再構築」であります。
現在、本町には二百三十八の公共施設があり、昭和四十一年から平成十年までに建築
された施設が全体の七八・六%を占めております。今後、施設の安全性を保ちながら利
用状況に沿った施設の有効活用を図り、さらなる施設の長寿命化と効率的な施設管理を
推進し、維持管理費の軽減に努めてまいります。
さらに、町民の皆様と行政が問題意識を共有し、将来の施設のあり方についても広く
議論を重ねたうえで、公共施設の整理統合や廃止を含めた方針を打ち出してまいります。
町民の皆様の足を守る「町営バス」につきましては、町の中心地区と各集落を結ぶ六
路線があり、町有バス二台とジャンボタクシー二台の計四台で運行しております。
現状では利用者の減少に伴い、年々、一人当たりに要する運行経費が増えてきている
ほか、「向町一刎線」の沿線集落と、他の路線の沿線集落には運行体系面で大きな格差
が生じている等の課題が挙げられます。
このことから、サービス水準の均衡化とコスト面の効率化を図り、町民ニーズに即し
た運行を図るため、スクールバスの混乗化を進めるとともに、デマンド型乗合方式によ
る運行スタイルを導入するなどの、効率的な交通体系の確立を図ってまいります。
② 財政の健全化
次に「健全財政の取り組み強化」について、でございます。
本町の近年の財政状況につきましては、各財政指標から見ても、ある程度は良好な財
政運営が行われているものと考えておりますが、今後の財政運営を考えますと、歳入面
では、地方交付税が年々減少の傾向にあるなか、二十八年度以降については、減額はあ
っても増額は難しいと予測せざるを得ません。
また貴重な自主財源である町税につきましては、町民の皆様から信頼される公平で公
正な税の賦課と納付指導、収納率の向上は極めて重要であります。厳しい家庭経済状況
のなかにあっても、やりくりしていただきながら、町税を完納していただいている大部
分の方々の納税意識を削ぐことなく、更なる公正・公平を保つことに取り組んでまいり
ます。
財政調整基金につきましては、二十五年度末で八億円の基金残高がありましたが、現
時点ではこれを下回る額となっておりますので、経費の徹底削減をとおして積極的に積
み戻しを行い二十七年度以降に備える所存です。
いずれにしましても、財源がなければ事業を実施することは叶いません。事業を進め
る際には、積極的に補助事業や今回国から示された地方創生事業を有効に活用するなど、
最小の経費で最大の効果を得るよう、取り組みを強化してまいります。
行財政の健全化というテーマからは少し離れますが、適正な行財政運営という点にお
きまして、この場をお借りして、ぜひ、皆様にご報告・ご紹介させていただきたいこと
がございます。本町の代表監査委員であり、最上地区監査委員協議会会長そして山形県
- 14 -
27 年度最上町施政方針
町村監査委員協議会会長の要職にあります飛鳥伸一さんが、去る一月十六日に行われま
した「全国町村監査委員協議会」の第二十四回定期総会において、会長に就任されまし
た。誠におめでとうございます。全国規模にある組織のトップリーダーに就任されたと
いうのは、おそらく本町では過去に例のない快挙であると思います。
飛鳥代表監査委員におかれましては、これから大変な激務と重責が課せられると思い
ますが、くれぐれも健康にご留意いただき、我が国における監査業務のさらなる向
上にむけて二年の任期を全うしていただきたいと思います。
5.共通戦略〈職員力・行政力の向上〉
以上、二十七年度における重点施策を申し上げましたが、これらの施策・事業の展開
に際し、共通戦略として重視すべき点は、「自治と協働の仕組みづくりの充実」「職員力
の向上と行政力の強化」
「施策目標に基づく横軸連携の強化」
「PDCAの徹底」
「情報の
共有と効果的な発信」の五点であります。
なかでも職員力の向上につきましては、昨年度に引き続き「環境省への職員派遣」を
行い、政策構築の拠点で学びとりながら、本町らしい環境政策やエネルギー事業の展開
能力を磨いてまいります。
現行の「最上町人材育成基本方針」は平成十六年度に策定されたものであるため、こ
れからの求められる職員のあるべき姿に合致したものに改定しなければなりません。具
体的には基本方針を基に目標期間を五か年とする「基本計画」を策定するとともに、毎
年次における「実施計画」の策定・実践・評価を通して、目標達成にむけた取り組みを
行います。
また、採用三年以内の若手職員を対象にした研修プログラムの充実と、外部講師を招
聘しての研修会の開催、さらに自己啓発やスキルアップを目的とした自己研修への支援
等を重点として取り組むほか、新規採用職員の育成としてOJTによる育成システムを
導入してまいります。
さらに、昨年から始めました「板橋区職員との交流研修」を拡充継続し、政策連携を
視野に入れた交流研修を行うとともに、板橋区に見られます素晴らしい〝もてなし〟の
姿勢に学び実践する機会としてまいります。
6.結びに
明治維新の精神的指導者であり理論者として知られる「吉田松陰」は、私塾「松下村
塾」で塾生の高杉晋作や久坂玄瑞らに、こう語ったと伝えられています。
夢なき者に理想なし
理想なき者に計画なし
計画なき者に実行なし
実行なき者に成功なし
- 15 -
27 年度最上町施政方針
故に、夢なき者に成功なし
本演説の結びに、吉田松陰の名言を申し上げ、二十七年度の町政運営にむけた私の思
いの総括とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
- 16 -