くちきデイリーニュース

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〒973-8411
2015 年 6 月 3 日(水)
福島県いわき市小島町2-9-15
株式会社朽木会計事務所
TEL 0246-27-3631 FAX 0246-26-4234
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今年の税制改正とマイナンバー
税制改正大綱のプラン
税制改正大綱では、国税通則法を改正し、
銀行等に対し、マイナンバーによって検索
できる状態で預貯金情報を管理する義務を
課す、としていました。
しかし、グリーンカードでの預貯金管理
を狙った 1980 年代での付番はマル優(少額
貯蓄非課税制度)口座重複開設への対策だ
ったものの、現在はマル優預貯金は障害者
などに限定適用なので無きに等しく、むし
ろ「貯蓄から投資」へと政策が変更し、投
資マル優とも言うべきNISA(少額投資
非課税制度)を推進しているので、預貯金
への付番の必要性は低下しています。
預貯金へのマイナンバー付番はなし
国税通則法のみ、先の税制改正大綱通り
の改正案になっていますが、マイナンバー
法の改正での預貯金口座付番のほうは、大
義が預貯金保険であり、その緊急的必要性
が希薄なため、強制付番ではなく、任意付
番になりました。
預貯金については、口座数の大量性から
全てへのマイナンバー付番は無理としても、
新規のものについては義務化するのでは、
と推測する向きもありましたが、結果とし
て、平成 27 年改正では見送られました。
預貯金口座への個人番号の付番を行う場
[email protected]
合には、預貯金等へ損益通算範囲拡大の適
用条件としてマイナンバー付番口座限定に
するものと推測されます。
ジュニアNISAには即付番
平成 27 年度税制改正により、平成 28 年
4月1日から、ジュニアNISAが導入さ
れることになりましたが、口座重複開設防
止の必要性から、マイナンバー付番が義務
付けられています。
証券会社等の営業所長に、未成年者口座
開設届出書に添付して提出する未成年者非
課税適用確認書にマイナンバー等を記載す
ることになっています。
NISAへの付番は遠からず
成人NISAに対するマイナンバー付番
については、口座重複開設防止の必要性を
マイナンバーで確保するには既に時機を失
しているので、今年は先送りされました。
しかし、法適用上の次の区切りとなる期
間開始の平成 30 年分以後からのマイナン
バー付番については、その効果があるので、
義務付けられることになるのではないか、
と予想されます。
あわてずに、小
さく生んで大
きく育てる、の
でしょうか?
補足と解説
平成 27 年度税制改正大綱
2 マイナンバーが付された預貯金情報の効率的な
利用に係る措置
(国 税)
行政手続における特定の個人を識別するための番
号の利用等に関する法律(以下「番号利用法」とい
う。
)の改正に併せて国税通則法を改正し、銀行等に
対し、個人番号及び法人番号(以下「マイナンバー」
という。
)によって検索できる状態で預貯金情報を管
理する義務を課すこととする。
(注1)番号利用法の改正により、預金保険・貯金
保険においてマイナンバーが利用できるようになる
とともに、社会保障給付関係法、預金保険・貯金保
険関係法令の改正により、社会保障給付事務や預金
保険・貯金保険事務において、マイナンバーが付さ
れた預貯金情報の提供を求めることができることと
なる。
(注2)上記の改正は、内閣官房が提出を予定して
いる高度な情報通信技術の活用の進展に伴う個人情
報の保護及び有用性の確保に資するための個人情報
の保護に関する法律等の一部を改正する法律案(仮
称)において一括して行われ、同法律案に規定する
施行の日から適用される。
(地方税)
行政手続における特定の個人を識別するための番号
の利用等に関する法律(以下「番号利用法」という。
)
の改正に併せて地方税法を改正し、銀行等に対し、
個人番号及び法人番号(以下「マイナンバー」とい
う。
)によって検索できる状態で預貯金情報を管理す
る義務を課すこととする。
(注1)番号利用法の改正により、預金保険・貯金
保険においてマイナンバーが利用できるようになる
とともに、社会保障給付関係法、預金保険・貯金保
険関係法令の改正により、社会保障給付事務や預金
保険・貯金保険事務において、マイナンバーが付さ
れた預貯金情報の提供を求めることができることと
なる。
(注2)上記の改正は、内閣官房が提出を予定して
いる高度な情報通信技術の活用
の進展に伴う個人情報の保護及び有用性の確保に資
するための個人情報の保護に関する法律等の一部を
改正する法律案(仮称)において一括して行われ、
同法律案に規定する施行の日から適用される。
預金口座にもマイナンバー 18 年から任意で
閣議決定公開日時 2015/3/10 10:03
政府は 10 日の閣議で、日本に住む全ての人に割り
振る社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を預
金口座に適用するマイナンバー法改正案を決定した。
2018 年から預金者に対し、任意で銀行への登録を呼
びかける。個人の資産を把握しやすくし、税金や社
会保険料の徴収に役立てる。ビッグデータの普及に
向けた個人情報保護法改正案も決定した。
マイナンバー法改正案は今国会に提出し、早期の
成立を目指す。マイナンバー制度は 16 年から始まり、
国や自治体などが税や社会保障に関する個人情報の
管理に使うことが決まっている。
制度開始から2年後の 18 年に預金口座への適用
を始める。新規に口座を開設する際は、申請用紙に
マイナンバーを記入する欄を作る。既存の口座は来
店時に登録を促す。当面、登録は任意で強制力はな
い。
麻生太郎財務相は 10 日午前の記者会見で「(税の)
徴収にも利用できて公平適正な納税につながる」と
意義を強調した。そのうえで「告知義務がないと普
及しないじゃないかという指摘は承知している」と
して、3年後の 21 年をめどに義務化を検討する考え
を示した。
改正案ではマイナンバーを医療分野の一部で活用
することも認める。乳幼児が受けた予防接種の記録
をマイナンバーで管理し、引っ越し先の市区町村に
引き継げるようにする。健康保険組合がメタボ健診
の情報をマイナンバーで管理できるようにする。
病院での診療記録全体で活用できれば、二重診療
の防止などで医療費の削減につながるとされる。た
だ、個人情報漏洩への懸念から慎重論があり、今回
の改正案には盛り込まなかった。
12 桁のマイナンバーは 15 年 10 月から市区町村に
よる本人への通知が始まる。
個人情報保護法改正案は個人情報を取り扱うルー
ルを明確化し、企業が個人情報をビジネスに使いや
すくする。匿名化した個人情報なら本人の同意がな
くても第三者への提供が可能になる一方、罰則を強
化して不正利用を防ぐ。