科目:病態生理学

2015 年
保健学専攻博士前期課程
応用保健学ユニット・ユニットコア科目
科目:病態生理学
評価方法:レポート評価
単位認定者:保健学研究科看護学講座
大山良雄
課題
2件の事例設定し、病態生理学で学習した知見をもとに、
① 事例の病態生理についてわかりやすく説明してください。
更に、追加すべき検査や治療法などを説明してもよい。
② 「①」をもとにケアの要点について簡潔にまとめてください。
①については、履修生全員に課す。
②については専門看護師コース所属のもののみ課題とする。
事例については、
① 臨床経験をもつ学生、及び、専門看護師コースの学生は、
過去に経験した、あるいは、現在遭遇している自分の事例を、プライバシー保護に努めな
がら改変したものを用いるか、あるいは、こちらで提示した事例1、事例2(別紙1、
別紙2参照)を用いること。
自分の事例を1件、こちらで提示した事例を1件(事例1、あるいは事例2)でもよい。
② 臨床経験のない学生は、
こちらで提示した事例1、事例2(別紙1、別紙2参照)を用いること。
<課題のまとめの方式:A4サイズ用紙3~7枚>
[表紙1枚、1 件目の事例提示1枚(各自の経験事例を用いるのみ)、1件目事例に対する課
題説明1~2枚)、2件目の事例提示1枚(各自の経験事例を用いるのみ)、2件目事例に
対する課題説明1~2枚]
まず、表紙に科目名、所属ユニット・分野、専門看護師コース所属の有無、学籍番号、
氏名、を明記する。
提出先:大山良雄研究室(保健学科南棟1階の東端)のドアのボックス
に投函してください。
または、添付ファイルとして大山良雄のメールアドレス([email protected])
までお送りください。
締め切り:平成 27 年 8 月 5 日(締切厳守)
ご不明な点は、大山まで([email protected])お問い合わせください。
(別紙1)
事例1
63歳、男性。
<主訴> 冷汗を伴う持続する前胸部痛
<患者の状況>
患者は、50歳までは他県にて会社員として働いていたが、農業を営んでいる父親の跡を継ぐため
当市に移ってきた。今朝から農作業をしていたところ、急に胸全体が締め付けられるような痛みが
出現し、冷汗と嘔気を伴った。このような胸痛は、今回が初めてであり、過去に経験したことはなか
った。一緒に農作業をしていた妻が、慌てて救急車を呼び、市内の救急病院へ搬送された。救急
外来で、すぐに心電図を記録したところ、V1~V4 で、ST 上昇と T 波増高を認め、迅速の血液検査
で、心筋トロポニン T の異常高値が確認され、随時血糖値 202mg/dl、HbA1c 7.2%、LDL-コレステ
ロール 164mg/dl であった。
なお、50歳で会社員を辞めてからは、健康診断を受けていなかった。
アルコールは、農業を始めたころから日本酒1合をほぼ毎日飲んでいる。
喫煙は、20歳頃より、1日20本程度吸っている。
食習慣としては、甘いものや脂っこいものが大好きである。
身長 168cm 、体重 75kg であり、
最近は、体重が増加傾向で妻から食事の注意を受けていた。
① 事例 1 の病態生理についてわかりやすく説明してください。
更に、追加すべき検査や治療法などを説明してもよい。
② 「①」をもとにケアの要点について簡潔にまとめてください。
急性期と慢性期に分けて議論してもよい。
①については、履修生全員に課す。
②については専門看護師コース所属のもののみ課題とする。
(別紙2)
事例2
61 歳、男性。
<主訴> お腹がはっている
<患者の状況>
半年前から徐々に増悪する腹部膨満を主訴に来院。体重は増加傾向で、夕方に増悪する下腿浮
腫あり。食欲はあり、嘔気・嘔吐・腹痛・血便はいずれもなく、軟便気味。体動時の息切れなし。飲
酒歴あり、CAGE 質問票:4/4 点。過去の健康診断で肝機能障害の指摘はあるが、この15年間は
健康診断を受けていない。
定期的に内服している薬やサプリメントはない。
薬物や食事でのアレルギー歴なし。 輸血歴なし。
60 歳まで建築会社に勤務。現在は無職。妻と2人暮らし。
身長:169cm、体重:76kg
腹部:全体的に膨隆あり、腸蠕動音は正常。fluid wave 陽性。
四肢:両側下腿に pitting edema あり。
皮膚:前胸部にクモ状血管腫あり、両手掌紅斑あり。
アルコールは、25歳頃から、毎日、日本酒2~3合。たばこは吸わない。
<主な検査所見>
WBC:5,200/μL、Hb:11.0g/dL、Plt.:6.3 万/μL、PT-INR:2.1、APTT:55 秒、
総蛋白:5.0g/dL、Alb:2.1g/dL、総ビリルビン:3.4mg/dL、直接ビリルビン:2.4mg/dL、AST:139IU/L、
ALT:89IU/L、Cr.:0.5mg/dL、BUN:14mg/dL、K:3.1mEq/L、
HBsAg:陰性、HBcAb:陰性、HCVAb:陽性。
尿検査:尿蛋白(-)、尿糖(-)、尿潜血(―)、ウロビリノーゲン(+)
腹部エコー:腹水あり。肝表面は不整で、実質は粗造であるが腫瘤なし。
肝内胆管、総胆管の拡張なし。脾腫あり。
① 事例 2 の病態生理についてわかりやすく説明してください。
更に、追加すべき検査や治療法などを説明してもよい。
② 「①」をもとにケアの要点について簡潔にまとめてください。
①については、履修生全員に課す。
②については専門看護師コース所属のもののみ課題とする。