耐火材料の基礎物性に係る標準化データベースの構築 不定形耐火物

特別電源所在県科学技術振興事業
CaOの水和反応に及ぼす金属酸化物添加の影響
研究者:深井 義大
平成19年度 研究内容
水和反応防止に関する基礎的な知見を得るために、CaOクリンカーの
水和反応に与える添加物の影響について検討を行った。
平成19年度 研究成果
NiO添加サンプル
添加物を加えたCaOクリンカーの
耐水和性試験
単位表面積あたり重量変化率(%/cm2 )
悪
気温80℃・湿度90% 重量変化率(⊿M/M)
無添加
Al2O3
Fe2O3
MgO
NiO
TiO2
ZnO
ZrO2
2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
無添加サンプル
10μm
Al2O3添加サンプル
10μm
Fe2O3添加サンプル
0.8
0.6
10μm
0.4
10μm
ZnO添加サンプル
0.2
0
0
5
10
15
20
水和時間(hr)
25
<サンプル試作条件>
CaO:添加物=95:5(wt)
電気炉1500℃/3h焼成
30
10μm
耐
水
和
性
鉱物組成
無添加
Al2O3
Fe2O3
添
MgO
加
物 NiO
TiO2
ZnO
ZrO2
CaO
CaO, 3CaO・Al2O3
CaO, 2CaO・Fe2O3
CaO, MgO
CaO, NiO
CaO, CaO・TiO2
CaO, ZnO
CaO, CaO・ZrO2
良
ZnO添加サンプルは低融点化合物を作らず、
組織の緻密化も起こさないにもかかわらず、
他サンプルよりも耐水和性に優れる。
気孔
10μm
ZnO添加サンプルのSEM-EDX画像
(白く写る部分がZnO)
気孔の一部をZnOが被覆し、H2O
との接触を防ぐことによって、耐
水和性が向上しているものと考え
られる。