県連協ニュースNo.1 2015/7/7

迎を行う場合は対象となります。ファミリ
ーサポートセンター事業は国庫補助事業で
重複受給となるため対象となりません。
また放課後児童クラブから自宅以外の習い
事や塾などへの送迎も対象となります。
あいちの学童保育
県連協ニュース№2
2015 年 7 月 7 日発行
愛知学童保育連絡協議会
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国の実施要綱とQ&A
6月 5日 内 閣 府 よ り 「 放 課 後 児 童 健 全 育
成事業実施要綱」がようやく出されました。
昨年度まで厚労省から実施要綱が出ていま
したが、今年度より内閣府が出すことにな
りました。先に予算概要、補助単価が出て
いたため、おおよその概要はわかっていま
し た が 、 確 定 が 大 幅 に 遅 れ ま し た 。 Q& A
もかなり遅れての発表、自治体も相当混乱
していると推察します。これまでと何が違
うか、要綱の概要を押さえ、自治体に予算
組みを至急働きかけましょう。
「放課後児童健全育成事業に係るQ&A」
は 6月 18日 現 在のも のです 。今 後さら に出
るか不明です。特筆すべき点を以下に挙げ
ます。
1) 土 曜 日 に A・ B、 2つ の 「 支 援 の 単 位 」
による合同保育は、A・Bそれぞれの開所日
数に加えて良いか。
→ こ れ は で き ま せ ん 。支 援 の単 位ご と 2人
以上配置の基準を守るべきとしています。
ただし、市町村が認める事例もあり、その
場合は市町村の責任において開所日数の差
異を埋めることとなります。
2) 放 課 後 児 童 ク ラ ブ送 迎 支援 事業 で タク
シーやファミリー・サポート・センターの活
用は対象となるか。
→タクシーは年間通して契約し定期的に送
3) 障 害 児 5人 以 上 受 け 入 れ 、 年 度 途 中 で
退所者が出て5人未満となった場合は?
→実際に受け入れた期間のみが対象となり
ます。
4) 小 規 模 放 課 後 児 童 ク ラ ブ 支 援 事 業 、 3
人以上配置している場合の人件費計上は?
→ 19人 以下 の場 合、 1人 目 は実施 要 綱 の 基
本 額 に沿 っ て 計 上 、 2人 目は 小 規模 放 課 後
児童クラブ支援事業の補助対象経費となり
ま す 。 3人 目 は重 複 計 上 して い なけ れ ば 、
どちらの事業に計上しても差し支えありま
せん。補助金範囲内であれば構いません。
さて、最も質問が多かったのが処遇改善
等事業でした。以下まとめて記載します。
常勤職員を配置するための追加費用の算
定方法が別表1, 2で例(児童数 40人 、250
日以上開設の場合)が示されています。
【表1】
①開所日数250日以上、一支援の単位を構成
する児童の数が19人以下の場合
1,776,000円
②開所日数250日以上、一支援の単位を構成
する児童の数が20人以上の場合
5,329,000円
③ 開 所 日 数 200~ 249日 、 一 支 援 の 単 位 を 構
成する児童の数が19人以下の場合
1,066,000円
④ 開 所 日 数 200~ 249日 、 一 支 援 の 単 位 を 構
成する児童の数が20人以上の場合
3,197,000円
開 所 日 数 250以 上 、 常 勤 職 員 が 2人 、 人 件
費 総額 が 600万 か か って いる 学 童保 育 所 が
あ る とし ま す 。 他 に 1人 非常 勤 職員 を 雇 用
し て いま す 。 こ の 支 援の 単位 で は表 1で 定
め ら れ た 額 は 5,329,000円 で す 。 し か し 、
その割り振りは、非常勤職員の人件費(賃
金改善分も)も含め、どこに充てるかは各
運営主体の裁量となっています。この学童
保 育 所 で は 非 常勤 職 員の 人 件費 250万 円に
充 て 、 残 り2,829,000円 を2人の常勤職員に
割 り 当て ま した。600万 円から 2,829,000円
をひくと3,171,000円 となります。
処 遇 改 善 等 事 業 で は補 助 対象 が 2種 類あ
り ( ※ 1)、 常 勤 職 員 の 配 置 は 2,831,000円
が上限となっていますので、この学童保育
所 で は 2,831,000円 が 補 助 金 と し て 受 け 取
ることになります。
例 示 2は 全 て を 非 常 勤職 員 に充 てて お り、
新 た に 雇 っ た 常 勤 職 員 1名 の 人 件 費 250万
円すべてが補助対象となります。
しかし、あくまでも賃金改善にかかる追加
費 用 の 補 助 が 前 提 と な っ て お り 、 2013年
度の賃金より改善されていなければなりま
せん。賃金改善の方法は、ベースアップ、
定期昇給、手当、賞与、一時金等によるも
のです。
※1 処遇改善等事業は(1)と(2)を対象
にするが一の支援の単位が同時に両事業の対
象となることはできない。
(1)(略)家庭、学校等との連絡及び情報交
換等の育成支援に主担当として従事する職員
を配置する場合に、当該職員の賃金改善に必
要 な 費 用 の 一 部 を 補 助 す る 事 業 。( 上 限
1,539,000円)
( 2)( 略 )( 1) の 支 援 に 加 え て 4( 3) の 育
成支援に主担当として従事する常勤職員を配
置する場合に、その賃金改善に必要な費用を
含む当該常勤職員を配置するための追加費用
の一部を補助する事業。(上限2,831,000円)
なお、本事業の対象となる職員は、放課後
児童健全育成事業を行う者と雇用契約を締結
して、放課後児童健全育成事業を行う場所ご
とに定める運営規程に記載されている「開所
している日及び時間」に従事している常勤職
員(嘱託職員等の非常勤職員を除く。)とす
る。
( 2) に つ い て は 新 たな 職 員配 置も 対 象と
なり得ますが(1)は充当できません。
新規に開所した場合は、地域にある他の
学 童 保 育 所 の 2013年 度 賃 金 水 準 と 比 較 し
ます。また新規に増員した職員の賃金改善
額 は 2013年 度 に 同 程 度 の 経 験 や 能 力 等 を
有する職員を雇用した場合の賃金水準がベ
ースとなります。
※ 1表 の ( 1)( 2) と も 人 数 制 限 は あ り ま
せんがもちろん補助金の範囲内となりま
す。
学習 会「運 営指針をどう
読むか」
6月 28日 、 静 岡 大 学 の 石 原 剛 志 さ ん を 講
師に迎え「放課後児童クラブ運営指針をど
う読むか」をテーマに学習会を行いました。
2007年 に出された放課後児童クラブガイド
ラインとの違い、基準との関係を押さえ、
運営指針の評価と問題点をお話しいただき
ました。地域役員、指導員合わせて40名参
加し、活発な意見、質問が相次ぎました。
運営指針はガイドラインに比して、全体
的にはかなりボリュームがあります。
2007年 に出された「放課後児童クラブガ
イドライン」をベースにしたとはいえ、両
者には大きな相違があります。
ガイドラインは局長通達で都道府県、市
町村に向けて出されました。今回は「市町
村」の主語が極端に少なくなっていて運営
者が責任を持つべき指針となっていること
がわかります。実施義務はないとはいえ、
市町村の責任が大きく後退しており、法人
格を持たない運営主体がどこまでこれをや
っていけるのか、共同保育運営の学童保育
は大変な重荷となってきます。名古屋市で
は監査の折に、運営指針をもとに学童保育
所の運営をチェックしていくという自治体
もあります。
第 7章 最 後 に 「 運 営 内 容 を 自 己 評 価 し 結
果を公表するよう努める」とあります。全
国的には株式会社が受託している地域もあ
り、税金投与している以上、市民に公表し
ないとまずいと考えていると推測できま
す。これも保護者会運営などの学童保育で
は大きな負担となると予測されます。
また基準と連動する項目もあり、基準を
具体化していると言えます。今回の運営指
針は「最低基準ではなく望ましい方向に導
くための標準仕様」です。
しかし、これをマニュアルとして受動的に
と ら え 、「 ~ す べき 」生 活 規範 にし て しま
わないかという危惧もあります。
本来、基準にこそ示されるべき労働環境
の整備が運営指針に組み込まれていたり、
例えば、衛生管理にトイレの記載がなかっ
たりするのは、あまりに多様な全国状況が
背景にあるからかもしれません。
これまでなかった項目もいくつか入って
い ま す 。 総 則 の 2に は 「 児 童 の 権 利 に 関 す
る条約の理念に基づき、子どもの最善の利
益を考慮する」と書かれており、子育て支
援の役割も明確にしているのは評価されま
す。しかし、新しい用語、法律にも基準に
もない「育成支援」に違和感を持つ声も多
く上がりました。どうして「保育」となら
ないのか、保育とは別の事業にしていく意
図があるのではという意見もありました。
また、事業の対象となる子どもの発達に
ついての項があるのも特徴です。ここに書
か れ て い る 「 発 達 の特 徴 」「 遊びと 発 達」
な ど へ の 疑 問 も 出 され ま した 。「 発達 」は
○○ができるようになる、ということでな
く人格形成、子どもたちが、かけがえのな
い自分の物語をつくっていく視点が抜けて
いるという指摘もありました。
遊びへの関わりなども指導員のスタンス
が抑制的に書かれており、見守っていれば
いいと誤解する現場もあるかもしれませ
ん。また、遊びに意義を持たせようとして
いるが遊びそのものが大切なのではという
指摘もありました。あっという間に時間が
過ぎるくらい没頭してしまえる、楽しくて
仕方がない「遊び」が子どもたちの生活に
あるということを大切にしていかなければ
ならないのではないでしょうか。。
実践に照らし合わせて、運営指針へ提言
していく必要があると言えます。運営指針
の読み合わせをしている指導員会の報告も
ありました。この学習会で終わらせるので
なく、今後も継続的に検証していきましょ
う。学童保育の根源的な役割を皆で確かめ
合う機会となった意義深い学習会でした。
9月12日~13日の合宿研究会in豊橋で、
「愛
知県の実態から 学童保育と新制度」につ
いて考え合います。愛知県立大学の三山岳
さんを講師に招いての学習会&意見交流
会、ぜひご参加ください。
「日本の学童ほいく」
オススメ記事♪
2015年6月号60ページ
「子どもたちから学び、共に過ごす日々」を
選んだのは岡崎市指導員平岩さん。
学童保育の指導員として働き始めると必ず
と言って良いほど子どもたちから「洗礼」
を受けます。
筆者の植木さんもしっかりと子どもたちから
「洗礼」を受けています。
長洲児童ホームは低学年のみの学年構成です
のでまだまだかな?高学年の「洗礼」は
もっと強烈です(笑)
記事の後半では「子育て経験のない自分」
に悩む場面があります。
子育て経験がないことを指導員としてマイナ
スの要素であると捉えてしまうことは若い指
導員には良くあることです。
「○○先生はまだ子どもがいないからわから
ないよね」とサラリと保護者に言われて
しまい落ち込む指導員の姿が浮かびます。
そんなときはこう思えば良いのです。
「子育ては素人でもできるけど生活づくりや
集団づくりは学童保育のプロにしかでき
ない」と。
経験の浅い若い指導員が受ける子どもと保護
者からの「洗礼」を「10年前は…」と思い出
す今日この頃でありました。