論文賞 Anisotropic Behavior of Soft Sedimentary Rock and a Constitutive Model (堆積軟岩の異方性挙動とそのモデル化) 岡二三生 (京都大学大学院) 木元小百合 (京都大学大学院) 古林秀之 (東日本旅客鉄道(株)) 足立紀尚( (財)地域 地盤 環境研究所) (目的)堆積軟岩の異方性,構造劣化,膨張特性等を含む 力学特性を表現可能な構成モデルの開発 主な研究内容と成果 実験 角度を変えて切り出した軟岩の供試体を用いて, 拘束圧0.19, 0.59, 0.98, 2.0MPa下で排水三軸 試験を行った. Y-di re c ti on( θ= 0゜) θ= 3 0゜ (a) 軸差応力-偏差ひずみ関係 θ=4 5゜ θ= 6 0゜ Sed iment ation pla ne θ X- direc t i on(θ= 90゜) Y X Z Z- di rect i on( 90゜) (b) 体積ひずみ-偏差ひずみ関係 排水三軸試験結果(0.19MPa) 堆積軟岩の一種である戸室石を用いた排水三軸試験結果より,強度・破壊特性, 応力-ひずみ特性,ダイレイタンシー特性において顕著な異方性が確認された. ピーク強度,ヤング係数,および残留応力は,拘束圧力によらず堆積面が最大主 応力方向から60度傾いている場合に最小値をとった.残留応力状態での異方性は 相対的に小さかった. 構成式 ひずみ軟化型弾塑性構成式に 弾性・塑性異方性を取り入れて拡張した. •弾性異方性:面内等方体について一般化さ れたHookeの法則を用いる. •塑性異方性:Boehlerらによる変換応力を用 いる簡単化理論にならい,構成式中の応力テ ンソルを変換応力テンソルに置き換えることに より,固有異方性を表現.独立な2つの塑性 異方性パラメータを用いる. 排水三軸試験のシミュレーション結果(0.19MPa) 変換応力テンソル: :応力テンソル :構造テンソル , , :塑性異方性パラメータ, =1 提案モデルによって,実験で確認された堆積軟岩の異方性,すなわち堆積面方 向による初期剛性,ピーク強度,残留強度の違いをよく再現できた.提案モデル は,軟岩材料の異方性を含む力学特性を簡便かつ的確に表現でき,軟岩地盤の 変形解析に有用である.
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