04_ç· ä¼šå ±å`Šäº‹é - 全国施行時特例市市長会公式ホームページ

平成27年度
全国施行時特例市市長会 総会
■ 日 時
平成27年5月20日(水)
午後1時00分~
■ 場 所
全国都市会館
(東京都千代田区平河町2-4-2)
会
1
開 会
2
会長あいさつ
3
来賓あいさつ
4
講 演
議 事
(1)報告事項
ア 報告第1号
議
次
第
5
地方分権推進部会活動報告
イ
報告第2号
財源確保推進部会活動報告
ウ
報告第3号
中核市に関する研究会活動報告
エ
報告第4号
地方分権改革に関する共同研究会活動報告
(2)協議事項
ア 議案第1号
平成26年度事業報告について
イ
議案第2号
平成26年度歳入歳出決算の認定について
ウ
議案第3号
平成27年度事業計画について
エ
議案第4号
平成27年度歳入歳出予算について
オ
議案第5号
地方分権の推進に関する提言について
カ
議案第6号
平成27・28年度役員の選出について
(3)平成27・28年度部会・研究会の構成について
(4)その他
6
閉 会
1
(報告第1号)
平成26年度全国特例市市長会 地方分権推進部会 活動報告書
八戸市
草加市
平塚市
小田原市
厚木市
長岡市
上越市
松本市
一宮市
春日井市
四日市市
岸和田市
吹田市
茨木市
八尾市
加古川市
宝塚市
松江市
(副部会長)
(部会長)
1 はじめに
4次にわたる地方分権一括法等により、地方分権改革推進委員会の勧告事項について一通り検
討が完了した地方分権改革の新たな取組として、平成26年度においては国が個々の地方公共団体
等から提案を広く募集する「提案募集方式」が導入され、また、その中で提案の対象は全国一律
の移譲に限らず、個々の地方公共団体の発意に応じた選択的な移譲、いわゆる「手挙げ方式」も
導入されました。
全国特例市市長会としては、この制度を活用し、これまで当市長会が提言や要望を行ってきた
項目を中心に会員市間で検討を重ね、
「県費負担教員の人事権の移譲」について提案するに至り
ました。
また、中核市市長会との合同による「地方分権改革に関する共同研究会」の設置など指定都市
市長会及び中核市市長会との連携を深め、地方分権改革を推進するための体制強化を進めました。
平成26年度については、部会としてではなく当市長会全体としてのこうした地方分権推進に向け
た取組が推進されたことを踏まえ、当市長会における地方分権改革をめぐる前年度の活動の総括
をもって地方分権推進部会の活動報告とします。
2 提案募集について
<提案募集制度の活用決定>
平成26年5月20日 総会において、全国特例市市長会として本制度を活用していくことを決定
しました。
<提案項目とりまとめ>
平成26年6月10日 これまでの提言・要望項目から提案項目を選定し、役員市間で素案を作成
後、会員市に意見照会するとともに、新たな提案項目を募集しました。
平成26年7月3日 会員市意見を集約した提案項目をとりまとめ、会員市に提案の可否を照会
しました。
<提案及び意見の提出>
平成26年7月15日 「県費負担教職員の人事権の市への移譲」を提出しました。
2
提案事項
求める措置の具体的内容
提案対象団体
移譲前
県 費 負 担 教 職 県費負担教職員の人事権について、都道府県 市(移譲を希 都道府県
員 の 人 事 権 の から移譲を希望する市へ移譲ができるように 望する市)
指定都市
市への移譲
するとともに、移譲に伴う経費について確実
な財政措置を講じること。
平成26年9月12日 文部科学省からの第1次回答に対し、意見を提出しました。
(全国特例市市長会からの意見)
第1次回答では「指定都市への給与負担等の移譲の状況を踏まえて」とあるが、教職
員の人事権については、既に指定都市に移譲されていることや大阪府豊能地区における
実績を踏まえると、給与負担の移譲の状況を待つのではなく、早急にご検討をいただき
たい。
また、
「都道府県及び町村の意見を御確認いただき」とあるが、提案団体が都道府県や
町村の意見集約をし、総意を得た上で提案するということは困難である。本提案内容は、
国において継続的に議論されていること、また、過去に全国知事会や全国市長会、中核
市市長会や全国特例市市長会などから数多くの要望や提言を行っていることを踏まえる
と、国の責任において制度設計を図るべきと考える。
現状の都道府県主導の事務処理特例制度の下では都道府県の権限移譲に対する姿勢や
財政支援措置に差異があることから、移譲を希望する市に等しく権限及び財源を移譲す
るために、法による権限移譲を求めるものである。
本提案は、
「県費負担教職員の人事権の移譲」に関し「希望する市への移譲」として、
新たに制度化された「手挙げ方式」による権限移譲を求める内容となっている。これま
での国における継続的な議論に加えて、新たな「手挙げ方式」での実現可能性も含めて
ご検討いただきたい。
<結果>
平成27年1月30日「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」が閣議決定され、
「県費
負担教職員の人事権の移譲」に関しては、次のような対応が示されました。
県費負担教職員の任命権に係る条例による事務処理特例制度の運用を踏まえつつ、
広
域での人事調整の仕組みにも配慮した上で、
中核市等に権限を移譲する方向で検討を行
い、
小規模市町村を含めた関係者の理解を得て、
結論が得られたものから順次実施する。
また、条例による事務処理特例制度のより一層の活用を図るため、当該制度による人
事権の移譲を希望する中核市等については、平成27年度以降、関係する都道府県や市町
村との協議の場を設けるなど、合意形成に向けた支援を行うことを、関係団体に速やか
に通知する。
同日、中核市市長会とともに『
「平成26年の地方からの提案等に関する対応
方針」に関する共同コメント』を発表しました。
3
中核市市長会や全国特例市市長会が提案した県費負担教職員人事権等の移譲につい
ては、
「関係者の合意形成に向けた支援を行う」として提案実現の成果に位置付けられ
ていることから、地域の実情に応じた教育の展開、地域に根ざした人材の育成を進める
ためにも、国としての支援内容を明らかにし、十分な支援を行うと同時に、希望する中
核市・特例市等への権限移譲が早期に実現されるよう引き続き強く求めます。
<来年度に向けての対応>
平成27年2月26日 中核市市長会・全国特例市市長会地方分権改革に関する共同研究会による
「地方分権改革に関する提案募集に関するアンケート」を実施しました。
(対象:中核市43市、特例市40市 計83市)
3 地方分権に関する共同研究会について
<設置>
平成27年2月3日 中核市市長会・全国特例市市長会合同役員会において、地方分権に関する
共同研究会の設置について合意しました。
【目的】 「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」を踏まえ、今後の対応を検討
するため、共同して検証・調査研究を行い、課題等を整理するとともに、次回の提
案募集に関する案件の抽出への活用を図る。
【組織】 両市長会の会長市、連携担当市、関連プロジェクト・部会担当市及び参加希望市
の事務担当者(豊橋市、奈良市、横須賀市、前橋市、川越市、豊田市、大分市、茅
ヶ崎市、明石市、春日井市、つくば市、太田市、鳥取市)
<提案募集に関するアンケートの実施>
平成27年2月26日 「地方分権改革に関する提案募集に関するアンケート」を実施しました。
【主な内容】
・提案内容
・提案募集及び提案の検討において問題と考える事項
・国に改善を求めるべき事項
・法令により中核市又は人口20万程度の市に移譲することが望ましいと考える権限
・法令の改正により緩和又は撤廃することが望ましいと考える事項
平成27年3月23日 共同研究会会議を開催し、アンケート結果を基に意見交換を行いました。
共同提言の実施については、論点を整理の上、改めて構成市の意向を確認す
ることとしました。
平成27年4月9日 共同提言の取りまとめに関する意向確認を行いました。
4 要望・提言について
<平成27年度提言>
平成27年4月10日 平成27年度の提言に向けて、
「平成26年の地方からの提案等に関する対応
方針」及び提案募集に関するアンケート結果を踏まえ、素案を作成し、会
員市に照会しました。
4
5 おわりに
提案募集方式の導入によって、個々の地方公共団体が直接的に国に対して権限移譲や規制緩和
などを提案できることとなり、地方分権推進の環境は大きく変化しました。
提案募集に当たっては、支障事例の一層の具体化など、権限移譲や規制緩和を求める場合の課
題も多く抽出されたことから、今後の提案においては、指定都市市長会及び中核市市長会との連
携により情報の共有や課題の共同研究等を行い、地方が主体となった地方分権改革を一層進めて
いく必要があります。
今後、地方分権推進部会は、地方分権改革に関する共同研究会の活動成果を活かし、施行時特
例市として、自律可能な都市の確立に必要な権限の移譲について調査研究していきます。
5
(報告第2号)
平成26年度 全国特例市市長会 財源確保推進部会 活動報告書
山形市
大和市
水戸市
福井市
つくば市
甲府市
伊勢崎市
沼津市
太田市(部会長)
富士市
熊谷市
寝屋川市
川口市
明石市(副部会長)
所沢市
鳥取市
春日部市
呉市
越谷市
佐賀市
茅ヶ崎市
佐世保市
◆はじめに
財源確保推進部会では、平成12年度に今後の部会活動の基本的な活動方針を次のとおり定め
ました。
1.特例市の行政需要に見合った交付税措置の拡充(短期的課題)
2.交付税制度の改革を含む国と地方の税財源配分の抜本的な見直し(中期的課題)
3.課税自主権の活用に関する調査研究(継続的課題)
平成26年度におけるこれまでの活動については、上記の活動方針を踏まえるとともに、国の
動向等を注視しながら、
平成27年度の国・関係機関等への要望内容の精査を主なテーマとして、
部会構成各市を対象として電子メールによる照会を実施しました。
◆照会(1回目)平成27年度における国及び関係機関への要望等に関する調査
1.依頼日:平成26年 8月26日(火)
2.締 切:平成26年 9月19日(金)
3.対象者:財源確保推進部会構成市(部会長市除く)21市
4.内容等:
(1)既存の要望事項の達成状況に関する調査
(2)新たに追加すべき要望事項等に関する調査
・平成27年度要望(素案)の作成に向けて、既存の要望事項の達成状況に関して各市の意見
を求めるとともに、新たに追加すべき要望事項等に関する各市の考えを求めました。
6
◆照会(2回目)平成27年度 国及び関係機関への要望の時点修正案に関する調査
1.依頼日:平成26年10月10日(金)
2.締 切:平成26年10月20日(月)
3.対象者:財源確保推進部会構成市(部会長市除く)21市
4.内容等:
「現時点における要望の修正案」に対する意見等について
・現時点における要望の修正案について、内容の確認を再度各市へ求めました。
※ 本照会の回答結果を反映し、「現時点における要望の修正案」を修正しました。
◆財源確保推進部会活動中間報告書(案)の報告について
1.日 時:平成26年10月24日(金)
2.対象者:財源確保推進部会構成市(部会長市除く)21市
3.内容等:
(1)財源確保推進部会活動中間報告書(案)について
・秋総会における活動報告で使用する予定の、財源確保推進部会活動中間報告書(案)につい
て、構成市宛て電子メールにて報告を行いました。
(2)平成27年度 国及び関係機関への要望(案)について
・平成27年度の国及び関係機関への要望に向け、現時点でのとりまとめを行い作成した要望
(案)について、電子メールによる報告を行いました。
◆照会(3回目)
国・関係機関への要望の時点修正案への意見等に関する調査
1.依頼日:平成27年 1月16日(金)
2.締 切:平成27年 1月23日(金)
3.対象者:財源確保推進部会構成市(部会長市除く)21市
4.内容等:平成27年度の国・関係機関への要望(時点修正案)に対する意見聴取
・上半期の成果である「現時点における要望の修正案」をベースに、平成27年度税制改正及
び地方財政計画を踏まえて検討した内容を部会長市が一部修正した案について、各市の意見
を求めました。
※本照会の回答結果をとりまとめ、
「現時点における要望の修正案」を修正し、第1回財源確保
推進部会の資料としました。
◆第1回財源確保推進部会
1.日 時:平成27年2月3日(火)14時~15時30分
2.場 所:全国都市会館
地下1階 第3会議室
3.出席者:部会員13市(市長3名、代理5名、職員21名)、オブザーバー1市(市長1名、職員1名)
4.内容等:
(1)講演会「平成27年度地方財政対策及び平成27年度地方税制改正並びにそれらに関する要請活動」
・全国市長会 財政部長 宮川克寿氏を講師としてお招きし、平成27年度地方財政対策及び
7
地方税制改正に関する国等の動向や、それらに対して全国市長会が行ってきた活動等につい
て講演をいただきました。
(2)平成27年度
国・関係機関への要望(案)の時点修正について
・平成27年度地方財政計画や税制改正などを踏まえて修正した、国・関係機関への要望(案)
に係る時点修正案について、各市への意見照会の取りまとめ結果を説明するとともに、それ
らの意見を踏まえて事務局で再修正を行った時点修正案の説明を行い、出席各市の了解を得
ました。その内容は以下のとおりです。
地方分権の推進に関する要望
以下の要望事項を地方分権推進部会の要望とあわせ、全国特例市市長会会長として、国に要望
されるよう検討をお願いします。
なお、要望に際しては、具体的な回答をいただけるよう併せてご検討をお願いします。
○ 地方分権を確立する財源確保について
住民に必要なサービスを地方自らが自主的、効率的に提供するために、国と地方の役割分担を
明確化したうえで、地方が分担する役割に見合った財源措置を講ずること。
また、国庫補助負担金の改革のうち、国の責務として格差なく全国統一的な措置が望まれるも
のについては、国が直接事務を行うべきであり、地方に事務を求める場合は、システム改修等に
要する経費も含め、国の責任において確実に財源保障し、地方に財政負担を求めないこと。併せ
て、国の歳出削減を目的とした単なる補助率の引き下げは、地方への一方的な負担転嫁であるた
め、是正すること。
さらに、地方がそれぞれの特色や地域資源を踏まえ、その魅力の開発や積極的な発信により、
多種多様な地域経済の活性化や雇用創出事業を展開することは、地方分権の確立に向けて極めて
重要であることから、その実現に向けて一層の財源確保を図られたい。
○ 地方交付税について
地方交付税は、地方が基本的な行政サービスを提供することができる財源を保障するための地
方固有・共有の財源であることから、地方自治体が直面している福祉、医療、子育て等の社会保
障関係費、経年劣化による道路・橋梁、学校等の改修費用などの増大や、合併自治体の人口動態
の変化や行政区域の拡大、市街地の分散化等、地方自治体の実情を的確に反映するため、算定方
法の見直しを図り、その配分に関しても改善を図ること。
また、地方債残高のうち臨時財政対策債の占める割合が増大の一途にある状況に鑑み、恒常的
な地方交付税の財源不足については、臨時財政対策債への振替に頼ることなく、地方交付税の法
定率を引き上げること等により、安定的な財政運営に必要な総額を確保するとともに、財源調整
機能を強化すること。なお、国の政策目的のために、地方固有財源である地方交付税を一方的に
8
削減することは厳に慎むこと。
さらに、地域間の財政力格差の是正を目的として、地方法人税が創設されたところであるが、
その所在地等に関係なく税収を配分することは、受益と負担という税負担の原則の観点に加え、
地方分権改革の流れにそぐわないものであり、現在、それぞれの市町村において企業立地等の地
域活性化の取組みを検討実施している状況にもあることから、税源涵養のインセンティブを確保
することについて十分な配慮を検討されたい。
また、その中で特例市の財政需要を的確に捕捉し、安易に特例市の財源を他に配分するような
ことは厳に慎むこと。
○ 地方債制度の改善について
地方債は、地方公共団体にとって、中長期的視点による財源の効率的・安定的配分や将来にわ
たって債務の平準化を図るうえで重要な歳入項目である。
バリアフリー化や省エネルギー化、さらには、施設の長寿命化の視点から、現在起債の対象と
なっていない施設の改修事業費など、時代が要請する事業費の財源に地方債が充てられるよう、
より柔軟な地方債の発行に配慮するとともに、公共施設の耐震化に向けた制度の拡充を図ること。
地方債に関する制度の拡充に当たっては、交付税措置についても拡充を図ること。
また、平成24年度をもって終了している政府資金補償金免除繰上償還について、公債費負担
の軽減の観点から、同様の財政措置を再び講じるとともに、年利等の対象要件の緩和を図ること。
○ 道路財源の充実について
地方の道路整備水準は国に比して低い状況にあることから、市町村が道路整備を計画的に行え
るよう、社会資本整備総合交付金など、整備に係る財源の充実強化を図ること。
また、老朽化が進んだ道路施設の維持管理経費等の長寿命化対策に対する財源措置の充実を図
ること。
○ 消費税率の引き上げに伴う地方財源の確保について
消費税率の引き上げに伴う地方の増収分については、社会保障関係経費に係る財源とすること
とされているが、増収分の配分に当たっては、社会保障関係経費について基準財政需要額以上に
地方が負担している現状を是正したうえで、地方の役割に見合った適切な財源措置を行うこと。
○ 都市税財源の安定的な確保について
償却資産に対する固定資産税の見直しを求める要望について、固定資産税は市税収入のうち大
きな割合を占めており、その一部となる償却資産への課税に係る税収についても、安定的な行政
サービスの提供に欠くことのできない重要なものであるとともに、中核市や特例市など、一定以
上の行政規模を備えた地方自治体は、その行政区域に多くの工場等が立地しており、見直しによ
って大きな影響を受けるため、現行制度を堅持すること。
自動車取得税の見直しに当たっては、行政サービスの提供に支障が生じることがないよう、安
定的かつ十分な代替財源を確保すること。また、自動車重量税の見直しに当たっては、行政サー
9
ビスの提供に支障が生じることがないよう、所要の財源を確保すること。
ゴルフ場利用税については、ゴルフ場関連の財政需要に対する貴重な財源であることから、現
行制度を堅持すること。
平成27年3月
全国特例市市長会
会長 茅ヶ崎市長 服部
信明
様
全国特例市市長会財源確保推進部会
部会長
太田市長
清水 聖義
◆おわりに
平成26年度の財源確保推進部会は、これまでの構成市(21市)から、中核市へ移行した枚方
市を除き、新たに2市(太田市及び佐賀市)を加えるとともに、新たな役員体制のもとで、翌年度
の国等への要望内容の精査を中心に、これまで活動を行ってきました。会議は、多忙を極める首長
に配慮し年1回の開催となりましたが、それまでの間は各市メールにて活発な意見調整を進めてま
いりました。
一方、国では、法人税率の引き下げや消費税率引き上げ時期の変更等が決まり、地方財政にも少
なからず影響を及ぼす状況となっています。また、地方財政計画の中では、地方公共団体が自主性・
主体性を最大限発揮できるよう「まち・ひと・しごと創生事業費」が盛り込まれており、今後もそ
の動向を十分注視していく必要があるものと考えています。
今後は当部会といたしましても、引き続き国等の動向について、積極的に情報収集に努めると
ともに、部会構成市間の情報共有をさらに進め、安定的な財源確保に向けて、国への要望活動に
取り組んでまいります。
10
(報告第3号)
平成26年度 全国特例市市長会 中核市に関する研究会 活動報告書
山
形
市
沼
津
市
水
戸
市
富
士
市
つ く ば 市 (研究会副会長市)
一
宮
市
伊勢崎市
春日井市
太
田
市
四日市市
熊
谷
市
岸和田市
川
口
市
吹
田
市
所
沢
市
茨
木
市
平
塚
市
八
尾
市
小 田 原 市 (研究会幹事市)
寝屋川市
茅 ヶ 崎 市 (研究会会長市)
明
厚
木
市
加古川市
大
和
市
宝
塚
市
長
岡
市
鳥
取
市(研究会幹事市)
上
越
市
松
江
市
福
井
市
佐
賀
市
甲
府
市
佐世保市
松
本
市
石
市(研究会副会長市)
◆はじめに
地方自治法の一部改正により中核市制度と特例市制度が統合されたことから、中核市に関する
具体的な調査研究を行い、会員市間での情報等の共有等を行うため、全国特例市市長会規約第9
条の2に基づき「中核市に関する研究会」を設置しました。平成26年度の活動は次のとおりで
す。
◆第1回中核市に関する研究会(書面会議)
第1回研究会については、研究会設置要綱(案)及び研究会会長・副会長の選任について書面
会議で協議しました。
・会議日程:平成27年2月6日(金)
・協議内容:議題1 「中核市に関する研究会」設置要綱(案)について
議題2 研究会会長及び副会長の選任について
・協議結果:いずれも全会一致により承認
11
第1回会議の結果を受け、全国特例市市長会規約第9条の2第2項の規定に基づき、研究会幹
事を指名し、次のとおり研究会の運営体制を整えました。
研究会運営体制
研究会会長
茅ヶ崎市長 服部
信明
研究会副会長
明石市長
房穂
研究会副会長
つくば市長 市原
健一
研究会幹事
小田原市長 加藤
憲一
研究会幹事
鳥取市長
義彦
泉
深澤
◆「中核市移行に関するアンケート調査」の実施
本研究会における検討の資料として、各会員市の中核市に関する調査研究の状況を把握すると
ともに、今後、実施予定の中核市市長会に対する本研究会からのアンケート調査依頼項目(案)
について研究会会員市への意見照会を行いました。
【中核市市長会への調査依頼項目案】
1.中核市移行に向けた意思決定過程等について
2.中核市移行に伴う組織体制について(全体)
3.中核市移行に伴う組織体制について(個別)
4.中核市移行に伴い設置した審議会について
5.中核市移行に伴う条例の整備について
6.中核市移行に伴う財政影響額について
7.都道府県との協議について
8.市議会審議及び市民参画手続きについて
9.中核市への移行に関する検証について
この調査依頼項目(案)を基に中核市市長会と調整したうえで、4月に各調査対象市(中核市)
へ依頼します。
◆おわりに
今般の地方自治法一部改正に伴う中核市・特例市制度の統合により、地方分権改革の取組が進
展したことについては一定程度評価するものです。
しかしながら、人口要件の引き下げ(人口30万人以上から人口20万人以上)のみでは、中
核市への移行が自動的に進むものではなく、財政面をはじめ解決すべき課題は多くあります。
本研究会では、
研究会会員市相互のネットワークを十分に活用し、情報の共有を図るとともに、
中核市への移行における様々な課題の解決に向けた関係機関への要望活動の取組等、各市の中核
市への移行の議論が進むよう取り組んでまいります。
12
(報告第4号)
平成26年度 中核市市長会・全国特例市市長会 地方分権改革に関する共同研究会
活動報告書
1.はじめに
(1) 地方分権改革に関する共同研究会の設置
中核市市長会及び全国特例市市長会
(平成 27 年 4 月に全国施行時特例市市長会に改称)では、
それぞれの市長会において、会員市である中核市又は特例市に共通する諸課題の解決に向けた
検討を行い、その検討成果をもとに、政府や関係機関への提言等を継続的に実施してきた。
平成 24 年度には、第 30 次地方制度調査会における大都市制度のあり方に関する議論の進展
を見据え、両市長会の連携を深めることとなった。平成 24 年 8 月には、中核市市長会内に設置
された地域自律に向けた都市制度再編プロジェクト(幹事市市長:奈良市長)と全国特例市市
長会内に設置された自律可能な都市制度のあり方研究会(会長:春日井市長)の合同会議を開
催し、同年 11 月には、両市長会の初めての共同提言として「地域自律に向けた地方制度の抜本
的な見直しを求める提言」をとりまとめ、国へ提出した。
以後も、両市長会は、連携の進展のため、合同役員市長会議の開催や、中核市サミットと全
国特例市市長会秋季総会への両市長会会長の相互出席等を通じて、交流を深めてきた。
一方で、指定都市市長会を含めた 3 市長会においても、平成 24 年より「指定都市・中核市・
特例市の市長による都市間連携を考えるシンポジウム」を開催するなど連携を深め、平成 26
年 8 月には、3 市長会で「連携強化に関する覚書」を締結し、真の分権型社会の実現に向け、
より一層の連携強化を図るため、相互の情報の共有及び交流の一層の推進及び 3 市長会共通の
課題について、国等に対して共同で意見を発出する等、その解決に向けた取組を連携して行う
ことを合意した。
こうした取組の一環として、市長会の枠を超えた共同研究会の設置の検討を進めてきたとこ
ろであるが、平成 26 年より導入された国による提案募集方式について、「平成 26 年の地方から
の提案等に関する対応方針」を踏まえ、今後の対応を検討することを両市長会共通の当面の課
題と位置付け、
「中核市市長会・全国特例市市長会 地方分権改革に関する共同研究会」を平成
27 年 2 月に設置するところとなった。
(2) 地方分権改革に関する共同研究会の活動概要
「地方分権改革に関する共同研究会」は、両市長会の会長市(豊橋市、茅ヶ崎市)、両市長会
の連携担当市(奈良市、明石市)、関連プロジェクト及び部会担当市(横須賀市、前橋市、春日
井市)及び参加希望市(川越市、豊田市、大分市、つくば市、太田市、鳥取市)の計 13 市の事
13
務担当者で構成し、中核市市長会事務局を置く豊橋市行政課の課長を会長とした。
具体的な活動方針としては、
「I.提案募集方式についてどのように見直すべきか。Ⅱ.どのよ
うな権限を中核市等に移譲すべきか」の 2 つを研究テーマとして、①中核市・特例市を対象に
アンケート調査を行うこと、②会議を開催し、アンケート調査の結果を基に意見交換を行うこ
と、③その結果を各市長会へ報告することを具体的な活動とすることを決定した。
併せて、調査研究の結果として、可能かつ必要であれば、中核市市長会及び全国特例市市長
会において今後の提案募集方式に関する共同提言・提案募集に対する共同提案を検討すること
とした。
■ 中核市市長会・全国特例市市長会 地方分権改革に関する共同研究会の概要
名称
中核市市長会・全国特例市市長会 地方分権改革に関する共同研究会
目的
平成 26 年より導入された国による提案募集方式について、「平成 26 年の地方からの提案等に関する対
応方針」を踏まえ、今後の対応を検討するため、共同して検証・調査研究を行い、課題等を整理するとと
もに、次回の提案募集に関する案件の抽出への活用を図る。
研究
テーマ
活動内容
Ⅰ.提案募集方式についてどのように見直すべきか。
Ⅱ.どのような権限を中核市等に移譲すべきか。
①
②
③
※
組織
中核市・特例市を対象にアンケート調査。
会議を開催し、アンケート調査の結果を基に意見交換。
アンケート調査の結果を各市長会へ報告。
可能かつ必要であれば、提案募集方式に関する共同提言(提案募集開始前)・提案募集に対する
共同提案(提案募集時)を検討。
中核市市長会及び全国特例市市長会の次の市の事務担当者で構成し、会長は中核市市長会会長市
の主管課長とする。
中核市市長会
全国特例市市長会
会長市
豊橋市
茅ヶ崎市
連携担当市
奈良市
明石市
関連プロジェクト/部会担当市
横須賀市、前橋市
春日井市
参加希望市
川越市、豊田市、大分市
つくば市、太田市、鳥取市
※
下線を付した市は平成 27 年度関連プロジェクト/部会担当市。
工程
(予定)
【平成 27 年】
2 月 3 日(火)
2 月 4・5 日(水・木)
2 月 16 日(月)
2 月 24 日(火)
3 月 23 日(月)
4月
5月
その他
主として活動はメールで行い、会議は 3 月の 1 回を予定。
新たな研究テーマで共同研究を行う場合は、改めて活動内容・組織を検討。
両市長会役員市において、共同研究会設置について合意
共同研究会参加希望市の照会〔~2 月 10 日(火)〕
共同研究会設置、アンケート調査案等照会〔~2 月 20 日(金)〕
アンケート調査依頼〔~3 月 16 日(月)〕
研究会会議
報告書作成
各市長会へ報告
※全国特例市市長会の参加希望市:水戸市・熊谷市・川口市・草加市・平塚市・厚木市・長岡市・福井市・
甲府市・富士市・一宮市・四日市市・岸和田市・茨木市・八尾市・加古川市・
松江市・呉市・佐賀市で構成
14
会議は代表して役員市(役員内定市)が出席
2.国による提案募集方式の導入
(1) 地方分権改革に関する提案募集の概要
国の地方分権改革においては、4 次にわたる地方分権一括法等により、地方分権改革推進委
員会の勧告事項について一通り検討が行われ、地方公共団体への事務・権限の移譲や義務付け・
枠付けの見直し等が進められてきたが、地方分権改革推進本部は、地方の発意に根差した新た
な取組を推進することとして、平成 26 年 4 月 30 日に「地方分権改革に関する提案募集の実施
方針」を決定し、地方分権改革に関する「提案募集方式」を導入することとした。
この実施方針を受けて、内閣府地方分権改革推進室は平成 26 年 5 月 20 日から 7 月 15 日ま
で地方分権改革に関する提案募集を行った。この提案募集においては、都道府県及び市区町村
のみならず、一部事務組合及び広域連合、全国的連合組織、地方公共団体を構成員とする組織
も提案主体として位置づけられた。提案の対象は、

地方公共団体への事務・権限の移譲

地方に対する規制緩和(義務付け・枠付けの見直し及び必置規制の見直し)
とされ、「国・地方の税財源配分や税制改正」「予算事業の新設提案」「国が直接執行する事業の
運用改善」等に関する提案は、権限移譲又は地方に対する規制緩和に当たらないとされ、対象
とされなかった。
この募集の結果、126 の提案団体から、953 件の提案(対象外とされた 60 件を含む。)があっ
た。受け付けた提案については、内閣府が実現に向けて関係府省と調整を行い、関係府省の回
答、それに対する提案団体からの見解の提出を重ね、有識者会議の調査審議、地方分権改革推
進本部決定を経て、平成 27 年1月 30 日に「平成 26 年の地方からの提案等に関する対応方針」
が閣議決定された。
この対応方針においては、
「提案団体から再検討を求める意見がなかったもの」「事業そのも
のが廃止になったもの」「これまでに議論されてきており、その後の情勢の変化等のない事項」
を除く 535 件の提案のうち、263 件が「提案の趣旨を踏まえ対応」したものとされ、「現行規定
で対応可能」とされた 78 件と合わせると、63.7%にあたる 541 件が対応されることとされた。
この対応方針に基づき、国から地方公共団体又は都道府県から指定都市への事務・権限の移
譲等を内容とする「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律
の整備に関する法律案(第 5 次地方分権一括法案)」が平成 27 年 3 月 20 日に閣議決定され、国
会へ提出された。
また、現在、平成 27 年 3 月 23 日から 6 月 10 日までを募集期間とする平成 27 年の地方分
権改革に関する提案募集が行われているところである。
15
(2) 中核市市長会及び全国特例市市長会の対応
平成 26 年の提案募集において、中核市市長会は「県費負担教職員人事権の移譲、教職員の定
数決定権及び学級編制基準制定権の移譲、教職員の給与等決定権の移譲」(一括して提案)、全
国特例市市長会は「県費負担教職員の人事権の市への移譲」を提案している。
なお、県費負担教職員の人事権関連について、両市長会のほか、次の団体がそれぞれ個別に
提案している。
団体名
和歌山市(中核市)
松山市(中核市)
大分市(中核市)
大阪府
特別区長会
提案事項
県費負担教職員の人事権や学級編制基準制定権及び教職員定数権に関する権限の市への
移譲
県費負担教職員の人事権(任命権)及び教職員定数設定権限等の移譲
県費負担教職員の人事権等の移譲
県費負担教職員の給与等の負担・定数の決定・学級編制基準の決定の移譲
県費負担職員の人事権等の移譲
本提案に対しては、全国市長会から平成 17 年 10 月の中央教育審議会答申を踏まえ、「本答申
から 9 年が経過し、文科省ではその間、検討することとしているが、未だに実現していない。
今回、新たに「手挙げ方式」が導入されたことから、広域的な人事交流の仕組みを構築した上
で、人事権、教職員定数決定権、学級編制基準制定権等について、「手挙げ方式」による移譲や
それに伴う税財源移譲を早急に実現すること。なお、検討にあたっては、期間に期限を設ける
など、確実な検討を行うこと。
」との意見が出された一方、全国知事会からは「政令指定都市以
外の市町村における教職員の人事権と給与負担の在り方については、広域での人事交流の調整
の仕組みにも配慮しつつ、地域の実情に応じて決定できるようにするべきである。」との意見が
出された。
これらを踏まえた提案に対する文部科学省の第 2 次回答(平成 26 年 10 月 29 日公表)は次の
とおりであった。
小中学校の県費負担教職員の人事権等(定数、学級編制基準の決定及び給与等の負担を含む。以下同じ。)
を都道府県から市町村に移譲することについては、平成25年3月の「義務付け・枠付けの第4次見直し」の閣議
決定を受けて検討を行った中央教育審議会の答申においては、「引き続き、小規模市町村を含む一定規模の区
域や都道府県において人事交流の調整を行うようにする仕組みを構築することを前提とした上で、小規模市町
村等の理解を得て、中核市をはじめとする市町村に移譲することを検討する」とされたところである。
したがって、市町村への人事権等の移譲については、平成29年4月に予定されている指定都市への給与負
担等の移譲の状況を踏まえるとともに、都道府県及び町村の意見を御確認いただき、都道府県や町村との間で
合意がなされる場合には、必要な対応を検討することとしたい。
なお、「手挙げ方式」との御提案であれば、現行制度における事務処理特例制度を活用し、都道府県及び周
辺市町村との調整がつき次第市町村に人事権を移譲することも可能であり、積極的に活用いただきたい。
この文部科学省の回答を踏まえ、平成 27 年 3 月 20 日に閣議決定された「平成 26 年の地方か
らの提案等に関する対応方針」においては、次のとおり対応する旨が記載された。
16
5 都道府県から市町村への事務・権限の移譲等
【文部科学省】
(2)市町村立学校職員給与負担法(昭 23 法 135)、義務教育費国庫負担法(昭 27 法 303)、地方教育行政の
組織及び運営に関する法律(昭 31 法 162)、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する
法律(昭 33 法 116)
県費負担教職員の給与等の負担(市町村立学校職員給与負担法1条)、都道府県教育委員会の県費負担教
職員の任命権(地方教育行政の組織及び運営に関する法律 37 条1項)、県費負担教職員に係る定数の決定
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律 41 条1項及び2項)及び学級編制基準の決定(公立義務教育諸
学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律3条2項)については、県費負担教職員の任命権に係る
条例による事務処理特例制度(地方教育行政の組織及び運営に関する法律 55 条1項)の運用状況を踏まえつ
つ、広域での人事調整の仕組みにも配慮した上で、中核市等に権限を移譲する方向で検討を行い、小規模市町
村を含めた関係者の理解を得て、結論が得られたものから順次実施する。
また、条例による事務処理特例制度のより一層の活用を図るため、当該制度による人事権の移譲を希望する
中核市等については、平成 27 年度以降、関係する都道府県や市町村との協議の場を設けるなど、合意形成に
向けた支援を行うことを、関係団体に速やかに通知する。
また、この閣議決定を受け、平成 27 年 1 月 30 日に中核市市長会及び全国特例市市長会の両
会長が共同で「
「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」に関する共同コメント」を
発表している。
「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」に関する共同コメント
本日、「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」が閣議決定されました。
地方分権改革の新たな取組みである提案募集方式において、その対応方針のとりまとめにあたられた、地方分権改
革有識者会議議員の方々を始め、関係各位の大変なご労苦に対し深く敬意を表します。
初年度の提案募集方式については、地方の積極的な取組みにより、900件を超える提案がありました。国におか
れましても、地方分権改革の推進が地方創生の極めて重要なテーマであるとし、提案の実現に向けて、精力的に取り
組まれたことは評価いたします。手挙げ方式の活用などにより、地方の個性や自立を尊重し、地方分権改革の成果を
市民がより実感できる制度となるよう期待いたします。
中核市市長会や全国特例市市長会が提案した県費負担教職員人事権等の移譲については、「関係者の合意形成
に向けた支援を行う」として提案実現の成果に位置付けられていることから、地域の実情に応じた教育の展開、地域
に根ざした人材の育成を進めるためにも、国としての支援内容を明らかにし、十分な支援を行うと同時に、希望する中
核市・特例市等への権限の移譲が早期に実現されるよう引き続き強く求めます。
国において地方分権改革に取り組むにあたっては、中核市・特例市を始めとする地方の提案や意見を真摯に受け
止め、継続して検討を行い、地方としっかり協議しながら、さらなる推進に取り組んでいただくよう望みます。
平成27年1月30日
中核市市長会会長
豊橋市長 佐原 光一
全国特例市市長会会長 茅ヶ崎市長 服部 信明
17
3. 地方分権改革に関する提案募集に関するアンケート調査
(1) アンケート調査の実施
本研究会における検討を進めるにあたり、「地方分権改革に関する提案募集」に関する各市の
考えを把握するため、中核市及び特例市 全 83 市を対象に、平成 27 年 2 月 24 日から 3 月 16
日まで、アンケート調査を実施した。
この結果、83 市全ての市から回答を得た。
■ 調査の概要
調査期間 平成 27 年 2 月 24 日~3 月 16 日
調査対象
中核市(43 市)及び特例市(40 市)
計 83 市
83 市中 83 市より回答(回収率 100%)
【Ⅰ.地方分権改革に関する提案募集について】
設問 1 平成 26 年の地方分権改革に関する提案募集における提案の有無
設問 2 (提案を行った場合)提案事項
設問 3 (提案を行わなかった場合)提案を行わなかった理由
設問 4 平成 26 年の地方分権改革に関する提案募集又は提案の検討において問題と考える事項
設問 5 地方分権改革に関する提案募集にあたって国に改善を求めるべき事項
調査項目
【Ⅱ.中核市又は人口 20 万程度の市に対する権限移譲等について】
設問 6 指定都市の主な権限のうち、中核市等へ法令改正により移譲することが望ましい権限
設問 7 その他の権限のうち、中核市等へ法令改正により移譲することが望ましい権限
設問 8 法令改正により緩和・撤廃することが望ましいと考える規制
【Ⅲ.その他】
設問 9 地方分権改革に関する共同研究会その他両市長会の連携事業に関する意見・提案等
(2) アンケート調査の結果
【Ⅰ.地方分権改革に関する提案募集について】
■ 平成 26 年の地方分権改革に関する提案募集における提案の有無及び提案事項
中核市及び特例市全 83 市に対して、平成 26 年の内閣府による地方分権改革に関する提案募
集における提案の有無(他団体と共同で行った場合を含む。市長会として行った場合は含まな
い。)について質問〔設問 1〕したところ、次の表のとおりの結果となった。
これによれば、中核市 9 市、特例市 3 市、計 12 市が提案を行っていたことがわかった。
中核市
特例市
計
回答率
1
提案を行った。
9
3
12
14.5%
2
提案を行わなかった。
34
37
71
85.5%
提案を行ったと回答した 12 市に対して、提案を行った内容について質問〔設問 2〕したとこ
ろ、次の表のとおりの結果となった。
18
これによれば、提案は計 42 件(うち 2 件は「検討の対象とならない提案事項」)で、権限移
譲に関するものが 9 件、地方公共団体に対する規制緩和に関するものが 31 件であった。提案の
対象の分野としては、農地・農業に関するものが 14 件と最も多く、次いで土木・建築に関する
ものが 7 件、医療・福祉に関するものが 6 件、環境・衛生に関するものが 5 件であった。
また、15 件については、「平成 26 年の地方からの提案等に関する対応方針」に関連事項が記
載されるに至った。
なお、提案においては、中核市市長会・全国特例市市長会がとりまとめた県費負担教職員人
事権関係の提案や、全国市長会がとりまとめた農地転用関係の提案等と、同様の提案を行って
いる市も複数見られた。
提案区分
権限移譲
地方に対する規制緩和
対象外
計
9
31
2
42
中核市
8
26
0
34
特例市
1
5
2
8
計
9
31
2
42
○を付した提案事項は、「平成 26 年の地方からの提案等に関する対応方針」に関連事項の記載があるもの。
分野
提案区分
提案事項
土地利用
(農地除く)
〔2 件〕
権限移譲
○一部が一般国道または都道府県道になっている市町村道にかかる都市計画決定権限の市町
村への移譲
地方に対する
規制緩和
・都市計画法に基づく開発許可制度運用指針の改訂
農地・農業
〔14 件〕
権限移譲
○農地転用に関する知事・農林水産大臣の許可権限の市町村への移譲
・農地転用に係る事務・権限の移譲(農地法第 4 条及び第 5 条)
地方に対する
規制緩和
○2ヘクタールを超え4ヘクタール以下の農地転用許可に係る農林水産大臣への協議の廃止
○農地の転用に係る都道府県農業会議への諮問の廃止
○中山間地域における農業生産法人の要件緩和
・市町村に対する農地転用制限の緩和
・農業振興地域整備計画にかかる県の同意の廃止
・「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」の指定地域における要配慮者施設等移転に係
る、農振除外の要件緩和
・耕作放棄地再生利用緊急対策事業の補助要件の見直し
・農用地利用計画の変更等の際の都道府県知事への協議・同意の廃止
・農地転用許可に係る都道府県農業会議への諮問の義務付けの廃止
・農用地利用計画の策定・変更時に係る都道府県との協議の義務付けの廃止
・農業振興地域における公共性が高いと認められる施設の要件緩和(農業振興地域の整備に関
する法律施行規則第 4 条の 4 第 27 号)
○「施設園芸用地等の取扱いについて」の改正
医療・福祉
〔6 件〕
権限移譲
・認定こども園の認定に係る事務・権限の移譲
地方に対する
規制緩和
○介護保険料の特別徴収対象年金の優先順位撤廃
○資格喪失した被保険者の受診に伴う過誤調整手続の簡素化・迅速化
・民生委員の任期の始期又は終期の設定の条例委任
・指定管理者制度導入後の隣保館補助金(運営補助・施設整備)の継続交付について
・放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準の職員基準の緩和
教育・文化
〔3 件〕
権限移譲
○県費負担教職員の人事権や学級編制基準制定権及び教職員定数権に関する権限の市への
移譲
○県費負担教職員の人事権(任命権)及び教職員定数設定権限等の移譲
○県費負担教職員の人事権等の移譲
環境・衛生
〔5 件〕
地方に対する
規制緩和
○特定外来生物の防除活動の手続の見直し
・騒音規制法に係る特定施設の届出制度の廃止等
・振動規制法に係る特定施設の届出制度の廃止等
・廃棄物処理施設等の設置許可に当たっての立地基準等の条例委任
・廃焼却炉施設解体及び廃棄物処理施設の改良などに係る支援について
19
消防・防災・
安全
〔2 件〕
権限移譲
・自衛隊災害派遣要請権限の市長への付与
地方に対する
規制緩和
・「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」の指定地域における要配慮者施設の単独移転を
進める制度改正
土木・建築
〔7 件〕
地方に対する
規制緩和
○公営住宅における寡婦(夫)控除のみなし適用
○樋門の最小断面の緩和
・駐輪場の設置占用許可要件の緩和
・公営住宅の明渡し請求に係る収入基準の条例委任
・防災安全交付金の範囲の拡大について
・社会資本整備総合交付金事業における交付金間の流用について
・都市公園等の整備に係る交付対象事業要件の緩和
その他〔1 件〕
権限移譲
○特定非営利活動法人の所轄庁に中核市を追加
検討の対象とならない提案事
項〔2 件〕
・特別地方交付税の減額に対する見直し
・税情報を福祉目的の給付等に活用できるような法整備
■ 平成 26 年の地方分権改革に関する提案募集において提案を行わなかった理由
平成 26 年の地方分権改革に関する提案募集において提案を行わなかったと回答した 71 市に
対して、提案を行わなかった理由について質問〔設問 3(複数回答)〕したところ、次の表のと
おりの結果となった。
これによれば、「5 所属する市長会がとりまとめて提案を行ったから。」と回答した市が 31
市で最も多かった。一方で、
「2 事務処理特例制度により必要な権限移譲を受けることができる
から。」と回答した市が 18 市、
「1 特段権限移譲・規制緩和を求めていないから。」と回答した
市が 14 市で、回答の割合が比較的高く、提案募集方式の活用自体の必要性を感じていない市も
少なくないことが明らかとなった。
中核市
特例市
計
回答率
1
特段権限移譲・規制緩和を求めていないから。
8
6
14
19.7%
2
事務処理特例制度により必要な権限移譲を受けることができるか
ら。
6
12
18
25.4%
3
募集期間が短く、提案をまとめることができなかったから。
4
4
8
11.3%
4
提案募集方式の実効性に疑問があったから。
1
1
2
2.8%
5
所属する市長会がとりまとめて提案を行ったから。
14
17
31
43.7%
6
その他
9
3
12
16.9%
■ 平成 26 年の地方分権改革に関する提案募集又は提案の検討において問題と考える事項
中核市及び特例市全 83 市に対して、平成 26 年の内閣府による地方分権改革に関する提案募
集又は提案の検討において問題と考える事項について質問〔設問 4(複数回答)〕したところ、
次の表のとおりの結果となった。
これによれば、
「1 特に問題ない。
」と回答した市が 35 市で全体の 42%に上るも、概ね半数程
度は何らかの問題を感じていることが明らかとなった。問題と考える事項としては、「2 募集期
間が短い。」と回答した市が 24 市で最も多く、次いで「4 各府省からの回答で実現困難とする
20
理由の説明が不十分。
」と回答した市が 18 市、「3 提案対象を「権限移譲」と「地方に対する規
制緩和」に限定している。
」と回答した市が 13 市であった。
中核市
特例市
計
回答率
1
特に問題ない。
15
20
35
42.2%
2
募集期間が短い。
11
13
24
28.9%
3
提案対象を「権限移譲」と「地方に対する規制緩和」に限定している。
7
6
13
15.7%
4
各府省からの回答で実現困難とする理由の説明が不十分。
13
5
18
21.7%
5
提案の趣旨と、対応の内容が一致していない。
5
4
9
10.8%
6
その他
7
2
9
10.8%
■ 地方分権改革に関する提案募集にあたって国に改善を求めるべき事項
中核市及び特例市全 83 市に対して、内閣府による地方分権改革に関する提案募集にあたり、
国に改善を求めるべき事項において問題と考える事項について質問[設問 5]したところ、25 市
(中核市 18 市、特例市 7 市)から意見あり、次の表のとおりの結果となった。
具体的な内容としては、「募集期間・事前相談期間の延長、募集に関する情報の早期公表等」
を求める意見が 8 市、
「税源移譲等の提案の対象への追加、提案対象外の事項に対する措置等」
を求める意見が 6 市、
「提案団体等のヒアリング・意見聴取の改善等」を求める意見が 6 市、「各
府省における積極的な検討、明確な理由の提示等」を求める意見が 6 市あった。
また、「各府省における積極的な検討、明確な理由の提示等」を求める意見に一部含まれてい
る可能性があるが、県費負担教職員人事権等の権限移譲に関する提案に対して文部科学省から
の回答等において事務処理特例制度による対応が言及されていた事例があったことを踏まえ、
「手挙げ方式と事務処理特例制度との関係の整理」を求める意見も 4 市から出された。
【募集期間・事前相談期間の延長、募集に関する情報の早期公表等(8 市)】








庁内で丁寧に検討するためには一定程度の時間が必要であるため、募集期間がもう少し長くなるとよい。
事前相談によるメリットを明らかにし,各自治体等の提案準備の一環として,相談の受付を通年化。
事前相談期間の延長。可能な限り延長し、提案し易い環境を整えていただきたい。
提案募集の期間を十分に確保していただきたい。
募集期間の延長
提案募集について、検討する時間を十分に確保してほしい。
提案する地方公共団体側が十分な事前準備を行えるように、募集に関する情報の早期公表が重要。
平成 27 年度における募集概要等を早期に公表し、提案までに十分な検討時間を確保すること。
【税源移譲等の提案の対象への追加、提案対象外の事項に対する措置等(6 市)】






提案対象を権限移譲と規制緩和に限定せず、税財源配分や税制改正なども対象とすること。
提案対象に「税源移譲・税制改正」についても追加すべき。
国の補助制度の見直しなど、地方への税財源の移譲についても提案対象に含め、外部の有識者会議等にお
いて検討していただきたい。
広域に資する業務については市町村から県、国に委譲することも可能とすべき。
提案対象を国が直接執行する事業の運用改善などの幅広い提案ができるよう改善願いたい。
対象外となっている要望事項についても、何らかの手法で提案が可能となる制度を検討してもらいたい。
21
【提案団体等のヒアリング・意見聴取の改善(6 市)】






国によるヒアリングが一部の提案団体のみ行われていた。そのため、同様の提案をした場合でも提案団体す
べてにヒアリングをしていただきたい。
省庁は,地方の実務の実態を十分把握できていない可能性があることから,提案団体から直接ヒアリングを
行うなど,地方の実情を十分に捉えたうえで,提案内容について検討できるようにしてはどうか。
地方分権改革有識者会議の提案募集専門部会ヒアリングへの提案市担当者の出席が可能となるような日程
の調整を求める。平成 26 年度は、連絡がヒアリング 1 週間前など直前であり、全く対応ができなかった。
提案団体からのヒアリングの際には,スカイプなどを利用してはどうか。
自治体等の提案後、国から一次回答等がなされるが、その後の提案を行った自治体の意見聴取の回答期間
が短いため、回答期間が十分に時間をとれるよう改善願いたい。
全国市長会を通じて,内閣府から提案に対する支障事例等について照会が行われたが,「対応不可」など実
現が困難な提案については,各自治体の事務処理の効率性を考え,照会対象から外すことを求める。
【各府省における積極的な検討、明確な理由の提示(6 市)】






実効性の強化(内閣府だけでなく、実際に権限を持つ関係府省の協力体制の構築)
各省庁において、地方創生の考え方の再認識と、その考えに沿った対応をお願いしたい。
各府省は、単に過去の検討や方針をもって、提案の検討を拒絶せず、提案を受けて改めてその是非について
検討すること。
地方分権改革を進めるという「提案募集方式」の意義を十分に踏まえ、真摯に検討を行い、ひとつでも多くの
提案を実現させるように取り組んでいただきたい。
地方からの提案に対する各省庁の回答の多くが権限移譲に消極的な回答であり、可能な限り提案に対応しよ
うという姿勢が見えないため、今後はより積極的な対応を求めます。
各省庁が提案の検討を行うときに、地方分権を積極的に推進する立場で検討しているかどうかで、回答の方
向性が異なってくる。提案の採用が難しいと考える場合、その理由を地方自治体が納得できるように、明確な
理論をもって説明してほしい。
【手挙げ方式と事務処理特例制度との関係の整理(4 市)】




事務処理特例制度による対応が可能であることをもって法令の改正の提案を退けることは、 手上げ方式に
権限移譲の提案を認めていることとの整合性がとれていないので、国として手上げ方式の意義を明確にし、各
府省と認識を共有すること。
中核市市長会から「県費負担教職員の人事権の移譲」等について「「手挙げ方式」で希望する中核市への移
譲を提案した」ところ、文部科学省からの回答は、「「手挙げ方式」との御提案であれば、現行制度における事
務処理特例制度を活用し、(中略)積極的に活用いただきたい。」とのことであった。今後、提案募集を継続す
るに当たり、国においては、「提案募集方式」と「事務処理特例制度」の考え方を整理すべき。
中核市が提案を行った、「県費負担教職員の人事権等の移譲」に対する国の対応方針内容は、「条例による
事務処理特例制度の運用状況を踏まえつつ、(中略)結論が得られたものから順次実施する」や、「条例によ
る事務処理特例制度のより一層の活用を図るため、(中略)合意形成に向けた支援を行うことを、関係団体に
速やかに通知する」等とされているが、提案団体をはじめとする地方の実情を鑑み、事務処理特例制度が認
められている提案についても、提案募集制度において積極的に権限移譲を進めるなど、より柔軟な対応が重
要。
事務処理特例制度との使い分けが明示されるべき。
【対応方針で示された事項の着実な取組(4 市)】




国からの対応方針で「引き続き検討」というニュアンスのものについては、国の責任において確実に最終結論
に至るまで議論を行うことと、その途中経過も含めて、進捗を随時情報発信することを求める。
平成 27 年 1 月 30 日の閣議方針において、調査を行うなど引き続き検討を進めるとしたものは検討結果を、逐
次、地方分権改革有識者会議に報告するとされているため、「提案の実現に向けて対応を検討」とされた提案
に関しては、各省庁の今後の対応を継続的に示して欲しい。
対応方針として検討するとしたものについては、検討の期間や方法等を明示すべき。
「平成 26 年度の地方からの提案等に関する対応方針」に示された項目について、直ちに具体的な取り組みへ
つなげること。
【財源の移譲(3 市)】



移譲事務の財源措置について明確にされるべき。
権限の移譲に併せて、移譲される権限の事務処理に必要な財源の移譲を求めていくべきと考える。
かねてより両市長会が国に求めてきた、税財源配分の是正、地方交付税の総額の確保など、市民サービスの
提供者と税の徴収権者との一致及び恒常的に生じている地方財源不足額への対応について、権限の移譲に
22
見合う適切な措置が伴うことを求める。
【その他】





昨年、提案された約 900 にものぼる提案の対応については方針及び各個票において経過が HP で掲載されて
いるが、来年度提案を検討する際に提案された事項や類事例等を確認する必要があるため、検索し易い情報
の整理及び発信について工夫していただきたい。
提案内容を国や道など関係機関にも同時に提供してはどうか。
法律で制度化し、継続的・安定的な運用がされるべき。
事務負担の軽減
法律の改正にともない、自治体が行う具体的な施策やサービスのために必要な制度設計は、国が主体的に
法律の改正や規制の緩和・拡大・撤廃も視野にいれながらすすめられたい。
【Ⅱ.中核市又は人口 20 万程度の市に対する権限移譲等について】
■ 指定都市の主な権限のうち、中核市等へ法令改正により移譲することが望ましい権限
中核市及び特例市全 83 市に対して、指定都市の主な権限のうち、中核市又は人口 20 万程度
の市へ法令改正により移譲することが望ましい権限について質問〔設問 6(複数回答)〕したと
ころ、45 市より 65 項目の回答があった。主な項目は次の表のとおりである。
最も多くの市から回答のあった項目は、「県費負担教職員の任免、給与の決定、休職及び懲戒」
で 27 市から回答があった。次いで、
「市町村立小中学校等の学級編制基準の決定、県費負担教
職員定数の決定等」
(23 市)
、
「市町村立小中学校等の職員の給与等の負担」(20 市)と、教職員
関係が挙がった。
他に、「区域区分に関する都市計画の決定」(10 市)、「指定障害福祉サ-ビス事業者等の業
務管理体制の報告の受理・命令等」
(8 市)、「精神障害者保健福祉手帳の交付」(7 市)等、「都
市計画・土木」
「福祉」
「保健衛生」の分野に関する権限が多く挙がった。
一方で、中核市等へ法令改正により移譲することが望ましい権限として、大半の中核市・特
例市から共通して挙がった権限はなく、4 割以上の市からは具体的な権限は挙がらなかった。
※
分野
権限の内容
精神通院医療に係る自立支援医療費の支給認定
福祉
保健
衛生
都市
計画
土木
( )内は、法令改正による移譲を希望すると回答した市
指定障害福祉サ-ビス事業者等の業務管理体制の報告
の受理・命令等
介護サービス事業者(一部)の業務管理体制の整備に関
する監督等
精神障害者保健福祉手帳の交付
法令
回答市
障害者の日常生活及び社会生活
を総合的に支援するための法律
5 市 (3 市)
障害者の日常生活及び社会生活
を総合的に支援するための法律
8 市 (6 市)
介護保険法
7 市 (6 市)
精神保健及び精神障害者福祉に
関する法律
7 市 (5 市)
病院の開設許可
区域区分に関する都市計画の決定
医療法
都市計画法
7 市 (4 市)
10 市 (9 市)
都市再開発方針等に関する都市計画の決定
第八条第一項第四号の二、第九号から第十三号まで及
び第十六号に掲げる地域地区に関する都市計画の決定
公有水面の埋立免許
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に関する都
都市計画法
7 市 (6 市)
都市計画法
5 市 (3 市)
公有水面埋立法
5 市 (2 市)
6 市 (5 市)
23
都市計画法
市計画の決定等
教育
文化
その
他
県費負担教職員の任免、給与の決定、休職及び懲戒
地方教育行政の組織及び運営に
関する法律
市立高等学校職員の給与等の負担
市町村立学校職員給与負担法
市町村立小中学校等の職員の給与等の負担
市町村立学校職員給与負担法、
義務教育費国庫負担法
20 市 (10 市)
市町村立小中学校等の学級編制基準の決定、県費負担
教職員定数の決定等
公立義務教育諸学校の学級編制
及び教職員定数の標準に関する
法律
23 市 (13 市)
27 市 (14 市)
5 市 (3 市)
市町村立高等学校等の設置認可
特別支援学校の設置廃止等の認可
史跡名勝天然記念物の仮指定
学校教育法
文化財保護法
5 市 (2 市)
5 市 (3 市)
6 市 (1 市)
重要文化財等の管理に係る技術的指導等
文化財保護法
5 市 (0 市)
農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等の許可
その事務所が市域内のみに所在する特定非営利活動法
人の設立認証
農地法
6 市 (3 市)
特定非営利活動促進法
6 市 (1 市)
学校教育法
■ その他の権限のうち、中核市等へ法令改正により移譲することが望ましい権限
中核市及び特例市全 83 市に対して、先の設問で挙げた指定都市の主な権限以外の権限のうち、
中核市又は人口 20 万程度の市へ法令改正により移譲することが望ましい権限について質問〔設
問 7〕したところ、3 市より 3 項目の回答があり、次の表のとおりの結果となった。
権限の内容
療育手帳の交付
土地利用基本計画の策定及び土
地利用の規制に関する措置等
液化石油ガス販売事業の登録等
法令
「療育手帳制度について」(昭和 48 年 9 月 27 日厚生省発児第 156 号厚生事務次官通知)
国土利用計画法
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律
■ 法令改正により緩和・撤廃することが望ましいと考える規制
中核市及び特例市全市に対して、法令改正により緩和・撤廃することが望ましいと考える規
制について質問[設問 8]したところ、5 市より 12 項目の回答があり、次の表のとおりの結果と
なった。
規制緩和・撤廃の内容
届出部数の指定撤廃
工場立地法に係る既存工場の緑地面積率等の緩和
指定地域密着型(介護予防)サービス事業所の指定の効力の範囲
民生委員の任期の始期又は終期の設定の条例委任
公営住宅の明渡し請求に係る収入基準の条例委任
特定外来生物の防除活動の手続の見直し
騒音規制法に係る特定施設の届出制度の廃止等
廃棄物処理施設等の設置許可に当たっての立地基準等の条例委任
特定計量器の 2 年に 1 回の定期検査の規制緩和
公債権の管理における滞納者情報の幅広い共有化の促進
自治体による訴えの提起に係る議会の議決事項の例外化
条例による事務処理特例について、都道府県知事に対し、市町村が
要請する際の規制緩和
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法令
国土利用計画法
工場立地法準則
介護保険法
民生委員法
公営住宅法
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止
に関する法律
騒音規制法
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
計量法
個人情報保護関連法令
地方自治法
地方自治法
【Ⅲ.その他】
■ 地方分権改革に関する共同研究会その他両市長会の連携事業に関する意見・提案等
中核市及び特例市全市に対して、地方分権改革に関する共同研究会その他両市長会の連携事
業に関する意見・提案等について質問〔設問 9〕したところ、20 市(中核市 10 市、特例市 10
市)より意見があり、次の表のとおりの結果となった。
なお、提案募集方式への対応に関し、市長会としてとりまとめて権限移譲について提案する
場合は手挙げ方式とすることとする意見が、複数の市からあった。
【提案募集方式への対応に関する意見】
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



地方分権改革に関する共同研究会等での検討の結果,共同提案することになった事項について,全ての会員
市の合意が得られていない場合は,各自治体の事情を勘案し,手挙げ方式の移譲にするよう配慮いただきた
い。また,今後同様の調査を行うにあたっては,事務や権限の性質上,「移譲すべきではないと考える権限」に
ついてもその理由とともに回答できるようにしていただきたい。〔中核市〕
移譲希望団体の主張がそのまま総意とならぬよう,一括ではなく,手挙げ方式での移譲を進めるべきと考え
る。〔中核市〕
中核市、特例市であっても各自治体の財政状況や地域性により、抱えている課題等は異なっていると考えら
れる。そのような中で、今まで一括法により様々な権限が移譲されてきたが、今後権限移譲を求めていく場合
には、手上げ方式(希望する自治体のみ)とすることとし、人口要件等により一括で移譲することは避けていた
だきたい。あわせて、移譲事務に見合う財政措置も求めていくように再度お願いしたい。〔特例市〕
今後、中核市市長会として一律に権限移譲を求めるべきか、「手挙げ方式」による移譲を求めるべきかを判断
する材料として、他市に先駆けて取組んでいる市の現状(例えば、事務処理特例により県費負担教職員の人
事権が大阪府から委譲された大阪府豊能地区における運用状況)を確認した上で、研究していくことも一つの
手法ではないか。〔中核市〕
特例市においては、指定都市に移譲されている事務よりも、現在中核市へ移譲を行っている事務について、移
譲することのメリット・デメリットを研究し、移譲の可否について検討する方が現実的。〔特例市〕
【共同研究会の運営に関する意見】

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


今回の照会を含め,市内部での調整に十分な時間がとれるよう,配慮をお願いいたします。また,権限移譲プ
ロジェクトにおいても,「提案募集方式」に関する研究が進む予定であるため,プロジェクトとの重複がないよう
に調整の上,事業を進めていただきますよう,お願いいたします。〔中核市〕
権限移譲検討プロジェクトの活動と重複する面があると思われるので、調整をお願いします。〔中核市〕
提案募集方式において、中核市市長会として実効性のある提案を行うためには、当該研究会で議論する時間
または回数をより増やす必要がある。〔中核市〕
研究会等が行う各市への調査やアンケートの実施時には、可能な限り、事務担当所属レベル、首長レベル等
の段階に分けて調査等を行い、精度の高い調査ができるよう配慮願います。〔中核市〕
都市圏に位置する中核市と地方に位置する中核市では、地域の特性などにより「法令による権限の移譲」へ
の考え方は様々であるため、提案募集の有無に関わらず意見交換の場を設けることが望ましい。〔特例市〕
【共同研究会等における研究テーマに関する意見】
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
権限移譲に伴う財政面での課題等も研究を希望します。〔特例市〕
権限委譲に伴い、事務の超過、経費の増大が懸念される。必要な人的手当て等に加え、技術的指導が必要。
〔特例市〕
平成 26 年度の提案であった教職員人事権の移譲等の結果への具体的な対応のスケジュール等についても、
速やかな調整・情報提供をお願いしたい。〔中核市〕
中核市ではない人口 20 万人以上の市においても、連携中枢都市の要件となるよう要望を続けてゆくべき。〔特
例市〕
25
【中核市移行に向けた検討に関する意見】



中核市移行の要否について、今年から 2 年程度の間に方向性を見出したいと考えている。このため、中核市
側から移行により得られた効果及び課題等、研究会の中で取り上げていただけるとありがたい。〔特例市〕
特例市から中核市への移行を判断するための材料(メリット・デメリット・判断基準など)、移行を目指す場合に
おいて解決しなければならない課題(財源・組織・職員数など)及び移行プロセスの整理を各市連携の下で更
に進めていきたい。〔特例市〕
中核市移行を積極的に検討する特例市については、中核市候補市として中核市市長会にご参加いただき、情
報共有や意見交換を行っていきたいと考えている。中核市市長会として積極的に加入促進を図るとともに、全
国特例市市長会においても積極的に周知を図っていただきたい。〔中核市〕
【中核市市長会及び全国施行時特例市市長会の連携に関する意見】



共通する課題に対し、他市と連携しながら、スケールメリットを生かした取り組みが行えると感じている。〔特例
市〕
これまでの連携の取り組みによって、合同役員市長会議や共同提言が行われてきたことは、大きな成果であ
ると思う。さらに今回、事務レベルでの共同研究会によって共通する課題に対して知恵を出し合い、地方分権
改革に取り組むことは新たな前進である。今後も 2 市長会の連携は、重要性や必要性、時期などを精査して、
積極的に進めることが望ましい。〔中核市〕
両市長会の連携担当市である奈良市、明石市の両市におかれましては、本アンケート結果の集計及び分析な
ど、今後も大変なご負担をおかけしますが、次回提案募集方式への共同提案が、両市長会の連携の成果とし
て取りまとまりますよう、よろしくお願いいたします。〔特例市〕
26
4.意見交換
(1) 共同研究会会議
平成 27 年 3 月 23 日に全国都市会館において「地方分権改革に関する共同研究会」の会議を
開催し、構成市 12 市(大分市欠席)が出席した。会議においては、地方分権改革に関する提案
募集に関するアンケート調査結果の中間報告を行うとともに、国の提案募集方式、実現すべき
権限移譲・規制緩和及び共同研究会の今後の活動について意見交換を行った。
地方分権改革に関する共同研究会 会議次第
平成 27 年 3 月 23 日(月)11 時 30 分~12 時 30 分
全国都市会館 第 6 会議室
1 開会
2 報告
・地方分権改革に関する提案募集に関するアンケート調査結果
3 意見交換
(1)国の提案募集方式について
(2)実現すべき権限移譲・規制緩和について
(3)共同研究会の今後の活動について
4 その他
5 閉会
■ 国の提案募集方式について
実際に提案を行った市から、ヒアリング等を通じて、国に主張していくためには、提案する
側において法令や理論の整理及び制度設計等を行うこと、各市における支障事例、権限移譲や
規制緩和の対象となる市の意向を含めた情報収集等を行うことが必要と感じたとの意見があっ
た。今後の提案募集方式への対応にあたっては、国に主張していくための情報収集等をいかな
る体制で実施していくかが課題になると思われる。
なお、現状における支障事例の有無を重視し、あるいは条例による事務処理特例制度の活用
をもって足りるとする国の立場に対しては、地方分権の考えに照らせば、権限移譲を行うこと
について支障が認められないなら移譲するべきであって、地方分権に対する考えが徹底されて
いないと感じられる旨の報告があった。
また、提案事項の全てが有識者会議におけるヒアリングの対象とされたものではなく、複数
の団体が同一の提案を行っている場合は、一部の提案団体のみヒアリングの対象となっている
状況に対し、提案団体に広く直接意見を述べる機会が与えられるべき、との意見があった。
一方、権限移譲に関し、これまで各市町村の担当者レベルの意見が国に提案できるという仕
27
組みはなかったことを考慮すると、改善すべき点はあるものの、制度として継続していくこと
が必要との意見があった。今後も提案募集方式の積極的な活用を図るとともに、改善すべき点
については必要に応じて国の提言等を通じて改善を求めていくことが必要と思われる。
【平成 26 年 地方分権改革に関する提案募集で、提案を行った市の感想・意見】






提案する側が、要望ではなく制度の設計や法の整理をしていかないと、内閣府や有識者会議が各省庁と議論
にならない。また、中核市市長会として提案した立場としては、有識者会議からのヒアリングにおいて、会の構
成市のうち、「実際にどのくらい手を挙げるのか」を強く聞かれたところである。本市長会として手挙げ方式を主
張したが、今回、法改正にまでは至らなかった。今後、権限移譲を求めていく際には、実際に提案が実現した
時に移譲を受けるかどうかということも確認したうえで行う必要がある。どれだけ多くの市がまとまれるかという
点が重要。〔中核市〕
取り組んでみて感じたことは、事務負担の部分と実現性の部分である。実現性の部分については、既存の国
の規制や権限をどのように緩和させ移譲させるかということは、しっかりとした理論武装が必要。〔中核市〕
事務処理特例制度と提案募集方式との整理は重要なテーマ。国は、事務処理特例制度でできるものは事務
処理特例制度を活用すべきという姿勢でいる。いかにこの点を突破できるかがポイントになる。教職員の人事
権の移譲等に関する有識者会議等のヒアリングに出席したが、文部科学省は条例による事務処理特例制度
が既に位置付けられていることをしきりに主張されていた。その意見に対し、「本来、地方分権というのは、地
方からの提案があった際には、特段の支障が無ければ法令によって必然的に移譲されるものではないのか」
ということを主張したが、対応方針では、結局事務処理特例制度の活用が記載され、壁は非常に高くて厚いと
感じた。〔中核市〕
支障事例があるのかという点に内閣府も各省庁も非常に議論が集中していたが、地方分権は本来国と地方の
役割をどうするかという議論であって、「支障があるから地方に移譲する」という議論ではない。〔中核市〕
全国特例市市長会から「教職員人事権の移譲」の提案を行った。市長会の要望内容として合意を得ている内
容ではあったが、提案前にもう少し議論をする時間があればよかった。また、今回、教職員人事権の移譲につ
いては、多くの団体から提案があったが、実際に有識者会議のヒアリングを受けたのは中核市市長会のみで
あり、当市長会として実際に主張をする機会を得られなかったのが残念。〔特例市〕
収穫として感じているところは、これまで各市町村の担当者レベルの意見が国に提案できるという仕組みはな
かったので、この制度の改善点はあるにせよ続けていく必要はある。〔中核市〕
■ 実現すべき権限移譲・規制緩和について
地方分権改革に関する提案募集に関するアンケート調査結果等を踏まえ、各市の状況や意向
が大きく相違していることから共通のテーマを設けることは困難であり、特に権限移譲につい
ては一律の移譲を求めるのではなく、手挙げ方式が望ましいとの意見が複数の市からあった。
一方で、手挙げ方式については、事務処理特例制度との使い分けが問題になるとの意見が上
がった。
今後の提案募集への対応にあたっては、手挙げ方式によることを提案する場合、国が事務処
理特例制度に基づく権限移譲を重視していることからも、事務処理特例制度によらず、法令改
正をもって対応することが相当である旨を国に明確に主張することが重要であり、そのため、
事務処理特例制度の問題点や手挙げ方式による場合の具体的な制度設計等を整理する必要があ
ると思われる。
28
【権限移譲の方法についての意見】

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


アンケート結果を見ると、規制緩和については比較的合意を得られそうであると感じているが、権限移譲につ
いては、各地域の実情もあるので一律に権限移譲というのは難しいのでは。〔中核市〕
今回のアンケート結果で、教員の人事権と土地制度関係が多く意見として挙がっている。ただ、個々の権限と
なると地域によって意見が異なってくるので、中核市市長会・特例市市長会の共通テーマを設定するというの
は、なかなか難しいという印象を持っている。規制緩和についても、権限移譲と同様に、どこまで共通のテーマ
設定ができるかが課題となる。〔特例市〕
今回のアンケート結果にもあるように、一律の権限移譲を求めていくことは難しいため、手挙げ方式での検討
を進めていく必要があるのではないか。〔中核市〕
中核市市長会の権限移譲プロジェクトとしては、各中核市が共通して特定の権限を求めるというよりは、地域
ごとの課題解決のためにそれぞれが必要な権限移譲を求めている状況があるため、事務処理特例制度自体
の改善としての提言としてまとめている。また、プロジェクト会議の中でも議論があったが、事務処理特例制度
と提案募集方式との使い分けが課題となっている。〔中核市〕
当市の場合、県の事務処理特例のメニューが充実しており、既に基本的な事務は事務処理特例で移譲されて
いると考えている。〔中核市〕
事務処理特例制度は、県の意向が強く反映されてしまうため、法律で一定の条件を設定したうえで、その条件
を満たした市については、必然的に権限が移譲されるという仕組みであれば「手挙げ方式」の意味があると考
えている。〔中核市〕
【具体的な権限移譲・規制緩和についての意見】


福祉担当者との意見交換で、福祉分野は県の関与等が大きいが、一部の事務については市が権限を持って
事務を執行した方が効率的・効果的なものがあると聞いている。〔特例市〕
教員の人事権の移譲に関しては、昨年のヒアリングで国が一番心配しているのが、広域的な人事交流ができ
るのかという点である。この点については、和歌山市の教職員の人事課の課長にもご出席いただき、一定の
理解はしていただいたが、事前にしっかりとした検討をしておかないと議論にならないことを実感した。今後、検
討していくに際しては議論を積み重ねていくことが重要であると考える。〔中核市〕
■ 共同研究会の今後の活動について
今後の活動として、引き続きアンケート調査結果のとりまとめを進めるとともに、必要に応
じて追加調査を行い、報告書の作成に取り組むとともに、平成 27 年の地方分権改革に関する提
案募集への共同提案の検討については、各市長会が報告書を踏まえてそれぞれ対応を検討した
後、同一の案件について提案する場合において改めて行うことを確認した。
また、国の提案募集方式に対する共同提言については、3 月 23 日に平成 27 年の地方分権改
革に関する提案募集が開始されたことを踏まえ、現時点で提出を目指すべきかについて議論を
行った。既に提案募集が開始された以上時機を逸していると考える市がある一方、提案募集が
開始された時点にあっても、提案後の国の検討のあり方の改善について提言すべきとする意見
や、募集期間や提案の対象等についても来年の募集のあり方を改善するために機会があれば何
度でも主張すべきとする意見があり、大きく意見が分かれた。そのため、共同提言に係る方針
については、アンケートの分析結果から論点を抽出した上で、後日改めて構成市の意見を確認
して、検討・決定することとした。
29
(2) 共同提言のとりまとめについて
会議を経て、改めて構成市に現時点における共同提言のとりまとめに関する意向を確認した
ところ、「現時点で共同提言を行うべき」と考える市と、「現時点で共同提言を行う必要はない」
と考える市がほぼ同数であった。なお、「現時点で共同提言を行う必要はない」と考える市の意
見は、次の表のとおりである。






平成 27 年の募集が既に開始されていることや、準備を急いだとしても提言を実施するのは、総会以降であるこ
とを考えると、タイミングを逸している感がある。共同研究会の成果を無駄にしないためにも、提言実施は前提
としつつも、各市長会のプロジェクトや部会での、もう少し掘り下げた議論を経た上で、11 月提言を目標に準備
を進めてもよいと思われる。提言のあり方については、繰り返し同じことを訴え続けることの重要性や、提案募
集方式の一部の問題点についてだけでもその都度提言を行うことの必要性もあるとは思うが、最大効果が狙
えると思われる時期に、内容の詰まった提言を発信するべき。
国が募集期間中に制度見直しを行うことは難しい。そこで、平成 26・27 年の 2 回の提案募集を踏まえ、課題点
などを中核市市長会の会議の場において各市がしっかりと議論、検討を行い、国が平成 28 年度へ向けた制度
設計を検討する本年の秋を目処に提言要望を行うことが、より効果的で、実現性の高い提言になると考える。
ヒアリング・意見聴取の改善、各府省における積極的な検討、明確な理由の提示等に関する提言は現時点で
行うことが望ましいが、募集期間・事前相談期間の延長や提案対象の追加等に関する提言は、既に平成27
年の募集が開始されているため、より適切な時期(対応方針決定後など)に行うべき。提言内容の中心が募集
に関することであるため、「現時点で共同提言を行う必要はない。」と考える。
本市としては今年度の提案募集に対する提言として時期を逸していると考える。ただし、今年度提案に対する
国における検討にかかる提言をするのであれば、国における検討が開始される 7 月頃を目途に共同提言して
はどうか。
既に今年度の募集が始まっている中で、提案募集方式の「手法」についての提言は、両市長会の共同提言と
して行うだけのテーマ性があるか不明。
各市のアンケート結果で、平成 26 年度の提案募集方式に対して「特に問題ない」としている市が 42.2%あり、
両市長会の共同(緊急)提言として提言すべきか不明。
以上の意見を踏まえ、半数の構成市が「現時点で共同提言を行う必要はない。」と回答してい
ることを鑑み、現時点での共同提言のとりまとめは行わないものとし、今後の共同提言の要否
については、本研究会の調査結果を踏まえ、平成 27 年の地方分権改革に関する提案募集におけ
る国の動向を注視しつつ、引き続き両市長会内での検討を行うことを決定した。
30
5.総括
平成 26 年に導入された提案募集方式については、制度のあり方や地方分権改革に対する各府
省の意識・対応について改善すべき点はあるものの、地方分権改革の進展に一定の成果を上げ
たところである。また、「地方分権改革に関する提案募集の実施方針(平成 26 年 4 月 30 日地方
分権改革推進本部決定)」において「募集は、毎年少なくとも1回実施する。」とされており、
平成 27 年においても既に提案募集が開始され、今後も当面実施されていく見込である。
中核市市長会及び全国施行時特例市市長会としては、この提案募集方式について、両市長会
が実現を求める地方分権改革のためのツールの一つとして、引き続き積極的な活用を検討する
とともに、その改善を検討し、必要に応じて国へ提言していくべきと考える。
一方で、平成 26 年の提案募集への対応等を通じて、その活用にあたっては、国と議論し、両
市長会の主張を実現するためには、これまでの要望・提言以上に、支障事例や各市の意向を含め
た情報収集、理論の整理や制度設計等が、必要となることが明らかとなった。こうした取組の
強化のため、各市長会内及び両市長会間での調整や関連団体との連携等の体制強化についても
検討を進める必要があるものと思われる。
さて、本報告書の提出をもって、今回の共同研究会の活動は一旦終了する。本研究会につい
ては、次回の提案募集方式への対応を見据え、当初から短期間の調査・研究を想定していたとこ
ろであるが、国の動きが想定以上に早く、平成 27 年の地方分権改革に関する提案募集のスケジ
ュールが、昨年よりも大幅に前倒しされたため募集開始までに調査研究の成果をまとめること
ができず、共同提言についても断念せざるを得なかった。その意味で、共同研究会の活動とし
ては、不十分な結果となったことは否めない。
今後の両市長会における調査研究においては、国のスピード感を一層意識し、これに対応で
きる体制で臨むことが必要になることを痛感したところである。
一方、本研究会における取組は、地方分権改革に関する提案募集における提案や提案募集に
関する国への提言を検討する上で、有益な基礎資料となったものと思われるので、今後の両市
長会における議論において有効に活用されれば幸いである。
併せて、本研究会における取組は、両市長会の新たな連携の試みであった。本研究会の取組
を検証の上、共同研究のあり方、新たな連携の枠組の検討・実践を重ね、両市長会の連携の取
組をさらに発展させていくことを期待する。
31
(議案第1号)
平成26年度事業報告(案)について
1
総会関係
(1) 総会
平成26年5月20日(火)
全国都市会館
(2) 秋季総会
平成26年11月5日(水)
・6日(木)
2
明石市役所
会議関係
(1) 総務大臣と特例市市長との懇談会
平成26年8月19日(火)
全国都市会館
(2) 事務担当者会議
平成26年4月24日(木)
・25日(金)
鳥取市とりぎん文化会館
(3) 役員会
・第1回 平成26年 4月
9日(水)
都市センターホテル
・第2回 平成26年
5月20日(火)
全国都市会館
・第3回 平成26年
8月
7日(木)
全国都市会館
・第4回 平成26年11月
5日(水)
明石市役所
・第5回 平成27年
3日(火)
全国都市会館
2月
(4) 全国市長会関係
・全国市長会理事・評議員合同会議及び委員会 ※事務局職員傍聴
平成26年
7月
9日(水)
全国都市会館
平成27年 1月28日(水)
全国都市会館
・全国市長会少子化対策子育て支援に関する研究会
第1回
平成26年 8月22日(金)
ルポール麹町
第2回
平成26年10月
1日(水)
全国都市会館
第3回
平成26年11月13日(木)
全国都市会館
第4回
平成27年 1月28日(水)
都市センター会館
32
(5) 指定都市市長会・中核市市長会関係
・平成26年度中核市市長会総会及び第4回プロジェクト会議
平成26年
5月29日(木)
・第37回指定都市市長会議
平成26年
※事務局職員傍聴
都市センター会館
※事務局職員傍聴
7月25日(金)
ホテルニューオータニ
・中核市市長会・全国特例市市長会合同役員市長会議
平成26年
8月
7日(木)
全国都市会館
・中核市市長会議及び第5回プロジェクト会議等
平成26年
8月
※事務局職員傍聴
7日(木)
全国都市会館
・指定都市市長会・中核市市長会・全国特例市市長会連携強化に関する覚書締結式
平成26年
8月27日(水)
時事通信ホール
・指定都市・中核市・特例市の市長による都市間連携を考えるシンポジウム
平成26年
8月27日(水)
時事通信ホール
・中核市市長会・全国特例市市長会
平成26年
連携に係る事務担当者会議
9月29日(月)
サンポートホール高松
・指定都市市長会・中核市市長会・全国特例市市長会勉強会(第1回)
平成26年10月27日(月)
時事通信社
・中核市サミット2014in高松への役員市長出席
平成26年11月
6日(木)
サンポートホール高松
・中核市市長会・全国特例市市長会合同役員市長会議
平成26年11月
6日(木)
サンポートホール高松
・指定都市市長会・中核市市長会・全国特例市市長会事務局会議
平成26年12月10日(水)
茅ヶ崎市役所
・中核市市長会人事担当課長会議
※事務局職員傍聴
平成26年12月19日(金)
全国都市会館
・指定都市市長会・中核市市長会・全国特例市市長会勉強会(第2回)
平成26年12月22日(月)
時事通信社
・中核市市長会・全国特例市市長会
連携に係る事務担当者会議(連携協議会)
平成27年 3月23日(月)
全国都市会館
・中核市市長会・全国特例市市長会
地方分権に関する共同研究会
平成27年 3月23日(月)
・中核市市長会事務担当者会議
全国都市会館
※事務局職員傍聴
平成27年 3月23日(月)
全国都市会館
33
(6) 第31次地方制度調査会関係
※事務局等職員傍聴
・第1回 専門小委員会
平成26年
5月28日(水)
総務省(中央合同庁舎)
・第2回 専門小委員会
平成26年
6月
2日(月)
総務省(中央合同庁舎)
・第3回 専門小委員会
平成26年
7月
7日(月)
総務省(中央合同庁舎)
・第4回 専門小委員会
平成26年
7月23日(水)
総務省(中央合同庁舎)
・第5回 専門小委員会
平成26年
8月
1日(金)
総務省(中央合同庁舎)
・第6回 専門小委員会
平成26年
8月29日(金)
総務省(中央合同庁舎)
・第7回 専門小委員会
平成26年
9月
9日(火)
総務省(中央合同庁舎)
・第8回 専門小委員会
平成26年
9月18日(木)
総務省(中央合同庁舎)
・第9回 専門小委員会
平成26年10月
・第10回 専門小委員会
平成26年10月15日(水)
・第2回 総会
平成27年
3月
1日(水)
東京グリーンパレス
総務省(中央合同庁舎)
2日(月)
全国都市会館
(7) 地方自治法に係る説明会関係
・地方自治法の一部を改正する法律等に関する説明会への出席
平成26年6月10日(火)
※事務局職員等出席
東京グリーンパレス
・地方自治法の一部改正に係る説明会の開催 ※会員市事務担当者向け説明会
平成26年7月10日(木)
3
TKP東京駅前会議室
事業関係
(1) 国及び関係機関への提言活動の実施
・平成26年4月9日(水)
国及び関係機関へ「中核市移行に向けた保健所設置への支援を求める要望書」を提出
(自民党)棚橋 泰文 政調会長代理
(公明党)石井 啓一 政調会長、桝屋 敬悟 会長代理
(総務省)門山 泰明 総務省自治行政局長
・平成26年5月20日(火)
国及び関係機関へ「地方分権の推進に関する提言」を提出
(公明党)石井 啓一 政調会長、桝屋 敬悟 会長代理
(総務省)新藤 義孝 総務大臣
(その他)財務省、国土交通省
34
・平成26年5月27日(火)
関係機関へ「地方分権の推進に関する提言」を提出
(自民党)棚橋 泰文 政調会長代理
(民主党)原口 一博 副代表
(維新の会)近江屋 信広 国会議員団本部事務局長
(みんな)中西 健治 政策調査会長
(その他)社民党、生活の党、共産党は事務局対応
・平成26年11月13日(木)
国及び関係機関へ「地方分権の確立に向けた財源確保に関する要望」及び「中核市移行に向け
た保健所設置への支援を求める要望書」を提出
(自民党)稲田朋美 政調会長
(公明党)石井啓一 政調会長・稲津久 総務部会長
・平成26年11月18日(火)
国及び関係機関へ「地方分権の確立に向けた財源確保に関する要望」及び「中核市移行に向け
た保健所設置への支援を求める要望書」を提出
(総務省)大石利雄 事務次官
(厚労省)正林督章 がん対策・健康増進課長
※「中核市移行に向けた保健所設置への支援を求める要望書」のみ提出
(その他)民主党・みんなの党・維新の党・次世代の党・財務省・国交省は事務局等対応
(2) アンケート等の実施
・中核市への移行に関するアンケートを実施
平成26年6月4日(水)~20日(金)
・地方自治法の一部を改正する法律を踏まえた中核市への移行に関するアンケートを中核市市長会と共同で実施
平成26年6月23日(月)~7月4日(金)
・全国特例市市長会の今後のあり方に関する意見照会を実施
平成26年10月7日(火)~20日(月)
・特例市災害時相互応援協定の見直しに係る照会を実施
平成27年3月20日(金)~31日(火)
(3) 提案募集方式を活用した全国特例市市長会の提案の実施等
・提案項目(事務局案)に対する意見照会及び新たな提案項目に係る照会を実施
平成26年6月10日(火)~18日(水)
35
・提案項目(案)提出の可否に係る照会を実施
平成26年7月3日(木)~9日(水)
・各府省からの第1次回答に対する全国特例市市長会の見解(案)に係る照会を実施
平成26年9月8日(月)~11日(木)
・「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」に関する共同コメントを中核市市長会と共同で発表
平成27年1月30日(金)
・地方分権改革推進本部主催「提案募集方式に関する意見交換会」への出席
平成27年2月 9日(月)【 東 京 会 場 】
平成27年3月10日(火)【名古屋会場】
・内閣府による「地方分権改革に関する提案募集」に関するアンケート調査を中核市市長会と共同で実施
平成27年2月26日(木)~3月16日(月)
平成27年5月20日提出
全国施行時特例市市長会会長
36
茅ヶ崎市長
服部
信明
(議案第2号)
平成26年度歳入歳出決算の認定について
平成26年度全国特例市市長会歳入歳出決算を別表第1のとおり報告する。
平成27年5月20日提出
全国施行時特例市市長会会長
37
茅ヶ崎市長
服部
信明
資料5
別
別表第1
平成26年度歳入歳出決算
歳入
(単位:円)
予算額
科
目
当初予算
補正予算
流用及び
充用
決算額
計
増
減
備
1会費
2,000,000
0
0
2,000,000
2,000,000
0
2雑入
1,000
0
0
1,000
159
△841
608,000
0
0
608,000
608,560
560
2,609,000
0
0
2,609,000
2,608,719
△281
3繰越金
合
計
歳出
考
50,000 円
×40市
預金利息
前年度繰
越金
(単位:円)
予算額
科
目
当初予算
補正予算
流用及び
充用
支出額
計
残
額
備
考
会場使用
料等
1総会費
1,200,000
0
0
1,200,000
746,981
453,019
2会議費
450,000
0
0
450,000
117,824
332,176
400,000
0
0
400,000
72,335
327,665
部会等経
費
50,000
0
0
50,000
45,489
4,511
会場使用
料等
650,000
0
210,000
860,000
818,234
41,766
1要望活動費
100,000
0
0
100,000
59,558
40,442
2研究費
550,000
0
210,000
760,000
758,676
1,324
60,000
0
35,000
95,000
51,678
43,322
1消耗品費
30,000
0
0
30,000
12,355
17,645
2連絡調整費
30,000
0
35,000
65,000
39,323
25,677
249,000
0
△245,000
4,000
0
4,000
2,609,000
0
0
2,609,000
1,734,717
874,283
1部会会議費
2事務担当者会
議費
3事業費
4事務費
5予備費
合
計
収入済額
支出済額
翌年度繰越額
:2,608,719円
:1,734,717円
:
874,002円
38
提言活動
旅費等
市長会連
携事業等
事務用品
等
HP運営
費等
別
39
資料5
別
40
資料5
資料6
(議案第3号)
(議案第3号)
平成27年度事業計画について(案)
1 総会関係
(1) 総会の開催(5月20日/全国都市会館)
(2) 秋季総会の開催(11月4日・5日/太田市)
2 懇談会関係
(1) 総務大臣との懇談会の開催(8月/都内)
3 会議関係
(1) 事務担当者会議の開催(5月1日/茅ヶ崎市)・(10月2日/太田市)
(2) 部会の開催
・地方分権推進部会(随時)
・財源確保推進部会(随時)
(3) 研究会の開催
・中核市に関する研究会(随時)
(4) 指定都市市長会・中核市市長会・全国施行時特例市市長会
会長・連携担当市長会議
4 事業関係
(1) 国及び関係機関への提言要請活動の実施(随時)
(2) 指定都市市長会・中核市市長会・行政機関以外の機関との連携
(3) 施行時特例市相互間における情報交換
(4) 中核市移行に向けた調査研究への支援
5 その他
(1) 全国市長会地方分権改革検討会議への出席
(2) 全国市長会少子化対策・子育て支援に関する研究会への出席
41
(議案第4号)
平成27年度歳入歳出予算について
歳入
(単位:千円)
科
目
27年度予算額
比較増減
26年度予算額
備
1 会費
1,950
2,000
△50
2 雑入
1
1
0
874
608
266
2,825
2,609
216
3 繰越金
合
計
歳出
考
50千円×39市
預金利息
前年度繰越金
(単位:千円)
科
目
1 総会費
2 会議費
1部会活動費
2事務担当者会議費
3 事業費
1要望活動費
2研究費
4 事務費
1消耗品費
2連絡調整費
5 予備費
合
計
27年度予算
比較増減
26年度予算
備
1,200
1,200
0
450
450
0
400
50
400
50
0
0
850
650
200
100
750
100
550
0
200
180
60
120
30
150
30
30
0
120
145
249
△104
2,825
2,609
216
42
考
会場使用料等
各部会等経費
会場使用料等
提言活動旅費等
市長会連携事業等
事務用品等
HP更新等
(議案第5号)
地方分権の推進に関する提言(案)
我が国においては、人口減少、少子高齢化など自治体運営の根幹に
関わる課題に対応するため、地域社会の形成や就業の機会の創出、子
育て支援など、地方創生の取組が始動している。
今後も我が国が発展を続けるためには、国と地方が一体となって地
域の活性化を進めるとともに、地方が元気な姿を示していくことが必
要である。
昨年度導入された提案募集方式においては、手挙げ方式の導入など、
本市長会のこれまでの提言が一部実現するとともに、地方の積極的な
提案に対し、農地転用許可の権限移譲など、提案の実現に向けた国の
精力的な取組が見られたことは、今後の地方分権の推進に大きな期待
を抱かせるものであった。
しかしながら、国と地方、あるいは都道府県と市町村には、旧態依
然とした関係も残されており、国においては、国と地方の役割分担や
税財源のあり方の検討など、基礎自治体を中心とする地方制度の実現
に向け、引き続き改革を進める必要があると考える。
平成27年4月に特例市制度は廃止されたが、全国施行時特例市市長
会は、引き続き住民に最も身近で最適な規模の基礎自治体として、地
方創生を主体的に推進していく立場から、これを可能にする都市制度
の実現を目指して、次のとおり提言するものである。
43
1 地域自律に向けた地方制度の抜本的な見直しについて
基礎自治体優先の原則に従い、基礎自治体・広域自治体・国の役割分担を明
確にした上で、全ての基礎自治体が自律的な地域経営を行うことができるよう、
包括的な権限の配分、税源を含む権限に見合った財源の適切な配分を行うこと。
また、道州制の是非を含めた広域自治体のあるべき姿については、基礎自治体
の意見を十分に聞いて検討を行うこと。
2 県費負担教職員人事権等の移譲について
県費負担教職員人事権等の移譲については、地域の実情に応じた教育の展開
や地域に根ざした人材の育成を進めるためにも、移譲を希望する市への権限の
移譲が等しく早期に実現されるよう制度設計を行うこと。
3 「提案募集制度」の充実について
提案対象を権限移譲と規制緩和に限定することなく、権限移譲に伴い必要と
なる税財源配分や税制改正などの財政措置についても提案の対象とすること。
また、手挙げ方式による権限移譲の提案に対し、「事務処理特例制度の活用を求
める」とする事案については、手挙げ方式と事務処理特例制度の運用の基準を
明確にした上で、法による整備を積極的に行うこと。
4 基礎自治体間の広域連携について
連携中枢都市圏構想推進要綱における「連携中枢都市」として、圏域の中枢
を担う意欲のある施行時特例市が中核市への移行を行わない場合においても、
同構想の対象となるよう要件の緩和について検討すること。また、三大都市圏
のみに適用されている要件についても、廃止又は緩和の措置により、地域の実
情に合わせ、制度の活用が可能となるよう、併せて検討を行うこと。
5 地方分権を確立する財源確保について
住民に必要なサービスを地方自らが自主的、効率的に提供するために、国と
地方の役割分担を明確化したうえで、地方が分担する役割に見合った財源措置
を講ずること。
また、国庫補助負担金の改革のうち、国の責務として格差なく全国統一的な
措置が望まれるものについては、国が直接事務を行うべきであり、地方に事務
を求める場合は、システム改修等に要する経費も含め、国の責任において確実
に財源保障し、地方に財政負担を求めないこと。併せて、国の歳出削減を目的
とした単なる補助率の引き下げは、地方への一方的な負担転嫁であるため、是
正すること。
さらに、地方がそれぞれの特色や地域資源を踏まえ、その魅力の開発や積極
的な発信により、多種多様な地域経済の活性化や雇用創出事業を展開すること
は、地方分権の確立に向けて極めて重要であることから、その実現に向けて一
層の財源確保を図られたい。
44
6 地方交付税について
地方交付税は、地方が基本的な行政サービスを提供することができる財源を
保障するための地方固有・共有の財源であることから、地方自治体が直面して
いる福祉、医療、子育て等の社会保障関係費、経年劣化による道路・橋梁、学
校等の改修費用などの増大や、合併自治体の人口動態の変化や行政区域の拡大、
市街地の分散化等、地方自治体の実情を的確に反映するため、算定方法の見直
しを図り、その配分に関しても改善を図ること。
また、地方債残高のうち臨時財政対策債の占める割合が増大の一途にある状
況に鑑み、恒常的な地方交付税の財源不足については、臨時財政対策債への振
替に頼ることなく、地方交付税の法定率を引き上げること等により、安定的な
財政運営に必要な総額を確保するとともに、財源調整機能を強化すること。な
お、国の政策目的のために、地方固有財源である地方交付税を一方的に削減す
ることは厳に慎むこと。
さらに、地域間の財政力格差の是正を目的として、地方法人税が創設された
ところであるが、その所在地等に関係なく税収を配分することは、受益と負担
という税負担の原則の観点に加え、地方分権改革の流れにそぐわないものであ
り、現在、それぞれの市町村において企業立地等の地域活性化の取組みを検討
実施している状況にもあることから、税源涵養のインセンティブを確保するこ
とについて十分な配慮を検討されたい。
また、その中で特例市の財政需要を的確に捕捉し、安易に特例市の財源を他
に配分するようなことは厳に慎むこと。
7 地方債制度の改善について
地方債は、地方公共団体にとって、中長期的視点による財源の効率的・安定
的配分や将来にわたって債務の平準化を図るうえで重要な歳入項目である。
バリアフリー化や省エネルギー化、さらには、施設の長寿命化の視点から、
現在起債の対象となっていない施設の改修事業費など、時代が要請する事業費
の財源に地方債が充てられるよう、より柔軟な地方債の発行に配慮するととも
に、公共施設の耐震化に向けた制度の拡充を図ること。地方債に関する制度の
拡充に当たっては、交付税措置についても拡充を図ること。
また、平成24年度をもって終了している政府資金補償金免除繰上償還につ
いて、公債費負担の軽減の観点から、同様の財政措置を再び講じるとともに、
年利等の対象要件の緩和を図ること。
8 道路財源の充実について
地方の道路整備水準は国に比して低い状況にあることから、市町村が道路整
備を計画的に行えるよう、社会資本整備総合交付金など、整備に係る財源の充
実強化を図ること。
また、老朽化が進んだ道路施設の維持管理経費等の長寿命化対策に対する財
源措置の充実を図ること。
45
9 消費税率の引き上げに伴う地方財源の確保について
消費税率の引き上げに伴う地方の増収分については、社会保障関係経費に係
る財源とすることとされているが、増収分の配分に当たっては、社会保障関係
経費について基準財政需要額以上に地方が負担している現状を是正したうえで、
地方の役割に見合った適切な財源措置を行うこと。
10 都市税財源の安定的な確保について
償却資産に対する固定資産税の見直しを求める要望について、固定資産税は
市税収入のうち大きな割合を占めており、その一部となる償却資産への課税に
係る税収についても、安定的な行政サービスの提供に欠くことのできない重要
なものであるとともに、中核市や特例市など、一定以上の行政規模を備えた地
方自治体は、その行政区域に多くの工場等が立地しており、見直しによって大
きな影響を受けるため、現行制度を堅持すること。
自動車取得税の見直しに当たっては、行政サービスの提供に支障が生じるこ
とがないよう、安定的かつ十分な代替財源を確保すること。また、自動車重量
税の見直しに当たっては、行政サービスの提供に支障が生じることがないよう、
所要の財源を確保すること。
ゴルフ場利用税については、ゴルフ場関連の財政需要に対する貴重な財源で
あることから、現行制度を堅持すること。
平成27年5月20日
全国施行時特例市市長会
46
(議案第6号)
平成27・28年度役員の選出について
役
職
会
長
市
茅ヶ崎市長
長
名
はっとり
のぶあき
服部
信明
いずみ
ふさ ほ
明石市長
泉
房穂
(地方分権推進部会長)
副会長
いちはら
けんいち
つくば市長 市原 健一
(財源確保推進部会長)
小田原市長
監
かとう
けんいち
加藤
憲一
ふかざわ
よしひこ
深澤
義彦
事
鳥取市長
47
平成27・28年度
部会・研究会の構成について
地方分権推進部会(19市) 財源確保推進部会(20市)
部会長市
明石市
つくば市
八戸市
山形市
草加市
水戸市
平塚市
伊勢崎市
小田原市
太田市
厚木市
川口市
長岡市
熊谷市
上越市
所沢市
松本市
春日部市
一宮市
茅ヶ崎市
春日井市
大和市
四日市市
福井市
岸和田市
甲府市
吹田市
沼津市
茨木市
富士市
八尾市
寝屋川市
加古川市
鳥取市
宝塚市
呉市
松江市
佐賀市
副部会長市
構成市
佐世保市
48
中核市に関する研究会(35市)
研究会会長市
茅ヶ崎市
副会長市
明石市
つくば市
幹事市
小田原市
鳥取市
構成市
山形市
水戸市
伊勢崎市
太田市
熊谷市
川口市
所沢市
平塚市
厚木市
大和市
長岡市
上越市
福井市
甲府市
松本市
沼津市
富士市
一宮市
春日井市
四日市市
岸和田市
吹田市
茨木市
八尾市
寝屋川市
加古川市
宝塚市
松江市
佐賀市
佐世保市
49
50
参考資料
【参考資料1】中核市移行に向けた保健所設置への支援を求める要望書(平成26年4月9日) ・・・P52
【参考資料2】地方分権の推進に関する提言について(平成26年5月20日)
・・・・・・・・・P53
【参考資料3】指定都市市長会・中核市市長会・全国特例市市長会「連携協会に関する覚書」(平成26年8月27日) ・・P56
【参考資料4】地方分権の確立に向けた財源確保に関する要望(平成26年11月5日)
・・・・・P59
【参考資料5】中核市移行に向けた保健所設置への支援を求める要望書(平成26年11月5日) ・・P61
【参考資料6】全国特例市市長会の今後のあり方について(平成26年11月5日)・・・・・・・P62
【参考資料6・別紙】全国特例市市長会の今後のあり方について(平成26年11月5日)・・・・P64
【参考資料7】「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」に関する共同コメント(平成27年1月30日)・・P72
【参考資料8】全国特例市連絡協議会の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P73
【参考資料9】全国施行時特例市市長会規約・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P74
【参考資料10】全国施行時特例市市長会災害時相互応援に関する協定書・・・・・・・・・・ P78
51
参考資料1
中核市移行に向けた保健所設置への支援を求める要望書
中核市・特例市はその制度創設以来、住民に最も身近な基礎自治体としてだけでなく、地域の中心的
都市としてその役割を果たしてきており、先般の総務大臣懇談会でも、その取り組み等に対する評価を
いただいたところです。
そうした中、より一層の地方分権の推進を目指した全国特例市市長会の活動に加え、この間の政府・
与党のご尽力もあり、
第 30 次地方制度調査会の答申を踏まえた特例市制度の廃止及び中核市指定要件の
緩和(人口 20 万人以上)が盛り込まれた地方自治法の改正案が、今通常国会に提出されました。
全国特例市市長会の会員市を対象としたアンケートによれば、
「中核市移行を希望する」
、または「移
行を検討中」という市が大半を占め、地方分権時代の中で、自律的な基礎自治体都市を目指す動きは加
速しているところですが、一方で、多くの市が保健所設置に係る人的・財政的な面での財政負担を大き
な課題として挙げています。
そこで、今般の制度改正がより多くの基礎自治体によって活用される、実り多きものとなるよう、中
核市移行に向けた保健所の設置に際し、次の2点について要望します。
1
保健所設置に係る人的・財政的支援をすること
保健所設置に際しては、全国的に医師等の専門職の確保が困難な状況であること、また、府県からの
派遣職員受け入れに係る費用及び施設やシステム整備等のインフラ整備に多額の費用負担が見込まれる
ことが課題として挙げられる。こうした人員の確保やインフラ整備に係る経費への支援等、適切な人的・
財政的支援を行うこと。
また、既存の中核市(人口 30 万人以上の都市)と新制度での中核市(人口 20 万人以上の都市)では
税財源等の違いもあるため、税財源等の移譲も含めた財政的な措置を講ずること。
2
保健所の所管区域の見直しに関して国、都道府県及び特例市が課題を共有し、解決に向けた取り組
みをすること
保健所所管区域は医療法や介護保険法に規定する区域を参酌し設定されているが、1市1保健所では
なく複数の市町村を圏域として設定されていることが多い。しかしながら、近年の市町村合併の進展や
中核市移行の増加に伴い、保健所所管区域(圏域)の中で残されたエリア、いわゆる「飛び地」や「虫
食い」の問題が発生している。現在の特例市の中にも当該特例市を含む複数の市町村で一つの保健所所
管区域(圏域)として設定されているところが多く、今後の中核市移行の流れの中で市保健所設置数が
増加した場合、同様の問題が発生することが想定される。「飛び地」問題やそれに伴う圏域の見直しは保
健所政令市単独では解決できないことから、国と都道府県、市でその圏域見直しに関する課題を共有し、
解決に向けて積極的に取り組むこと。
平成 26 年4月9日
全国特例市市長会会長
52
竹 内
功
参考資料2
地方分権の推進に関する提言について
我が国の経済は、「緩やかな景気回復基調」にあるとされているが、多くの基礎自
治体は、製造業を中心とする産業の空洞化、人口減少、少子高齢化、社会保障費の増
大といった自治体運営の根幹に係る課題に直面している。
平成の大合併が一段落する中、本市長会は、各基礎自治体が、それぞれの創意工夫
により能力を発揮できるよう、自由度の高い地方財政を確保するとともに、安全安心
な住民生活を確保するためには、将来にわたって地域の実情に応じたサービスの提供
を可能にする地方分権改革の取組を着実に前進させる必要があることを訴え、さらな
る権限と財源の移譲による「自律可能な都市制度」の実現について提言してきたとこ
ろである。
昨年6月、第30次地方制度調査会は、「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政
サービス提供体制に関する答申」を行い、これに関連する地方自治法の改正法案が今
国会で審議されているところである。また、政府において地方分権改革推進本部が設
置されるとともに、地方分権改革有識者会議において地方分権改革の進むべき方向に
ついて継続的な検討がなされており、本市長会は、こうした取組に敬意を表するとと
もに、これまでの提言が一部実現に向けて前進しつつあることを評価するものである。
しかしながら、地方分権改革の推進に向けた取組は、道半ばであり、国においては、
既成概念に捉われることなく、国と地方の役割分担や税財源のあり方の検討など、基
礎自治体を中心とする地方制度の実現に向け、大胆な改革を進められるよう求めるも
のである。本市長会は、住民に最も身近な基礎自治体であると同時に総合的な都市基
盤を有する自治体として、
今後も地方分権推進の先導的な役割を果たす決意と覚悟のもと、次に掲げる項目に
ついて提言するものである。
53
1
地域自律に向けた地方制度の抜本的な見直し
基礎自治体優先の原則に従い、基礎自治体・広域自治体・国の役割分担を明確にし
た上で、全ての基礎自治体が自律的な地域経営を行うことができるよう、包括的な権
限の配分、税源を含む権限に見合った財源の適切な配分を行うこと。
また、道州制の是非を含めた広域自治体のあるべき姿については、基礎自治体の意
見を十分に聴いて検討を行うこと。
2
地域の実情に応じた権限の選択制度について
中核市と特例市は、住民に最も身近な基礎自治体として適切な規模・能力を有し、
類似の課題を共有している。地方自治法の一部改正により、特例市の人口要件があれ
ば、中核市への移行は可能となる見込みであるが、各都市が地域で果たす役割を総合
的に考慮する中で、住民に身近な事務や権限は、基礎自治体が能力や地域の実情に応
じて選択できる制度とするとともに、権限に見合う財源を措置すること。
3
基礎自治体間の広域連携について
住民生活に身近な事務で単独で実施することが困難な事務は、基礎自治体間の水
平連携で補完することを基本に「地方中枢拠点都市」や「3大都市圏での広域連携」
が検討されているが、柔軟な連携の仕組みの実現に向けて、すでに取り組まれてい
る「定住自立圏」と同様に、財源措置等の支援を具体的なものとすること。
4
地方分権を確立する財源の確保について
住民に必要なサービスを地方自らが自主的、効率的に提供するために、国と地方の
役割分担を明確化した上で、地方が分担する役割に見合った財源措置を講ずること。
また、国庫補助負担金の改革のうち、国の責務として格差なく全国統一的な措置が
望まれるものについては、国が直接事務を行うべきであり、地方に事務を求める場合
は、システム改修等に要する経費も含め、国の責任において確実に財源保障し、地方
に財政負担を求めないこと。併せて、国の歳出削減を目的とした単なる補助率の引下
げは、地方への一方的な負担転嫁であるため、是正すること。
さらに、地方がそれぞれの特色や地域資源を踏まえ、その魅力の開発や積極的な発
信により、多種多様な地域経済の活性化や雇用創出事業を展開することは、地方分権
の確立に向けて極めて重要であることから、その実現に向けて一層の財源確保を図ら
れたい。
5
地方交付税について
地方交付税は、地方が基本的な行政サービスを提供することができる財源を保障す
るための地方固有・共有の財源であることから、地方自治体が直面している福祉、医
療、子育て等の社会保障関係費、経年劣化による道路・橋梁、学校等の改修費用など
の増大や、合併自治体の人口動態の変化や行政区域の拡大、市街地の分散化等、地方
自治体の実情を的確に反映するため、算定方法の再構築を図ること。
また、地方債残高のうち臨時財政対策債の占める割合が増大の一途にある状況に鑑
み、恒常的な地方交付税の財源不足については、臨時財政対策債への振替に頼ること
なく、地方交付税の法定率を引き上げること等により、安定的な財政運営に必要な総
額を確保するとともに、財源調整機能を強化すること。
地方公務員給与費に係る地方交付税を一方的に削減する措置については、平成25
年度限りとされたところであるが、今後、国の政策目的のために、地方の固有財源で
ある地方交付税を一方的に削減することは厳に慎むこと。
54
6
地方債制度の改善について
地方債は、地方公共団体にとって、中長期的視点による財源の効率的・安定的配分
や将来にわたって債務の平準化を図るうえで重要な歳入項目である。
バリアフリー化や省エネルギー化、さらには、施設の長寿命化の視点から、現在起
債の対象となっていない施設の改修事業費など、時代が要請する事業費の財源に地方
債が充てられるよう、より柔軟な地方債の発行に配慮するとともに、公共施設の耐震
化に向けた制度の拡充を図ること。地方債に関する制度の拡充に当たっては、交付税
措置についても拡充を図ること。
また、平成24年度をもって終了している政府資金補償金免除繰上償還について、
公債費負担の軽減の観点から、同様の財政措置を再び講じるとともに、年利等の対象
要件の緩和を図ること。
7
道路財源の充実について
地方の道路整備水準は国に比して低い状況にあることから、市町村が道路整備を
計画的に行えるよう、社会資本整備総合交付金など、整備に係る財源の充実強化を
図ること。
また、老朽化が進んだ道路施設の維持管理経費等の長寿命化対策に対する財源措置
の充実を図ること。
8
消費税率の引上げに伴う地方財源の確保について
消費税率の引上げに伴う地方の増収分については、社会保障関係経費に係る財源
とすることとされているが、増収分の配分に当たっては、社会保障関係経費につい
て基準財政需要額以上に地方が負担している現状を是正した上で、地方の役割に見
合った適切な財源措置を行うこと。
9
都市税財源の安定的な確保について
償却資産に対する固定資産税の見直しを求める要望について、固定資産税は市税
収入のうち大きな割合を占めており、その一部となる償却資産への課税に係る税収
についても、安定的な行政サービスの提供に欠くことのできない重要なものである
とともに、中核市や特例市など、一定以上の行政規模を備えた地方自治体は、その
行政区域に多くの工場等が立地しており、見直しによって大きな影響を受けるため、
現行制度を堅持すること。
自動車取得税の見直しに当たっては、行政サービスの提供に支障が生じることがな
いよう、安定的かつ十分な代替財源を確保すること。また、自動車重量税の見直しに
当たっては、行政サービスの提供に支障が生じることがないよう、所要の財源を確保
すること。
ゴルフ場利用税については、ゴルフ場関連の財政需要に対する貴重な財源であるこ
とから、現行制度を堅持すること。
平成26年5月20日
全国特例市市長会
55
参考資料3
連携強化に関する覚書
指定都市市長会
中 核 市 市 長 会
全国特例市市長会
56
指定都市・中核市・特例市は、国の今後の在り方を考え、国民本位の地方
制度改革を実現するため、地方自治の当事者である我々が行動する必要があ
るとの認識の下、基礎自治体の強化という方向で協力していくことを平成2
4年に確認して以来、シンポジウムや職員の勉強会の開催等、真の分権型社
会の実現に向けた取組を連携して行ってきた。
地方分権改革は、義務付け・枠付けの見直しや国から地方へ、及び都道府
県から基礎自治体への事務権限の移譲等、一定の進展が見られるが、地方が
自らの判断と責任において地域の実情に沿った行政運営を行うという目標
を実現するためには、今後、更に取組を強化していかなければならない。
指定都市市長会、中核市市長会及び全国特例市市長会は、真の分権型社会
の実現に向け、より一層の連携強化を図るため、下記の事項について合意し、
ここに覚書を締結する。
記
1
指定都市市長会、中核市市長会及び全国特例市市長会相互の情報の共有
及び交流の推進をより一層図ること。
2
指定都市市長会、中核市市長会及び全国特例市市長会共通の課題につい
て、国等に対して共同で意見を発出する等、その解決に向けた取組を連携
して行うこと。
57
以上を合意した証として、本書3通を作成し、署名の上、それぞれ1通を
保有する。
平成26年8月27日
指定都市市長会
会長
横浜市長
林
文子(自署)
中核市市長会
会長
豊橋市長
佐原
光一(自署)
全国特例市市長会
会長
茅ヶ崎市長
服部
58
信明(自署)
参考資料4
地方分権の確立に向けた財源確保に関する要望
1 地方分権を確立する財源確保について
住民に必要なサービスを地方自らが自主的、効率的に提供するために、国と地方の役割分担を
明確化したうえで、地方が分担する役割に見合った財源措置を講ずること。
また、国庫補助負担金のうち、国の責務として格差なく全国統一的な措置が望まれるものにつ
いては、国が直接事務を行うべきであり、地方に事務を求める場合は、システム改修等に要する
経費も含め、国の責任において確実に財源保障し、地方に財政負担を求めないこと。併せて、国
の歳出削減を目的とした単なる補助率の引き下げは、地方への一方的な負担転嫁であるため、是
正すること。
さらに、地方がそれぞれの特色や地域資源を踏まえ、その魅力の開発や積極的な発信により、
多種多様な地域経済の活性化や雇用創出事業を展開することは、地方分権の確立に向けて極めて
重要であることから、その実現に向けて一層の財源確保を図られたい。
2 地方交付税について
地方交付税は、地方が基本的な行政サービスを提供することができる財源を保障するための地
方固有・共有の財源であることから、地方自治体が直面している福祉、医療、子育て等の社会保
障関係費、経年劣化による道路・橋梁、学校等の改修費用などの増大や、合併自治体の人口動態
の変化や行政区域の拡大、市街地の分散化等、地方自治体の実情を的確に反映するため、算定方
法の見直しを図り、その配分に関しても改善を図ること。
また、地方債残高のうち臨時財政対策債の占める割合が増大の一途にある状況に鑑み、恒常的
な地方交付税の財源不足については、臨時財政対策債への振替に頼ることなく、地方交付税の法
定率を引き上げること等により、安定的な財政運営に必要な総額を確保するとともに、財源調整
機能を強化すること。なお、国の政策目的のために、地方固有財源である地方交付税を一方的に
削減することは厳に慎むこと。
さらに、地域間の財政力格差の是正を目的として、地方法人税が創設されたところであるが、
その所在地等に関係なく税収を配分することは、受益と負担という税負担の原則の観点に加え、
地方分権改革の流れにそぐわないものであり、現在、それぞれの市町村において企業立地等の地
域活性化の取組みを検討実施している状況にもあることから、税源涵養のインセンティブを確保
することについて十分な配慮を検討されたい。
また、その中で特例市の財政需要を的確に捕捉し、安易に特例市の財源を他に配分するような
ことは厳に慎むこと。
3 地方債制度の改善について
地方債は、地方公共団体にとって、中長期的視点による財源の効率的・安定的配分や将来にわ
たって債務の平準化を図るうえで重要な歳入項目である。
バリアフリー化や省エネルギー化、さらには、施設の長寿命化の視点から、現在起債の対象と
なっていない施設の改修事業費など、時代が要請する事業費の財源に地方債が充てられるよう、
より柔軟な地方債の発行に配慮するとともに、公共施設の耐震化に向けた制度の拡充を図ること。
地方債に関する制度の拡充に当たっては、交付税措置についても拡充を図ること。
また、平成24年度をもって終了している政府資金補償金免除繰上償還について、公債費負担
の軽減の観点から、
同様の財政措置を再び講じるとともに、年利等の対象要件の緩和を図ること。
59
4 道路財源の充実について
地方の道路整備水準は国に比して低い状況にあることから、市町村が道路整備を計画的に行え
るよう、社会資本整備総合交付金など、整備に係る財源の充実強化を図ること。
また、老朽化が進んだ道路施設の維持管理経費等の長寿命化対策に対する財源措置の充実を図
ること。
5 消費税率の引き上げに伴う地方財源の確保について
消費税率の引き上げに伴う地方の増収分については、社会保障関係経費に係る財源とすること
とされているが、増収分の配分に当たっては、社会保障関係経費について基準財政需要額以上に
地方が負担している現状を是正したうえで、地方の役割に見合った適切な財源措置を行うこと。
6 都市税財源の安定的な確保について
償却資産に対する固定資産税の見直しを求める要望について、固定資産税は市税収入のうち大
きな割合を占めており、その一部となる償却資産への課税に係る税収についても、安定的な行政
サービスの提供に欠くことのできない重要なものであるとともに、中核市や特例市など、一定以
上の行政規模を備えた地方自治体は、その行政区域に多くの工場等が立地しており、見直しによ
って大きな影響を受けるため、現行制度を堅持すること。
自動車取得税の見直しに当たっては、行政サービスの提供に支障が生じることがないよう、安
定的かつ十分な代替財源を確保すること。また、自動車重量税の見直しに当たっては、行政サー
ビスの提供に支障が生じることがないよう、所要の財源を確保すること。
ゴルフ場利用税については、ゴルフ場関連の財政需要に対する貴重な財源であることから、現
行制度を堅持すること。
7 法人実効税率の見直しに伴う代替財源の確保について
国・地方を通じた法人関係税収の6割強が地方財源であり、地方公共団体の貴重な財源である
ことを踏まえ、その実効税率を引き下げる場合は、外形標準課税の拡充等により、地方交付税原
資の減収分も含め必要な地方税財源を確保することを併せて検討し、地方自治体の歳入に影響を
与えないこと。
平成26年11月5日
全国特例市市長会会長 服部
60
信明
参考資料5
中核市移行に向けた保健所設置への支援を求める要望書
中核市・特例市の各都市はその制度創設以来、住民に最も身近な基礎自治体としてだけでなく、
地域の中心的都市としてその役割を果たしてきました。
そうした中、より一層の地方分権の推進を目指した全国特例市市長会の活動に加え、この間の
政府・与野党の御尽力もあり、中核市指定要件の引下げ(人口 20 万人以上)が盛り込まれた地
方自治法の改正案が成立・公布されました。
法改正を踏まえ、
全国特例市市長会の会員市を対象としたアンケートによれば、「中核市移行を
希望する」
、または「移行を検討中」という市が大半を占め、地方分権時代の中で、自律した都市
自治体を目指す動きは加速しているところですが、一方で、多くの市が保健所設置に係る人的・
財政的な面での財政負担を大きな課題として挙げています。
そこで、今般の制度改正がより多くの基礎自治体によって活用される、実り多きものとなるよ
う、中核市移行に向けた保健所の設置に際し、次の3点について要望します。
1 専門職の確保の問題について対策を講じること
保健所設置に際し必要となる専門職について、全国的にその確保が困難な状況である。とりわ
け公衆衛生を担当する医師の不足は顕著であり大きな問題となっている。各自治体が円滑に保健
所を開設し、保健衛生業務に支障なく運営が行えるよう、実情に合わせた保健所長の資格要件の
設定等、問題解決に向けた対策を図ること。
2 保健所設置に係る財政的支援をすること
府県からの派遣職員受入れに係る人件費、施設やシステム等のインフラ整備に係る多額の費用
負担及び保健所の運営に係る事業費等の大幅な増額が見込まれる。こうしたインフラ整備に係る
経費や人件費、事業費等に対し、激変緩和措置として補助金等を創設するなど適切な財政的支援
を図られたい。
また、現行の中核市(人口 30 万人以上の都市)と新制度での中核市(人口 20 万人以上の都市)
では事業所税などの税財源等の違いもあるため、税財源等の移譲も含めた財政的な措置を講ずる
こと。
3 保健所の所管区域の見直しに関して国、都道府県及び特例市が課題を共有し、問題の解決に
向けて取り組むこと
保健所所管区域は医療法や介護保険法に規定する区域を参酌し設定されているが、1市1保健
所ではなく複数の市町村を圏域として設定されていることが多い。しかしながら、近年の市町村
合併の進展や中核市移行の増加に伴い、保健所所管区域(圏域)の中で残されたエリア、いわゆ
る「飛び地」や「虫食い」の問題が発生している。現在の特例市の中にも当該特例市を含む複数
の市町村で一つの保健所所管区域(圏域)として設定されているところが多く、今後の中核市移
行の流れの中で市保健所設置数が増加した場合、同様の問題が発生することが想定される。「飛び
地」問題やそれに伴う圏域の見直しは保健所設置市単独では解決できないことから、国と都道府
県、市でその圏域見直しに関する課題を共有し、解決に向けて対策を図ること。
平成26年11月5日
全国特例市市長会会長 服
61
部
信
明
参考資料6
全国特例市市長会の今後のあり方について
1
はじめに
全国特例市市長会は、政令指定都市、中核市に続く地方自治の担い手として平成
12 年 11 月に設立されて以来、特例市移行のメリットを最大限生かし、市民サービ
スの向上を図るとともに、特例市にふさわしいまちづくりを進めていくため、特例
市に共通する課題の調査研究や関係機関への要望活動等の取組を進めてきた。
本年5月に公布された地方自治法では、中核市制度と特例市制度の統合という形
で特例市制度の廃止が明記されるとともに、中核市の指定要件が人口20万人以上
に緩和される内容となっており、今後、法施行に伴い全国特例市市長会を取り巻く
環境は大きく変わることが想定される。
2
都市制度の見直し(地方自治法改正関係)
第 30 次地方制度調査会の答申に基づき、中核市・特例市制度の統合が盛り込まれ
た地方自治法改正案が第 186 回通常国会に提出され、5月 23 日に成立、30 日に公布
された。なお、当該部分の法施行日は平成 27 年4月1日である。
地方自治法改正案の概要
・特例市制度の廃止(新規指定、新たな権限移譲なし)
・施行時特例市は引き続き従来の事務を処理
・中核市要件を人口20万人以上に引き下げ
・人口20万人未満の施行時特例市は5年間に限り中核市への移行が可能(経過措置)
3
全国特例市市長会総会での確認事項
中核市移行には、人材の確保や府県からの事務引き継ぎ等により3~4年程度の長
い準備期間を要する。このため、法施行後は、各施行時特例市が様々な課題に直面す
ることとなるが、これら課題は各施行時特例市に共通するものが多い。また、これま
で全国特例市市長会が提言してきた内容についても、実現に結びついていない積み残
しの部分があるため、こうした取り組みも引き続き行う必要がある。
以上のことから、法施行をもって全国特例市市長会を解散することは、これらの特
例市(施行時特例市)が抱える共通課題の解決や、各地域の中核である人口 20~30
万人規模の都市が目指す自律可能な基礎自治体像を議論する場を失ってしまうこと
62
となるため、法施行後5年間は市長会を存続し、引き続き各取組を実施していくこ
とが、全国特例市市長会総会(5月20日開催)において確認された。
市長会の名称や目的・事業等の検討事項については、「5今後のスケジュール」に
基づき会員市の意向を踏まえて平成26年度秋季総会において決定する。
4
検討事項(案)について
市長会の名称や目的、役員体制、会費等
の事項について、全国特例市市長会規約を
ベースに個別に検討するとともに、災害時
相互応援協定等の規約以外の項目につい
てもあわせて検討する。
各検討項目の具体的内容は別紙参照
5
スケジュールについて
日程
10月7日
主な取組
事務局案を提示(会員各市長
へ意見照会)
備考
・全国特例市市長会のあり方(案)
・来年度事業計画(案)
10月20日
会員市の意見取りまとめ
10月下旬
会員市意見を踏まえた調整
・意見等を基に規約改正案作成作業
11月5日
秋季総会(11/5)にて提案
・規約改正(案)
・来年度事業計画(案)
11月下旬
提言・要望活動
国・関係機関等
12月~2月
3月下旬
5月
会長・副会長・監事意向調査
各部会報告
提言書とりまとめ
総会(都内)
総会前に事務担当者会議(5月上旬)を開催
63
参考資料6・別紙
1
全国特例市市長会の名称・組織・目的について(規約第1条・第2条関係)
○名称及び組織
現状・検討課題
今後の方向性
市長会の正式名称は「全国施行時特例市市長会」とし、通称
名として「全国特例市市長会」とする。
平成12年11月1日、政令指定都市、中核市に続く地方自治の新た
な担い手として、特例市10市が誕生した。特例市共通の課題の研究
や関係機関への要望活動等、一丸となった取り組みが必要なことか
ら「全国特例市連絡協議会」を設立。その後、特例市として国等へ
の政策提案や意見表明を一層充実し、組織の役割を市長協議に重点
化するため、平成20年9月1日「全国特例市市長会」となった。
▼脱退の意思を示した市以外は、平成27年度以降も市
長会への継続加入とする。
今般の地方自治法の一部改正により特例市制度が廃止されたが、
附則に「施行時特例市」という名称で現在の特例市を称している。
以上の経過や今後の会員各市の中核市移行の動向を踏まえ、市長
会の名称及び組織について検討する必要がある。
○目的
現状・検討課題
今後の方向性
市長会の目的は、構成市相互の緊密な連携のもと、自律可能
な都市の確立を図ることを目的とする。なお、法改正を踏まえ、
中核市移行に関する課題の共有や国への提言等も行う。
規約では構成市相互の緊密な連携のもと、「特例市の行財政の円
滑な運営及び進展」を図ることを目的としているため、この位置づ
けを検討する必要がある。また、法改正を踏まえた中核市移行に向
けた取組も考慮する必要がある。
64
2
全国特例市市長会の事業について(第3条関係)
○事業
現状・検討課題
今後の方向性
事業については、次に掲げる事項を行う。
(1) 都市自治体が抱える課題等に関する構成市相互間の情報交
換等に関すること
市長会の事業は、これまでも特例市に係る行財政の調査及び研究
に関することを中心に、構成市間での情報交換や国等への要望活動
を積極的に行ってきたところである。とりわけ平成24年度の自律可
能な都市制度のあり方研究会の活動については、地域の中心都市と
・総会・秋季総会・部会(分科会)・研究会の開催
しての必要な権限の選択制や中核市特例市制度の統合を提言し、そ
・指定都市市長会・中核市市長会との連携
の結果、
「中核市特例市制度の統合」や地方分権改革に係る提案募
・会員市アンケートの実施、事務担当者会議の開催
集方式における「手挙げ方式の導入」が実現している。
(2) 中核市への移行に関する課題等構成市相互間の情報交換等
に関すること
今後、市長会の各構成市が地域の中心都市として自律可能な都市
の確立を図り、地方分権を一層推進するためには、既存の中核市の
権限のみならず、地域の実情に応じて必要な権限の移譲を求める取
・中核市に係る情報の会員市間での共有
り組みが引き続き必要である。
・中核市市長会との連携(合同役員会等)
また、中核市移行に関し半数以上が調査研究に着手している状況
(3) 都市自治体が抱える課題等又は中核市への移行に付随する
権限移譲及び財源措置についての国への要望に関すること
に鑑み、中核市の事務事業に係る情報の共有や保健所設置に要する
経費に対する財政支援(特に初期経費)を求めていく必要がある。
・国等への要望活動(随時)
・総務大臣との懇談会の開催
(4) 前3号に掲げるもののほか、目的の達成のために必要なこと
65
3
役員体制等について(規約第4条・第5条・第6条関係)
○役員・職務
現状・検討課題
今後の方向性
現行の体制(会長・副会長2名・監事2名)を基本とする。
また、指定都市市長会、中核市市長会、及び行政機関以外の
団体との連携を円滑に行うための特命担当を設ける。なお、特
命担当は構成市の中から会長が指名する。
役員体制については、今後の市長会のあり方を踏まえて決定する
必要があるが、前身の全国特例市連絡協議会の発足以来、役職及び
定数に関しては変更がない。これまでの経過を踏まえ、今後、市長
会の存続期間を見据えて役員の任期の期間設定をする必要がある。
また、市長会の発信力の強化のため、指定都市市長会や中核市市
長会との連携、さらには行政以外の団体等との連携について一層取
り組む必要があり、そのための体制づくりが課題となっている。
○相談役及び顧問
現状・検討課題
今後の方向性
市長会のありようが今後変化していく中で、これまで市長会
(連絡協議会含む)の運営に役員としてご尽力いただいた市長
に相談役という立場で適宜助言をいただく事は市長会の運営
上非常に重要なことである。
顧問については、今後の市長会のあり方を踏まえて、適切な
人材について検討する。
市長会の円滑な運営のために相談役及び顧問の設置規定を設け
ている。相談役については、過去に市長会の役員市長を務めており、
かつ現職の市長に対し、会長が委嘱をしている。(平成26年~)
また、地方自治制度の大きな変化を迎えている中で、地方自治制
度に係る専門的な知見を有する者を顧問として委嘱することがで
きるよう平成26年5月の総会で規約改正を行ったところである。
66
4
総会等について(規約第7条・第8条関係)
○総会
現状・検討課題
今後の方向性
開催の回数及び時期については、これまでと同様とする。
総会は、市長会の事業及び運営に関する基本的な事項を決定する
重要な会議である。これまでの年1回の開催に加え、構成市の一層
の交流や国の予算編成前の時期を捉えた要望活動を実施するため、
平成24年は臨時総会、25年度以降は秋季総会として開催している。
○事務担当者会議
現状・検討課題
今後の方向性
総会の円滑な進行のため、年1回総会前に事務担当者会議を開催
総会の事前調整だけでなく、特定のテーマを設定した意見交
換や講師を招聘しての勉強会等、さらなる活性化を図る。
している。総会に関する意見交換のほか、構成市相互の親睦や職員
の見聞を広めるための行政視察等の事業を実施している。
67
5
部会(分科会)及び研究会について(規約第9条・第9条の2関係)
○部会(分科会)
・研究会
現状・検討課題
今後の方向性
設立当初からの部会構成の取組実績を踏まえ、地方分権推進
部会と財源確保推進部会は存続させる。今年度から両部会とも
市長が出席する会議とし、部会の活性化につなげる。
また、自律可能な都市制度のあり方研究会については、研究
会の設置目的を概ね達成したことを踏まえ、平成26年度末を
もって終了とする。
なお、中核市移行に係る取り組みに関し総合的に研究するた
め「中核市に関する研究会」を新たに設置し、中核市への移行
に係る実質的な研究・検討を行う。
その他、指定都市市長会・中核市市長会との連携の中で、必
要に応じて研究・検討テーマに即した部会(分科会)・研究会を
設置していく。
平成12年の全国特例市連絡協議会設立以来、地方分権の推進を図
るため「地方分権推進部会」並びに「財源確保推進部会」を設置し、
両部会での調査研究の報告をとりまとめた地方分権に関する提言
書をもとに様々な提言活動を行ってきた。
また、
「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体
制のあり方」の諮問事項を審議した第30次地方制度調査会の動向
を受け、両部会の垣根を越えた横断的なプロジェクトとして「自律
可能な都市制度のあり方研究会」
(以下、「都市制度のあり方研究
会」という。
)を設置し、
「自律可能な都市制度に関する報告書」と
してまとめ、国等に提言活動を行ったところである。
こうした活動の一方で、地方分権推進部会と都市制度のあり方研
究会の目的や調査研究事項の棲み分けが難しいという課題も発生
している。
▼研究会会長の規定に関する見直し
現行の規約第9条の2第2項では、研究会会長の選任に関
し、全国特例市市長会の副会長が就くこととなっているが、
研究会副会長の選任の規定と同様に、当該研究会に属する市
長の互選とするよう改める。
平成26年5月の規約改正により、研究会の設置を規約上明確に位
置づけるとともに、部会の構成員を市長とし、さらには両部会の下
に、個別の事項を検討する分科会の規定を新たに設け、市長会とし
て様々な調査研究活動を行えるような規約上の体制整備を行った。
今後の市長会を取り巻く環境を踏まえて、さらなる見直しを行う
必要がある。
68
6
全国特例市市長会事務局等運営体制について(規約第10条・第11条・第12条・第13条関係)
○事務局
現状・検討課題
今後の方向性
専任の事務局職員を置き事務所を開設すること、また、中核
市市長会との共同事務局について検討したが、現行の全国特例
市市長会の会計の規模では困難であるため現行のままの体制と
する。
会長市が事務局機能を担っているが、今後、市長会の事業内容
(量)を考慮した事務局体制の構築が望ましい。
中核市市長会との連携の深化を踏まえ、事務局のあり方を検討す
る必要がある。なお、中核市市長会との共同事務局の設置に関する
提案がある。
○会計・経費・補則
現状・検討課題
今後の方向性
会費については、事務局体制と同様に事業内容(量)を考慮した
会費の設定が必要である。平成25年度に市長会の事業拡大のため、
現行の5万円(年/市)を基本とする。
5万円/年に増額した経過がある。
69
7
全国特例市市長会の事業について
○総務大臣と特例市市長との懇談会
現状・検討課題
事業の方向性
より多くの市長の出席が可能となる様、懇談会日程の早期確
保に努めるとともに、中核市市長会との連携の深化の状況も踏
まえ、実施の手法について検討する。
特例市が直面する諸課題について総務大臣と直接懇談する会議
として平成14年度より実施されている。例年、中核市市長会と同
日に開催しているが、今年度は出席市長の人数等の理由から総務省
からの求めに応じて中核市市長会と合同開催となった。
来年度以降の本市長会の目的や懇談会の出席者数の状況に鑑み、
平成27年度以降の懇談会のあり方について検討する必要がある。
○特例市災害時相互応援協定
現状・検討課題
事業の方向性
大規模災害時には、周辺都市も同様の被害を受けることが想定さ
全国施行時特例市市長会が存続する間は本協定も存続する
ことを原則とする。今後、会員市数減少等の市長会を取り巻く
状況を踏まえて協定のあり方を検討する。
れるため、全国に分布しており、かつ都市規模も同程度である特例
市は災害時の相互応援の主体として有効である。この考え方のもと
平成17年3月1日の基本合意を経て平成18年7月27日に「特例市災
害時相互応援に関する協定書」を締結した。
本協定は全国特例市市長会の組織が前提となった相互応援の仕
組みとなっているが、今後、特例市制度の廃止とともに会員市数が
減少していくことが見込まれる中で、最大の利点であった全国的な
ネットワーク体制の構築が困難となる。
70
8
指定都市市長会・中核市市長会連携について
○中核市市長会との連携
現状・検討課題
事業の方向性
両市長会の合同役員市長会議での確認事項を踏まえ、これま
での連携事業に加えて、両市長会の部会やプロジェクトへのオ
ブザーバー参加等、連携の範囲を広げていく。
中核市・特例市制度の統合により、中核市市長会との連携の取組
は、これまでの合同役員市長会議の開催や合同での提言活動の実施
だけでなく一層深化したものとなる。
8月に開催された中核市市長会・全国特例市市長会合同役員市長
会議において、部会やプロジェクト等で両市長会の構成市同士のネ
ットワーク作りの場の創出に向けて取り組むことが確認された。
○3市長会(指定都市市長会・中核市市長会・全国特例市市長会)連携
現状・検討課題
事業の方向性
平成24年2月に全国市長会、指定都市市長会、中核市市長会、全
「連携強化に関する覚書」締結を踏まえ、これまでのシンポ
ジウム・職員勉強会のあり方も含め、今後、具体的な連携事業
については、3市長会の事務局及び連携特命担当市を中心に検
討していく。
具体的な取組の一つとして、3市長会での共同研究に関する
取組を進めていく。
国特例市市長会の会長らが一堂に会し、大都市制度や基礎自治体の
あり方について意見交換を行い、
「基礎自治体の強化」という方向
で協力していくことを確認した。これを受け、平成24年度以降、シ
ンポジウムや職員勉強会等の事業を実施してきた。
今年度、3市長会の連携が3年経過することから、連携をより深
化させ、新たな基軸を打ち出していくため、平成26年8月に「連携
強化に関する覚書」を締結した。
71
参考資料7
「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」に関する共同コメント
本日、「平成26年の地方からの提案等に関する対応方針」が閣議決定され
ました。
地方分権改革の新たな取組みである提案募集方式において、その対応方針の
とりまとめにあたられた、地方分権改革有識者会議議員の方々を始め、関係各
位の大変なご労苦に対し深く敬意を表します。
初年度の提案募集方式については、地方の積極的な取組みにより、900件
を超える提案がありました。国におかれましても、地方分権改革の推進が地方
創生の極めて重要なテーマであるとし、提案の実現に向けて、精力的に取り組
まれたことは評価いたします。手挙げ方式の活用などにより、地方の個性や自
立を尊重し、地方分権改革の成果を市民がより実感できる制度となるよう期待
いたします。
中核市市長会や全国特例市市長会が提案した県費負担教職員人事権等の移
譲については、「関係者の合意形成に向けた支援を行う」として提案実現の成
果に位置付けられていることから、地域の実情に応じた教育の展開、地域に根
ざした人材の育成を進めるためにも、国としての支援内容を明らかにし、十分
な支援を行うと同時に、希望する中核市・特例市等への権限の移譲が早期に実
現されるよう引き続き強く求めます。
国において地方分権改革に取り組むにあたっては、中核市・特例市を始めと
する地方の提案や意見を真摯に受け止め、継続して検討を行い、地方としっか
り協議しながら、さらなる推進に取り組んでいただくよう望みます。
平成27年1月30日
中核市市長会会長
豊橋市長
佐原 光一
全国特例市市長会会長
茅ヶ崎市長
服部 信明
72
参考資料8
全国特例市連絡協議会設立の趣旨
平成12年11月1日、政令指定都市、中核市に続く地方自治の新た
な担い手として、特例市10市が誕生しました。
特例市は、人口20万以上の都市の事務権限を強化し、できる限り住
民に身近なところで行政を行うことができるようにしようという趣旨の
もと、地方自治法の改正により創設された新たな都市制度であります。
今後、特例市移行のメリットを最大限に生かし、市民サービスの向上
を図るとともに、特例市にふさわしいまちづくりを進めていくためには、
特例市自らの積極的な取り組みが重要であります。
一方、特例市共通の、また固有の課題に対しては、本制度の充実に向
けた調査、研究、関係機関への要望活動等、一丸となった取り組みも必
要であると考えます。
このことから、特例市相互の緊密な連携のもとに、特例市行財政の円
滑な運営及び進展を図ることにより、地方分権の推進に資することを目
的として、ここに特例市による全国特例市連絡協議会を設立しようとす
るものであります。
平成12年11月10日
73
参考資料9
全国施行時特例市市長会規約
(平成12年11月10日制定)
改正 平成15年7月28日
改正 平成20年8月 8日
改正 平成26年5月20日
改正 平成26年11月5日
(名称及び組織)
第1条
この会は、全国施行時特例市市長会(以下「市長会」という。)と称し、施行時特例市
(地方自治法の一部を改正する法律(平成26年法律第42号)附則第2条に規定する施行時
特例市をいう。
)の長をもって組織する。
(目的)
第2条
市長会は、構成市(市長会に加入している市の長(以下「市長」という。)が統轄する
市をいう。以下同じ。
)相互の緊密な連携のもとに、自律可能な都市の確立を図ることにより、
地方分権の推進に資することを目的とする。
(事業)
第3条
市長会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。
(1) 都市自治体が抱える課題等に関する構成市相互間の情報交換等に関すること。
(2) 中核市への移行に関する構成市相互間の情報交換等に関すること。
(3) 都市自治体が抱える課題等又は中核市への移行に付随する権限移譲及び財源措置につい
ての国への要望に関すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、目的の達成のために必要なこと。
(役員)
第4条
市長会に次の役員を置く。
(1) 会
長
1名
(2) 副会長
2名
(3) 監
2名
事
2 役員は、総会において選任する。
3 役員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、再任の場合は1期までとする。
4 役員は、任期満了後においても後任者が就任するまでは、その職務を行う。
(連携特命担当)
第4条の2
市長会に、指定都市市長会・中核市市長会等との円滑な連携のために連携特命担当
を置く。
2 連携特命担当は、会長が選任する。
(職務)
第5条
会長は、会務を総理し、市長会を代表する。
2 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、会長があらかじめ指名した副会長がその
職務を代理する。
3 監事は、会計の監査を行う。
74
(相談役及び顧問)
第6条
市長会に、必要に応じて相談役及び顧問を置くことができる。
2 相談役及び顧問は、市長会に諮って、会長が委嘱する。
3 相談役及び顧問は、市長会において意見を述べることができる。
(総会)
第7条
総会は、年1回以上開催する。
2 総会は、会長が招集し、その議長は、会長がこれにあたる。
3 総会は、市長会の事業及び運営に関する基本的な事項を決定する。
(事務担当者会議)
第8条
市長会の円滑な運営を図るため、市長会に事務担当者会議を置く。
2 事務担当者会議は、構成市の主管部長又は課長及び担当者をもって組織する。
3 事務担当者会議は、必要に応じて、会長が招集する。
4 事務担当者会議の議長は、会長に選任された市長が統轄する市(第10条において「会長市」
という。
)の主管部長又は課長がこれにあたる。
(部会)
第9条
第3条に規定する事項を円滑に実施するため、市長会に、地方分権推進部会及び財源確
保推進部会(以下「部会」という。
)を置く。
2 部会に、それぞれ部会長及び副部会長を置き、部会長は副会長が、副部会長は当該部会に属
する市長の互選により定める。
3
部会は、必要に応じて、部会長が招集し、その座長は、部会長がこれにあたる。
4 部会長は、必要に応じて部会内に分科会を設置し、分科会長、副分科会長、会員を指名して
その任にあたらせることができる。
5 部会における協議事項は、総会に報告するものとする。
(研究会)
第9条の2
第3条に規定する事項を円滑に実施するため、必要に応じて、市長会に研究会を置
くことができる。
2 研究会に、それぞれ研究会会長及び研究会副会長・幹事を置き、研究会会長及び研究会副会
長は当該研究会に属する市長の互選により、研究会幹事は研究会会長の指名により定める。
3 研究会は、必要に応じて、研究会会長が招集し、その座長は、研究会会長がこれにあたる。
4 研究会における協議事項は、総会に報告するものとする。
(事務局)
第10条
市長会及び事務担当者会議の事務局にあっては会長市に、部会及び研究会の事務局に
あっては部会長市及び研究会会長市に置く。
(会計)
第11条
市長会の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日をもって終わる。
(経費)
第12条
市長会の運営に要する経費は、構成市の会費及びその他の収入をもって充てる。
(補則)
第13条
この規約に定めるもののほか、必要な事項は会長が総会に諮って定める。
75
附
則
1 この規約は、平成12年11月10日から施行する。
2 この規約の施行後最初に選任される役員の任期については、第4条第3項の規定にかかわら
ず、平成13年3月31日までとする。
3 監事については、第4条第1項第3号の規定にかかわらず、平成13年3月31日までは1
名とする。
4 部会における副部会長については、第9条第2項の規定にかかわらず、平成13年3月31
日までは設置しない。
5 協議会の最初の会計年度は、第11条の規定にかかわらず、平成12年11月10日に始ま
り、平成13年3月31日に終わるものとする。
附 則
この規約は、平成15年7月28日から施行する。
附
則
この規約は、平成20年9月1日から施行する。
附
則
この規約は、平成26年5月20日から施行する。
附
則
この規約は、平成27年4月1日から施行する。ただし、改正後の第4条の2の規定は平成26
年11月5日から施行する。
76
全国施行時特例市市長会規約名簿
会 長
副会長
茅 ヶ 崎 市 長
春 日 井 市 長
服
伊
部
藤
信
明
太
副会長
監 事
監 事
太 田 市 長
明 石 市 長
小 田 原 市 長
八 戸 市 長
山 形 市 長
水 戸 市 長
つ く ば 市 長
伊 勢 崎 市 長
熊 谷 市 長
川 口 市 長
清 水
泉
加 藤
小 林
市 川
高 橋
市 原
五十嵐
富 岡
奥ノ木
聖
房
憲
義
穂
一
眞
男
靖
一
隆
清
夫
所 沢 市
春 日 部 市
草 加 市
平 塚 市
厚 木 市
大 和 市
長 岡 市
上 越 市
福 井 市
甲 府 市
松 本 市
長
長
長
長
長
長
長
長
長
長
長
藤
石
田
落
小
大
森
村
東
樋
菅
正
良
和
克
常
沼
富
一
四
岸
吹
茨
八
寝
加
津 市
士 市
宮 市
日 市 市
和 田 市
田 市
木 市
尾 市
屋 川 市
古 川 市
長
長
長
長
長
長
長
長
長
長
栗 原
小長井
中 野
田 中
信 貴
後 藤
木 本
田 中
馬 場
岡 田
裕
義
正
俊
芳
圭
保
誠
好
康
康
正
康
行
則
二
平
太
弘
裕
宝 塚 市
鳥 取 市
松 江 市
呉
市
佐 賀 市
佐 世 保 市
長
長
長
長
長
長
中
深
松
小
秀
朝
智
義
正
和
敏
則
子
彦
敬
年
行
男
77
本
川
中
合
林
木
山
村
口
谷
川
澤
浦
村
島
長
昭
健
清
信
民
秀
新
雄
人
三
明
宏
良
哲
夫
幸
一
一
昭
参考資料10
全国施行時特例市市長会災害時相互応援に関する協定書
(趣旨)
第1条 全国施行時特例市市長会加入市(以下「協定市」という。
)は、いずれかの市の
区域において、地震等の大規模な災害が発生し、被害を受けた施行時特例市(以下「被
災市」という。
)が、独自では十分な応急措置が実施できない場合に、被災市以外の協
定市が相互に救援協力し、被災市の応急対策及び復旧活動を円滑に遂行するため、次の
とおり協定を締結する。
(応援の種類)
第2条 応援の種類は次のとおりとする。
(1) 食糧、飲料水及び生活必需物資の提供並びにその供給に必要な資機材の提供
(2) 被災者の救助、医療救護及び防疫に必要な資機材及び物資の提供
(3) 応急対策及び復旧活動に必要な職員の派遣及び資機材の提供
(4) 前各号に掲げるもののほか、被災市が特に必要と認めるもの
(ブロック体制)
第3条 応援を円滑に遂行するためブロック体制を整備し、各ブロックには、代表市及び
副代表市を置く。
2 各ブロックの代表市は、全国施行時特例市市長会の副会長が務め、副代表市は、ブロ
ックを構成する協定市の中から、代表市が指名する。
3 各ブロックの代表市は、副代表市を指名したときには、会長市に報告し、会長市はこ
れを全協定市に通知する。
4 ブロックの代表市が、被災市となったときは、副代表市が、代理を務める。
(応援要請の手続き)
第4条 被災市が、応援の要請をしようとする場合は、次に掲げる事項を明らかにして、
被災市の属するブロックの代表市に、電話等による要請を行い、後日速やかに当該事項
を記載した文書を提出するものとする。
(1) 被害の状況
(2) 第2条第1号及び第2号に掲げる応援を要請するときは、物資等の品名、数量等
(3) 第2条第3号に掲げる応援を要請するときは、職員の職種及び人員並びに被災市
での業務内容
(4) 応援場所及び応援場所への経路並びに連絡窓口となる担当者名等
(5) 応援の期間
(6) 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
78
(応援体制)
第5条 ブロックの代表市は、被災市から応援の要請を受けたときは、ブロック内の協定
市による応援体制をとることを基本とする。ただし、ブロックの代表市が、ブロック体
制を越えた応援体制にすることが必要と判断するときは、全国施行時特例市市長会の会
長市と協議し、会長市は全協定市による応援体制とすることができる。
(応援の実施)
第6条 ブロックの代表市又は会長市から要請された協定市は、可能な限りこれに応じ、
応援に努めるものとする。
2 前項の規定により応援する協定市は、災害発生直後、応援活動のため職員等を派遣す
る場合においては、派遣職員自ら消費又は使用する物資等を携行させるものとする。
(自主的活動)
第7条 激甚な災害が発生し、通信途絶等により被災市から第4条の規定に基づく応援要
請がない場合、ブロックの代表市はブロック内の協定市と協力し、速やかにその被害状
況について、自主的に情報収集を行うものとする。
2 ブロックの代表市は、前項の情報収集により、被害が甚大であると判断し、かつ、被
災市と連絡ができない場合は、自ら第5条に規定する応援体制をとることができる。
3 自主的な応援活動中に、被災市から第4条の規定に基づく応援要請を受けたときは、
第6条の規定に基づく応援を実施するものとする。
(応援経費の負担)
第8条 応援に要した経費は、原則として被災市の負担とする。
2 応援職員が第2条第3号の応援(以下「応援業務」という。
)により負傷し、疾病に
かかり又は死亡した場合における公務災害補償に要する経費は、応援する協定市の負担
とする。
3 応援職員が業務上第三者に損害を与えた場合において、その損害が応援業務の従事中
に生じたものについては応援を受けた被災市が、被災市への往復の途中において生じた
ものについては応援する協定市が、それぞれ負担するものとする。
4 前各項に定めるもののほか、応援経費の負担に関し必要な事項については、被災市及
び応援する協定市が協議して定めることができる。
(連絡担当部局)
第9条 協定市は、災害に備え、連絡を円滑に行うため、常に連絡担当部局を相互に明ら
かにしておくものとする。
79
(協議)
第10条 この協定の実施に関し必要な事項及びこの協定に定めのない事項又は疑義を
生じた事項については、その都度、協定市が協議して定めるものとする。
この協定の締結にあたっては、会長市への同意書の提出をもって、協定が成立したも
のと見なす。
平成27年4月1日
八
戸
市
山
形
市
水
戸
市
つ
く
ば
市
伊
勢
崎
市
太
田
市
川
口
市
熊
谷
市
所
沢
市
春
日
部
市
草
加
市
平
塚
市
小
田
原
市
茅
ヶ
崎
市
厚
木
市
大
和
市
長
岡
市
上
越
市
福
井
市
甲
府
市
松
本
市
沼
津
市
富
士
市
一
宮
市
春
日
井
市
四
日
市
市
岸
和
田
市
吹
田
市
茨
木
市
八
尾
市
80
寝
屋
明
加
川
石
古
市
市
川
市
宝
塚
市
鳥
取
市
松
江
市
呉
市
佐
佐
賀
世
市
保
市
平成18年7月27日 締結
平成19年4月 1日 上越市・長岡市・太田市・伊勢崎市・つくば市加入
平成20年4月 1日 春日部市加入
盛岡市・久留米市脱退
平成20年9月 1日 協定書の一部改正
平成21年4月 1日 熊谷市加入
前橋市・大津市・尼崎市脱退
平成23年4月 1日 高崎市脱退
平成24年4月 1日 松江市加入
豊中市脱退
平成26年4月 1日 佐賀市加入
枚方市脱退
平成27年4月 1日 協定書の一部改正 越谷市脱退
81
(第3条関係)
全国施行時特例市市長会災害時相互応援に関する協定 ブロック体制
東日本ブロック
西日本ブロック
八戸市
福井市
山形市
一宮市
水戸市
春日井市
つくば市
四日市市
伊勢崎市
岸和田市
太田市
吹田市
川口市
茨木市
熊谷市
八尾市
所沢市
寝屋川市
春日部市
明石市
草加市
加古川市
平塚市
宝塚市
小田原市
鳥取市
茅ヶ崎市
松江市
厚木市
呉市
大和市
佐賀市
長岡市
佐世保市
上越市
甲府市
松本市
沼津市
富士市
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