第57回天然有機化合物討論会 講演概要原稿作成要領

第57回天然有機化合物討論会
講演概要原稿作成要領
講演概要原稿は、下記の注意を熟読して正しく作成してください。
なお、原稿の受付は原則ホームページより行いますのでご注意ください。
[講演概要原稿]
口頭発表、
ポスター発表いずれも、以下の書式に従って作成してください。
1)原稿はA4サイズで、天地・左右2センチのマージンをとってください。
また、原稿は2枚までで作成してください。
1ページ目先頭は、書式に従って、 a)講演題目、 b)所属の大学、会社、研究所名(略名)、 c)発表者名、
(講演者の名前に○印を付けてください)
を明記してください。
また、左上には発表申込時に発行される受付番号
(TEN57-PXXXX 半角11文字)
を必ず明記してください。
2ページ目は、書式に従って、上端からご記入ください。図式や反応式も、
マージンからはみ出さないようにご注意
ください。
2)作成した原稿は、PDF 形式またはWord 形式で保存し、
ホームページの「講演概要原稿登録に進む」ボタンか
ら送信してください。
なお、
ファイル名は発表申込時に発行される受付番号でお願いします。
[図の挿入について]
※ Chem Draw 等の作画ソフトを直接Word にペーストしたものをPDF に変換すると、
その部分が正しく表示され
ないことがあります。
この場合、TIFF またはEPS で保存後コピー&ペーストすると改良されることがあります。
※ ISISDRAW を使われる場合は、次の手順でWord に貼り付けができます。
ISISDRAW のファイルを開き、
「ファイル」→「エクスポート」→「other」
を選び、Export Format のダイアログ
から
「Windows metafile」
を選んで適当なファイル名で保存します。
Wordのファイルを開いてメニューから
「 挿入 」→「 図 」→「ファイルから」
を選んでダイアログから保存した
「Windows metafile」のファイルを選んで
「挿入」ボタンを押せば挿入できます。
ただし、
ソフトのバージョンやOS によっては機能拡張のインストールが必要な場合があります。
詳しくはMDL のホームページまたはソフトのHelp をご参照ください。
ホームページから書類を送信できない場合は
「第57回天然有機化合物討論会事務局」
E-mail: [email protected] までお早めにお問い合わせください。
なお、講演概要原稿の 受付締切は5月15日
(金)です。
3cm
1.5cm
TEN56-P0017
発表申込時に発行される
受付番号
1 ページ目の書式
2cm
タキソールの合成
1行アキ
を記入してください。
1字 スペース
(慶大理工)
大学・会社・
○深谷圭介、須貝智也、山崎裕久、小玉啓祐、山口友、佐藤隆章、千田憲孝
1行アキ
研究所の名前
タキソール(パクリタキセル、1)はセイヨウイチイの樹皮より単
離されたジテルペノイドであり、強力な抗腫瘍活性を示す。構造的
講演者の名前に
には、高度に酸化された四環性骨格に、歪みの大きな橋頭位オレフ
○印を付けてください。
ィンや特異なオキセタン環を有している。これまで 8 例の合成が報
告されているが、特に多官能基化された 8 員環(B 環部)の構築は
最も難易度が高く、新規全合成のためには効率的な分子構築法の開
発が必須である。
【合成計画】
本合成の最大の課題である 8 員環(B 環部)の構築には、多官能基共存下での強力な中員環構築
法が必要となる。そこで、アリルベンゾエートとアルデヒドによる新規の SmI2 環化反応を計画し
た(5→6)。SmI2 環化はラジカル反応であるため官能基許容性が高く、効率的な中員環が構築可能
である 1)。さらに本反応の特徴として、環化基質であるアリルベンゾエートが合成中間体として安
定である点、生じる官能基(水酸基とオレフィン)の区別が容易な点があげられる。環化基質であ
るアルデヒド 5 は、A 環部 4 と C 環部 3 の Shapiro カップリングによる収束的合成法により得られ
るものとした。酸化度の高い C 環部 3 は、バイオマス資源である D-グルコース(2)から Ferrier
環化反応を用いて合成する(2→3)
。環化により得られた三環性化合物 6 は、タキソール合成に必
2cm
要な官能基の足がかりをすべて有しており、残る課題である橋頭位オレフィンの導入やオキセタン
環の構築が可能であると考えた。
作成見本
図 1 タキソールの合成計画
【B 環部の構築】
D-グルコース(2)より触媒的 Ferrier 環化反応(7→8)を用いて合成した C 環部 3 と、A 環部 9
とを連結し、カップリング体 10 を得た(図 2)
。10 の種々官能基変換により得られたアルデヒド 11a-d
に対し、SmI2 による 8 員環構築を検討した。アリルアセテート 11a、11b 及びアリルベンゾエート
※用紙サイズはA4を使用し、
天地・左右各々2cm のマージンをとってください。
※本文冒頭は、1字スペースを空けて
書き始めてください。
図 2 SmI2 によるラジカル環化反応
2cm
2cm
2cm
2 ページ目の書式
11c では環化は進行せず、アルデヒドのみが還元された生成物を得た。一方、アリルベンゾエート
11c のジアステレオマーである 11d を環化基質として用いたところ、66%の収率で望みの環化体 6a
及び 6b が得られた。なお、6b の水酸基の立体化学は酸化還元により単一の 6a へと変換した。
以上のように、アリルベンゾエートの新規 SmI2 環化反応を用いて B 環部を構築し、多官能基化
された三環性化合物 6 の合成に成功した。
2cm
【タキソールの合成】
SmI2 環化で生じたオレフィンを利用し、橋頭位オレフィンの導入を試みた。環化体 6a をベンジ
ル基で保護した後、オスミウム酸化により、ジオール 12 とした。12 をビスキサンテート化し、ト
ルエン溶媒中 100 °C に加熱すると、一挙に 2 箇所で Chugaev 反応が進行し、歪みの大きな橋頭位
オレフィンを有するジエン 13 を高収率にて得た。ここではエキソメチレン 14 が生成する可能性が
あるが、10 位水酸基が β 体の時、完全に望みの位置選択性で制御できることがわかった。13 の MOM
基を除去した後、TPAP 酸化し(13→15)、ZnCl2 存在下 TMSCH2MgCl を 1,2-付加 2)して 16 とした。
16 の水素添加では、ベンジル基の除去に加えて、ジエンのうち 2 置換オレフィンが選択的に還元さ
れた。生じたアリルアルコールは不安定であったため、即座に TPAP 酸化してエノン 17 を得た。
17 を BF3・Et2O で処理し、エキソオレフィンを有する 18 へ導いた。
さらに、オキセタン環(D 環部)の構築に向け合成を進めた。18 のベンゾイル基を TES 基に変
換した(18→19)。その後、二酸化セレンによるアリル酸化で生じた 2 級水酸基をメシル化し、ワ
ンポットで四酸化オスミウムを作用させジオール 20 を得た。20 を HMPA 溶媒中 100 °C に加熱す
ると、オキセタン環が構築され、四環性化合物である高橋らの中間体 21 が得られた 3)。これにより、
タキソールの形式合成を達成した。本講演ではこの合成の詳細について報告する。
作成見本
図 3 タキソールの形式合成
※用紙サイズはA4を使用し、
1)
Matsuda,
F.・
et左右各々2cm
al. Tetrahedron Lett.
1998, 39, 863.
天地
のマージンをとってください。
2)
3)
Ishihara, K. et al. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 9998.
Takahashi, T. et al. Chem. Asian J. 2006, 1, 370.
2cm
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