1. エンコーディングタイプ

1. エンコーディングタイプ
1-1 エンコーディングタイプとは
SoundLocus の主要な機能は左右 2 つのスピーカまたはステレオヘッドホンで立体音響を作
り出すことですが、同じローカスデータを使って 5.1ch や 7.1ch の聴取環境(マルチチャネル
サラウンド)用にミキシングを行うこともできます。これらの機能を選択するのがエンコー
ディングタイプ(Encoding Type)です。
この設定をバイノーラル(Binaural)にすると 2 つのスピーカまたはステレオヘッドホンで立
体音響を作り出すようバイノーラルエンコードされ、マルチスピーカ(Multi-Speaker)にす
ると、5.1ch や 7.1ch のマルチチャンネルサラウンド用のサウンド出力向けにエンコードされ
ます。
1-2 エンコーディングタイプの切り替え
エンコーディングタイプは、[Option]メニューから[Encoding Type] →[Binaural]または
[Multi-Speaker]を選択して切り替えます。
エンコーディングタイプ(Encoding Type)の切り替え
マルチスピーカに設定した場合は、使用するチャンネル数に応じて 3D ビューセクションの全
てのビューに、5 個または 7 個のスピーカが表示されます。
マルチスピーカを選択した場合の Perspective View
【NOTE】各オーディオトラックのボリューム及びマスターボリュームは、一つのプロジェクト内にエンコーディング
タイプ別に保存されます。 あるプロジェクトで最初にエンコーディングタイプをマルチスピーカに切り替えたとき、
各トラックのボリュームとマスターボリュームは初期設定値(0dB)になっています。
ムービートラックの音量は、バイノーラルとマルチスピーカで共通です。
【NOTE】プロジェクトの新規作成時は、バイノーラルエンコーディングとして開きます。
【NOTE】プロジェクトを開いたときは、以前に作業していたエンコーディングタイプとして開きますが、 サラウンド
プロジェクトを開くと、以前のエンコーディングタイプに関わらず、バイノーラルエンコーディングとして開きます。
【NOTE】サラウンドプロジェクトでは、マルチスピーカエンコーディングに切り替えることはできません。
1-3 マルチスピーカパラメータ
Option メニューから Settings を選び、Multi-Speaker アイコンをクリックすると、次のような
画面が表示されます。この画面ではマルチスピーカで有効になるパラメータの設定を行いま
す。
マルチスピーカパラメータ
この画面に表示される項目は次の通りです。
項目
説明
Channels
チャンネル数(5.1ch または 7.1ch)を選択します。
Contrast
High:定位のくっきり感は高いが移動感のリニアリティは低い設定
Normal:定位のくっきり感と移動感のリニアリティのバランスをとった設定
Low:定位のくっきり感はやや落ちるが移動感のリニアリティは高い設定
LFE
LFE スピーカ用出力の低音の抽出方法の設定を行います。
Cutoff Freq.:LFE に出力する音の帯域制限周波数を指定します。
Slope:低音を抜き出すフィルタの急峻さを指定します。
Gain:LFE の音量を指定します。
マルチスピーカ用に定位された音を再生するには、ASIO サウンドデバイスによるマルチスピ
ーカ再生環境が必要です。マルチスピーカ再生環境の設定については「物理ポートへのマッ
ピング」のセクションを参照してください。
1-4 物理ポートへのマッピング
マルチスピーカの各チャンネルと ASIO サウンドデバイスの物理ポートのマッピングは
Settings ダイアログの Sound Device で設定します。Option メニューから[Settings]を選び、
[Sound Device]のアイコンをクリックすると、次のような画面が表示されます。
Settings ダイアログの Sound Device 画面
L/R、Ls/Rs、Lbs/Rbs、C/LFE がステレオペアとして、ASIO デバイスの物理ポートにマッピ
ングされます。
【NOTE】マルチスピーカエンコードされた出力信号を正しくモニタリングするには、5.1ch 時 3 ステレオペア、7.1ch
時 4 ステレオペアの物理ポートが使用できる ASIO デバイスが必要です。これに満たない ASIO デバイスを使用
すると、複数のスピーカ出力用信号が特定の物理ポートに集中し、音が歪むなどの現象が発生します。
1-5 ローカスデータの記録
ローカスデータ(軌跡)を記録する方法は、バイノーラルに設定した場合と同じです。マル
チスピーカに設定すると、トラック部分の表示が次のようになります。
Vertical Filter
Distance スライダ
チェックボックス
マルチスピーカでのトラック表示
マルチスピーカの場合は、出力ポートに 7.1ch Multi Speaker または 5.1ch Multi Speaker のい
ずれかが表示されます(このボックスでの変更はできません)。また、立体音響処理に関連
する次のパラメータを設定することができます。
パラメータ
説明
Vertical Filter
チェックすると、上下感を出すためのフィルタが有効になります。
Distance
距離に対する音量ダイナミックレンジを次の 2 段階で設定します。
狭い(左):遠くに行ってもあまり音量が下がりません。
広い(右):遠くに行くに従って音量が下がります。
[3D]ボタンをオフにした状態では、このトラックの音声はセンターのスピーカからのみ出
力されます。
【NOTE】ローカスデータは、バイノーラルとマルチスピーカで同じデータが使用されます。
【NOTE】ステレオトラックには、ローカスデータを記録できません。 ステレオトラックの出力音は、L と R スピーカ
から 2 チャネルステレオとして出力されます。
1-6 マルチスピーカでのミックス
トラックをミックスする方法も、バイノーラルに設定した場合と同じです。マルチスピーカ
では、ミキサビューを表示すると、次のようにマルチスピーカのチャンネルに対応したレベ
ルメータが表示されます。
マルチスピーカでの各トラックのボリューム、及びマスターボリュームは、バイノーラルで
の設定とは別々の値として保存されます。
マルチスピーカのレベルメータ
マルチスピーカに設定した時のミキサビュー
レベルメータに表示されるスピーカのチャンネルは次の通りです。
トラック
チャンネル
説明
C
Center Channel
センターチャンネル
L
Left Channel
フロント左チャンネル
R
Right Channel
フロント右チャンネル
Ls
Left Surround Channel
サラウンド左チャンネル
Rs
Right Surround Channel
サラウンド右チャンネル
Lbs
Left Back Surround Channel
後方サラウンド左チャンネル(7.1ch のみ)
Rbs
Right Back Surround Channel
後方サラウンド右チャンネル(7.1ch のみ)
LFE
Low Frequency Effect Channel
重低音効果チャンネル
それぞれのスピーカチャンネルにはミュートボタン(M)とソロボタン(S)があり、指定し
たチャンネルの音を消したり、指定したチャンネル以外の音を消して特定のチャンネルだけ
を聴いたりすることができます。
ステレオトラックの音声は L チャンネルおよび R チャンネルからのみ出力されます。
1-7 サウンドのエクスポート
マルチスピーカ用のサウンドをファイルとしてエクスポートするには、バイノーラルに設定
した場合と同様に、まず、エクスポートする範囲を指定します。いずれかのトラックのロー
カスモニタ上でマウスをドラッグすると、選択された範囲が半透明の青色で示されます。
範囲の選択
【NOTE】エクスポートされるサウンドには、すべてのトラックのサウンドが含まれます。サウンドファイルに含めたくない
トラックがある場合は、そのトラックをミュート(M ボタンをオン)した状態でエクスポートを行ってください。
[File]メニューから[Export]→[Sound File]の順に選びます。次のようなダイアログボ
ックスが表示されます。
サウンドのエクスポート
エクスポートできるサウンドのフォーマットは次のいずれかです。
種類
形式
WAVE(.wav) 32 ビット IEEE Float
AIFF(.aif)
モノラル
32 ビット 符号付き整数
モノラル
24 ビット 符号付き整数
モノラル
16 ビット 符号付き整数
モノラル
32 ビット 非圧縮
モノラル
24 ビット 非圧縮
モノラル
16 ビット 非圧縮
モノラル
ファイル名を指定して[Save]をクリックすると、マルチスピーカの各チャンネルに対応し
たサウンドファイルがエクスポートされます。
2. 原点画像
2-1 原点画像の切り替え
3D ビューの座標原点に表示されるキャラクタの画像を切り替えることができます。
Option メニューから Settings を選び、Origin Point Images アイコンをクリックすると、次の
ような画面が表示されますので、Selected Image からイメージを選択してください。 選択し
たイメージは、全てのプロジェクトの 3D ビューに使用され、次回の SoundLocus 起動時にも
保持されます。
Settings ダイアログの Heads 画面
原点画像切り替え後の例