チャンキー種鶏 『生涯受精率改善に向けて』 平成27年9月10日 日本チャンキー協会 第101回技術ゼミナール 有限会社 松尾孵卵場 発表内容 1 会社紹介 2 改善前:種鶏成績の問題点 3 改善に向けて取組んだ事 4 これからの課題 ▲:松尾孵卵場 ■:大山どり ■ 1.会社概要 ▲ • 香川県三豊市 • 種鶏場 7ヵ所 • 孵卵場 150万羽/月 ▲ △ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 農場所在地 2.改善前:種鶏成績の問題点 ロットや担当者によって成績のバラツキ が大きい 生涯受精率が不安定 年間を通して大きな損失 受精率良いロット、悪いロット 2012年鶏群 % 100 95 90 ピークが低い 85 80 立ち上がりが低い 持続せず急激な低下 75 70 30W 35W 40W マニュアル 45W 良いロット 50W 悪いロット 55W 60W 受精率 過去と現在 2011年 vs. 2013餌付け群 % 100 95 指標 13年92.4% 90 85 11年90.4% 80 75 70 30W 35W 40W 45W 50W 55W 60W 現在は、どの鶏群でも安定した受精率となり、 平均値も改善している。 3、改善に向けて取組んだ事 先ずは、相談した㈱日本チャンキー指導の元 取り組み開始 A、現状成績の把握 B、目標値の設定 C、目標達成のための対策実行 改善に至る、上記3年間の流れを説明します A、現状成績の把握 ①管理者全員で過去の鶏群をレビュー 取り組むべき課題の優先順位づけ A、現状成績の把握 ②また各項目毎(♂体重、床のコント ロールなど)の課題と改善案を出し合う 皆の意見を、項目毎に分類 勉強会と議論に多くの時間を割いた 完成版。今でも農場に掲示 B、目標値の設定 目標:生涯受精率91%以上 目標数値の設定理由 1、(当時の)直近群において、通常管理で 91%実績があったこと 2、全群に当目標値を置く事によって、 失敗のない管理を目指すことが出来ると 判断したため C、目標:生涯受精率91%以上に向けて ①体重測定のシステム変更 ②給餌飼養管理の変更 ③環境整備 ④次回ロットに向けて C‐① 体重測定のシステム変更 ・(過去)データ収集のための作業 → (現在)意味のある測定へ →予定と大きく違えば再度測定 ・データ記録のみ → データの活用(結果分析、次週への取組み記入) ・数値のみ本社へ報告 → 担当者と場長コメントを記入後、本社でチェック ・生産期♂は時間のある時のみ → 毎週実施へ。かつマーカーで精度UP C‐① 体重測定のシステム変更 ・数値のみ本社へ報告 → 担当者と場長コメントを記入後、本社でチェック 初期のコメント 各場長の感想や担当者への指示が少な く、時に本社指示の方が多いことも 現在のコメント 本社からの指示は最小限に。 各場長から事前対応の提案が増加 初期の1年間は、本社チェックコメントに対して、日本チャンキー さんから更に追記コメントをFAXで貰い、場長へフィードバック。 指示内容の精度も上げられた。 C‐① システム変更による効果 記入コメントが多くなった 担当者から責任者へ、質問と提案が多くなった 受精率が気になるようになった 初期のコメント 現在のコメント 体測データも見やすいように自分で改良した 疑問がでるようになった 他の農場の成績や管理方法が気になるようになった 事前対応の意識が芽生え、 失敗を繰り返さなくなり、 受精率が向上した C‐②給餌飼養管理の変更 ・作業効率優先 → バラツキを抑える給餌へ (4週齢までは手やり) ・♂飼育への考えの切り替え ・性成熟遅れる♂への対応 ・S字曲線と修正癖の禁止 ・床状態の改善 C‐③環境整備 ・屋根の改修 – 全面に断熱材張り、舎内温度5度効果 ・土台の補強 ー 40cm高のコンクリ基礎入れ、隙間ゼロ C‐③環境整備 現在 以前 飲水量と結露対応によって 床状態が良くなり、 以前(上)の様な脚裏が解決 されたことも、受精率の改善 要因の一つ。 調整困難な♂給餌器は更新。 均一給餌が可能となった。 以前は山水(次亜塩 素)を使用。水質が安 定せず成績低下例 も。現在、ボーリング 工事による地下水を 利用し、水質は安 定。消毒はオキシリ ンクに変更。定期的 に水質検査。 防寒対策ビニール張り 事前対応/遅れ農場の受精率比較 最低気温推移 ℃ 30 25 20 15 13.6 B農場完了 10 5 4.1 A農場完了 0 ‐5 8 9 10 最低気温 11 12 月 結果:防寒対策の対応遅れは、 受精率に影響 100% 95% 90% 85% 80% 75% 70% A農場 B農場 マニュアル 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 W ポイント:最低気温が10度になる前にビニール張り完了 → 現在は9月末迄に下半分を張る様にしている C‐④次回ロットに向けて 4.これからの課題 • 雛質の更なる改善 • 雛質UPの為の種鶏飼育 CV改善 巣外卵対策 種鶏栄養 • 受精率対応も引き続き行う オスの管理 受精率の取り組みが成功した理由 ①最初に、成績の低迷原因を皆で協議し、 共通認識からスタートしたこと。 ②目標数値を常に全管理者へ明示し、改善 への道筋を理解させたこと。 ③体測データのコメントで管理者がレベルUP し、事前対応の管理へ変えたこと。 ご清聴ありがとうございました
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