児童養護施設の児童虐待 虐待通告したらどうなった?

児童虐待防止法? 児童養護施設の子どもには関係ない?!
11・29
児童養護施設の児童虐待
虐待通告したらどうなった?
11月は児童虐待防止月間です。各地でオレンジ
リボンキャンペーンなど、児童虐待防止啓発活動が
行われています。
しかし、児童養護施設などで生活する子どもたち
には、児童虐待防止法は届きません。親が育てられ
ない子どもたちには、別の法律があるからです。
社会的養護下の子どもの虐待については、児童福
祉法で「被措置児童等虐待」を定義し、虐待防止と
ともに、通告義務を定めています。
しかし、施設内の虐待が公になると、監督官庁で
ある自治体の責任問題となりかねないため、対応に
及び腰の自治体があります。
山口県では、児童養護施設から来た子どもが、施
設で虐待を受けていたことを専門里親に話しました。
専門里親は通告義務に従い、施設での虐待を児童相
談所に通告をしたところ、里親不適格を理由として
子どもを引き上げられました。
ある児童養護施設では、児童間の暴力・レイプが
蔓延し、無法地帯となっていました。子どもを抑え
ようとする職員は、力の強い子どもに殴られ、言い
なりとなっていました。やられている子どもたちは、
担当の児童福祉司に訴えましたが、児童福祉司は責
任問題になることを恐れて、握りつぶしました。
その児童養護施設の暴力の中で耐え育ち、施設を
出た後、心を病み、廃人のようになって、精神病院
や障害者施設に入所している方もいます。なんのた
めに生まれてきたのでしょうか。
このように、児童福祉法では、責任をおそれる自
治体の不作為・握りつぶしを想定していないため、
無かったことにされるケースが少なからずあります。
今回、虐待通告して措置解除された専門里親と施
設で虐待通告を握りつぶされた当事者をお呼びし、
お話を聞きたいと思います。
そして、社会的養護下の子どもたちを暴力から守
るための児童福祉法のありかたについて、議論が出
来たらと思います。お忙しいとは存じますが、ふる
ってご参加下さるようお願い致します。
期 日
平成27年11月29日(日)
13:30~16:30(開場13:00)
会 場
国立オリンピック記念青少年総合センター
センター棟 4階403号室
東京都渋谷区代々木神園町 3-1
最寄り駅 新宿駅より小田急線 各駅停車 約 3 分
参宮橋駅 下車 徒歩約7分
主 催
施設内虐待を許さない会
参 加
子どもの養育に関わる全ての方
集会名
プログラム
「児童養護施設で子どもたちが安全に安心して暮らすためにできること」
第一部 児童養護施設の虐待通告をしてどうなった?
・山口県専門里親 廣岡氏が虐待通告と子どもの引き上げについて話します
・児童養護施設で骨折などの暴力被害を受けた当事者が話します
第二部 施設の子どもたちを暴力・性暴力から守るためにできること
児童養護施設など暴力・性暴力の件数・実態などを紹介し、社会的養護下の子
どもが安全に安心して暮らすための方策について、パネラーと参加者全員で話
し合います。
参加費
申込み
保 育
問合先
1000円
(別売)施設内虐待に関する資料集
定員80名(先着順)
当日、直接会場にお越しください。
ありませんが、会場の後方に、キッズスペースを設置します。
施設内虐待を許さない会
E-mail [email protected]
児童虐待防止法? 児童養護施設の子どもには関係ない?!
山口県専門里親損害賠償請求事件とは?
平成22年、山口県の専門里親廣岡宅に委託された児童が、委託前に入所していた児童養護施設において、
職員より虐待を受けていたことを話したため、専門里親が児童福祉法で定める被措置児童等虐待として児童
相談所に通告しました。ところが、通告を受けた児童相談所は、児童福祉法に基づく調査を行わず、専門里
親を不適格として委託児童を一時保護し、措置解除しました。さらに、通告を受けた児童相談所および山口
県子ども未来課は、児童福祉審議会への報告を行わず、公表もしませんでした。また、国へは虚偽公文書を
作成し、通告件数0件とする虚偽の報告を行いました。
専門里親は、通告による措置解除は違法であるとして、山口地裁に損害賠償請求訴訟を起こしました。一
審では敗訴しましたが、高裁に控訴して争っています。
平成 27 年 10 月 10 日、17 歳になった元里子が、里親宅を訪ねてきました。
「おじさんとおばさんの顔を見
るとホッとする」という元里子の言葉に勇気百倍。その時も、入所した情緒障害児短期治療施設での驚くべ
き実態が語られました。そのときの様子もお伝えしたいと思います。
児童養護施設は無法地帯(ある施設出身者の話から)
小学生のころから、高校生・職員から虐待を毎日受けていた。職員がいないことが分かると「集合」と声をかけら
れ、集団的暴行を受けていた。野球の練習を強制的に毎日参加させられ、バッターボックスに立たされ、硬式ボー
ルを一斉に投げ、的あてになり、顔面強打、出血、目に痣ができ、1週間以上の傷を負った。
鬼ごっこといって、強力に改造されたエアガンで、小学生たちを的にして、容赦無く打ってきた。全身水ぶくれに
なり、痛かったが、職員に言うとボコボコニされるので言えなかった。
性的虐待も慢性化していた。小学生が中学女子を呼んで来いと脅され、呼んでこなかったらボコボコにされる。
職員が来ないように監視させられ、その女子を全裸にさせ、男子で周りを囲い、小学生にスケッチさせた。スケッチ
が終わるとその高校生と女子は押入れの中に入り、性行為を行った。ある高校生は、小学生に男子トイレに女子
(指名)を呼ぶようにいい、トイレの前で監視させた。トイレの中の会話では、俺の性器をしゃぶれという声が聞こえ
てきた。女子は泣きながら高校生の命令通りにしていた。
私たちはいつ「集合」という声がかかるかわからないので、眠ることもできなかった。同性の性虐待もあった。子ど
もの虐待防止の法律が出来てから、職員は子どもたちを今まで以上に指導することができなくなり、上級生たちの
言いなりになっていた。児童相談所が調査を行ったが、改善される事はなかった。 ※(続きは当日に…)
全ての児童養護施設に安全委員会の導入義務化を
児童養護施設には、職員から児童への暴力・性暴力だけでなく、児童から児童、児童から職員への3方向、
そして、顕在化・潜在化の2レベルの暴力・性暴力があります。そのすべての暴力を、子どもたち・施設職
員・児童相談所・地域の学校長からなる安全委員会を設置し、施設全体で暴力の根絶に取り組む活動が安全
委員会です。安全委員会を取り入れた施設では、子どもたちのおどおどした様子がなくなり、子どもらしい
可愛らしさを取り戻し、素直に上級生に甘えることができます。
「暴力はしても、されてもいけない」
「殴る
前に、言葉で言おう」を合言葉に、気持ちを行動ではなく、言葉で表現するように変わります。あわせて、
被虐待のトラウマを行動ではなく、言葉で表出できる、副次的効果も出てきます。
卒園後に安全委員会を知って、
「なぜ、自分たちの時にやってくれなかった」と職員に食ってかかる卒園
生もいます。でも、施設から暴力がなくなったことは、複雑な気持ちながらも喜んでいます。
安全委員会は九州大学の田嶌教授が提唱し、各地で実績をあげています。愛知県・秋田県では、県内全施
設に導入を決めました。しかし、安全委員会について、提唱者のいない場所で、陰口のような批判をする研
究者がいます。子どもたちが安全・安心な生活を送り、多くの施設出身者が賛同している安全委員会に、な
ぜ反対するのでしょうか。その研究者は、恩寵園時代から児童養護施設の問題に取り組んでいるといいます
が、4つ行われた恩寵園の児童虐待裁判や恩寵園集会には、その研究者は一度も姿を見せていません。
施設内虐待を許さない
会は、安全委員会を全面
的に支持しています。
詳しくは、Web で
「全国児童福祉安全委員
会連絡協議会」を検索し
てください。
「施設内虐待を許さない会」とは?
※ 施設内虐待を許さない会の前身は、児童養護施設「恩寵園」の虐待事件の解決のために結成された市民団体「恩寵園の子どもた
ちを支える会」です。恩寵園事件が一区切りつき、全ての児童養護施設の虐待防止のために名称を変え、活動を続けています。
※カンパのお願い 施設内虐待の防止キャンペーンのチラシを作成したり、施設内虐待の防止や摘発に取り組む職員を応援するた
めに、さまざまな経費がかかります。当会の活動趣旨に賛同できる方は、ぜひとも、当日カンパをお願いいたします。