成和-上海快報 - 成和グループ

成和-上海快報
SSBC-Shanghai Express News
Vol. 2015‐01
2014 年 11 月 6 日、人力資源社会保障部等からの通知(人社部発〔2014〕78 号:以下、「本通
知」とします。
)が公布され、2015 年 1 月 1 日より、外国人の短期就業目的での中国への入国に
関して、本通知に基づいた入国管理手続きが実施されています。今回は、本通知の概要及び注意
点について説明します。
1.
外国人の中国への入国管理
外国人が中国に入国する場合、原則として、入国の目的に従って中国政府が発行するビザ(査証)
を取得する必要があり、ビザに明記される期限内において中国国内に滞在することが認められます。
2013 年 9 月に施行された中華人民共和国出入国管理法が規定する入国目的に応じたビザの種類のうち、
主要なものは以下のとおりとなっています。なお、日本の普通パスポート保有者は、滞在が 15 日を超
過しない場合で、かつ入国の目的が学習、仕事(就業)、定住、政府訪問、インタビュー報道でない限
り、ビザの取得が免除されることとされています。
【入国目的】
【ビザの種類】
F ビザ
人事交流、訪問、考察等の活動(滞在)
L ビザ
旅行
M ビザ
商業貿易活動(商用)
Z ビザ
中国国内での仕事(就業)
X ビザ
学習(長期留学は X1 ビザ、短期留学は X2 ビザ)
2. 本通知の内容
上記のように、外国人が就業目的で中国に入国する場合には、Z ビザ(就業ビザ)を取得して入国
しなければなりませんが、Z ビザを取得するためには、外国人就業管理上、外国人就業許可証、外国
人専家許可証等の中国国内における関係当局の就業許可を取得する必要があります。しかしながら、
従来の制度では、Z ビザの取得は、就業目的での居留許可(長期滞在許可)を取得するための一手続
として設計されており、入国後 30 日以内に居留許可の申請をしなければならないなど、短期の就業目
的の入国に当たって使用するにはふさわしくない制度となっていました。
この点に関して、本通知では、滞在期間を 90 日以下とする場合であり、かつ通知に列挙される業務
で入国する場合を「短期完成工作(業務)」と位置づけ、「短期完成工作」を目的として入国する場合
に必要な手続きを規定しています。
例えば、日本人技術者が中国国内の企業に対する技実指導のために 30 日間の予定で中国に入国する
場合、人力資源社会保障部門(たとえば、外国人就業管理センター)において、
「許可証書」もしくは
「工作証明」
(短期工作証明)を取得し、その他の必要資料とともに在日本中国総領事館において Z ビ
ザを取得したのちに中国に入国すべきこととなります。
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【
短
期
完
成
工
作
】
Vol. 2015‐01
①
中国国内の関係先において行う技術、科学研究、管理、指導等の業務
②
中国国内の体育機構において行うトレーニング(コーチ、選手を含む)
③
映像の撮影(広告、ドキュメンタリーを含む)
④
ファッション・モデル(カーコンパニオン、グラフィック広告、等)
⑤
営業性のある演出への出演
⑥
人力資源社会保障部門が認定するその他の形態
3. 本通知の意義及び注意事項
上記のとおり、本通知は、従来の制度では想定されていなかった、滞在期間を 90 日以内とする短期
の Z ビザの申請を可能とすることに趣旨があるものといえます。一方で、これまで、商用目的(M ビ
ザ)や滞在目的(F ビザ)と就業目的(Z ビザ)とで、必ずしも区分が明確でない部分もありましたが、
本通知では、この点をある程度具体的に規定することにより、Z ビザ(就業ビザ)を取得して入国し
なければならない場合を明確にしています。以下は、本通知が規定する入国目的及び滞在期間別のビ
ザの種類を表にまとめたものです。
【滞在期間】
【入国目的】
~15 日
16~90 日
91 日~
①
短期完成工作(上記を参照)
Z ビザ
Z ビザ
②
機械設備の販売に伴う修理、設置、調整、取外し、指導や訓練
M ビザ
M ビザ
Z ビザ
③
落札プロジェクトについて行う指導、監督、検査
M ビザ
M ビザ
Z ビザ
④
中国国内の支店、子会社、駐在員事務所に赴いて行う短期業務
M ビザ
M ビザ
Z ビザ
⑤
体育競技への参加(選手、コーチ、ドクター、スタッフ等を含
M ビザ
M ビザ
F ビザ
F ビザ
F ビザ
F ビザ
む。ただし、例外あり。
)
⑥
無報酬の作業への参加、もしくは外国の組織からの報酬を得て
行う奉仕活動やボランティア活動、等
⑦
文化主管部門が発行する批准文書上に「対外営業性の演出」と
記載していない場合
本通知に規
定なし
Z ビザ
本通知に規
定なし
日本の普通パスポート保持者でもビザの取得が必要とされると考えられる項目
本通知により Z ビザを取得して入国すべきことが明確とされた項目
日本の普通パスポート保有者は、滞在期間が 15 日を超過しない場合で、かつその他の条件を満たす
場合にはビザの取得が免除されますが、工作(就業)目的の入国の場合はこの条件を満たさないため、
必ずビザを取得して入国する必要があります。本通知により、①の場合には、滞在期間を 90 日以内と
する場合でも Z ビザの取得が必要とされる場合が明確とされましたので、このような場合には、滞在
期間が 15 日以内であっても Z ビザを取得して入国することが必要となります。
また、上記②~⑦の目的で入国する場合については、本通知により、90 日以内の滞在である場合に
は M ビザ(商用ビザ)もしくは F ビザ(滞在ビザ)を取得すべき旨が明確にされました。この点に関
して、従来は、入国の目的が M ビザや F ビザに該当する目的である場合には、滞在期間が 15 日を超
過しなければ、入国に当たってビザの取得が免除されるものと考えられてきました。しかしながら、
本通知の解釈に関して上海市の出入国管理局にヒアリングしたところでは、②~⑦の目的で入国する
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場合には、日本の普通パスポート保有者であり、滞在期間が 15 日を超過しない場合であっても、本通
知で必要とされるそれぞれのビザを取得して入国しなければならないと考えられる、との回答となっ
ています。今後は、中国への入国に当たっては、滞在期間が 15 日以内であったとしても、入国目的が
①~⑦に当たるか否かを慎重に確認し、該当する場合には相応のビザを取得して入国する必要があり
ます。
なお、報告書作成日現在において、上海市の外国人就業センターにヒアリングしたところでは、上
海市では本通知に関する実施細則が公布されていないため、現段階において滞在期間を 90 日以内とす
る「短期完成工作」の目的で入国する場合について、Z ビザの申請に必要な「短期工作証明」を取得
することはできない状況となっています。
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