協働のまちづくりを推進するための仕組み

協働のまちづくりを推進するための仕組み
1
パートナーシップによる協働のまちづくり
(1)パートナーシップとは? 協働とは?
近年、まちづくり、防災、福祉、環境など様々な分野において「協働」という
ことばが使われています。「協働」は、地域社会を考えていく上での一つの重要
なキーワードになっています。
「協働」ということばには、様々な定義があります。例えば「参加」を含む考
え方で、市民が個人として行政の施策に参加することも含めて使用される場合が
あります。また、お互いを自立した主体として認め合い、対等な関係を維持しつ
つ連携・協力することであるとする考え方もあります。
平成24年4月に施行した「あま市みんなでまちづくりパートナーシップ条例」
(以下「パートナーシップ条例」という。)においては、『パートナーシップ』
を「市民等及び市が、対等な立場で協力し、かつ、連携し、役割や責任を自覚す
ることを通じて築いていく相互の信頼関係」、また『協働』を「同じ目的のため
に役割を分担し、かつ、補完し、共に協力して働くこと」と定義しています。
(参考:【資料3】)
(2)協働のまちづくりが求められる背景
協働のまちづくりが求められるようになった背景には、主に次の①~④のよう
な社会環境や時代の変化があげられます。
①多様化・高度化する市民ニーズへの対応
少子高齢化、核家族化、グローバル化等の進展により市民の価値観や生活
スタイルが変化し、市民ニーズは多様化・高度化しています。そのため、これ
まで市が行ってきた公共サービスのほかに、新たな市民ニーズへの対応が求め
られていますが、行政の力で対応していくには限界があります。
これからは市民の活力を活かした公共サービスのあり方が求められています。
②地方分権の進展と自立したまちづくり
地方分権が進み、市町村の自主的なまちづくりが可能となる一方で、自己決
定・自己責任によるまちづくりが求められるようになっています。
地域の特色を活かした住み良い地域社会をつくるためには、市民等と行政が
連携して、自立したまちづくりを進めていくことが求められています。
資料2
③厳しい行財政運営と新しい公共のあり方
平成11年頃から、多くの市町村は、いわゆる三位一体改革を契機に厳しい
行財政運営を強いられたため、合併へと進みました。
人口減少や少子高齢化等の社会情勢の変化や地方分権が進む中、限られた財
源の中で、市民等と行政が互いの役割と責任を自覚し、市民満足度を高める新
しい公共のあり方を構築することが求められています。
④まちづくりへの参画意欲の高まりと社会貢献活動の広がり
地域社会においては、これまで自治組織が地域を支えてきました。ただ、近
年では、NPO法人、市民活動団体等、多種多様な地域を支える力があり、ま
ちづくりへの参画意欲の高まりや社会貢献活動の広がりが見られます。
今後、地域の特色を生かしたまちづくりを進めていくためには、様々な主体
が社会貢献活動を活発化させ、地域全体の活力を高めていく必要があります。
(3)協働により期待される効果
市では協働を推進することにより、本市の将来像を実現するとともに、次のよ
うな効果を期待しています。ただし、「協働」は手段であって、目的ではないと
いうことに注意する必要があります。
協働により期待される効果
① 市民にとって
・ニーズにあったきめ細かな・柔軟なサービスを受けることができる
・自己実現や生きがいを得るための機会、場所が増える
・協働を通して市政への関心や意識が高まり住民自治につながる
② 地域組織にとって
・住民自治の充実が図られ、住み良いまちづくりにつながる
・地域コミュニティの活性化につながる
③ 市民活動団体やNPO団体等にとって
・活動への社会的理解や評価が高まり、市民活動団体やNPO団体等の持つ社
会的使命を効果的に実現できる
・活動の活性化や組織の強化が図られる
④ 事業者にとって
・公共サービスの充実に貢献することで社会的評価が高まる
・異なる発想・理念の市民活動団体やNPO団体等と協働することで、新たな
事業分野の開拓につながる可能性がある
⑤ 行政にとって
・多様化する市民ニーズに対応し、市民の視点に立ったサービスが提供できる
・協働の視点から事業を見直し、地域資源を有効活用することで、市民サービ
スを向上させ行財政改革が推進できる
2
あま市における協働のまちづくりの取組み
(1)あま市みんなでまちづくりパートナーシップ条例施行
あま市では、平成24年4月に「パートナーシップ条例」を施行しました。
この条例は、市民、地域組織、市民活動団体及び事業者(以下「市民等」とい
う。)並びに市が、パートナーシップによるまちづくりを推進する上で必要な事
項を定めることにより、地域の特色を生かした活力ある住み良い地域社会に寄与
することを目的に制定されました。
市では、この「パートナーシップ条例」に基づき、市民等と行政の協働のまち
づくりをめざし、行動していくことを推進しています。(参考:【資料3】)
(2)まちづくり委員会の設置
パートナーシップ条例には、条例の目的を実現するために、あわせて基本理念
や基本施策がまとめられています。また、施策推進手段の一つとして「まちづく
り委員会」の設置が定められています。
第1期(平成24年度から平成25年度まで)のまちづくり委員会では、条例
制定時に、条例策定委員から提言された、市民活動の拠点施設の開設について検
討し、その結果を市へ提言しました。
市では、現在、この提言に基づき、市民活動の拠点施設開設に向けた準備を進
めています。(参考:【資料4】)
3
今後の検討すべき取組み・課題
あま市が目指す次のステップについて
あま市では、市民等や市(行政)の協働に対する理解は進みつつありますが、
実践に向けた取り組みは、十分とは言えない状況にあります。
今後は、これまでどおり多くの市民等へパートナーシップによる協働のまちづ
くりへの「理解」をさらに深めるとともに、「実践」につながる取り組みをさら
に具体的に進める必要があります。
そのため、協働を推進していくための環境整備を行い、協働を促進していくこ
とが求められています。
4
今期の委員会検討事項
手引書の検討について
今期の委員会では、協働を推進していくための環境整備の一環として、実践的
な取り組みを促進するような手引書(以下「(仮称)手引書」。)を作成できる
よう、次のような点について、検討を進めます。
手引書を作成することで、市民等も市との協働事業に取り組みやすくなるとと
もに、市役所の各担当部課も協働のまちづくりに取り組みやすくなることが期待
できます。
委員会検討事項ポイント
1
主体の特徴について
○市民等と行政の特徴は?
2
協働の種類について
○協働の原則
3
○特徴を踏まえた、求められる役割
○協働の形態・種類と注意点
実用的・有効的な手引書とするためには
○手引書をどのような構成にするか?
4
○経費の考え方
○どのような内容を盛り込むか?
手引書を広く周知するためには
○手引書の市民等と行政に幅広く理解・周知してもらうためにはどうする
べきか?
【報告書作成】
ポイントに沿って、協働の取り組みをより具体的に推進できる手引書の構成・
内容等を検討・模索し、整理をします。
さらに、それらを書面としてまとめ、手引書作成に活用できるようにします。