あいちコミュニティ財団の「深掘りファンド」助成金事業報告書からの抜粋 アンケート調査で見えた地域課題は「多世代間交流」 ~高蔵寺ニュータウンに遊休する県有地は市民協働で課題解決の場に~ ◆高蔵寺ニュータウンの生活環境についての調査概要 [調査期間] 2015 年 6 月 12 日~22 日 [調査対象] 高蔵寺ニュータウン 6 地区 (高森台、石尾台、中央台、岩成台、藤山台、押沢台)1,000 名 [調査の方法] (配布)調査員がランダムに抽出しポスティング(回収は郵送) [回収率] (2015 年 6 月 22 日時点)298/1,000 件 (7/6 現在 319 件) これまで高蔵寺ニュータウンが抱える諸問題について、住民たちが新たなまちづくりへと、様々な 活動をしてきました。ここにきてようやく、愛知県や春日井市から高蔵寺ニュータウンの未来につい て具体案を示す新たな動きが出てきました。その一つとして、今までほとんど忘れ去られていた「高 森台県有地」の活用がにわかに注目され始めました。ニュータウン内の最後に残された広大な県有地 の利活用が、ニュータウンの再生に大きな影響を与えるとの県や市の期待をうかがい知ることがで きます。 今回の調査は、高蔵寺ニュータウンの住民がこのような現状に対してどんな意識を持っているの か、また県有地をどのように活用したらいいのかを中心にアンケートを実施しました。今回のアン ケート調査では、生活環境についての住民の評価を訊きました。グラフで確認できるように、質問 項目によって評価にかなり差があります。中でも「多世代間交流状況」では、 「不満、やや不満」が 42%、「ふつう」が 48%、 「ほぼ満足、満足」が 5%、「不明」が 5%で、かなり満足度が低いことが わかります。このようにグラフにすると、ニュータウンの課題がより鮮明になってきます。今回の 調査では、これらの課題解決に県有地をどのように活用したら結びつくのかをさらに深掘りしまし た。 アンケート用紙はA4 サイズ 2 ページにわたるもので、一部に記述欄を設けました。 1 つ目の質問はニュータウンの生活環境への評価を訊ねるもので、12 項目中「多世代間交流」の 評価がきわめて低く、課題であることがわかりました。 一方、2 つ目の質問は県有地の活用に関するもので、その中で市民が積極的に県有地の未利用部 分の一部を活用する「花と緑のまちづくり活動」というアイデアを例示し、この活動がどのような 効果をもたらすと思うかについて、10 項目の質問をしました。「多世代間交流促進」という項目 に、効果があると答えた人は 92 名。さらに「この活動に参加したいと思いますか」の質問には実 に 89 名の方が「参加したい」と答えています。 「多世代間交流」は全回答者の 31%の方が効果あり と答えていて、「花と緑のまちづくり活動」が「多世代間交流」に効果があると考えられます。こ の 2 つのアンケート結果から、現在の生活環境は「多世代間の交流」が不十分ですが、県有地の一 部で市民が参加する「花と緑のまちづくり活動」をすることによって、交流が促進されることが期 待できます。 最近、春日井市は市民との協働をより積極的に進めようとしています。今回のアンケートで、 「これから活用をどのようにして進めたらいいか」との質問に、「行政と市民が協働して進めるの がよい」と答えた人が 77%と圧倒的多数となりました。このように、県有地を行政と市民が協働し て活用することができれば、同時に高蔵寺ニュータウンの課題解決への糸口にもつながる可能性が 見えてきました。 今回のアンケートによって、このような関連性を見いだせたことは大変有意義でした。今後、こ の貴重なデータを市民の声として積極的に行政へ提供し、有効的活用に結びつけたいと思います。
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