多自由度ロボットアーム用3自由度エンドエフェクタの開発

多自由度ロボットアーム用3自由度エンドエフェクタの開発
Development of 3-DOF End-effecter for Multi-DOF Robot-arm
中尾智幸(岐阜大)
Tomoyuki NAKAO (Gifu Univ.)
矢野賢一(岐阜大)
Kenichi YANO (Gifu Univ.)
味岡義明((株) エッチャンデス)
Yoshiaki AJIOKA (Ecchandes Inc.)
Abstruct: A robot arm has been widely used for various kinds of fields without remaining in industrial use. Versatility and
flexibility is expected for the robot-arm to realize skillful operation in many fields. The purpose of this study was to propose
the new mechanism of a small-sized 3-DOF effecter with versatility and flexibility for multi-DOF robot-arm and to develop the
robot-arm system that can realize skillful operation. The trial product was produced and the mathematical model was derived.
1.はじめに
3.3自由度機構のモデル
ロボットアームは産業用に留まらず様々な分野に幅広く
用いられ,高い汎用性と自由度,巧みな作業をこなす事
ができるロボットアームが望まれている.高機能なエンド
エフェクタが開発されれば,市販のロボットアームをより
高精度かつ汎用性のあるシステムへと発展させることが
可能となる.本研究の目的は,小型で汎用性および自由
度の高いエンドエフェクタを開発し熟練者の巧みな作業
を行うことのできるロボットアームを実現することである.
手先座標系における
点Peの座標
Le :指示棒の先端点Pe
か ら原点O e までの距
離
.
点Peの座標が既知の場合のα,β
3自由度の角度α,β,γと
モータの回転角度θα,θβ,θγ
φ:クランクした指示棒のze’軸との偏角.
γの式は −π/2 ≦ γ ≦ π/2 の制約下で成立する.
2.3自由度エンドエフェクタ
Penetrating
2 軸 に 取 り付 けら れ
Drive Shaft
Stopper
た 3 本 の ガイ ドレ ー
ルによって指示棒に
3 自 由 度 を与 える 構
造である.回転中心
は球面軸受であり,
指示棒は球面軸受け
に固定される.内側 GuideRailα
二つのガイドレール
Slider
GuideRailβ
で指示棒の先端の位
GuideRailγ
置 が 決 ま る .
指示棒が外側二つのガイドレールの間でクランクし
ており,ねじりの回転はクランク部を介して,外側二
つのガイドレールの振り角度の差によって与えられ
る.中間のガイドレールのアクチュエータと接続する
駆動軸は,外側のガイドレールを貫通している.指示
棒にねじりの回転を与える際に,外側のガイドレール
と指示棒のクランク部が垂直の姿勢にある時は,回
転できない,あるいは回転方向を制御できないという
特異点を持ってしまう.そのため,外側二つのガイド
レールの振り角度を制限するストッパー構造を導入
し,物理的に特異点を回避する事が可能とした.
4.動作シミュレーション
各式を用い,θα とθβ,θβ+θγを変化させた
際の各角度と点Peの座標の変化を明らかにした.
支持棒の先端は球面を描く.
5.結言
2軸の駆動のみで3自由度を制御できるメカニズムを
提案し,小型で汎用性および自由度の高いエンドエ
フェクタを開発した.今後は市販のロボットアーム
に容易に装着可能な実用化モデルの開発を目指す.