くちきデイリーニュース 〒973-8411 2015 年 7 月 28 日(火) 福島県いわき市小島町2-9-15 株式会社朽木会計事務所 TEL 0246-27-3631 FAX 0246-26-4234 Email 平成 27 年度税制改正 受取配当等の益金不算入制度の見直し 平成 27 年改正・受取配当等の益金不算入 平成 27 年税制改正では、法人税率が引き 下げられる一方で、課税ベースを拡大する 改正項目が盛り込まれています。その中の 一つが「受取配当等の益金不算入」制度の 見直しです。今回の改正では、二重課税排 除という制度の基本的な考え方を踏まえつ つ、次の点が見直されています。 ⑴ 株式等の区分の改正 支配目的の株式等と支配目的の乏しい株 式等(資産運用目的の株式等)との区別が 一層明確化され、株式等の区分が次のよう に見直されました。 (改正後)株式等の区分と益金不算入割合 区分 不算入割合 ①完全子法人株式等 (保有割合 100%) 100% (負債利子控除なし) ②関連法人株式等 (保有割合 1/3 超) 100% (負債利子控除あり) ③その他の株式等 (5%超・1/3 以下) 50% (負債利子控除なし) ④非支配目的株式等 (保有割合 5%以下) 20% (負債利子控除なし) ⑵ 負債利子控除の改正 上記の区分改正に伴い、負債利子控除の 計算が煩雑になることを考慮して、③と④ [email protected] については、負債利子控除の計算は行わな いこととされました(改正後は関連法人株 式等のみ負債利子控除の計算を行うことと なります)。また、負債利子控除割合の計算 における総資産の帳簿価額から減算又は加 算する金額の取扱いについて、 「その他有価 証券に係る評価益等相当額」又は「評価損 等相当額」が除外されました。 ⑶ 株式投信の全額益金算入 公社債投資信託以外の証券投資信託(株 式投信)について、全額益金不算入(改正 前は収益分配金の 1/2)とされました。 適用初年度は「原則法」により計算 また、関連法人株式等に係る負債利子控 除額の簡便法における基準期間が、H27.4.1 から H29.3.31 に開始する事業年度とされ ます。簡便法に経過措置が設けられなかっ たため、適用初年度ではすべての法人が「原 則法」により計算することになります。 なお、この原則計算の場合、 「当期末及び 前期末の総資産の帳簿価額の合計額」、「当 期及び前期の期末関連法人株式等の帳簿加 価額の合計額」が計算で用いられますが、 この「前期末」は改正後の規定で再計算し たものを用いることとなります。 この改正は、H27.4.1 以 後に開始する事業年度か ら適用されます! 補足と解説 平成 27 年度 法人税関係法令の改正の概要 ⑴ 投資法人の金銭の分配の額について、次のとお Ⅱ 受取配当等の益金不算入制度の見直し り見直しが行われました(法 23①) 。 http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph イ 投資法人の金銭の分配の額が、配当等の額に該 /hojin/kaisei_gaiyo2015_5/01.htm 当することが明確化されました。 【引用】改正の内容(一部) ロ 利益の額を超える金銭の分配の額であって、そ 受取配当等の益金不算入制度について、次のとお の利益の額を超える部分の金額が投資法人の計算 り見直しが行われました。 に関する規則に規定する一時差異等調整引当額の 1 益金不算入の対象となる株式等の区分及び益金 増加額と同額であるものは、配当等の額(改正前: 不算入割合の改正 資本の払戻し等の額)に該当することとされました 配当等の額の益金不算入額の計算に当たり法人 (法 23①二、法規8の4) 。 が保有する株式等の区分及び益金不算入割合につ ⑵ 公社債投資信託以外の証券投資信託(特定株式 いて、次表のとおり株式等の区分及び益金不算入割 投資信託を除きます。)の収益の分配の額のうち配 合が改正されました(法 23①⑥⑦) 。 当等の額とされる部分の金額については、本制度の ⑴ 完全子法人株式等(略) 対象から除外され、その収益の分配の額の全額が益 ⑵ 関連法人株式等 金の額に算入されることとなりました(旧法 23① 関連法人株式等とは、内国法人が他の内国法人の 三、旧法令 19) 。 発行済株式等の総数又は総額の3分の1を超える 3 負債利子がある場合の控除計算の見直し 数又は金額の当該他の内国法人の株式等を、その内 内国法人が各事業年度において支払う負債の利子 国法人が当該他の内国法人から受ける配当等の額 がある場合の配当等の額の益金不算入額の計算に の計算期間の初日からその計算期間の末日まで引 ついて、次のとおり見直しが行われました。 き続き有している場合における当該他の内国法人 ⑴ 負債利子がある場合の控除計算の対象となる株 の株式等(完全子法人株式等を除きます。)をいい 式等が、上記1⑵の関連法人株式等に限定されると ます(法 23⑥、法令 22 の3) 。 ともに、その関連法人株式等に係る配当等の額につ ⑶ その他の株式等 いて益金の額に算入しない金額は、関連法人株式等 その他の株式等とは、完全子法人株式等、関連法 につきその事業年度において受ける配当等の額の 人株式等及び非支配目的株式等のいずれにも該当 合計額からその負債の利子の額のうちその関連法 しない株式等をいいます。 人株式等に係る部分の金額として次の算式(原則 ⑷ 非支配目的株式等 法。省略)により計算した金額を控除した金額とさ 非支配目的株式等とは、内国法人が他の内国法人 れました (法 23④、法令 22)。 の発行済株式等の総数又は総額の 100 分の5以下に ⑵ 上記1⑵の関連法人株式等に係る負債利子があ 相当する数又は金額の当該他の内国法人の株式等 る場合の控除計算の簡便法について、適用すること を、その内国法人が当該他の内国法人から受ける配 ができる法人が平成 27 年4月1日に存する内国法 当等の額の支払に係る基準日(配当等の額が資本の 人とされ、基準年度が平成 27 年4月1日から平成 払戻し以外のみなし配当事由によるものである場 29 年3月 31 日までの間に開始した各事業年度とさ 合にはその支払に係る効力発生日の前日)において れました(法令 22④) 。控除すべき負債の利子の額 有する場合における当該他の内国法人の株式等(完 は次の算式(簡便法)により計算した金額となりま 全子法人株式等を除きます。)及び特定株式投資信 す。 託の受益権をいいます(法 23⑦、措法 67 の6、法 令 22 の3の2)。 2 配当等の額の範囲の見直し
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