發表論文摘要

發表論文摘要
待遇表現としての日本語の敬称
―「さん」「ちゃん」「君(くん)」を中心に―
姓名:黒瀨恵美
現職:長榮大學應用日語系助理教授
(這裡是空白一行)
待遇表現とは、円滑なコミュニケーションを推進するため、上下親疎の
人間関係及びその場の状況や雰囲気を認識し、言葉・文章を選択して言語
化することを指す。敬称も円滑なコミュニケーションを推進するために選
択されるべき重要な語となっている。
一般に人物間の社会的関係を表す主な要因としては、社会的な上下関係、
ウチ・ソト、親・疎の 3 つがある。上下関係は自分より上か下かを基準と
し、親疎関係は親しい関係か親しくない関係かといことを基準とする。ウ
チ・ソトの関係とはグループ内の人をウチの人と呼び、グループ外の人を
ソトの人呼ぶ。家族に例えると、家族はウチ、家族外はソトとなる。会社
なら、社内の人はウチ、社外の人は外として考える。
また、日本語の敬称には「様」「殿」「さん」「ちゃん」「君(くん)」「氏」
「女史」
「夫人」など多数あり、社会生活の中でそれぞれ使い分けがされて
いる。まさに上下、親疎、ウチ・ソトの人間関係及びその場の状況や雰囲
気など様々な要素を認識し、選択されているのである。
例えば、話題の人物が話し手とウチの関係にあり、聞き手がソトの関係
にあると判断した場合、自らを話題の人物と同一化し、聞き手に対して話
題の人物に成り代わって尊敬語を使ったり、話題の人物の行為に関しては、
自分のことのように謙譲語を使ったりする。これは同一集団内では話題の
人物が目上に当たる場合でもあてはまる。この典型的な例としては、自分
の会社に訪ねてきた客に対して、
「ただ今、田中(社長)は、外出しておりま
す」と謙譲表現を用いて答える場面が挙げられる。これは、同一組織内の
上下関係よりも、ウチ・ソトの関係の判断が優先し、それに基づいた言語
表現がとられていることを意味する。
そこで本稿では、接尾詞型敬称「さん」「ちゃん」「君(くん)」の三つに
ついて、上下関係、親疎関係、ウチ・ソトの関係、その場の状況や環境を
踏まえ、どのように使い分けされているか、なぜその敬称が使われるのか、
待遇表現の角度から分析し、探究することを試みる。
【關鍵字】敬称、待遇表現、上下関係、親疎関係、ウチ・ソト