ミリ波・サブミリ波帯直列接合型SIS素子の開発 - 先端技術センター

ATC 施設利用・共同開発研究
国立天文台先端技術センター センター長 野 口 卓
成果報告書
殿
下記のとおり施設利用の成果を報告します。
ふりがな:
なかじま たく
代表者氏名: 中島 拓
③所属機関,部局:
名古屋大学, 太陽地球環境研究所
研究課題名:ミリ波・サブミリ波帯直列接合型 SIS 素子の開発
利用期間:H26年 4月
1日 ~ H27年 3月31日
利用者リスト
中島 拓、藤井 由美、加藤 智隼、桑原 利尚、山本 宏昭
研究開発の成果(ATC 施設利用との関連を具体的に記述してください。)
本研究では、名古屋大学の NANTEN2 望遠鏡及び大気微量分子観測装置をはじめ、国立天文台や
大学が運用している電波望遠鏡に搭載されているミリ波・サブミリ波帯(100~345 GHz)超伝導受
信機にも搭載可能な新しい SIS 素子を開発することを目的とし、ATC の SIS 素子開発グループおよ
び ALMA 受信機開発グループとも連携し、ATC の施設を利用して開発を行った。本年度は、1) 100
GHz 帯直列接合素子の設計と製作、2) 200 GHz 帯直列接合素子の設計と試作 の大きく二つの研究
を進めた。ATC の SIS 素子製作用クリーンルームを利用して実際に超伝導素子を製作し、名古屋大
学の実験室で性能評価、そして評価結果を設計にフィードバックするという体制を整えた。100 GHz
帯の素子では、従来の素子の設計を見直して新しいフォトマスクを製作し、3 個/5 個直列の素子の開
発に成功するとともに、この技術をさらに次の設計へとフィードバックさせた。これらの素子は、主
に野辺山宇宙電波観測所の 45 m ミリ波望遠鏡に搭載された受信機(TZ, FOREST)において、今後
実用化される見込みである。200 GHz 帯の素子では、100 GHz の素子をベースにして新しい設計を
行い、現在試作した素子の実験室評価を進めている。今後、名大 NANTEN2, 府大 1.85-m 鏡など
での実用化を目指して、今後も引き続き評価・開発を進める予定である。
施設利用が謝辞等に記された学術論文など(資料を添付してください。)
先端技術センターの利用設備・実験室等の利用した物品を具体的に記入してください。マシンショッ
プへ依頼したリスト・利用した測定器・CAD 等について記入してください。)
・SIS 素子作成設備(クリーンルーム)
、研磨装置、切り出し装置、静特性評価装置、寒剤、サブミリ
波 FTS
先端技術センターの施設への要望等ありましたら、記入してください。
ATC との共同開発研究を実施させて頂いたことにより、SIS 素子設計、製作、評価に関わる基本
的なスキルの獲得・向上はもちろん、
新たなデバイスの開発研究が大きく進展した一年となり、ATC の
関連職員はもちろん、スタッフの皆様に深く感謝したいと思います。