平成27年度 第2回男女共同参画推進委員会 議事録 日時 平成27年9

平成27年度 第2回男女共同参画推進委員会
議事録
日時
平成27年9月29日(火)
開会:午前10時 閉会:午前11時30分
会場
中央公民館 2階
出席
足立、杉山、上野、関根、三浦、岩渕、小島、平野、坂口、各委員
事務局(坂本次長、福田室長補佐、鈴木主事)
資料1
資料
資料2
集会室
蕨市における配偶者間の暴力防止および被害者支援の方向性に
ついて(提言案)
平成27年度男女共同参画事業計画
1.開会
2.あいさつ
足立委員長より
3.会議の公開及び傍聴について
「蕨市市民参画と協働を推進する条例」に基づき定められた「審議会等の会議の公
開に関する要綱」により、この会議の公開を決定し、傍聴に関する取り決めを確認
した。(今回、傍聴者はいなかった)
4.議題
(1)DV防止基本計画(第2次)への提言(案)の検討
【委員からの意見】
(委 員)一時保護の期間はどれくらいか。
(事務局)通常2~3週間だが、4週間くらいまで伸びてしまうのが現状のようだ。
(委 員)一時保護の後はどうなるのか。
(事務局)加害者の影響の及ばない安全で安心できる場所へ移る。就職活動をする人もい
るが、当初は生活保護を受給する人が多い。
(委 員)一時保護期間後の、その方たちの状況について調査は行っているのか。
(事務局)特に調査は行っていないが、担当課が転宅先の市町村の担当課に引継ぎを行っ
ている。
(委 員)一時保護された方は、別の課や別の市で引き続きケアされているとのことだが、
一時保護されなかった方は、その後どうなっているのか。
(事務局)自力で避難する人の方が人数的には多い。転出前に本人から相談があった場合
は、本人の了承を得た上で、引っ越し先の市町村へ相談記録の送付などの引継ぎ
を行っている。
(委 員)啓発や相談などは充実してきているようだが、その後のアフターケアが不足し
ているように思う。
(事務局)支援は引継ぎ先の市町村に任せることになる。逆に、他市町村から蕨市に避難
して来た人の場合、本人が相談を希望しない限り、相談や支援は継続できないと
いう現状がある。
(委 員)被害者の中にはPTSDなどの精神的な疾患になる人もおり、転出先の市町村
で、医療費の補助など何らか支援が継続することがあると思うが。
(事務局)精神的な病気になってしまった人については、働けなくなることが多いので、
生活保護が継続する場合が多い。
(委 員)避難後についても一貫して把握された方が良いと思う。
(委員長)今のご質問は、
「被害者支援の方向性について」という提言のひとつとして、取
り上げていくことができると思う。
(委 員)DVの啓発についてだが、DVは児童虐待や家庭内暴力、デートDVなどがこ
れまでにあって、成人してからDVに発展することが多いと思う。このような根
底にあるものが改善されない限りDVは減っていかないと思うので、そのような
啓発についても提言に入れていただきたい。
(委 員)その意見に大いに賛成する。親の貧困などの経済状況なども子どもに大きく影
響することから、貧困の連鎖が起こるなかで、そのような家庭において暴力が発
生するということも多いのではないか。10年、20年といった長い目での啓発
が必要であると思う。
(事務局)確かに貧困と結びついて暴力的な環境に置かれてしまう方もいるが、DVにつ
いては、経済状況に関係なく起こっている実態がある。DVが貧困家庭に多いと
いったような統計は出ていないことから、貧困とDVを結び付けてしまうと誤解
を招く可能性もある。
(委 員)自分が相談を受けている実体験から、貧困家庭にDVが多いというような認識
でいたが。
(事務局)それを裏付ける統計を見たことがない。
(委員長)暴力の連鎖については、調査結果など出ているのか。
(事務局)調査結果については確認したことがない。ただ、子どもの頃に暴力のある環境
に置かれた場合、問題の解決手段に暴力を用いたり、暴力を容認することを、知
らず知らずに学習してしまうのだということを研修などで聞いている。しかし、
すべてに連鎖が起こるのではなく、良いロールモデルに触れたりDVについて学
習したりすることによって、暴力の連鎖を断ち切ることができるとも聞いている。
(委 員)やはり、大人になる途中の段階での、啓発が重要だということであろう。地域、
社会、職場などで啓発が常に行われていることによって、意識の改革が行われる
ということになる。
(事務局)学習の機会が多いということは確かに重要なことである。
(委 員)起こってしまったDVは、いくら啓発しても改善するというのは難しい。
(委員長)今年、中学校におけるデートDV防止の啓発が始まったということであるが。
(委 員)先日、協働事業として、第一中学校で始めて「デートDV防止講演会」が行わ
れたが、生徒の感想文を読むと、本当に啓発事業が大切だということが分かる。
(委
員)親は虐待という意識はないだろうが、どのように育てていいか分からないとい
う親が、結果を考えずに今の対処だけを考えて、暴力という手段を用いる場合が
ある。そのような親は力に頼った結果がどうなるかを知らない。子育ての孤立化
があると思う。一緒に子育てを考えませんか?というような呼びかけで集まれる
場などがあり、そこで有識者などから、暴力を用いない子育てについてなど話を
聞けると良いのではないか。
(事務局)DVと児童虐待は密接に結びついていることが多いと言われている。DVを受
けた母親が、そのストレスで子どもに暴力を振るうことがあると言われるが、相
談の中からそうではないということも感じている。あるケースでは、夫が子ども
を激しく叱り、子どもの問題行動はすべて母親のせいだと責めるので、夫が怒り
ださないよう先回りして自分が叱っていた。母親による虐待としか見えなかった
だろう。それを今も悔やんでいるという相談もあった。
(委 員)それについても、自分が怒られないことが優先してしまい、その結果、子ども
が将来どうなるかまで考えていない行動だろう。
(委 員)児童虐待とDV相談の窓口は別々なのか。
(事務局)DV相談は配偶者暴力相談支援センターである市民活動推進室が中心、児童虐
待は児童福祉課が担当となっているが、児童虐待の中からDVが発見されるケー
スも多く、結果的に児童福祉課がDV相談を受けていることもある。その他、家
庭児童相談室や教育相談室などもある。
(委 員)児童虐待とDV相談の関連が多いのであれば、相互に情報の共有化を図ること
も大切ではないか。
(委 員)児童虐待の相談ということでは誰も相談に来ないので、子育ての話のできるグ
ループがあると良いと思う。
(事務局)県の事業などでは、DV被害者同士のピアカウンセリングなども行われている。
(委 員)そのような情報の提供など、気軽に相談できる場所の周知を図ることも重要。
(事務局)公民館等で行われている子育てサロンなどでは、子どもの離乳食や夜泣きの相
談はできても、家庭内のこと、ましてや夫婦間の問題などは話せない。以前、家
庭教育学級の1コマとして、
「良い夫婦関係を考えよう」というタイトルのDV防
止講座をワークショップ形式で行ったことがある。
(委員長)まずは、やわらかくオブラートをかけて子育て学級などで啓発し、次の段階と
して、小学生の親などに対しても楽しくグループを作るなどして啓発をし、中学
生などにも啓発をしていく。皆さんの意見をまとめると、このようなことになる
だろうか。
(委 員)初期段階では、行政が主導権を握って啓発をしていくことが大切だが、長く継
続をしていくためには、市民活動としての運動が必要となってくる。DV被害を
乗り越えた当事者グループなど民間の力がなければ継続していかないだろう。そ
ういったNPOなどを行政が支援することが大切。行政が起こした一つの種を育
てていく受け皿がないと続いて行かない。
(委 員)町会の理事会で、前回いただいたDV市民意識調査の結果を紹介した。年配の
男性が多い場では、
「こういったこともDVなのか」など色々な意見があり、DV
というものの理解が進んでいないことも感じた。よく防災や避難所が書かれたも
のを家の中に貼って意識を高めることがあるが、夫婦関係についても、そのよう
に冷蔵庫などに貼っておき、大人や子どもなど誰でも見て理解できるようなもの
があってもいいのではないか。DVの状態が末期になる前の一般家庭で、良い夫
婦関係について知ることができ、未然に防げるということも大切ではないか。
(委 員)いじめ防止や教師の体罰についてのチェックリストがある。加害行為を行う側
には暴力についての意識がないから、チェックリストで、こういうことが暴力に
当たるのかと認識してもらうことが大切。
(事務局)壁や冷蔵庫に貼るものというのは良いアイデアだと思う。加害行為を行う人は、
自分が正しい、自分の行為は間違っていないと思っているので、DVに気付くき
っかけになると思う。また、加害行為を行う側にもアプローチできる手段という
のは今までにない考えなので、とても面白いと思う。
(委員長)DVチェックリストというより、第3日曜日の家庭の日などと合わせた、柔ら
かい啓発が良いと思う。
(委 員)会社の中だと、パワハラというのがある。加害者側は自分の行為がパワハラだ
ということに気づいていないので、チェックシートなどは有効だと思う。
(委員長)DVの啓発について、意見や方法論をたくさんいただいた。次は、被害者支援
の方向性について意見を交わしたい。
(委 員)相談者が、その後どうなったのかまで見届ける支援が大切なのではないか。
(委 員)男性相談について、蕨市では市民相談の中で男性からのDV相談を受けている
ようだが、実際に男性からの相談はあるのか。
(事務局)男性被害者本人からの相談は非常に少ない。ご家族からの相談と合わせると、
ここ5~6年で1、2件くらい。
(委 員)男性が相談した場合に、どのような支援が受けられるのか。
(事務局)DV法では、被害者を女性と限定していないが、実際に保護などの支援は女性
対象のシェルターしかないのが現状。自力で逃げる場合には、女性と同じような
情報提供はできると思う。
(委 員)男性向けの避難の支援などもやっていかなければいけないのではないか。
(事務局)市でシェルターを作るというのは現実的ではない。
(委 員)相談件数のカウントの中に男性からの相談は含まれているのか。
(事務局)含まれている。
(委 員)その相談は、シェルターに入りたいという相談ではなかったのか。
(事務局)シェルターに入りたいとか、身体的暴力や緊急性のあるケースではなかったが、
DV市民意識調査の結果から、男性でも「命の危険を感じたことがある」という
人が数%いたので、身体的暴力や緊急性のあるケースもあると認識している。
(委 員)4月にできた配偶者暴力相談支援センターについてPRが少ない。同じく4月
に生活困窮者向けの支援センターができ、民生委員の会議で紹介があったが、配
偶者暴力相談支援センターについてはなかった。町会の掲示板を利用するなど、
(委
PRに努められたい。民生委員の仕事は、社会資源につなぐという役割がある。
員)DV被害者にも加害者にも精神障害のある方が多いと聞くので、精神科医など
が、このような会議に入ることも必要と考えるが。
(事務局)被害者と加害者の精神障害については違うものと考えている。被害者の中には
DVを受け続けたことにより精神疾患等を発症する人がいるのは事実。一方、加
害者は、精神障害や人格障害等によって加害行為を行う人もいるかもしれないが
そのような統計も出ていないことから、育ってきた家庭の影響が多いと言われて
いる。
(委 員)相談先の周知をさらに図らなければならないと思う。
(事務局)DV市民意識調査の結果では、市役所に相談した人が0件だったので、もっと
相談先の周知をしなければならないと自覚している。
(委 員)前回の推進委員会の後に、facebook に委員会のことを書いたところ、過去に被
害を受けた当事者の人からのコメントがあった。その人は、加害者が、加害行為
の後に謝るなどアメとムチを使い分けたりするので、当事者は自分が悪いんだと
思い込んでしまい相談にいかないと言っていた。
(委 員)暴力の後に、もうしないと言ったり謝る人も多いと聞く。そして、被害者が逃
げられない状況になり、さらに暴力がエスカレートしていく。横浜に被害者も加
害者も対象にカウンセリングを行う団体があるが、加害者のカウンセリングは、
長い期間通って、改善したと思ったのに、また元に戻ることも多いそうだ。しか
し、中には効果がある場合もあるので、こういったところが各地にできることが
必要だろう。
(委 員)DVの問題は根が深く、自分たちが太刀打ちできないと感じた。高校生くらい
からの教育が必要であると思った。
(委 員)少し気になったのが女性相談員について。県の男女共同参画推進センター(With
You さいたま)の相談員は相談者からの逆恨みなどの危険を避けるため、相談者
に名前を明かさないだけでなく、同じ建物の中で働いている者にさえ名前を明か
さない。蕨市の女性相談員は、そのような対応策を取っているのか。
(事務局)県の相談と違い、市の相談は直接的な支援を行うことがあるので、相談者との
信頼関係を築くためにも名前を明かしている。With You さいたまのような独立し
たセンターと違い、市庁舎は男性職員の数も多く市民の目も多いので、かえって
安全なのではないかと思う。加害者対応マニュアルも近々配布する。万が一の時
のためにさす股を用意し、警察への通報対応もしている。実際、加害者が威圧的
に来る場合はほとんどないため、危険性は少ないと思っている。
(委 員)そういったことだけでなく、今の時代はネットなどで色々と調べられてしまう
こともあるので、蕨市の相談員は大丈夫だろうかという心配がある。
(事務局)確かに、相談員を責めるような相談者もたまにいることから、逆恨みされる可
能性もゼロではないと言えるかも知れない。
(委員長)他に意見がないようだったら、今日の意見を基に、事務局と相談しながら提言
案をまとめていきたい。
4.閉会