路上生活者自立支援センター 港寮(定員:男性単身156人) 〔 平成26年度事業報告 〕 1 事 業 総 括 港寮での事業終了後も、引き続き新宿寮を受託するための事業実績向上を目指してきた。そ のひとつとして、施設入所受け入れの促進につとめ、緊急一時保護事業の受け入れが初の30 0超となり、前年度から 15%以上向上した。また就労自活者に対するアフター事業(地域生活 継続支援事業)については、住込就労退所者へのアフター加入促進などを強化した結果、加入 率は 90.3%と飛躍的にアップした。 〔利用実績〕 (緊急一時保護事業及び自立支援事業) 年度 累計 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 305 21 13 3 318 24 246 20 64 19 269 24 333 98 平均 86.1 98 平均 98.6 100 21 0 21 14 25 26 93 93 98 32 2 34 29 26 33 94 94 97 24 1 25 20 28 33 86 86 95 28 0 28 25 26 30 84 84 26 0 26 17 18 23 87 87 28 1 29 22 23 29 87 87 24 0 24 18 21 27 84 84 100 103 101 (緊急一時宿泊事業) 年間入所者数 76 名(昨年度 160 名) 104 23 1 24 22 24 30 78 78 98 25 1 26 14 19 24 80 80 94 28 2 30 21 22 30 80 80 75 25 2 27 24 18 24 83 83 78 緊急 入 所 自立 入所計 緊急→自立へ 退 所 緊急 自立 退所計 月末在籍者数 25 年度 期間満了 任意 無断 規則違反 チャレンジ 介護 帰郷等 その他 合計 2 2 3 3 福祉事務所 対応 21 21 18 18 生活保護 (その他) 4 4 2 2 生活保護 (半福祉) 26 自立 103 103 100 100 生活保護 (入院除) 26 緊急 疾病治療 (入院等) 就労自立 〔退所理由〕 (緊急一時保護事業及び自立支援事業) 14 14 20 20 13 13 9 9 5 5 0 0 12 36 48 5 59 64 11 73 84 7 41 48 4 20 24 3 12 15 0 2 2 0 9 9 2 2 4 0 3 3 5 4 9 3 7 10 64 269 333 38 264 302 26 合計 25 緊急 25 自立 25 合計 (緊急一時宿泊事業) 年間退所者数 95 名(昨年度 168 名) 2 主 要 目 標 に 対 す る 成 果 (1)事業利用の促進 入所時アセスメント等を効率的に進めるなど積極的な入所促進を図った結果、緊急一時保護事 業の年間入所数は港寮としては初の300名超となり、受け入れ目標を達成した。 (2)利用者支援の向上 就労自活率及び自活者数は前年度を上回る実績となった。一方で任意・無断・規則違反等の利 用者が急増するなどの課題に対して、SSTの導入準備など若年者支援の向上に着手した。 (3)支援者としての人材の育成 新人職員及び路上施設未経験職員を対象に、港寮版新規職員オリエンテーションを開催し、路 上生活者対策事業の職員育成に努めた。 (4)地域及び関係機関との連携 さまざまな地域の諸行事に町会役員等から声をかけられ、積極的な参加を心がけた。地域住民 とあいさつする姿が多く見られるなど施設が地域に根差してきていることを実感できた。 3 運 営 管 理 ・入所者全員(年間305名)全員に対し入所オリエンテーションを実施し、「生活のしおり」に 基づき自立支援プログラムや遵守事項等の施設ルールについてきめ細かに説明した。 ・利用者は緊急一時保護事業を通じて施設に入所し、全員を対象とした「基礎アセスメント」に基 づいた自立支援事業(就労支援)の移行可否を行い、福祉事務所に提供した。 ・行政機関(東京都)よりデング熱発生に伴う代々木公園封鎖によるホームレス1名(外国人)を 受け入れ要請があり、静養室(個室)にて他の入所者への配慮をしながら対応をおこなった。 ・意見箱に寄せられた匿名の意見等(居室内のマナーに関する要望等)については、利用者懇談会 での全体周知や掲示板でのお知らせを通じて周知を図った。 ・職員会議は全12回(他臨時 1 回)を実施した。勤務シフト上は原則全員出勤体制とし、一人で も多くの職員が参加できるようにした。また夜間相談員についても、年2回(10月及び3月) に所長・主査による説明会を開催した。 ・毎月の定期防災訓練に加えて、大規模震災訓練を年2回実施した(法人一斉防災訓練及び、特別 区人事・厚生事務組合指示による消防署職員立会いによる防災訓練)。 4 利用者支援の向上 ・理髪の頻度を従来の2か月に1回から月1回の頻度を増やし、求職活用、就労活動において清潔 感を保つ機会を提供した。 ・就労等で夜間に帰寮する利用者全員に対して、対面対応による挨拶や声かけ、状況確認を行った。 ・路上第一ブロックの独自事業として精神科医師による「こころの健康相談」を月2回開催し、精 神疾患を抱える利用者の医療機関への誘導や、稼働能力に関する判断を受けた。 ・感染症の疑いのある利用者や、いびきで安眠できない利用者に関しては、静養室(2室)を有効 活用し就労に支障が出ないよう配慮した。 5 地域等との連携 ・第一ブロック事業推進協議会を年2回開催し、平成27年度より実施される生活困窮者自立支援 法に備えて各区調整を行った。 ・実習生の受け入れについては、前回(1名×12日間)の実習プログラムを拡大させ、2名× 24日間の受け入れを実施した。 6 福祉サービス第三者評価 評価結果 評価機関:日本介護情報機構株式会社 実施期間:H26.9.9~H27.1.16 全体の講評: 特に良いと思う点 ① 路上生活者対策事業の困難課題に挑みながら機能的な支 援に取り組んでいます ② 職員は利用者を支援するために業務を分担し、円滑に就業 できるよう取り組んでいます ③ 嘱託医や看護師の健康相談の他、近隣の精神科医と連携し 心身の健康維持を提供しています さらなる改善が望まれる点 ④ 路上生活者事業の多様性の伴う専門性を養う職員育成が 急がれています ⑤ 機能的な支援を行うためチーム支援の連携強化が求めら れています ⑥ 利用者が多様な経験をして地域を交流できる機会の検討 が期待されます 施設コメント: 新宿寮への受託を控え、路上施設 としては独自となる3年ぶりの第 三者評価受審となった(更生施設を ベースとして独自調整) 。利用者ア ンケートでの総合満足度は「大変満 足」が 38.5%、 「満足」が 26.9%と 65%超の利用者から「満足してい る」との回答を得ることができた。 改善が望まれる点⑤のチーム職員 間での更なる連携強化や⑥の利用 者の地域行事等の参加は新宿寮に 向けての今後の課題である。
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