Adobe Acrobat DC で作業やコンテンツがより安全に

Adobe Acrobat DC セキュリティの概要
Adobe Acrobat DC で作業やコンテンツがより安全に
最高品質の PDF ソリューションを使いこなしてドキュメントの作成、編集、
管理をしましょう
目次
1: 文書の保護
2: アプリケーションセキュリティ
5: Cloudセキュリティ
6: オペレーティングシステムのアーキテ
クチャとの緊密な連携
6: デプロイメントと管理の簡易化によ
る総所有コストの低減
7: まとめ
Adobe Acrobat DC を利用することで、オフィスでも外出先でも、大切なビジネス文書を扱う作業の
方法が一変します。バージョン XI の後継の Acrobat DC は、新しいコンセプトに生まれ変わった最高
品質のデスクトップ版 PDF ソリューションです。新しい Acrobat には、PDF の作成、編集、署名およ
び管理にさらなる能力を追加するだけでなく、最終的に業務の迅速化を実現するスマートなツールが
揃っています。
ビジネス情報をサードパーティ製アプリケーションに委ねる場合、セキュリティはきわめて重要です。
ドキュメント、アプリケーションからクラウドセキュリティまで、Acrobat DC に関連したセキュリティ
に対するアドビの全体的な取り組みと、情報やエクスペリエンスをさらに保護するのに役立つこの最
新バージョンでの機能強化について説明します。
文書の保護
Acrobat DC ソフトウェアを使用して PDF ドキュメントを作成し、セキュリティ対策(暗号化、アクセスコントロール、証明
書署名、削除ツールを使ったテキストや画像の完全な削除など)のコントロールを適用できます。Acrobat DC を使用してセ
キュリティパラメーターを電子文書に組み込めるため、私文書や機密文書を簡単に保護できます。
暗号化
Acrobat DC でサポートされているセキュリティ規格
• 256-bit の Advanced Encryption Standard(AES)
• 欧州電気通信標準化機構(ETSI)がサポートする標準
アクセスコントロール
パスワードやアクセス権を簡単に適用し、PDF へのアクセスの制御、改変の防止、文書の印刷、コピー、または変更の制限
を行うことで、安心して文書を共有できます。
証明書による署名
Acrobat DC では、証明書ベースの ID を確立したユーザーは証明書の署名を使用して文書に署名できるため、セキュアな署
名と文書の真正性を保証できます。証明書ベースの署名により、本人確認を行えます。手書きの署名とは異なり、証明書ベー
スの署名は署名者に固有で、よりセキュアで、偽造が困難です。
証明書ベースの署名では、文書自体を認証することもできます。文書が検証され、最初に署名した後に文書が変更されたか
どうかを受信者に簡単に通知できます。また、
証明書の署名は、
PDF e-sign 標準(PDF Advanced Electronic Signature(PAdES)
Parts 2、3 および 4、AES256/RSA4096/SHA512 を使った暗号化および PKI の DoD JITC 使用など)に準拠します。
Acrobat DC で証明書の署名を使用すると、他の PDF ソリューションに比べ、より高いレベルの保証をビジネス
取引の関係者に提供できます。
• 完全性 — 文書が改ざんされていないことを保証
• 真正性 — 文書が送り主からのものであることを検証
• 否認防止性 — 文書に署名した個人は署名を拒否できない
完全な墨消し
Acrobat DC には、機密情報の保護に役立つ墨消しツールセットが用意されています。配布前に文書内のテキストとグ
ラフィック画像の両方を完全に削除できます。パターン(電話番号、
クレジットカード番号、
電子メールアドレスなど)
に基づいて、検索や墨消しを行うこともできます。選択した情報は、他のツールや方法を使用したときのように単に
マスクされるのではなく、ファイルから完全に情報が 削除されます。
文書の非表示情報の削除機能では、非表示情報や、PDF 内のメタデータなどのグラフィック以外のオブジェクトを削
除します。
アプリケーションセキュリティ
Adobe Acrobat DC はセキュリティを考慮して設計されており、近ごろ急増中の APT(Advanced Persistent Threats)
攻撃によって組織の知的財産が電子的に盗み出されないよう最高レベルのセキュリティを確保します。
Acrobat DC に 搭 載 さ れ て い る セ
キュリティ強化機能は、PDF 形式を
セキュアエンジニアリング
利用してシステムにマルウェアをイ
製品セキュリティはアドビにとって常に重要であり、情報の保護や攻撃に対する耐性を高めるソフトウェアの能力を
ンストールする、またはシステムか
強化するために、近年、追加の投資をおこなってきました。アドビの最高セキュリティ責任者(CSO)はすべてのセキュ
ら機密データを抽出する攻撃に対応
しています。
リティに対する取り組みと、Adobe Secure Product Lifecycle(SPLC)の実装を統括しています。
CSO はまた、Adobe Secure Software Engineering Team(ASSET)も管理します。ASSET は、セキュリティの専門家
が集まった専任のチームです。主要アドビ製品のセキュリティと運用を担うチームのコンサルタントとしての役割を
担っています。ASSET の研究者は、各アドビ製品のセキュリティおよび運用を担当するチームと協力して、製品やサー
ビスに適切なレベルのセキュリティを実装し、さらに開発、デプロイメント、運用、インシデントに対応できる明確
なプロセスのセキュリティプラクティスについて、それらのチームにアドバイスします。
Microsoft Active Protections Program(MAPP)とのパートナーシップは、デスクトップソフトウェアのアドビインシ
デントレスポンスプロセスを補完します。MAPP は、ウイルス対策システム、侵入検知システム、侵入防止システム
などのセキュリティソフトウェアを提供しているプロバイダーと、製品の脆弱性に関する情報を積極的に共有するこ
とで、悪意のあるコードの作成者が脆弱性を利用するリスクを低減できます。
Acrobat Reader DC の保護モード
悪意のあるコードには、PDF 形式を使用してコンピューターのファイルシステムに対し書き込みまたは読み取りを試
みるものがあります。このようなコードからユーザーおよび組織を保護するために、アドビでは Adobe Reader X 以
降の製品に保護モードと呼ばれる最先端のサンドボックス技術を実装しています。
Acrobat Reader DC の保護モードは、攻撃者がユーザーのシステムにマルウェアをインストールできないようブロッ
クするだけではありません。さらに保護レベルが強化され、悪意のある個人がユーザーのコンピューターまたは企業
ネットワーク上の機密データおよび知的財産にアクセスしたり、これらを抽出できないようになっています。
Acrobat Reader DC の起動時、保護モードはデフォルトで常に有効になっています。このモードでは、プログラムに
付与されるアクセスレベルを制限することで、コンピューターのファイルシステムに対する書き込みまたは読み取り、
ファイルの削除、システム情報の改ざんなどを試みる悪意のある PDF から、Windows を実行中のシステムを保護し
ます。
またアドビでは、製品ライフサイクルの複数の段階にセキュリティ機能を組み込む、Adobe Secure Product Lifecycle
(SPLC)プロセスに取り組んでおり、その一環として、既存コードの定期的な再評価と必要に応じた強化を行っています。
これにより、アドビ製品使用時のアプリケーションセキュリティがさらに強化され、データの安全性も向上します。
Acrobat DC の保護されたビュー
保護されたビューとは、Acrobat Reader DC の保護モードと同じくサンドボックス技術の実装の一種で、Acrobat DC の
豊富な機能に対応しています。Acrobat DC では、保護されたビューの機能が拡張されており、PDF を利用してコンピュー
ターのファイルシステムで悪意のあるコードを実行する書き込みベースの攻撃だけでなく、PDF を通じて機密データや
知的財産を盗み出す読み取りベースの攻撃もブロックできます。
保護されたビューでも、保護モードと同じく、信頼されないプログラム(例えば、あらゆる PDF とそこから起動され
るプロセス)を、機能制限されたサンドボックスの中に隔離して実行します。この仕組みが、PDF 形式を利用した悪
意あるコードによってコンピューターのファイルシステムへの書き込みまたは読み取りが実行されるのを防ぎます。
サンドボックスとは
保護されたビューは、悪意あるコードがどの PDF にも含まれる潜在的な可能性があることを前提に機能するので、ユー
サンドボックスとは、セキュリティ
ザーが具体的な個別のファイルを信頼できると判断した場合以外はサンドボックス内で処理を実行します。保護された
専門家の間で高く評価されている手
法の 1 つで、隔離した環境の中で権
ビューは、ユーザーが PDF を単体の Acrobat DC アプリケーション上で開く場合と、ブラウザー上で開く場合の両方を
限またはセキュリティ特権を低下さ
サポートしています。
せた状態でプログラムを実行するこ
悪意を含んでいる可能性があるファイルを保護されたビューで開くと、Acrobat DC の表示ウィンドウの上部に黄色の
とを指します。サンドボックスを使
用すると、実行可能コードを含む信
メッセージバー(YMB)が表示されます。このバーは、それが信頼できないファイルであることと、現在は保護され
頼されないドキュメントによる損害
たビューで動作しているので Acrobat DC の機能の多くが無効化され、ファイルに対する操作が制限されることを示
から、ユーザーのシステムを保護す
しています。簡単にいえば、ファイルは「読み取り専用」モードで表示され、悪意ある埋め込みコンテンツや付随す
ることができます。Acrobat Reader
るコンテンツがシステムに手を加えることはできないようになります。ファイルを信頼して Acrobat DC の機能をす
DC の場合、
すべての PDF ファイルと、
PDF ファイルによって起動されるす
べて有効にするには、YMB 上の「すべての機能を有効にする」ボタンをクリックします。このボタンをクリックする
べてのプロセスが、信頼されないコ
と、保護されたビューが終了し、Acrobat でセキュリティ特権付きとして扱われる場所のリストにそのファイルが追
ンテンツに該当します。Reader DC
加されます。ファイルに永続的な信頼が設定され、以降、その信頼された PDF ファイルを開くときには、保護された
では、すべての PDF ファイルを潜在
ビューによる制限が適用されません。
的に有害であると見なし、PDF ファ
イルの処理をすべてサンドボックス
内で実行します。
ユーザー主導
OS
呼び出し
Readerの仲介
プロセス
API
IPC
信頼できるファイル
かどうかの境界線
指定オブジェクト
PDF主導
読み取り
読み取り/書き込み
(制限)
サンドボックスプロセス
ファイルシステム
レジストリ
JavaScript の実行
Acrobat DC では、Windows 環境でも、Mac OS X 環境でも、JavaScript のホワイトリストおよびブラックリスト指定
をきめ細かく制御できます。
ホワイトリストフレームワーク
セキュリティ特権の場所を使用して
ファイルをホワイトリスト指定するこ
ホワイトリストフレームワーク
Acrobat Reader DC では、Adobe JavaScript ホワイトリストフレームワークを使用して、特定の PDF、サイト、ホスト、
信頼済みの証明書で署名されたドキュメントの JavaScript を選択して有効化できます。この機能は、Windows と Mac
とで、信頼されるワークフローでの
OS X の両方の環境に対応しています。Acrobat Reader DC の新機能である「セキュリティ特権の場所」でも、Win OS
JavaScript の実行を選択的に有効に
セキュリティゾーンや証明済み文書に基づいて、または特定のファイル、フォルダー、ホストを追加することで信頼
できます。
を付与できるため、信頼できるワークフローで JavaScript を有効にできます。
セキュリティ特権の場所を有効にす
ると、Win OS セキュリティゾーン
や証明済み文書に基づいて、または
特定のファイル、フォルダー、ホス
ブラックリストフレームワーク
Adobe JavaScript ブラックリストフレームワークは、ビジネスワークフローの中で JavaScript を使用できるようにし
トを追加することで、信頼を付与で
つつ、特定の JavaScript API 呼び出しを狙った攻撃からユーザーとシステムを保護する仕組みです。特定の JavaScript
きます。
API 呼び出しをブラックリストに追加すれば、その呼び出しの実行はブロックされます。JavaScript を完全に無効にす
る必要はありません。特定の JavaScript API 呼び出しをブロックする設定を個々のユーザーが上書きできないように
して、組織全体を悪意のあるコードから保護することもできます。ブラックリストは、Windows 環境では Windows
レジストリを使用して管理され、Mac OS X 環境では Mac OS X Feature Lockdown ファイルに保存されます。
クロスドメイン構成
Acrobat DC では、Windows クライアントでも Mac OS X クライアントでも、無制限のクロスドメインアクセスは初期
設定で無効になっています。これは、攻撃者が PDF を利用して他のドメインのリソースにアクセスすることを防止す
るためです。
Acrobat DC および Acrobat Reader DC には、サーバーベースのクロスドメインポリシーファイルをサポートする機能
が組み込まれており、ドメインをまたいだデータ処理が必要な場合はポリシーファイルによって許可できます。クロ
スドメインポリシーファイルは、リモートドメインに置かれる XML ドキュメントです。これを使用すると、ソース
ドメインにアクセスし、Acrobat DC または Acrobat Reader DC のトランザクションを続行することが可能になります。
アドビのクロスドメインサポートは次のような場合に有効にします。
• 特定のドメイン間でクロスドメインアクセスを行うことや、デジタル証明書に基づく認証などの機能を利用するこ
とが必要な場合
• クロスドメインのアクセス許可をサーバー上ベースの単一の場所で一元管理する必要がある場合
• フォームデータの返信を求める複数のドメインからのデータリクエスト、SOAP リクエスト、ストリーミングメディ
アの参照、Net HTTP リクエストなどのワークフローを実装する場合
あるドメインからユー
ザーがファイルを開き、
そのファイルが他のド
メインからデータを読
み込もうとする。
参照
アップロード
ポリシーのアク
セス許可
クライアントは、クロス
ドメインポリシーファイ
ルのアクセス許可に基づ
いて接続を許可すること
で、a.comとb.com間の
接続を制御する。
a.com
SWF、PDFなど
データの
読み取り
b.com/crossdomain.xml
フォームデータ、コンテンツなど
わかりやすいセキュリティ警告
Acrobat DC では、YMB でセキュリティ警告をわかりやすく表示します。従来のダイアログボックスと異なり、この
YMB はページのコンテンツを遮ることがないため、警告をすばやく確認して対応できます。
Acrobat DC および Reader DC では、YMB は、警告またはエラーメッセージとともにドキュメントの上部に表示され
ます。ユーザーは、このドキュメントを 1 回だけ信頼するか、常に信頼するかを選択できます。常に信頼することを
選択した場合、ドキュメントは、セキュリティ特権扱いのドキュメントとしてリストに追加されます。
拡張セキュリティが有効になっており、PDF がセキュリティ特権の場所または信頼済みの場所として設定されていな
い場合、このファイルが次のような操作を実行しようとすると、潜在的な危険性があるため YMB が表示されます。
• クロスドメインアクセスの開始
• データのインジェクション
• セキュリティ特権が設定された JavaScript の実行
• スクリプトのインジェクション
• JavaScript によって呼び出された URL の呼び出し
• 従来形式の埋め込みマルチメディアの再生
• ブラックリストに含まれる JavaScript API の呼び出し
ユーザーは、このドキュメントを 1 回だけ信頼するか、常に信頼するかを「オプション」ボタンで選択できます。信
頼済みの企業ワークフローで YMB が表示されないように、ファイル、フォルダー、ホストの信頼について企業全体
で事前に設定することもできます。
Cloud セキュリティ
Acrobat DC 製品は、デスクトップ版のみ(Acrobat XI)から、Adobe Document Cloud で利用可能なオプションの
オンラインサービス(署名用に送信、送信とトラック、PDF サービスなど)付きのデスクトップへの移行をマークし
ます。アドビはクラウドベースのセキュリティソリューションの実績を持つ、SaaS のグローバルリーダーです。
Document Cloud は、Creative Cloud、Marketing Cloud に次ぐ、アドビの 3 番目に大きな Cloud 製品です。
アドビは、顧客データの機密性、完全性、可用性が顧客の業績に重要であることを認識しています。アドビはこの重要
な情報の保護に向けた厳格なアプローチを採用し、セキュリティの増大する需要や課題に対応するために、アプリケー
ション、システムおよびプロセスの監視や改善に継続的に取り組んでいます。Acrobat DC で利用できるオプションサー
ビスに関して、クラウドセキュリティの簡単な概要を以下に示します。クラウドセキュリティに対するアドビのアプロー
チについて詳しくは、Adobe Document Cloud のセキュリティ概要を参照してください。
データセンターのセキュリティ
アドビは Document Cloud のすべての顧客データを地理的に分散したデータセンターに保存します。これらの各デー
タセンターは、最先端の物理統制と環境統制を備えています。
Document Cloud をホストするすべてのデータセンターは、次のセキュリティ証明書に準拠しています。
• 決済カード業界の情報セキュリティ基準(PCI DSS)レベル 1(加盟店/サービスプロバイダー)
• Health Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA)
• 米国と EU 間のセーフハーバーフレームワーク
• ISO 27001
• SOC 2 Type 2(信用提供の原則:セキュリティと可用性)
正規アクセス
Acrobat DC には、正規ユーザーがデスクトップアプリケーションと Web アプリケーションにアクセスできるサービ
ス一式が含まれています。総じて、それらのサービスとアプリケーションは、ユーザーのシステムから以下の複数の
エンドポイントを経由してアクセスされます。
ユーザーのエンドポイントとは関係なく、Document Cloud のアクセスはすべて Adobe.com で一般提供されている
サービスによって制御されます。検証されたユーザーは、
自分のエンドポイントによって許可されればどんなアクショ
ンでも実行できます。利用できるツールとサービスについて詳しくは、アドビの Web サイトをご覧ください。
データの保護
Adobe Document Cloud サービスでは、保存中のデータに AES 256 ビット暗号化が、伝送中のデータの保護に HTTPS
TLS v1.0 以降が使用されます。アドビが顧客データにアクセスするのは、
特定のビジネスやサポートが機能している間、
または法律によって求められた場合のみです。
オペレーティングシステムのアーキテクチャとの緊密な連携
常時作動のセキュリティ
Acrobat DC では、デスクトップシステムの制御やメモリの破壊を試みる攻撃に対して追加の防御レイヤーを装備する
ために、Windows および Mac OS X オペレーティングシステムに組み込まれている常時作動のセキュリティ保護機能
を活用します。
データ実行防止(DEP)は、Windows オペレーティングシステムで「保護」扱いとされているメモリ領域にデータや
危険なコードが配置されるのを防ぐ機能です。Apple の Mac OS X Lion にも、
スタックおよびヒープベースの DEP など、
同様のファイル保護機能が備わっています。この保護は 32-bit および 64-bit アプリケーションにまで拡張されている
ため、すべてのアプリケーションで攻撃への耐性が強化されます。
Address Space Layout Randomization(ASLR)は、システムコンポーネントのメモリロケーションやページファイル
ロケーションを、攻撃者に発見されにくくする機能です。ASLR は Windows と Mac OS X Lion の両方に採用されてい
ます。Mac OS X Lion では、ASLR が 32-bit および 64-bit アプリケーションにまで拡張されています。
レジストリレベルの構成と plist 構成
Acrobat DC には、レジストリレベルの設定(Windows)や plist 設定(Mac OS)などのセキュリティ設定を管理する
ための、様々なツールが用意されています。これらの設定を使用すれば、デプロイメントの前後に次のようなクライ
アントの設定を行うことができます。
• 拡張セキュリティを有効または無効に切り替える
• セキュリティ特権扱いの場所を有効または無効に切り替える
• 事前定義されたセキュリティ特権扱いの場所を指定する
• 特定の機能をロックしてアプリケーション UI を無効化し、エンドユーザーによる設定変更ができないようにする
• その他の多種多様なセキュリティ関連機能について、有効と無効の切り替えや設定操作を行う
デプロイメントと管理の簡易化による総所有コストの低減
ソフトウェアセキュリティの堅牢化
保護されたビューのようなセキュリティ機能強化は、脅威に対して Acrobat の堅牢性を高めるためにアドビが行って
いる様々な取り組みのほんの一例に過ぎません。ソフトウェアが攻撃に強くなれば、
システムの運用停止を伴うセキュ
リティ更新の必要性を低減または排除することができ、定期的な更新についても緊急度を下げることができます。そ
うした対策全般が運用の柔軟性向上と TCO の低減につながり、特に、セキュリティ保証の要件が厳しい大規模な運用
環境では非常に大きな効果があります。
Citrix のサポートとアプリケーション仮想化
Windows Server 2008 にインストールされた Citrix XenApp 6.0 および 6.5 ならびに Windows Terminal Server が新た
にサポートされたことにより、Acrobat DC を仮想環境にデプロイできるようになりました。また、Acrobat DC は、
Microsoft Application Virtualization(App-V)と User Experience Virtualization(UE-V)でも使用できます。
Windows Server グループポリシーオブジェクトと Microsoft Active Directory のサポート
Windows Server グループポリシーオブジェクト(GPO)と Microsoft Active Directory により、コンピューターシステ
ムの 1 対 N の管理が可能です。
Acrobat DC では、
グループポリシー用の Microsoft Active Directory Administrative
(ADM)
テンプレートが新たにサポートされており、オンデマンドでソフトウェアをインストールしたり、アプリケーション
を自動修復できます。デプロイメント後にさらにアプリケーションの設定が必要な場合は、ADM テンプレートを使用
して必要な設定を組織全体に適用できます。
Microsoft SCCM および SCUP のサポート
Acrobat DC では、Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)によって、更新プログラムの読み込みお
よび発行を効率的に行うことができます。これにより、管理対象の Windows デスクトップにセキュリティパッチお
よび更新プログラムを適用し、常に最新の状態に保つことができます。
Microsoft System Center Updates Publisher(SCUP)カタログがサポートされたことにより、ソフトウェアの最初のデ
プロイメントが効率化されるうえ、組織内の Acrobat DC の更新も自動化できます。SCUP により、アドビが発行した
更新プログラムは即座に自動的に読み込まれるため、展開した Acrobat DC が効率的に更新されます。SCCM および
SCUP との統合機能を活用すれば、組織全体に対して簡単、迅速にパッチを適用できるので、アドビソフトウェアの
TCO 低減効果を期待できます。
Apple Package Installer および Apple Remote Desktop のサポート
Acrobat DC では、従来の Adobe Installer に代わり、Mac OS X が提供する標準の Apple Package Installer が実装され
ました。これにより、Acrobat を企業の Macintosh デスクトップに簡単にデプロイできます。ソフトウェアの初期デ
プロイメントからその後のアップグレードおよびパッチ適用まで、Apple Remote Desktop 管理ソフトウェアを使用
して一元的に管理できます。
定期的に発行される累積ソフトウェア更新およびパッチ
ソフトウェアが最新の状態に維持されるよう、アドビでは、機能のアップグレードやセキュリティの修正を含む更新
プログラムを定期的に配信しています。また、ゼロデイ攻撃に早急に対応するために、必要に応じてパッチも提供し
ています。システムを最新の状態に保つための手間とコストを抑えられるように、提供するパッチにはできるだけ累
積的な内容を含めています。また、これらのセキュリティパッチは、既存のインストールシステムやワークフローと
の互換性を確保するために、リリース前にアドビが積極的にテストを実施しています。
各アップデートの実施予定日は、Adobe PSIRT のブログ(blogs.adobe.com/psirt )で前もって発表されます。
ア ド ビ 製 品 の 最 新 の セ キ ュ リ テ ィ 速 報 に つ い て は、www.adobe.com/jp/support/security を ご 覧 く だ さ い。 ア ド
ビ製品とセキュリティ機能について詳しくは、アドビセキュリティライブラリ(www.adobe.com/go/learn_acr_
appsecurity_jp )をご覧ください。
Adobe Customization Wizard および Enterprise Toolkit
アドビでは、企業における大規模運用をいっそう的確に管理するために役立つ次のツールを提供しています。
• Adobe Customization Wizard — 無料でダウンロードできるユーティリティです。Acrobat のインストーラーをカ
スタマイズして、デプロイメント前にアプリケーションの機能を構成できます。
• Acrobat および Windows 向け Adobe Enterprise Toolkit(ETK)— カスタマイズ可能な自動更新型のアプリケー
ションで、アドビの環境設定リファレンスが収録されています。また、大企業の IT 管理者に役立つ様々なリソース
が付属し、その内容は随時拡充されています。
まとめ
Acrobat DC では、PDF およびデータのセキュリティが飛躍的に向上しています。アプリケーションセキュリティの拡
張、企業の機密データや知的財産の保護、コンピューターシステムへの危険なマルウェアのインストール防止、他ツー
ルとの連携による企業規模のデプロイメントの合理化など、Acrobat DC には、従来の Acrobat よりも低い TCO でレ
ベルの高いセキュリティを実現する様々な機能が備わっています。
詳細情報
ソリューションの詳細:www.adobe.com/jp/security
アドビ システムズ 株式会社
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