7月号増刊号 県立藤沢養護学校 平成 27 年 7月 17 日 いよいよ待ちに待った夏休みですね。7月号増刊号では、進路専任より進路先見学のポイント」について、地域連携 からは近隣との交流について記事を寄せていただきました。長い夏休みを、元気に思いっきり楽しんでお過ごしくださ い。 進路に向けた見学のポイント 進路支援担当 上倉礼子 今年の夏休みは何をして過ごそうか. . .楽しみな予定がある方もいるかもしれません。また、長い夏休みを生かして 取り組めることもあります。是非この機会に、卒業後の進路先をイメージした見学をしてみてください。実際に事業所 の様子を見たり、話を聞いたりして確かめて、お子さんにあった事業所選びを行うことが大切です。そこで見学の際に 見ていただきたいポイントをお知らせします。 <活動の様子> 事業所によってさまざまな内容の活動を行っています。例えば「どんな活動内容(作業、余暇)なのか」 、 「どんなや り方で行っているのか」 、 「どんなペース、スケジュールでやっているのか」 、 「どんな支援を受けることができるか」を 見て、 「お子さんに合った活動内容なのか」 、 「支援の仕方はどうなのか」など考えてみてください。 <事業所内の環境や雰囲気> 「賑やかなところ」 、 「静かなところ」 、 「忙しいところ」 、 「ゆったりペースのところ」など事業所によって環境がそれ ぞれに違います。実際にお子さんがそこで活動するのに適した環境かを見てください。 高等部の方はぜひ親子で見学に行ってください。 「お子さんがどう感じたか」 、 「やってみたい、通ってみたいと思っ たのか」という点も進路先を選ぶポイントになります。小中学部の方は、まずは保護者だけで構いませんので、今のう ちからいろいろな施設に見学をしてみてください。将来の進路を考えるきっかけになるような有意義な夏休みになると よいですね。 *進路ハンドブックブックの事業所一覧を参考にしてください。 (ただし☆印の福祉作業所と特例子会社は、個人での見 学はできません) ☀リレーコラム☀ 学校ビオトープ作り(自然、生態系の復元作り) 高等部 2 年 福井 譲二 私は、小さい頃から自然に触れることや見ることが大好きです。しかし、開発によって、宅地や学校、商業施設に変わ ってしまってがっかりすることも多くあります。なんとか身近な所で自然を再生できないかと今までいろいろ試みてき ました。以前、勤めた保土ヶ谷養護では、敷地の湧水を利用して、自分で育てたゲンジボタルの幼虫を生徒と 3 年間放流し 続けたことによって、今では毎年、ホタルが舞っています。またその水源を保護するために、栗やナラ、ビワなど植え て、収穫を楽しむだけでなく、実を食べにタヌキや野鳥も来るようになりました。また、三ツ境養護では、創立 30 周 年イベントとして、30 年前の横浜の自然を復元しようということになり、中庭 100 坪ほどの敷地に、流れる池と車い すが通れるウッドデッキを生徒達と作りました。池は、「トンボ・ホタル池」と命名し、ヨコハマメダカ、ホタルの幼虫を 放流しました。完成後は、水鳥やトンボがたくさん飛来するようになりました。さて、この学校ではというと、学校の 隅やクヌギの木の下に、倒木や枯葉を集め、カミキリ、クワガタ、カブトムシの繁殖を密かにやっています。クワガタ も増え、カブトムシも 300 匹以上羽化しました。また、学校農園では、雑草を一部残してカマキリを繁殖させることに よって害虫を食べてもらっています。ちょっと工夫すると、自然は少しずつ回復、再生する能力を持っています。是非、 身近な所でビオトープを始めてみてはいかがですか? 『祭りのあと 〜地域とつながる〜』 支援連携グループ 吉田 拓人 私は藤沢養護学校に勤めて 5 年目、進路の仕事を始めて 2 年目になります。進路の仕事では学校にいることはほとんど なく、外に出て行って子ども達の学びの場を探してくることが中心になっています。 きっかけは、高等部生徒の実習先を探しに地域を開拓に回った時のことです。地域の方々と話をしていく中で、皆さ んに学校のことを知ってもらうためには、 「お祭りに出て広報活動をするのがよいのではないか」 、というご提案を受け ました。地域としても学校から参加してもらえると、 「在籍する子ども達が遊びに来てくれるので、お祭りが盛り上がる のではないか」とのことでした。そのような話の流れから、昨年度よりいくつかのお祭りに参加させていただくことに なりました。 先日は、 六会日大前駅自治会主催の文化祭に参加してきました。 藤養芸能集団によるバンド演奏です。内容は、年配の方達に向け ての洋楽懐メロで観客の心をがっちり掴んだ後に、子ども向けに アニメの曲で会場を盛り上げるという構成でした。きっちりお客 さんのニーズを把握した上で、楽曲の組み立てをしていくあたり はさすが、特別支援学校の教員といったところです。そして、教 員をやっているのが不思議なくらい、音楽に芸能にと達者な先生 方が多いのも、 本校のウリだったりします。 それにしても皆さん、 いつの間に練習していたのでしょうか・・・。 祭りのあと、文化祭実行委員の方から、 「今回の文化祭の中 で一番盛り上がった」とのお褒めの言葉をいただきました。 一緒にやったバルーンアートも行列ができるくらい好評で、 バンド演奏と併せて本校の学校目標である『地域社会への貢 献』にもつながったのではないかと思います。 進路の仕事で地域と関わると大半が、 「現場実習の受け入れ をお願いしたい」 「受注品の仕事をいただきたい」と学校から 地域にお願いしてばかりになりがちなのが実状です。今回の ように、地域の方から大変ご好評をいただき、しかし本校の知名度を上げたことから現場実習や地域での体験学習等、 児童生徒の活動の場を提供していただけたこともありました。進路とは少し離れた感のある「地域のお祭り」ですが、 めぐりめぐって人とのつながりが私の仕事にもつながるということが分かりました。これからも地域と学校、双方にメ リットのある関係づくりをしていけるように、地域に住む方々とのつながりを大事にして、進路の仕事を続けていこう と思います。 次回は、8 月 22 日(土)19 時 00 分から『湘南ねぶた祭り』で、藤沢養護学校の山車が登場します。毎年、多数の来 場者がくるイベントとしてすっかり定着しています。ご来場いただき、六会地域の盛り上がりぶりを是非、体感してく ださい。 *イラストカット:高等部3年生が描いたものです。
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