第73号 - 宝慶寺

つ
-
正修行のとき、渓芦渓色、 山色
山声、ともに八万四千偶ををし
まざるなり。
﹃
(
正法眼蔵﹄渓声山色)
~列ニ共通スル処
.
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修行している今そのとき、 山や
谷の姿、響きがすべてそのまま
仏の教えとなる。
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H
太写 :十開対
2
2
鷲議
TEL0779-65-8833
FAX0779-65-810
3
宝鹿寺は、大砲那伊自良氏
によって開創された寺院であ
る。伊自良氏の知円沙弥等が
宝磁寺に敷地 を寄進した時の
﹁寄進状﹂(正安元年成立)が 、
宝慶寺に所蔵されている。こ
の﹁寄進状﹂には、寄進した
敷地 に田畑や民家がなく 深
山勝地 であると書されてい
る。このような環境下にある
宝鹿寺とその周辺地域には、
どのような景勝地(風光明加
な長色がみられる場所)があ
るのであろうか。
宝慶寺の景 勝地については
江戸時代に十四、乃至十六箇
所を選定した 三 つの記録があ
る。ここでは 、 これらの記録
についてみていくことにした
い。なお景勝地 の名称につい
ては、記録の記載順に従 って
表に配したが、紙幅が限られ
ており、個々の景勝地 の所在
地 についてまでは 言 及できな
いことを断 っておく。
﹁
宝慶十四景﹂は、福井稽
がまとめた﹃越 前地理指摘﹁
(﹃越前回絵図記﹄ 所収。貞享
二年刊行)の中に収録されて
いる(但し、﹁宝慶﹂の 二字は
筆者が冠した)。この十四呆の
選者については 、不祥である。
﹁
山門境致 一十しハ処ノ題﹂
は、宝山脱+古川
三 十世龍堂 即門和
尚が撰した﹃義雲和尚略伝﹄
(︹拾道義雲和尚語録﹄所収。
正徳五年刊行)の中に記述が
ある。脱致とは、境内 の風光
のことである。﹃略伝﹄は、宝
廃寺 二世義雲禅師の行状がま
とめられたものである。この
末尾には、義語禅師が宅嵯暗
に関する十六箇所の境致を掲
げたことを伝えているが、義
雲禅 師 の境致に関する 典拠は
不明である。
﹁
越前宝鹿禅寺
十六題詠(井序こ
永 福岡山和尚
は
、﹃
立議﹄渚第十四(安
永二年刊行)に収
録されている。題
詠とは、決められ
た題に従い詩や歌
を詠む 、詠法のこ
祭
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銀総的
紫
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采雲由主
法務挙
仮山林
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長鯨情
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虎頭岩
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契機主義
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仮山林
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平 成 27年 6 月 1 日
じだよ り
よ
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ま つき
第 73号
編集発 行
大野市宝慶寺 1-2
宝慶寺奉賛会事務局
号 912
・04
34
振 替 00
72
0-21
1671
秀真
E
とである。この ﹁
題詠﹂ の序
には、面山瑞方和尚が 宝慶寺
を訪ねた時に 、義裳禅師が掲
げたとされる十六題を詠み、
後に面山和尚がその十六題を
改詠したという、 この題詠が
成立した過程に ついて記され
ている。この題詠は、十六箇
所すべての境致に対して七 言
絶句の形で詠んだものである。
これらの 三 つの記録によ っ
て、宝鹿寺の景勝地は池、岩石、
橋、林、嶺峰と その他に分顕
することができる。 三 つの記
録による特徴は、共通した 地
が選定されよ仰ることと(﹁持
切林﹂と﹁坐禅石﹂ の二箇所
は十四景に含まれていない)、
選定された地の順序に規則性
,
,
はないが共通する部分もみら 、
、ー
、
れること である。
,
,
市山加摘の﹃広録﹄巻第 二
十五(安永六年刊行)には、
﹁宝・援寺寂園禅師伝﹂が収めら
れている。 この伝記は、宝慶
寺 開山寂回禅師が 入滅し火葬
(
附維)された後、・秘固持師 が
)
端坐した高さ 三寸(約九弓M
の像が造られ、それが﹁沼窃
林﹂と号す祖堂(塔)に安置さ
れたことを伝え ている。この
記述に基づくならば、十六箇
結
所の景勝地の 一つである ﹁
萄林﹂は林のことではなく 、
寂回禅師の祖堂を指している
ことになる。
伊藤
愛知県玉泉寺刷住職
愛知学院大学 非常勤誹師
つ
﹄
つ
-
(
K ・I)
毎日が単調で、別段これと
いって特別な感激することは
ありま せんが、日々新鮮でい
られることが 何よりの喜びと
。
なってい ます
この坐禅堂は吸い込まれる
ように坐がきまり、 他 に煩の
ないすばらしい坐堂でありま
す。先だってもタイの 山 に住
む僧侶が信者を従えて一月冬
真つ只中の寒い坐堂で数日の
参榔をしましたが、その僧侶
が感激して申すには、ピンと
張りつめたこの 一帯の空気は
すばらしい、 是非また来山願
いたいといって帰っていきま
した。 聞 いた当方もこんな言
葉が返ってくるとは思いませ
んでした。
でも行じ ている人には響く
んだろうと思います。
あらためてこの坐禅堂を見
直した次第で、ありがたくな
によりも励みになりました 。
回 一
画一
圏一
r-
思えば三十年前、 昭和六 十
一年に僧堂が完成、そのとき
閉山中限心が行じられ、小生も
参加させて頂きました。宝山鹿
寺を知ったのはその時であり
ます。
こんな所で坐禅できるのは
最高だ、と心底思ったもので
した。
あれから三十年の今、そこ
で安居させて頂いています。
4
今年一月十日から十 二日に 一
かけて、 二十 二名の参禅
者がタイから来られま
した。リ ーダ ーはタイ ﹄
で有名な僧侶、ヌアン ﹄
チャン ・キッティパン 岨
ヨ1師。生活のあらゆ
る場面を修行 とする禅
のスタイルに感銘を受け
ておられました。
第八十八回
大道会摂心
四月 二十八 日から五月五日
まで 、
前半は龍献寺(京都府京
丹後市)で、後半は宝慶寺に
おいて大道会摂心が行われま
した。阪心が半ばを過ぎた頃、
重要な葬儀が入りました。そ
のため、堂長老 師 以下山内の
主要なメンバ ーが抜けること
になり、今回の摂心では法話、
独参が行われませんでした。
しかし、坐仰の時間が増えた
こともあり、静かな環境の中
でより 閥、摂心 に徹するこ
一
一
とができ
ました。
参加者からは、
﹁豊かな緑のなかで黙々と坐
神できるのはすばらしい。今
回は短かったけれども、充実
して坐ることができた。﹂
﹁普段のせわしない日常を離
れて単純な生活をするなかで、
玄米と野菜を中心にした粗食
においしさを見出すことがで
きた。﹂
という感想をいただきました。
新到紹介
兵陀県普勝寺徒弟
2M
mg-E
V 井上大 介士
., 昨年六月に
E・ 上山させてい
.
﹃ ただきました。
司 美林街道に安
置されている地蔵菩薩に合掌
し、草鮭に入り込んでくる小
石の摘さに耐えながら、上山
致しました。宝鹿寺の玄関に
立ち、先輩雲水からの叱責(激
励)を受けながら、ひしひし
と宝慶寺での修行が始まると
感じました。私に至らない点
もあり 、先輩方や般家の方々、
地域の方々にご教授して頂き
ながら、日々精進してまいり
ます。
兵印県安泰寺徒弟
私が禅の修行を始めた頃
は、心の中では煩悩まみれ、
それとの闘いでした。
、
過去世からの業によ り
体形がゆがんでおり、 一口
に正身端坐といっても、高
祖さまのお示しになった坐
蝉儀どおりにはぴたっとゆ
きませんでした。
それでも五年、十年と修
行してまいりますとある
地点の境涯において、もや
もやした心の暗雲が取り除
かれ、サッパリとした気分
になりました。
でもその 地点で安住する
事はでき ませ ん。油断する
と元の木阿弥に気持ちが落
ち込んでしまうからです。
またこの境波は部の入り
口であり、 出発点でもあり
ます。
ことあるごとに、安楽の
法円 である坐禅から程遠い
ものであり、 一筋縄ではい
かないものだと、 何度も思
ったものです。
生々世々の修行でありま
すが、薄氷を踏むがごとく、
一歩一歩堅実に精進したい
と思います。
(K-K)
,
佐藤愚聖 士
﹄
v
咽, 上山して 一
説年近くになり
・司 ますが、 この
. 機会にご挨拶
させていただきます。佐藤愚
聖と申しま寸。﹁愚﹂は人間の
賢ぷらない生のままの在り方、
﹁型﹂はものごとのありのま
まの姿を表しており、 いずれ
も仏性のそのままの働きとい
う意味を込めて重ねてありま
す。そのように麟らずてらわ
ず、仏祖の教えをまっすぐに
実践していきたいと思ってお
ります。よろしくお願いしま
す
。
(2)
第 7
3号
じ だよ り
き よ
ま
!
平 成 27年 6 月 1 日
つ
-
つ
-
銅番勝曲開き
当山 副監事 ・普勝十一世
慈雲龍光(滝沢)師が五月二
日午後三時頃、ご遷化され
ました。
当山役寮および善勝寺値
信徒、教区のご寺院様なら
び区関係者のご随喜があり、
堂長老師 の乗矩のもと、粛
々と葬儀が勤められました。
享年 七十六歳。
・山部能宜先生 (早稲田大学文学学術院教授)
坐禅三昧経を読む⑤
お島町に来る犬 そ の 刊
もう一匹子犬はいた!
空き家の縁の下には、黒の
コロコロし た子犬しかいない
と思 っていました。
ところが、 一昨年の九 月ご
ろ、早朝、白山 の朝焼けを撮
るため坐神岩への道を車で走
っていました。すると、途中、
狸かイタチみたいな小動物が
とととこ走って いる ではあり
ませんか。横にそれてくれれ
ばよいのに 、車の道を一生懸
命に走って、たぶん逃げてい
るのです。私はゆっくりゆっ
くり後を走っていくと途中の
曲がり角にシ口がこちらを 向
修行中は 堂長老師をはじめ役
寮の方そして大衆の皆綴同安
居の方々にも色々アドバイス
を頂き、何とか 二年間を過ご
させていただきました。また
参禅者、参拝者、托鉢での大
野市の皆様をはじめ、値家の
皆様との 出会いがあり、 一期
一会のありがたいことで 、と
ても良い思い 出ができました。
師寮寺に帰山し てもまだまだ
修行は続きます。宝慶寺で学
んだことをひとつずつ思い出
しながら進んでいきます。本
当に有難うございました。
合掌
(S・I)
いて立っ
ているで
はありま
せんか
(堂々と
した母親の姿です)。
ああ、その小動物は母親の
もとへ急いでいたんだ、子犬
はもう一匹いたんだと合点し
たのです。母親の一声で子犬
は崖側の大木の陰に逃げ隠れ、
やっとで車からそれてくれま
した。私はシロに声かけをし
て追い抜き、彼女は私を静か
に見送 ってくれました。
わたくし中村敬信は 三月十
。
日をもって送行致 しまし た
(3)
五月六日、宝慶寺の参禅
者等計七名で﹁霊峰銀杏峰
山開き﹂に参加させて頂き
ました。登山参加者の多く
は高齢の方々で、本当に大
丈夫なのかと不安でしたが、
そこは大衆の威神力、確か
な足取りで急斜面を踏み越
えて行かれました。
く
〉講師及びその内容
・荒牧典俊先生 (京都大学名誉教授)
釈尊のことばにみられる坐禅の根本転回について
S ・Y
17 日 (金) 午後 ~18 日 (土) 午前:荒牧先生
。日 程
7月 17日働午後--20日側正午
。期 日
平 成 27年 6 月 1 日
じだよ り
き よ
{
ま
第 73号
・伊藤秀真先生 (愛知学院大学非常勤講師 ・当山講師補)
宝慶寺の境内地
18 日 (土) 午後 ~ 19 日 ( 日 ) 午前:山 部先生
20日(
祝)
午後 法 戦 式 ( 首 座 問 答 式 )
19 日 ( 日 ) 午後 ~20 日 (祝) 午前 :伊藤先生
・参加 ご希望の方は、必ずご連絡下さい。
・午前J.午後とも各 2講座の予定です。
国連絡先 〒9
120
434福井県大野市宝麗寺 1
-2
宝鹿寺専門僧堂 TEL0
779-65-8833
/FAX0779658103
(
1)
平成26
年度事業報告・決算報告
(
2
)
平成2
7年度事業計画案 ・予算案審議
(
3
)
その他
4.特 別 法 話
午 後 1時3
0
分から
演題「寄り添いともに
-先 人 の 教 え に 学 ぶ-
宗 俊 士上 山
(1五月 二日 龍献寺にて )
拐厳会満散
解制土地堂念諦
解制の拝
大野市棚経
日日
日
平成二十七年
土) 1
十一月二十一日 (
一
十
一
一
一
日 (
月)
三千礼祥行募集
電話O七七九 (
六五 )八八三三
FA
六 五)八
一 O三
×
O七七九 (
永平寺につぐ曹洞第 二の道
場・宝慶寺専門僧堂では、坐
禅と都道法を中心にした修行
を行 っています。
安居は臨時、受付けており
ます。ご不明な点は、{玉慶寺
までお尋ね 下さい 。
〒九一二lO四三四
福井県大野市宝慶寺 一│二
安居者募集 のお知らせ
J
.
i
をさせていただいてから、気
が付 け ば 干支 が 一 回 り し て い
ま し た。 御 山 内 の 皆 様 に 助 力 ・
をいただきながら、発行でき
た こ と に 感 慨 無 量 で す。 (秀)
(4)
10.
000円
法 人 会費
特 別 会費
※尚、既に会員等のご協力を頂いている方は、 同封の振替用紙にて、ご協賛のほどよろしくお願
い申し上げます。
3.
000円
30,
000円
ー ﹃
正法眼蔵﹄ 諸 法 実 相 巻 │
3.議 題
宝麗寺は、銀鑓峰の山麓の標高5
00mの豪雪地にあり、道元栂師を慕い中国(宋)か
5
0
余年の伝統を今に伝える修行の寺であります。
ら来朝された寂円禅師が開創された7
山奥の浄域は自然と共に呼吸 9る最高の坐禅道場であります。更に末永く
、 この伝統
を維持していくためには、有縁の方々の御芳志に頼5なければなりません。
つきましては、趣旨にご賛同の方はぜひ、奉賛会にと加入頂き有形無形のご支援を伏
してお願い申し上げます。
読遺教経 (1十四 日)
浬繋会摂心 (1七日)
十二日 僧堂試験
祝祷修正会 (j三日)
十
五
日 釈尊浬繋会
i
山内摂心 (
三
日
)
+
二
十五
日 人権学習会
タイ人二+二名参禅
二十七日 解制土地堂念語
i十二日) 二十八日 解制の拝
(
十五日 寒行托鉢 (j十八日)
{
月
}
三
二十二回
袈
裟
把
針
(
i
二
十
八
日
)
十
日
敬 信士送 行
一四月}
三日
タ ニオ保 険 社 員 参 禅
研 修 ( j五日)
十九 日 雪 囲 い は ず し
二十八日第八十八回大道会摂心
宝慶寺奉賛会ご加入のお願い
平 成 二 十 七 年 六 月 二 十 二 日 ( 月 ) 午 後j
大野市文化会館(鳳恩の間)
金)
二十六日 (
※ 二 十 二 日 午 前 に は 開 講式 が あ り ま す。
2.ととろ
祇高老師
謹白
ださいますようご案内申し上げます。
十九
前回、 宝 慶 寺 だ よ り の 編 集
1
一
五 月一
三 日 引 き 続 き、
大道会摂心
(1五日 宝慶寺にて)
日銀杏峰山開き
日入制配役行茶
日 楊 厳会啓建
入制土地堂念諦
入制の拝
九日
二十四日 泰賛会総会
菜、
﹃
主芯山内予定行持
{
六月}
二十二日 眼蔵会 (j二十六日)
{七月}
三日
十七日
上庄保育園様坐禅体験
夏期集中講義
(1二十日)
首座法戦式(午後)
福井市棚経
Z
長Z
HU
ロ
=
講 師 櫛田充道 師
玉
記のとおり、 「
特 別 法 話jを 予 定 して お り ま す 。 万 障 お繰 り合わせの上 ご参加く
日月
}
日ι 日
多
車交
八七六
E手
五
つ
-
つ
﹄
と
個 人会費
会 費 (年額)
5月24日(日) 午後 1時 よ り
平成27
年
き
(曹洞宗特派布教師)
1費
ZS
6回 総 会Jを 開 催 致 し ま す 。 ま た 、 引 き 続き 下
さて、今年も下記により 「
第2
講
師
眼
謹 啓 万 緑 の 候 皆 様に は ご 健 勝 の と と と お 慶 び 申 し上 げ ま す 。 平素 は 当 会 発
展 に ご協 力 賜 O厚 く お 礼 申 し 上げます。
第 73号
じだよ り
き よ
1
ま
平 成 27年 6 月 1 日
(栃木県西方寺住職)