〈第 103 号〉 (1) 平成 23 年 12 月 高蔵寺だより エフエム くらしき『拝、ボーズ 平成二十三年 師走号 (通巻 第 103 号) 医王山 高蔵寺 高野山真言宗 〒 710-0803 岡 山 県 倉 敷 市 中 島 186 電 話 086-465-2744 http://www.kozoji.jp/ [email protected] 編 集・ 発 行 天 野 高 雄 大晦日 夜十一時三十分より 新年迎え護摩・除夜法要 てきました。親族は口々に故人を懐か 最新情報は「高蔵寺ホームページ」で http://www.kozoji.jp/ 思い出を供えて偲ぶ しみ、 そしてあの時の寒さを語ります。 だった凍み豆腐(高野豆腐)を供えて 師走の慌ただしい時期、故人の大好き 今日では、病院で生まれ、葬儀会館 で見送られることが当たり前になって 「 思 い 出 す な ぁ」 と、 そ れ を 肴 に 杯 を こんにち し ま い ま し た。 葬 儀 の 風 情 は セ レ モ 交わし、それぞれが笑顔を取り戻す。 どうふ ニーに変わり、野辺の景色や気温の寒 し 一周忌や 忙しく供える 凍み豆腐 そな 今から十数年前の師走、まだ自宅で の葬儀が当たり前だった頃のこと。木 せわ 枯らし吹きすさむ旧家の二間には祭 倉 敷 で は 一 周 忌 の こ と を「 む か わ り」と呼びます。意味は「初め」 「最初」 む か わ り 壇、縁側には焼香台が飾られていまし など諸説がありますが、先代は「顔を 暖を味わうことはなくなりました。 た。門前にはテントの受け付け、そこ した。合理的にモノゴトを終えること 見 合 っ て お 互 い が 微 笑 み を 取 り 戻 し、 出棺の頃には雪が降りだし、喪服の肩 だけでは味わえぬ手間と不便に生まれ では町内の世話人が「寒みぃのう」と に 積 も り は じ め、 か じ か む 合 掌 に ハ る思い出。仏事の素晴らしさはそんな 故人を安心させる供養」と説いていま アーと息を掛けながら慰めます。 ところにあるような気がします。 一 斗 缶 の 焚 き 火 で 暖 を と っ て い ま す。 翌年の暮れ、その家の一周忌がやっ 』好評放送中 毎週金曜日昼十一時三十分より (再放送は火曜日夜七時より) !! く さ い 施薬殿では大般若転読法要 りゅうざ ふ げ ん 今年の散華 ち ご ぼ さ つ 龍座普賢稚児菩薩 住職の手描きによる散華は一枚一 枚すべてちがう味わいです。今年 は二百枚作りました。お守りとし て大切にお持ち(お飾り)下さい。 長男と次男は金棒という大役に 日々の法話は「ようまいりドットコム」で http://www.yomairi.com/ 倉敷ケーブルテレビ『ウィークリーニュース』好評放送中 毎週土〜日曜日リピート放送 (毎月第四週目に住職が出演中) や ました。宝前には、宮原泰市さん(大西)が育てた見事な懸崖菊が奉納されました。 けんがいぎく 法要後、住職によるお加持、手描き散華のお授け、境内ステージにて記念法話、 にゃんにゃん 琉球舞踊の奉納。お接待には、中国料理・娘娘による「中華がゆ」がふるまわれ 典から届く浄風を頂きました。 般若転読法要を勤めました。参拝者は、大音声による転読にも負けぬ読経で、経 身健康、そして国家安穏を祈りました。次に境内を稚児と進列、施薬殿にて、大 十月二十三日、晴天のもと、今年で六回目となる施薬祭が厳修されました。ま ず本堂で、全国から参集なされた和尚様の助法による護摩法要。檀信徒各家の心 せ 秋 の 施 薬 祭、盛大に厳修 〈第 103 号〉 (2) 平成 23 年 12 月 高蔵寺だより 舞踊家・安富祖優子さんによる奉納の舞 〈第 103 号〉 (3) 平成 23 年 12 月 高蔵寺だより りまで運んでならす。これを交代で行いま サ土を、一輪車で二十メートル先の水たま み ま し た。 境 内 に 積 ま れ た 一・五 ト ン の マ 先日の寺子屋では「土木作業」に取り組 はないでしょうか。 昔の何が違うかと言えば、この基準の差で 業さえ、子供は喜んで取り組みます。今と をまとう訓練ばかりしています。今日も一 す。家では競うことを教えず、理屈と愛想 人にウケることばかり考えて前に出てきま のです。近頃は一人っ子が増えました。大 不動産。将来も変わらずそこは在り続ける たんだ」と胸を張れます。それこそ永遠の 自分たちでやると「ここはボクらが埋め ていきます。 プの扱いも変わる。自然とみんな身につけ 込みやすさが違うし、山の崩し方でスコッ ンジ開始です。一輪車を停める位置で積み も黙っていない。ボクもワタシもとチャレ スよく運び出す。これを見ると他の男の子 事を乗り越えることは出来ません。賢い子 感を学べると思います。 面で力強くなるし、バランスや辛抱、達成 を制限として取り組ませれば、あらゆる場 どうでしょう。時間制でなく、終わるまで のうや一輪車、スコップの扱いも教えたら 学校で跳び箱や鉄棒を教えるのなら、土 の思いやりです。 黙のうち)減らしてあげている。これが真 きく成長します。実際に徐々に積載量を (暗 めない」という空気があれば、その子は大 せん。でも「これが終わらないと次へは進 だけ見るとイジメのように映るかも知れま 最新情報は「高蔵寺ホームページ」で http://www.kozoji.jp/ こどもの現場「こぼ んさん日誌」 1 す。一年生あたりは 「ボクはまだ小さいし」 輪車を一人で三回ひっくり返した子がいま ではなく、逞しい子を育む。そろそろ、そ コップを 持ってリズミカル に荷台へ積む。 新年は 1 月 14 日(土)から開校 高蔵寺では、 『こども寺子屋』を開校しています。ここでは、寺子屋流の 子育てをご紹介します。 と逃げようとしますが、お寺の末っ子四歳 した。どうしていいかわからず笑っている。 ちらにも目を向けてみるべきです。 これさえ出来ぬ子が多いのです。瞬発力だ 毎月第2、4土曜日の朝7時より この先、防災グッズと形だけの訓練で有 は平気でこなす。それを見るとやらざるを すると他の子が黙々とまた土を積む。ここ 夏休みの「一日こども寺子屋」は、今年 こども寺子屋 得ない空気になります。女子もしかり。ス も多くの子供たちで賑わいました。そして で手が動かぬ子がいたり。 けあって持続性がなかったり、口ばっかり 活気が出始めました。 こうなると我が子の出番です。三兄弟は 九月から、 通常の寺子屋も新しい顔が増え、 教 育 の 現 場 で は、 大 人 が「 子 供 に は 酷 黙々と仕事をこなします。普段から手伝っ 』好評放送中 毎週金曜日昼十一時三十分より (再放送は火曜日夜七時より) ハッパが飛びます。すると女の子がバラン 「 口 は え え か ら 早 よ せ い よ!」 と 私 以 上 の ていますから、 大人顔負けの働きをします。 だ」と判断する場面にちょくちょく出会い ます。 この基準は大人が勝手に決めていて、 子供はあんがい平気だったりします。寺子 屋でも「大人だってきつい」と言われる作 エフエム くらしき『拝、ボーズ !! 苦戦したけど上手になったよ! 冬の作務(掃除)は落ち葉がたいへん 〈第 103 号〉 (4) 平成 23 年 12 月 高蔵寺だより 猊下の御名代として全国各地の寺院を授戒と法話で巡る集中講演です。三日間で 十一月初め、住職は高野山本山の命を受けて九州・宮崎教区へ巡回布教に出か けました。巡回布教とは「高野山真言宗本山布教師」の資格をもつ僧侶が、管長 住職、本山布教師として初の巡回講演 まで日々の水行は浴室でしたが、井戸 本堂横に水行場が完成しました。これ 十一月吉日、客殿横(墓地側)の門 塀が新しくなりました。これと併せて、 門塀と水行場が完成 とうぶり札について とうぶり札は、新年の善神を恵方よりお 迎えする年の暮れの密教作法です。高蔵寺 のとうぶり札はすべて手作りでしっかり拝 み込まれていますので、心して家内を清掃 し、来る年の吉報へ向けて貼り、新年をお 迎え下さい。 御幣にはその神々が宿ります。 各家で切ってみてはいかがでしょう。高蔵 四つに折る。 半紙を横半分に切り 折り(青線)に注意して 寺に伝わる切り方を紹介しておきます。 赤線へ切り目を入れる。 日々の法話は「ようまいりドットコム」で http://www.yomairi.com/ 倉敷ケーブルテレビ『ウィークリーニュース』好評放送中 毎週土〜日曜日リピート放送 (毎月第四週目に住職が出演中) 五つの講演を勤めました。 からの浄水を屋外にて行ぜます。 同じ方向へ折って竹串に差す。 神棚へ折り目を外に向けて置く。 鏡開きの日に降ろしてお焚き上げをする。 来年の恵方は、 壬の方位(北・北北西)です。 土ほとけの「ほほえみ市」を同時開催。 けて貼って下さい。 とうぶり札は、家の中心からこの恵方へ向 届けする予定です。 法要のお供えの一部を応援金としてお 初笑いを、また住職手作りの縁起物・ 仙台より東方落語の河野目亭南天さ んをお迎えし、魅力溢れる方言小咄で 北早期復興」を祈願します。 新年七日の『初薬師』では、特別に 早 期 復 興 祈 念 の 護 摩 木 を 用 意 し、 「東 初薬師で東北復興祈願 中旬には長崎市仏教会でも市内ホールにて、三百五十名の前で講演をさせて頂 きました。檀務の合間、たいへんな日程でしたが、無事修めることが出来ました。 く法話ののち、基本と なる地蔵菩薩を中心に 仏画制作に取りかかっ た。 受講者は思い通りに 進まない筆に悪戦苦闘 しつつも、合間に織り 交ぜられる講師の法話 や作品の出来栄えに笑 みが絶えず、和やかな 雰囲気の中、色紙一枚 の作品を仕上げた。 天野住職は「仏さま のお姿をよく判って自 分の中に摂り入れるお 心をお伝えしたい」と 挨拶し、好評のうちに 講習を閉じた。 (2) な お 新 し い 試 み と し て、 左 の よ う な 仏 画 教 室 も 開 催。「 新 し い 法 話 の カ タ チ 」 として各紙で取り上げて頂きました。 高野山真言宗宮崎自 治布教団(桐井龍導団 長)では、同団主催事 業 と し て、 宮 崎 市 の ファミーユ大淀におい て、 去 る 十 一 月 五 日、 岡山県倉敷市高蔵寺天 野高雄住職を講師とし て「ほほえみほとけ仏 画教室」を開催した。 これは、巡回布教の 担当布教師である天野 住職が、仏画作家でも あることから、当自布 団の要請により実現し たもの。支所下檀信徒、 寺族婦人ら二十六名が 受講した。 天野住職から仏画を 描く上での心構えを説 「六大新報」より 完 成 (1) (3) 新設された水行場 〈第 103 号〉 (5) 平成 23 年 12 月 高蔵寺だより 今月のことば 「七がつく日は高蔵寺へ」を合い言葉に月 行事を勤めています。七日、二十七日には 住職の描いたオリジナル書画(納経料三百 円)をお授けしています。 一つのことに固執すると、なかなか次の段階は訪れません。手だって 「放すから握れる」。日々、無意識にしている息だって「吐くから吸え る」のです。ならば幸せについても同じこと。泣くから笑えるのです。 苦労の後には必ず幸せが訪れる。心にはこの表裏が在ると知って過ご すと気持ちが滞ることはなくなります。 エフエム くらしき『拝、ボーズ 法事のご予定はお早めに 0 0 0 0 0 0 近ごろ、命日が近くなってからの駆け込み法事が増えています。法事は「準備 の段階から供養が始まっている」と云います。落ち着いてご先祖と向かい合う大 最新情報は「高蔵寺ホームページ」で http://www.kozoji.jp/ 切な縁日、うっかりをしっかりに変えたいものです。 平成十八年亡 お電話で予約をとってからご来山下さいますようお願い申し上げます。 永代供養や墓地、供養の将来についても、ご相談を受け付けています。 高蔵寺では、一年前からの法事のご予約を受け付けています。年末にはお仏壇 の大掃除、その時に戒名と没年月日を確認し、年回表と見比べておきましょう。 来 年 度 ( 平 成 二 十 四 年 度 )年 回 表 昭和三十八年亡 お寺でも法事ができます。ぜひご利用下さい。 一周忌 平成二十一年亡 三回忌 平成二十二年亡 七回忌 十三回忌 平成十二年亡 十七回忌 平成八年亡 二十三回忌 平成二年亡 二十五回忌 昭和六十三年亡 二十七回忌 昭和六十一年亡 三十三回忌 昭和五十五年亡 三十七回忌 昭和五十一年亡 五十回忌 』好評放送中 毎週金曜日昼十一時三十分より (再放送は火曜日夜七時より) !! 〈第 103 号〉 (6) 平成 23 年 12 月 高蔵寺だより 倉敷ケーブルテレビ『ウィークリーニュース』好評放送中 毎週土〜日曜日リピート放送 (毎月第四週目に住職が出演中) 編集後記 日々の法話は「ようまいりドットコム」で http://www.yomairi.com/ ▼ こ の 高 蔵 寺 だ よ り も 創 刊 時 は ワ ー プ ロ 編 集 で し た。 い つ し か パ ソ コ ン に 変 わ り、 藁 半 紙 か ら コ ピ ー 用 紙 に。 輪 転 機 で 印 刷 を し て き ま し た。 百 号 を 機 に 紙 面 の 見 直 し を し て み る と、 業 者 に 発 注 す る ほ う が、 こ れ ま で よ り は る か に 安 価 だ と い う。 な ら ば 級 と い う 言 葉 が 流 行 り、 高 低 を い え ば 低 写 真 も き れ い な カ ラ ー の 大 判 に リ ニ ュ ー ア ル し て み ま し た。 い か が で し ょ う か。 ▼ い所に頭を揃え、安心を勘違い。「一生懸命」といっても、その B 密 度 に は 雲 泥 の 差 あ り。 死 に も の 狂 い ‥‥ 言 葉 は 物 騒 で す が、 中国料理 NYAN NYAN TEL.086-465-9676 倉敷市中島 2370-27 こんな時代だからこそ、大事な心意気ではないでしょうか。 ご法事の会食にもご利用下さい
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