平成27年度 住宅地盤主任技士(調査部門) 正解および解説 問 題 正解 1 4 網状流路の河床は礫が堆積するなど地盤は概ね良い。 2 1 侵食とは流体力によって地表から岩屑の形で力学的に除去される過程。 3 3 透水性の良い土は、砂質土などであり、φは期待できる。 4 3 鹿沼土は多孔質で含水比が高く、風化によって軟質化しているものは強度は小さい。 5 1 粘性土は塑性図に示されているA線により、粘土、シルトに中分類される。 6 4 「影響が中~大」となる場合がある。 7 4 治水地形分類図は、国が管理する河川流域の地形分類などを示したもの。 8 1 海食崖は海岸線と平行の 2 列である。直行する崖線は大峰川の側刻崖。 9 3 土試料の採取はできない。 10 2 N値 0~4 程度に適している。N値 8 以上はロータリー式三重管サンプラー。 11 1 どちらも過大評価する恐れがある。 12 3 切土された岩塊で盛土されている可能性があるため、切土盛土の判断は慎重に行う。 13 4 パイルド・ラフト基礎は新規盛土で沈下懸念の地盤での採用は好ましくない。 14 2 乱したロームは、沈下に対する注意が必要。 15 3 バッ気処理、散水、安定処理などを行う。 16 2 底版底面が岩盤以外の土砂の場合、その効果が期待できない場合がある。 17 1 支持層の傾斜角が 30°以上で適用外。 18 4 フルボ酸は黒ボクや関東ロームに、フミン酸やビチューメンは泥炭に多く含有。 19 3 (現場/室内)強さ比は、施工方法(施工機械)と土質性状等に応じて変化する。 20 3 砂質土 1.5≦N≦10、粘性土 25≦qu≦100 で Wsw が 0.75kN 未満に該当。 21 1 STK400 でFは 235N/mm2 22 2 長期は短期の 1/2 23 4 500m2 を超える場合も許可必要。 解 c=30/2=15kN/m2 計 算 問 題 α=1.0+0.2{(5+1.5)/(7+1.5)}=1.153 qa´=1/3(1.153×5.1×15+18×0.5)+18×1+8×0.5 =54.4kN/m2 記 述 問 題 説 別紙 別紙:問題25解答&解説 25.次の問題について解答せよ(問題25.記述問題の解答用紙を使用し、400 字 以内でまとめること)。 液状化による地表面への被害程度の予測手法 を2つ挙げた。このうち 1つを選び、 予測手法の解説を記述せよ。なお、図 1、図 2 を利用して説明してもよい。 1.液状化層厚比(H1,H2)による液状化予測 2.最大水平変位 Dcy による液状化予測 図1 図2 1.液状化層厚比(H 1 ,H 2 )による液状化予測 この判定方法は,沖積層を対象として,土質と地下水位を確認することにより,液 状化によって発生する地表面の変状の程度を推定しようとするものである。液状化発 生の可能性の検討は,地表面から 5m 程度までの地下水で飽和した砂層について行う。 表層の非液状化層の厚さ H 1 とその下部の液状化層の厚さ H 2 との関係によって,地表面 に被害が及ぶ程度を推定する。非液状化層 H 1 は,地下水位より浅い砂層または粘性土 (細粒分含有率 Fc が 35%を超えるの粒度の土層)をいう。液状化層 H 2 は,非液状化 下面から地表面下 5m までの砂層をいう。地下水位が浅く,液状化層厚が厚いほど,液 状化の影響が地表面に及ぶ程度が大きいことになる。この判定法は 簡易判定法であり, SWS 試験から得られる情報だけでは,土質や地下水位の判定が劣るため,サンプリン グによる土質確認や土質試験を行い,地下水位の測定精度向上が不可欠である。中地 震動に対応するとなっているが,地震動の大きさによっては,深度 5m 以深でも影響が 及ぶ可能性があることに留意する必要がある。 -主(調査)1- 2.最大水平変位 D cy による液状化予測 D cy は、液状化による地表面に生じる被害の程度を分析する手法の一つです。各液状 化層の繰返しせん断応力比 L と補正 N 値( Na )から繰返しせん断ひずみ cy を図.1 を用 いて推定します。各層のせん断ひずみが同一方向に発生すると仮定し、これを 鉛直方 向に積分して D cy を求めます。 図.1 補正 N 値と繰返しせん断ひずみの 関係 繰返しせん断応力比 L は次式から求められます。 L d rn max z rd 'z g 'z ここに、 r n = 0.1( M -1)、 r d = 1-0.015 z d :水平面に生じる等価な一定繰返しせん断応力振幅( kN/m 2 ) r n :等価な繰返し回数に関する補正係数 M :マグニチュード max :地表面における設計水平加速度(cm/s 2 ) g:重力加速度 980(cm/s 2 ) z :全土被り圧(kN/m 2 ) ’ z :有効土被り圧(kN/m 2 ) r d :地盤が剛体でないことによる低減係数 z :深度(m) 繰返しせん断応力比 L は、地表面における設計水平加速度やマグニチュードなどの 地震力示す値と土被り圧などから得られます。 -主(調査)2- 補正 N 値は次式から求められます。 Na = N 1 +⊿ Nf ここに、 N 1 :換算 N 値 N 1 = C N ・ N =√98/ ’ z ・ N ⊿ N f :細粒土含有率 F C に応じた補正 N 値増分(図.2 参照) C N :拘束圧に関する換算係数 N :実測 N 値 ’ z :有効上載圧(kN/m 2 ) 図.2 細粒分含有率と N 値の補正 係数 地表変位を D cy として、下表を用いて液状化による建物被害程度を予測 します。な お表中の D cy は、㎝の単位で表され、鉛直方向の変位として地震後に生じる沈下量に も相当します。 表.1 D cy と液状化の程度の関係 D cy 0 5 以下 5~10 10~20 20~40 40 を超える 液状化の 影響の程度 なし 軽微 小 中 大 甚大 ここで、調査結果より、液状化層( F L < 1)が深度 2~4 m(層厚 2.0 m)の細砂層 が確認さられた。この層での補正 N 値は 10、繰返しせん断応力比 L(= d / ’ z )が 0.15 としたときの D cy を算出すると、 -主(調査)3- 補正 N 値 Na=10、繰返しせん断応力比 L = 0.15 を図.3 から繰返しせん断ひずみ cy は、2%が得られる。液状化層厚 2.0m の 2%ひずみ相当分は、D cy =200cm×2%=4.0 cm となる。 γ cy =2% 図.3 繰返しせん断ひずみ cy の求め方 また、この時の液状化による影響程度は、表.1から「軽微」となる。 -以上- -主(調査)4-
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