第 327 回(平成 27 年 6 月)定例会 会派提案意見書案整理表 平成 27 年 6 月 22 日 番 号 件 名 案に対する態度 提出 会派 自 意 有権者としての自覚や責任を促す教育 1 の充実を求める意見書 自 - 意 持続可能な国民健康保険制度の構築を 2 求める意見書 自 - 意 認知症への取り組みの充実強化に関す 3 る意見書 公 - 意 地方単独事業に係る国保の減額調整措 4 置の見直しを求める意見書 公 - 意 一貫性ある少子化、人口減少対策の推 5 進を求める意見書 民 意 我が国の領土、領海及び海洋資源を守 6 る体制整備を求める意見書 維 - 意 震災時緊急輸送道路確保のための沿道 建築物耐震化への支援制度の充実と延 7 長を求める意見書 維 - 意 マイナンバー制度の運用中止を求める 8 意見書 共 - 意 義務教育諸学校での35人学級編制を実 現するための着実な定数改善を求める 9 意見書 共 - 公 民 維 共 - 摘要 意 1 (自由民主党) 意見書案 第 号 有権者としての自覚や責任を促す教育の充実を求める意見書 今般、国会において、選挙権年齢を現行の 20 歳以上から 18 歳以上に引き下 げる公職選挙法改正案が可決された。選挙権年齢の引き下げは、戦後すぐの改 正以来、実に 70 年ぶりであり、今回の法改正によって、約 240 万人の新たな 有権者が生まれることになる。 一方で、総務省の調査によると、平成 26 年 12 月の衆議院議員総選挙におけ る 20~24 歳の投票率は 29.72%と、全世代を通じて初めて3割を下回る結果 となり、他の世代と比べ低調な若年層の投票率向上は大きな課題となっている。 18 歳以上選挙権は、来年夏に行われる参議院議員通常選挙から適用される が、新たに選挙権を得る高校生等に対して民主主義社会に主体的に参加する意 識を醸成し、投票行動につなげていく有権者としての自覚を促す教育を充実さ せる必要がある。 よって、国におかれては、政治的中立性を確保しつつ、政治や選挙への関心 を引き出し、政治参加を含めて主体的に社会生活を営む知識や実践力、態度を 身につける教育を、学校現場において早急に実施されるよう強く要望する。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。 意 2 (自由民主党) 意見書案 第 号 持続可能な国民健康保険制度の構築を求める意見書 持続可能な医療保険制度の構築に向けて、国民健康保険を初めとする医療保 険制度の財政基盤の安定化や負担の公平化、医療費の適正化を推進するととも に、患者申出療養を創設すること等が盛り込まれた「持続可能な医療保険制度 を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が今国会において 成立した。 本改正法において、平成 30 年度より国民健康保険に係る財政運営の責任主 体が現行の市町村から都道府県に移管され、国民健康保険の安定化の中心的な 役割を担うことになった。 一方で、これら都道府県ごとの国民健康保険の財政運営の見通しや詳細な行 程表が示されていないなど、平成 30 年度からの新たな制度開始に向けてさま ざまな課題を抱えている状況にある。 よって、国におかれては、今後の医療費の増嵩に対応するため、国民健康保 険制度の財政上の構造問題を解決し、自らが負うべき負担を地方に転嫁するこ とのないように、新たに運営の一翼を担うこととなる都道府県の意見を十分に 踏まえながら、その責任においてさらなる財源を確保するなど、真に国民のた めになる持続可能な制度の構築に向けて真摯に取り組むよう、強く要望する。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。 意 3 (公明党・県民会議) 意見書案 第 号 認知症への取り組みの充実強化に関する意見書 今日、認知症は世界規模で取り組むべき課題であり、本年開催された認知症 に対する世界的アクションに関する第1回WHO大臣級会合においても、各国 が認知症対策への政策的優先度をより高位に位置付けるべきとの考えが確認さ れている。 世界最速で高齢化が進む我が国では、団塊の世代が75歳以上となる2025年に は、認知症高齢者数は約700万人にも達すると推計されており、日本の認知症へ の取り組みが注目されている。 政府は本年1月、認知症対策を国家的課題として位置付けた認知症施策推進 総合戦略、いわゆる新オレンジプランを策定し、認知症高齢者が住み慣れた地 域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会「認知症高齢者等に やさしい地域づくり」を目指すこととしている。 しかし、今後の認知症高齢者の増加等を考えれば、認知症への理解の一層の 促進、当事者や家族の生活を支える体制の整備、予防・治療法の確立など、総 合的な取り組みが求められる。 よって、国におかれては、下記の事項について適切な措置を講じるよう強く 要望する。 記 1 認知症の方々の尊厳、意思、プライバシー等が尊重される社会の構築を目 指し、学校教育などにより認知症への理解を一層促進するとともに、認知症 の予防・治療法確立、ケアやサービスなど認知症に対する総合的な施策につ いて、具体的な計画を策定することを定めた「認知症の人と家族を支えるた めの基本法(仮称)」を早期に制定すること。 2 認知症に見られる不安、抑うつ、妄想など心理行動症状の発症・悪化を防 ぐため、訪問型の医療や看護サービスなどの普及促進を地域包括ケアシステ ムの中に適切に組み入れること。 3 家族介護及び老老介護における当事者や介護者、独居認知症高齢者など、 より配慮を要する方々に対する自治体などの取り組みの好事例(サロン設置、 買物弱者への支援等)を広く周知すること。 4 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の効果を見極めるため、当 事者や介護者の視点を入れた点検・評価を適切に行い、その結果を施策に反 映させること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 意 4 (公明党・県民会議) 意見書案 第 号 地方単独事業に係る国保の減額調整措置の見直しを求め る意見書 今国会において「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法 等の一部を改正する法律」が成立し、国保の財政基盤の強化や都道府県による 財政運営に向けて具体的な改革作業が始まるところであるが、この国保改革に 当たっては、国と地方の協議により、地方単独事業に係る国庫負担調整措置の 見直しなどが今後の検討課題とされている。 一方、地方創生の観点から人口減少問題に真正面から取り組むことが求めら れており、全国の自治体では、単独事業として乳幼児医療費の助成制度の拡充 などに取り組む事例が多く見られる。さらに、平成26年度補正予算で用意され た国の交付金を活用し、対象年齢の引き上げなどの事業内容の拡充に取り組む 自治体も報告されているところである。 よって、国におかれては、こうした状況を踏まえ、全ての自治体で取り組ま れている乳幼児医療の助成制度など単独の医療費助成制度に対する国の減額調 整措置について、下記のとおり早急に見直しを行うよう強く要望する。 記 1 地方創生に向けて人口減少問題への取り組みが進む中、地方単独事業によ る子ども等に係る医療費助成と国保の国庫負担の減額調整措置のあり方につ いて、早急に検討の場を設け、結論を出すこと。 2 検討に当たっては、少子高齢化が進行する中、子育て支援、地方創生、地 域包括ケア等の幅広い観点から実効性ある施策を進めることが必要であり、 そうした観点から子ども等に係る医療の支援策を総合的に検討すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 意 5 (民主党・県民連合) 意見書案 第 号 一貫性ある少子化、人口減少対策の推進を求める意見書 先日公表された厚生労働省の調査結果によると、昨年の出生数は過去最少を 記録し、合計特殊出生率も過去最低を記録した平成17年以来、初の低下となっ た。一方で、昨年の死亡数は戦後最多となり、少子化と人口減少対策が我が国 の喫緊の課題であることが改めて浮き彫りとなった。 現在政府は、少子化や人口減少に歯止めをかけるべく「地方創生」を掲げ、 問題解決に当たろうとしているが、そもそも少子化が進む理由として、いくつ かの原因が指摘されている中、雇用の不安定化の問題は大きなものがある。 昨年、非正規雇用労働者は、役員を除く雇用者全体の37.4%、1,962万人に至 っているが、特に結婚し、子どもを一番持ちやすい世代である25歳から34歳に おける不本意非正規は、非正規雇用労働者全体の28.4%にも上る。この非正規労 働者対策は、晩婚化・非婚化を改善し、少子化対策へとつながる有効な処方箋 たり得るが、現在政府には、派遣労働の固定化につながりかねない法改正の動 きがある。 また、もう一つの大きな課題として、合計特殊出生率が全国最低である東京 への人口流出問題がある。昨年閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合 戦略」においても、地方における若者雇用の創出がまず謳われていたとおり、 地域経済の活性化には、生産人口の増加こそが必要不可欠である。 しかしながら、「消滅可能性都市」を打ち出し、政府や世論に大きな影響を 与えた「日本創成会議」は先日、東京圏の高齢化が進行し、10年後には医療・ 介護サービスが13万人分不足することから、地方への移住を促す提言を発表し た。これに対し、政府からも一部賛同の声が上がっているが、従来どおり生産 人口は東京に集中させ、生産人口外となった高齢者は地方に移住すればよいと いった考え方は、地方の人口減少問題の解決からは対極にある。 よって、国におかれては、少子化、人口減少問題にさらに真摯に向き合い、 総力を挙げて取り組まれるよう強く要望する。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。 意 6 (維新の党) 意見書案 第 号 我が国の領土、領海及び海洋資源を守る体制整備を求め る意見書 我が国には豊かな海と 6,852 の島々があり、世界第6位の面積の排他的経済 水域を有する海洋国家である。領海や排他的経済水域には、豊富な水産物やサ ンゴのほか、新たなエネルギー資源として注目され、国内の天然ガス消費量の 約 100 年分にも相当するメタンハイドレートや、産業の発展にもつながる重レ アアースも存在すると推定されており、これらは我が国の大きな財産である。 しかしながら、昨年、中国漁船等の違法操業により多くのサンゴ等が密漁さ れるとともに、周辺の島嶼及び海域の安寧が脅かされた。そして日本海におい ても韓国漁船の違法操業が続いた。これらの海洋資源が奪われることにより、 我が国の大きな財産が侵されている。 また、今なお尖閣諸島周辺の領海に中国海警局の船が侵入し、常態化してき ている。さらに北方領土や竹島も依然として占拠され主権を侵されている状況 が続いている。 豊富な海洋資源を保全し、国益を守るためにも、取り締まりを強化し毅然と 対処するとともに、平和的な外交努力を続け、我が国の領土及び領海並びに海 洋資源を守る体制を整備することが必要である。 よって、国におかれては、海洋国家日本の国益を保全するため、下記事項の 実現を速やかに進めるよう強く要望する。 記 1 我が国の領海・排他的経済水域等での違法操業の取り締まり及び罰則を強 化すること。 2 我が国の領土・主権を毅然たる態度で守る意思を内外に明確にするため、 領域警備に関する必要な法整備を速やかに行うこと。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。 意 7 (維新の党) 意見書案 第 号 震災時緊急輸送道路確保のための沿道建築物耐震化への 支援制度の充実と延長を求める意見書 20 年前、阪神・淡路大震災を経験した本県は、人命救助や物資輸送のため の「緊急用ルート」の必要性を痛感した。震災により、建築物が倒壊し道路が 塞がれると、消防車等の緊急用車両の到着が遅れ、生存率が大幅に下がる発生 後 72 時間までの救助活動や救援物資輸送等が大幅に滞る。 こういった事態を未然に防ぎ、震災への備えを充実させるためにも「緊急用 ルート」を指定し、沿道の建築物の耐震診断を義務化するとともに、改修を進 めることが急務である。 しかしながら、それを進めるには県の限られた予算の中では大きく制約され るため、国からの長期間の財政支援と、それに要する財源の確保が不可欠であ る。 よって、国におかれては、震災時に人命救助や緊急物資の輸送を円滑に行え るようにするために、下記事項に早急に取り組まれるよう強く要望する。 記 1 耐震改修促進法に基づいた緊急用ルートを指定するために、沿道にある建 築物の耐震診断の義務化を進めるための耐震対策緊急促進事業の充実と期間 延長をすること。 2 耐震診断により基準を満たさない緊急用ルート沿道にある建築物の補強設 計、改修を進めるための耐震対策緊急促進事業の充実と期間延長をすること。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。 意 8 (日本共産党) 意見書案 第 号 マイナンバー制度の運用中止を求める意見書 社会保障と税の共通番号(マイナンバー)法にもとづいて、本年 10 月から、 全ての国民に 12 桁の番号を通知し、来年1月からマイナンバー制度の一部運 用が開始されることとなった。 マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄りまで住民登録している人に、生涯変 えられない原則の番号をつけ、納税や社会保障給付などの情報を国が一元管理 し、行政手続などで活用する仕組みとなっている。 ところが実施を前に、日本年金機構から約 125 万件にのぼる国民の年金個人 情報が外部に流出するという重大問題が起こり、国民が年金をだまし取られる 事態となり、さらに、東京商工会議所の会員情報流出と相次いでいる。 これらの情報流出問題を通じて、①100%情報漏えいを防ぐ完全なシステム の構築は、不可能である、②意図的に情報を盗み売る人間がいる、③一度漏れ た情報は、流通・売買され取り返しがつかない、④情報は、集積されるほど利 用価値が高まり、サイバー攻撃されやすくなる危険性が明らかになったところ である。 今回実施されるマイナンバー制度についても「国と自治体が情報やりとりで 要にする」中間サーバーは、全国一か所で、国民のプライバシーが一つに集ま り、いったん個人情報が流出すれば取り返しのつかない事態が予想されている ところである。 よって、国におかれては、個人情報の一元管理に対する国民の不安と懸念に 応え、本年 10 月に予定されているマイナンバーの番号通知と、来年1月から の利用開始について、中止することを強く要望する。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。 意 9 (日本共産党) 意見書案 第 号 義務教育諸学校での 35 人学級編制を実現するための着実 な定数改善を求める意見書 1クラスの子どもの人数を減らす少人数学級の推進は、保護者、教育関係者 など多くの国民の長年にわたる切実な願いである。 貧困と格差の広がりなどさまざまな要因から、手厚い対応が必要な子どもが 増え、学級崩壊やいじめ問題など教育現場の困難が広がっている。35 年前に 実施された現行の 40 人学級では学級運営が大変になっていることは、関係者 が一致して認めているところである。 独自に少人数学級を実施している自治体では、クラスの教師が「ゆっくり子 どもの話が聞けるようになった」、「子どもが一人ずつ発表できるようになっ た」、「どの子がどこでつまずいているかわかる」と語っている。少人数学級 実施で欠席率や不登校が減ったり、人数の多い学級よりいじめの件数が少なか ったりという成果が出ている。国際的にも欧米では 30 人以下学級が普通であ り、少人数学級は世界の流れである。 国会では、2011 年に義務教育標準法が全会一致で改正され小学校1年生で の 35 人学級が実現した際に、改正法の附則で、小学校2年生以降についても、 政府が少人数学級を検討、実施することを定めたものの、小学校2年生のみの 実施にとどまっている。そればかりか、財務省は 4 万 2,000 人の教職員削減の 圧力をかけ、本県からは今年6月、「兵庫県地方分権推進自治体代表者会議」 から小学校での 35 人学級編制の早期実現を含む「義務教育諸学校における教 職員配置の充実等に関する緊急提案」を提出されたところである。 よって、国におかれては、教育現場の困難を解決し、一人ひとりの子どもに 行き届いた教育を保障するため、来年度予算編成にあたっては、小学校3年生 以降の 35 人学級編制を早期実現するための定数改善計画の策定、着実な定数 改善を実現する予算措置を求める。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。
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