Foods Food Ingredients J. Jpn., Vol. 208, No.5, 2003 New Promises of Lysozyme as Immune Modulator and Antimicrobial Agent for Nutraceuticals Hisham Radwan Ibrahim and Takayoshi Aoki Food Chemistry Laboratory, Department of Biochemistry and Biotechnology, Faculty of Agriculture, Kagoshima University 1-21-24, Korimoto, Kagoshima 890-0065, Japan Summary リゾチームは自然界に広く分布している抗菌酵素で種々の鳥卵、植物、細菌、昆虫、哺乳動物の組織、 分泌物、涙、唾液、乳、呼吸器系分泌物の生物体液に見出され、多形核白血球によって分泌される。 リゾチームは細菌表層のペプチドグリカンの N-アセチルグリコサミンと N-アセチルムラミン酸の結 合を解裂して、細菌細胞壁を溶かす一群の酵素に属する。リゾチームの抗菌活性はグラム陽性菌に対 して強く、陰性菌に対しては極めて弱いことが知られている。リゾチームは、ある種のウイルスの活 性化、哺乳動物細胞膜の監視、免疫調整活性、抗炎症及び抗腫瘍を含む多くの生理活性を持っている。 このような多機能にも関わらず、機能性食品あるいは治療学において明確な位置を確保していない。 おそらくそれは、リゾチームがグラム陰性菌に対して効果的ではないことによる。この総説では、天 然の食品抗菌剤としてのリゾチームの見地が論議される。第一に、機能性食品成分としての可能性を 全て網羅しているリゾチームの構造および生理学的特性を概説する。第二に、食品に発生するグラム 陰性菌の殺菌を可能にする、リゾチームの殺菌特異性を変換する生化学的および遺伝子工学的アプロ ーチを紹介する。最後に、リゾチームの抗菌性の役割やミステリー、そしてリゾチームの新しい抗菌 ペプチドモチーフの発見を紹介する。
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