太陽光・風力 エネルギーの源 ⑱ 佐藤 建吉 ウインドファームも見学 した。カナダのバンクー バーにある展望室付き風 車の話題は、本コラムの ③に述べた。 以 上、 概 観 し た よ う に、イギリスの粉挽き風 「ソフィストケイト」 て、スイスに帰国する留 に出かけた。しばらくし とは異なり、島国で風況 て、半期 週間にわたり オランダのような沿岸国 と歴史』という講義とし あった。それは多岐にわ 対する解決への模索でも 車の技術発展は、課題に とは、洗練された、複雑 千葉大学大学院工学研究科都市環境システムコース准教授 一般社団法人 洸楓座 代表理事 ソフィストケイトされた エネルギー装置とは? Column いなどの意味を持って使 な、卓越した、単純でな け、イングランド中を走 ーゲンの中古車を譲り受 学生から、フォルクスワ ができる。ワットの遠心 0年代、カルフォルニア 技術のルーツを見ること 生かされていた。198 粉 挽 き 風 車 の 中 に は、 も、粉挽き風車の技術が ではの工夫ともいえる。 近代の発電風車の歴史 変動のあるイギリスなら 行った。 を乗り越えて、洗練され や構造を導入し、悪条件 った。多様な機構や原理 れが風力発電の技術とな 翌年の滞在では、家族も 挽き臼の回転速度を制御 ァームで稼働したデンマ 調速機は、風速変動から 州の大規模なウインドフ る迎角を制御する可変ピ し、回転位置で翼に対す て き た。 3 枚 翼 が 独 立 たる技術体系となり、そ われる「今日的」な言葉 を超える風車を訪ね、 り回った。この滞在で、 年前、ロンドン 道連れに風車見学をし、 するために最初に風車に ーク製の風車は、テイル のブルネル大学に滞在し の風車を訪ねた 全部で ッチ制御はデリケート たことがある。最初の週 で、風車はソフィストケ 末、街の図書館に出かけ 使われていたが、ワット ファンが付いた風向追尾 もにその風車の説明が書 れた粉挽き風車の絵とと と、ペン画でイラストさ っ た。 ペ ー ジ を め く る グ ラ ン ド( 英 文 ) 』であ 風車の特徴には、ヨー制 したこと、⑵イギリスの してタワーミルへの変遷 から、スモックミル、そ た。⑴初期のポストミル 車の発展の歴史を知っ こ と が 出 来 る( 写 真 参 な主翼を風向に正対する を訪ねた。発電風車につ で、高度で専門的な技術 島、沖縄まで各地の風車 複 雑 な エ ネ ル ギ ー 装 置 ン(後翼)の力でも大き 北 海 道、 青 森 か ら 鹿 児 超える部品から成り立つ して、小さなテイルファ が始まった。国内では、 は、歯車比1対500に えた国内外への筆者の旅 タ ワ ー ミ ル の ヨ ー 機 構 ら発電風車へ見学先を変 したのであった。大きな いては、アメリカ、デン を必要とするがソフィス 力発電は、1000万を 比較の対象となる原子 たが、お願いして中に入 あった。クローズしてい ブリックストンの風車で れている等。これらは、 に主翼にも工夫が、なさ ⑶風をより獲得するため 翼)がついていること、 車( テ イ ル フ ァ ン、 後 最 初 に 出 か け た の が、 翼)のほかに小さな羽根 の話題を、千葉大学の教 現地での体験で得た風車 の意味も持つ。こうして 端緒となった国ならでは ものである。産業革命の 史」として体系化できる 指すバングラディッシュ あり、洗練されていると や、エコアイランドを目 ドコストを要する装置で されたバーレーンの風車 あり、さらにバックエン つなぐコリドールに設置 策に資金と人材が必要で 訪ねた。ツインタワーを み出すためには放射能対 ンなどの風力先進諸国を 永続的にエネルギーを生 発装置に進化した。 イトされたエネルギー開 かれていた。その絵に魅 御機構、すなわち方向追 照 )。 こ れ は 風 車 の 進 化 マーク、ドイツ、スペイ トケイトとはいえない。 れていただいた。驚いた の風車、躍進する中国の はとても言えない。 その後、粉挽き風車か せられて、ロンドンの市 尾する自動制御機構があ の 物 語 で も あ り、「 技 術 ことに、風車にジェイム 養 科 目 に、 『風車の技術 ルギー装置と認めること ィストケイトされたエネ エネルギーの風車はソフ したがって、再生可能 粉挽き支援技術であり、 が付いていた。ワットの 遠心調速機は蒸気機関の 出力調整のために発明さ れ、風車の時代にはなか 以降もそれ以 ができるが、原子力発電 は、3・ ないだろう。 と呼ばれることは決して トされたエネルギー装置 みても、ソフィストケイ 前からの推移を検証して 11 っ た は ず で は? こ の 衝 撃的な出会いが、その後 の私の人生をすっかり変 えた。 まずは、ロンドン市内 の粉挽き風車を四つ訪ね あげた。その後の毎週末 はレンタカーで風車見学 5枚翼のSibsey Trader Millのテイルファン ズ・ワットの遠心調速機 ねた。 り、 大 き な 羽 根 車( 主 これにより、粉挽き風 90 内にある粉挽き風車を訪 ンドミルズ・オブ・イン 勘定になる。 私は である。 15 はそれを蒸気機関に応用 するものであった。 70 て 手 に し た の が、 『ウイ 20 第35号 隔週 月曜日発行 新エネルギー新聞 2015年(平成27年)9月21日 7
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