「国産・安全・社会貢献」の価値の高い、障がい者事業所製 てづくり

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平成25年度補正予算 創業補助金 採択事業者のご紹介
「国産・安全・社会貢献」の価値の高い、障がい者事業所製
てづくりおもちゃの販売・生産者との連携・育成の展開
株式会社minamina 代表取締役 中村津由美氏 ●事業DATA:平成26年10月10日創業
ホームページ http://minamina-inc.jp/
良質なものを生産しても販売ルートに乏しい障がい者の賃金は低いまま
創業前、中村さんは障がい者を支援するNPO法人で障がい者施設で作
られた製品などを企業相手に認知度を高め、販売拡大につなげるという
仕事に携わってきました。そこで目にしたものは、
「良質なものを生産して
も販売ルートに乏しい障がい者の賃金は低いままである」という現実でし
た。子供の頃よりボランティア活動を行い、常に福祉に目を向けてきた中
村さんは、やがて幼いお子さんと暮らすようになり、大切な子供のために
おもちゃを購入するのであれば、安全、社会の役に立つもの、例えば、国産
のものや障がい者の賃金となり社会に還元できるものであるものの方
が、お金を有意義に使えるのではないかと意識し始めました。
会議所事業を活用して創業した中村さん(右)
と支援にあたった井上指導員
商品が売れるということが、障がい者の自立にもつながる
そこで、これまでのキャリアから、障がい者施設で作られている良質の木
製おもちゃ(木工品)に目をつけ、それを百貨店などへ販売する事業を立ち
上げようと考えました。実際のお客様の声を生産者に伝え、よりニーズに
応えた商品開発ができるよう生産者と連携を図りつつ、扱う商品は良質
であっても認知度が低く扱われずにきた商品であるため、常に新しい情報
を求めている百貨店などのバイヤーへ提案する価値が高いと考えました。
また、販売側はこの商品の販売活動によって社会貢献活動につながるこ
と、一方、消費者は子どものものには「国産・安心」を求める志向が強いこと
など、需要と供給のそれぞれのニーズを満たし相乗効果を得られるのも大
きなポイントでした。
障がい者施設で手づくりされた木のおもちゃ。
あたたかなぬくもりが感じられる
商工会議所の起業セミナー「独立 Navi」を受講。「創業補助金」採択へ
中村さんは、平成26年5月から約1ヶ月にわたり当所が開催した起業セミ
ナー「独立Navi」へ参加し、具体的なビジネスプランの作成手法を学びま
した。平成25年度 補正予算創業 補助 金(創業時 の 一 部経 費2 /3・最 大
200万円の補助)の公募期間中ということもあり、補助金申請について挑
戦することになりました。今回の講師のひとり、小池俊介氏(かながわ信用
金庫 経営サポート部 課長)と講義とは別に数回にわたり申請書作成につ
いての個別フォローを行いました。その創業補助金の採択結果ですが、全
国で7,649件の申請がありうち採択企業は2,363件という狭き門(採択
率30.9%)でしたが、中村さんはその事業理念や趣旨、事業計画の実現
可能性が認められ見事採択されています。
今後は、創業補助金採択事業者として、得られた補助金を上手に活用して
事業の花を咲かせることが期待されます。
(経営指導員 井上雅晴)
独立Naviの講師を務め、申請書作成支援をした
かながわ信用金庫の小池俊介氏