WAT-NeW-Pfizer

1.「ファイザー化合物を用いた細胞系表現型スクリーニングの共同研究」
• 疾患に関連する刺激を用いたスクリーニング(炎症性疾患におけるサイトカインなど)
• 疾患変異を持った iPS 由来細胞、または患者由来の初代培養細胞
• 簡便(>96 ウェル)でハイスループット
• 炎症、免疫、希少疾患、腫瘍、疼痛、代謝疾患、神経疾患が対象
• 二次スクリーニング系を有することが望ましい(必須ではない)
<対象外>
• 上記の疾患領域以外のスクリーニングアッセイ
• 生化学的なアッセイ及び in
vivo モデルでのスクリーニング
• 感染症を目的としたスクリーニング(抗細菌、抗ウイルス、又は抗寄生虫)
• ヒトの生物学的機序へ整合性のエビデンスが乏しいもの
2.「糖新生を惹起しない肝脂肪蓄積の抑制/阻害のメカニズム解析、および関連メカニズム
を惹起、拮抗する薬剤の創薬研究」
• 線維化の抑制(肝星細胞や線維化始原細胞の制御)
• 炎症のメカニズムと病理の解析(サイトカインのアンバランス, 酸化ストレスなど)
• NASH・NAFLD の病態モデル
<対象外>
• 既知の薬剤でのドラッグリポジショニング
• マルチキナーゼ
• 全身または肝臓でのインスリン抵抗性改善を介しての薬剤を使った研究
• 疫学からの要因因子、および病態解析
3.「リボンシナプスをターゲットとした感音性難聴治療薬剤の創薬研究」
• 神経栄養因子の徐放化製剤技術
• 神経栄養因子の内耳への送達技術
• 加齢性難聴の動物モデル
• リボンシナプスをターゲットとした感音性難聴治療の標的分子
<対象外>
• 有毛細胞障害の抑制
• 有毛細胞の再生
• 中枢性聴覚処理障害をターゲットとしたもの
• 作用機序が明らかではないもの
• 伝音性難聴
4.「肺高血圧症・肺線維症の新規治療ターゲット分子」
<対象>
線維芽細胞の活性化及び移動、線維細胞の分化と動員、筋線維芽細胞の増殖、細胞外マトリクス
の変性とリモデリング、酸化ストレス、炎症シグナル等を制御する新規ターゲット、パスウェイ、
介入研究を使い罹患率/致死率を低下できる創薬研究。ヒト疾患の解析より得られた遺伝的、生
化学的なデータを前提に仮説が立てられたものであることが必要
<共同研究の例>
–
ヒトの遺伝子データ、臨床的知見、ノックアウト/ノックダウン又は変異誘発
の研究から治療ターゲットを同定し、疾患に関連する in vitro、in vivo の試
験により、それらを実証
–
低分子化合物あるいはバイオロジクスを作製し、疾患に関連する in vitro、in
vivo 試験にて活性を評価
–
疾患要因に対して不適応な症例、耐性を示す症例が含まれる患者母集団へのア
クセス(例:環境汚染微粒子、または高地生活による慢性酸素欠乏の影響によ
り誘発される適応的免疫反応)
<所持していると望ましいもの>
•
これらの疾患に対して新規、既存の経路を標的とした低分子化合物、または生物製剤を
保持、またはリード創出の技術を所有
<対象外>
•
臨床データの裏付け、エビデンスがない前臨床での vitro や vivo からのターゲット分
子
5.がん特異的抗原に対する抗体を使った共同研究
<共同研究内容(案)>
• ファイザー社保有のリンカー/ペイロードをモノクローナル抗体に組み合わせて ADC を作成
し、in vitro 及び in vivo のモデルで評価
• 二重特異性抗体 (bispecific antibody)を作成し、より特異性(T 細胞を効率よくがん組織に
移行させるなど)を持たせる技術開発
<モノクローナル抗体の基準>
• 腫瘍細胞に特異的に発現しており、正常な組織では発現がない、又は最小限であること
• 細胞表面に発言している抗原
• 抗原に結合後に細胞内に取り込まれること
<所持していると望ましいもの>
• げっ歯類のターゲット抗原に関しても交差するヒト化抗体
<対象外>
• がん細胞をターゲットにしていないアプローチ
6.アジア地域のがんにおける臨床ゲノムデータベース
<共同研究の対象>
•
胃がん、肝がん、食道がん、肺癌を含む、アジア地域で高頻度に見られる癌腫の遺伝子
情報と臨床データの統合データベースを保有
•
上記に加えて、遺伝子変異のある原発腫瘍から作成した細胞株やゼノグラフトモデルを
有すると更に理想的
<要件>
•
腫瘍の分子プロファイルがバイオバンクに保管された組織検体とリンクされており、組
織は RNA プロファイリング、組織免疫化学、又はプロテオミクス解析に利用できること
–
遺伝子情報は、一塩基置換、挿入、欠失、コピー数変異、染色体再構成を含む
遺伝子変異情報を含む
•
データベースは国際標準(英語、HUGO 遺伝子命名法、など)により、構築・更新され
ている必要があり、データセットはファイザー社に移行が可能な状態である必要がある。
•
臨床データベースは、診断、組織像、さらに可能なら薬物応答及び生存率のデータがア
ノテーションされていること
7.精神疾患分野における治療方法の開発
<対象>
•
大うつ病性障害(MDD)の補助治療
–
ケタミン類似の特性(効果発現時期および効果持続期間)を有し,精神症状の
副作用のない新たなうつ病治療薬
–
•
大うつ病性障害の残遺症状(不安症状など)を治療するための補助薬
統合失調症に対して陽性症状を改善する効果を有する補助治療
–
陰性症状および認知障害に有効な補助治療薬(例、GlyT1、mGluR2/3、GABA 系
の薬剤)
–
新たな発症仮説(酸化ストレス、炎症、ミエリン障害、 神経細胞遊走障害、 神
経新生障害)を標的とした薬剤またはアプローチ
•
心的外傷後ストレス障害(PTSD)および全般性不安障害(GAD)に関する新規の治療方
法
•
アルコール依存症およびオピオイド依存症に対する新規のアプローチ
<要件>
•
臨床、疾患関連、生化学,生理学、イメージングまたは遺伝学の知見から得られたデー
タによる裏付け
•
臨床症状および臨床効果を予測可能な疾患関連モデルから得られた in vitro または
in vivo データに よる裏付け
•
具体的で明確なマイルストーンがあり、それらが2年の期間中に適切に設定されている
こと
<対象外>
•
作用機序が明らかでないもの
•
ドパミン D2 またはセロトニンに基づく抗精神病薬で,既存の標準的療法から差別化でき
る可能性が低いもの
•
躁病のみを対象とする治療法
•
以下の作用機序に関するもの:SSRIs, SNRIs, mGluR5, GlyT1, H3, α7, α4β2, nAChRs