三潴正秀先生:Ann Intern Med. 2014 Nov 11. doi: 10.7326/M14-1030. ループス腎炎、マルチターゲットはエンドキサンパルスに優る Multitarget Therapy for Induction Treatment of Lupus Nephritis: A Randomized, Controlled Trial. 【背景】ループス腎炎は、治療初期の寛解誘導がその後予後に影響しますが、これまでのMMF+ シクロホスファミド治療は、寛解誘導率が低いため、その改善が望まれていました。今回、臓器移 植治療のレジメである、タクロリムス+MMF+ステロイドを併用したマルチターゲット療法の効果が、 中国で検討されました。 【方法】中国の腎センター26 施設のループス腎炎患者を対象に、ステロイドパルス後のPSL治療 に追加する、Multitarget 療法(n=181)(タクロリムス 4mg+MMF1.0g)と、IVCY(n=181)(0.75g/m2 of MSA )の効果を、治療後 24 週の完全寛解を主要評価項目に、無作為化試験で評価しました。 【結果】24 週時点では、Multitarget 療法群は IVCY 群より、完全寛解率(45.9%対 25.6%)、およ び全奏効率(83.5%対 63.0%)の両者で高値であり、治療反応性も良好でした。また、全奏効率達 成期間の中央値も低く(8.9 週対 13.0 週)、早期に寛解が達成されていました。有害事象発症率に 有意な差を認めませんでした。 【結論】このように、マルチターゲット療法はループス腎炎の初期治療に奏功する可能性が示され ました。治療ナイーブの患者さんが多い、中国ならではの、研究結果といえそうです。。 (文責 阿比留)
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