資料2 - GCUS

資料-2
H27.11.16
下水道グローバルセンター(GCUS)
活動報告および今後の活動予定
平成27年11月16日
GCUS審議会
活動報告および今後の活動予定(目次)
• 下水道を取り巻く国際情勢の変化
• GCUSの目的と主な活動メニュー
• 各国別の主な取組
– 重点国:ベトナム、インドネシア、マレーシア、サウジアラビア
– その他対象国:カンボジア、ウクライナ、インド
• テーマ・分野毎の取組
– 国際標準化(ISO)活動
– 水・環境ソリューションハブ
– 情報収集・マッチング関連の活動
– 第7回世界水フォーラム
1
下水道を取り巻く国際情勢の変化
2
持続可能な開発のための2030アジェンダ
概要
2015/9/25国連サミットにて採択された2016年~2030年の国際開発目標
持続可能な開発の達成に向けて、先進国と途上国の双方が取り組むもの
17のゴールと169のターゲット(水と衛生に関するゴールが設定されている)
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)
下水道分野に関係するゴール・ターゲット
(仮訳)
目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
6.2
2030 年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外で
の排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を向ける。
6.3
2030 年までに、汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物質や物質の放出の最小化、未処理の排水の割
合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加させることにより、水質を改善する。
6.a
2030 年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術など、開発途
上国における水と衛生分野での活動や計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。
(参考)ミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)の状況
2014年の国連ミレニアム開発目標報告では、
・ 安全な飲料水を利用できない人々の割合
・ 基礎的な衛生施設を利用できない人々の割合
1990年
24%
51%
2012年
11% 達成
36% 未達成
3
GCUSの目的と主な活動メニュー
4
GCUSの3つの活動目的
世界の水・衛生問題等の解決に向けた国際貢献
国及び地方公共団体等の国際協力活動、国際交流活動を支援しつつ、
世界の水・衛生問題や地球温暖化問題の解決に貢献
下水道関連企業のビジネス展開支援
海外のビジネス展開に意欲的な下水道関連企業を学官が
強力に支援し、我が国の下水道界の活性化にも貢献
国内への下水道施策への還元
海外での活動成果を、我が国の地方公共団体に還元し、
新たな下水道施策の展開に反映
5
下水道グローバルセンター(GCUS)の構成
 2009年(平成21年)4月、国土交通省と(社)日本下水道協会が事務局となり、産学官が一体で、我が国の優位
技術の海外へのPRや、これらを活用したプロジェクト形成支援等により、民間企業の海外進出を後押しするた
めのプラットフォームとしてGCUSを発足。
 33社の会員企業が参加(H27.10末時点)。
運営委員会
事業方針、運営方針
等の決定
会員
(下水道関係公益法人等)
特別会員
(国総研、土研)
特別会員
(地方公共団体)
助言
対象となる国・地域や
活動内容等に応じ、
左記機関・企業から参画
調整
理事会員
審議会 :重要な方針等について助言
主な活動
WESHub:
会員企業
政府間関係構築
マッチング
顧問
セミナー・ワークショップ
現地規格・ISO
研修受入
世界水フォーラム
その他下水道
関係機関等
国際
展開先進自治体による
アライアンス
ニ
ー
ズ
の
把
握
・
活
動
実
施
JSC:
アジア太平洋
水フォーラム指定のサニ
テーション情報集約機関
下水道分野の国際活動に関するプラットフォーム
として全ての情報を集約
GCUS事務局
(公益社)日本下水道協会
国土交通省下水道部
相
手
国
政
府
等
連
携
国
内
の
関
係
機
関
6
プロジェクト形成フローとGCUSの主な活動メニュー
プロジェクト形成フロー
課題認識
政府間関係構築
GCUSの活動メニュー
政府間覚書の締結による二国間協力関係の基盤作り
政策対話の実施による最新の政策動向把握、信頼関係醸成
専門家派遣/相手国のニーズに応じた調査の実施
セミナー・ワークショップ
法制度整備
組織・人材
技術基準
セミナー開催により、日本の下水道事業に関する政策、経験、ノウハウを提供
ワークショップ開催により対象国政府関係者への本邦企業の優れた技術の紹介
研修受入
対象国キーパーソンの招聘・視察対応等による本邦民間企業の優れた技術の紹介
実務者レベルを対象とした研修による技術力・事業運営能力の強化
マッチング
視察受入・ビジネスマッチングにより対象国政府関係者と本邦企業の関係構築支援
現地展示会の開催による現地政府関係者及び現地企業との関係構築支援
技術の認知・選択
現地規格・ISO
海外向け技術確認による本邦技術の性能保証
現地規格への本邦優位技術のスペックイン
国際標準化の主導により、本邦技術を諸外国の基準等に面的に反映
プロジェクトの
実現へ
プラットフォーム機能
英文技術資料の作成
国内情報共有(GCUS/JSWAセミナーの開催など)
7
各国における主な活動
8
ベトナムにおける下水道整備の実施状況
 低い下水道処理率(ハノイ市:12%(2009年)、ホーチミン市19%(2010年))
 下水道事業に対する財源の確保、そのための法体系、制度、体制づくりが課題
 JICAの円借款事業等が主要都市にて多数実施中/実施予定
主要な下水道プロジェクト
クァンニン省
H26年度国交省プレFS調査を実施(日本工営、滋賀県)
JICA草の根協力事業を活用し、ハロン湾にあるカットバ島において、行政・住民・事業者一体となった
協働体制を確立し、トゥンディン湖とカットバ島南東部沿岸域を水質改善を目指す。(滋賀県)
ハロン市水環境改善事業(E/S)(H27.7.4L/A締結)
ハイフォン市
北九州市がJICA草の根技術協力事業を活用した技術交流を実施中。
ハノイ市
エンサ処理場整備に関するコンサルティングサービスを開始(日水コン・日本上下水道設計他3社JV)。
横浜市がJICA草の根技術協力事業を活用した技術交流を実施中。
フエ市
フエ市水環境改善事業(30,000m3/day)を水ingが受注。
ダナン市
市内下水処理場にメタウォーターがパイロット実験装置を設置し、実証実験を実施。
日本下水道事業団が、技術確認を実施。(H26年度は窒素・リン除去の技術確認を追加)
ビンズン省(南部ビンズン省水環境改善事業)
第1期事業実施済み。第2期事業(17,000m3/day)を神鋼環境ソリューションが受注。
第1期事業において、推進工法のパイロットプロジェクトを実施中。(ヤスダエンジニアリング)
ホーチミン市(ビンフン2期)
ビンフン処理場整備(330,000㎥/day)を日立製作所を含むJVが受注。
大阪市がJICA草の根技術協力事業を活用した技術協力実施中。
積水化学工業がJICA民間技術普及事業にて管路更生工法の試験施工を実施。
フーコック島下水道整備
 JICA-PPP-FSをH25.7に完了。
神戸市がJICA草の根技術協力事業を活用した技術協力を実施中。
9
ベトナムに関する取組①
政府間関係構築
ベトナム建設省との覚書に基づく定期協議、セミナーの開催
 国土交通省とベトナム建設省との間で、2010年12月に締結(2013年12月更新)
目
セミナー・WS
国土交通省からの専門家の派遣
①下水道政策に関する中央政府機関の政策策定能力向上
的:ワークショップ等開催を通じた情報交換、専門家の交流による調査研究
②下水道事業に関する各種省令、規則等の整備
協力内容: ①都市雨水排水・汚水処理
②下水/下水汚泥からの再生利用
③持続可能な下水道運営システム構築 ④管路・水処理関係技術基準策定
⑤下水道関連法規の策定
⑥下水道分野の地下インフラ
③地方政府の能力向上の仕組みづくり
④日越の技術交流促進
政府間覚書に基づく定期協議
セミナー・ワークショップ
 両国政府と自治体が一堂に会し、定期的に両国間の協力活動を確認
 第8回からはベトナム側の地方政府も参加
 下水道に関する制度(法律・財政)に関する情報共有や技術基準策定・普及を支援
 地方自治体の事業運営(料金徴収、都市洪水対策、維持管理等)に関する情報共有
日 時
開催地
日 時
参加機関
開催地
セミナータイトル
1
2010.12
ハノイ
日ベトナム下水道セミナー
大阪市、神戸市、川崎市
2
2012. 2
東京
日ベトナム下水道PPPセミナー
ハノイ
大阪市、神戸市、北九州市
3
2012.11
ハノイ
自治体の汚水処理管理能力向上ワークショップ
2013. 8
ハノイ
横浜市、大阪市、神戸市、北九州市、下水道事業団
4
2013. 8
ハノイ
下水道事業の体制と役割・責任分担に関するワークショップ
5
2014. 3
ハノイ
横浜市
5
2014. 3
ハノイ/HCMC
推進工法の普及に関するセミナー
6
2014. 7
大阪
横浜市、大阪市、神戸市、北九州市、川崎市、滋賀県、JS
6
2014. 7
大阪
管路・水処理技術に関する技術セミナー
7
2015. 1
ハノイ
横浜市、大阪市、神戸市、北九州市、川崎市、滋賀県
7
2015.1
ハノイ
日本の下水道法の制定と実践に関するセミナー
8
2015.10
ハノイ
横浜市、大阪市、神戸市、北九州市、川崎市、JS
ホーチミン、ハイフォン、ダナン、ビンズォン省、クァンニン省
8
2015.10
ハノイ
1
2011. 7
ハノイ
2
2012. 2
東京
3
2012.11
4
ベトナム下水道セミナー
~人材育成と新たな先端技術へのアプローチ~
10
(補足)ベトナムに関する取組①
日越下水道セミナー ~人材育成と新たな先端技術へのアプローチ~
政府間関係構築
セミナー・WS
日 時:2015年10月16日(金)8:00~12:30
場 所:ヒルトン・オペラ・ハノイ
出席者:(日本側)国土交通省 塩路下水道部長ほか
北九州市、大阪市、横浜市、神戸市、川崎市、JSなど
(越国側)建設省技術インフラ局 ティエン局長他関係機関
(その他)世界銀行、ADB、GIZなど水に関係する各ドナーから参加
セッション1:下水道分野の人材育成
 人材育成‐持続可能な下水道事業のために‐(日本下水道事業団)
 下水道分野の人材育成に関するGIZの支援(ドイツ国際協力公社(GIZ))
 ベトナムの下水道分野における人材育成の現状とニーズ(ベトナム上下水道協会)
 国立土木大学における上下水道分野の研修の現状と解決策(ハノイ土木大学)
 下水道セクターにおける人材育成 - 下水道センターの設立- (JICAベトナム事務所)
セッション2:下水道分野の新たな先進技術
 日本における下水道整備と技術開発(建設省下水道政策アドバイザー)
 推進工法規格の改訂について(日本大学教授)
 ダナン市における生物的ラグーン下水処理の運用(ダナン下水排水公社)
 先進的省エネ型下水処理システム(㈱メタウォーター)
 管路の老朽化対策について
-ホーチミン市における非開削下水道管路更正工法の試験施工-(大阪市)
セッション3:下水道整備に必要な行財政制度
 ハノイの下水管理の現状と課題(ハノイ市建設局)
 日本における下水道分野におけるPPPの現状(国土交通省)
 ベトナムにおける下水分野のPPP(世界銀行)
11
(補足)ベトナムに関する取組①
第8回下水道分野の技術協力に関する日越定期会議
政府間関係構築
日 時:2015年10月16日(金)14:30~17:00
場 所:ヒルトン・オペラ・ハノイ
出席者:(日本側)国土交通省 塩路下水道部長ほか
北九州市、大阪市、横浜市、神戸市、川崎市、JSなど
(越国側)建設省技術インフラ局 ティエン局長
ホーチミン、ハイフォン、ダナン、ビンズォン省、クァンニン省
結果概要:
○推進工法基準(改訂版)の授与
 平成27年1月に手交した基準に、マンホール蓋や組み立てマンホールに関する
基準を追加した推進工法基準(改訂版)をティエン局長に手交。
○二国間協力の進捗状況の確認
① 2015年2月から2015年10月までの主な活動と成果
 国土交通省による推進工法研修の実施(2015.1~2)
 横浜市とハノイ下水排水公社の間での下水道技術セミナーの開催(2015.3)
 JICAとビンズォン省による推進工法の現地見学会(2015.4)
 建設科学技術院におけるマンホール蓋の技術説明会(2015.7)
 大阪市・積水化学工業によるホーチミンでの管路更生工法(SPR)デモ施工の実施
(2015.9)
 JICA九州・北九州市による下水道経営研修(10名)の実施 (2015.10)
②2015年11月から2016年3月にかけての今後の活動計画
 ホーチミン市と大阪市による住民啓発イベントの開催(2015.11)
 横浜市とハノイ下水排水公社間での本邦研修の実施2015. 11~12)
 JICA関西・大阪市による下水道経営研修(10名)の実施 (2015.11~12)
12
ベトナムに関する取組②
下水道法制度整備支援
現地規格作成
 先方政府の要請及び技術協力覚書に基づき、ベトナム国向けの下水道法制度整備を支援中。
平成26年度実施内容 ・下水道整備、下水処理に関連する法令文書のレビュー
・放流水質基準達成のための排水処理方法の選択に関するマニュアル素案
・ベトナムの下水道関連法制度の提案内容案の検討
今年度も引き続き、法制度整備支援を実施予定。
推進工法基準策定支援
現地規格作成
 技術協力覚書に基づき、引き続きGCUS推進ワーキングを中心に推進工法基準策定を支援。
 第8回下水道分野の技術協力に関する日越定期会議(平成27年10月)の際に、推進工法基準(改訂版)を手交。
推進工法研修の実施
人材育成
【平成23年度実施内容(平成24年2月26日~3月10日)】
 推進工法の優位性の理解促進や、推進マシンのオペレーションノウハウの体得・資格の付与に関する研修を実施。
 研修対象者:中央・地方政府のエンジニアリング部門の管理職級
【平成26年度実施内容(平成27年1月25日~2月7日)】
 推進工事に対応できるベトナム人技術者を養成するため、推進技術について実務的な研修を実施。
 研修対象者:ハノイ市、ホーチミン市、ベトナム建設省、IBST、ICEの担当職員 計5名
下水道管路更生工法の普及支援
 ホーチミン市下水管理能力開発プロジェクトフェーズ2(大阪市からJICA長期・短期専門家派遣)により、下水道台帳システム整備。
 JICA民間技術普及促進事業(実施機関:積水化学工業、都市技術センター)により、ホーチミン市においてSPR試験施工を実施。
 今年度、国交省業務により、ホーチミン市における管路更生工法の更なる適用可能性調査を実施中。
13
ベトナムに関する取組③
技術確認
日本下水道事業団(JS)による海外向け技術確認
メタウォーター(株)が、ベトナムのダナン市内の下水処理場に処理能力300m3/日規模のパイロット実験装置を
設置して、実証実験を実施。
日本下水道事業団が、現地調査や実証実験データの確認などを行うことにより、技術の性能等を確認。
平成26年度は、窒素・リンの除去に関する技術確認内容を追加。
実証中の「高効率固液分離・新型散水ろ床・後段固液分離」技術
政府間関係構築
セミナー・WS
国交省職員の参加により開催された
現地WS(H26.3、ダナン)
実証試験の実施状況
海外向け技術確認書の手交
(JS野村理事-ティエン局長)
14
ベトナムでの受注実績(2014年度~)
企業名
案件名
概 要
ヤスダエンジニアリング
南部ビンズオン省水環境改善事業
(フェーズ1)
下水管きょ敷設工事(JICA円借款事業)
・下水道推進工(管渠総延長=438.5m、
内径300mm)
・立坑構築工(発進側:φ3000mm×3 基、
到達側:φ2000mm×4 基)
神鋼環境ソリューション
南部ビンズオン省水環境改善事業
(フェーズ2)
下水処理場(1.7万m3/日)の設計・建設
(JICA円借款事業)
第2期ホーチミン市水環境改善事業
既設の下水処理場を拡張し、処理能力を
14.1万m3/日から46.9万m3/日へと増大さ
せる事業(JICA円借款事業)
フエ市水環境改善事業
下水処理場 (3万m3/日)、ポンプ場 (7カ
所)の機械・電気設備の設計・建設・維持管
理(JICA円借款事業)
日立製作所
水ing
 今後もJICA円借款事業(ハノイ、ハロン等)等での本邦企業受注を支援
15
下水道分野の海外展開 ロードマップ(ベトナム)
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
JICA事業による各種研修を通じた人材育成
人材
育成
JICA草の根技術協力を通じた自治体間技術交流の促進
(北九州市、神戸市、大阪市、横浜市など)
下水道センター(仮称)設立準備
下水道センター(仮称)の
設立・運営
地方公共団体間の協力関係
行政間
関係構築
ベトナム建設省と
国交省の協力覚書締結
1
2
覚書を3年間延伸
3
4
5
6
7
8
政府間定期協議ワークショップ
専門家派遣(下水道政策アドバイザー)
法制度整備支援(ベトナム汚水処理法など)
推進工法研修実施
技術基準
・
技術評価
推進工法現地規格策定支援
省エネ処理技術実証試験(民間)
規格策定
GCUSベトナム
推進チーム発
足
海外向け技術確認
(日本下水道事業団)
管路更生
試験施工(JICA)
ホーチミン市水環境改善計画(1期)
具体の
事業
2015.10版
ハノイ市水環境改善事業
ホーチミン市水環境改善計画(2期)
ハノイ市エンサ下水道整備事業
地方中核都市の下水道整備
(ハイフォン市、フエ市、ダナン市、ビンズォン省、ドンナイ省など)
その他中小規模都市
16
インドネシアにおける下水道整備の実施状況
 インドネシアにおける下水道普及率は4%程度であり、ASEAN 周辺各国と比較しても、下水道整備の遅れは
際立っている。
 JICAの支援により、2012年に汚水管理マスタープランが見直されたところであるが、2014年にジャカルタ首
都圏統合沿岸域開発事業(NCICD)が開始されたことより、汚水処理の普及が急務となっている。
ジャカルタ下水の状況
ジャカルタ特別州下水道整備事業
2012年 汚水管理マスタープランを見直し、14の処理区に
ついて短期・中期・長期計画を策定。
第1処理区、第6処理区を優先プロジェクトとして、
円借款等の活用により下水道整備を進める予定。
目標年次
短期計画
2020年
中期計画
2030年
長期計画
2050年
下水道普及率
20%
40%
80%
2014年 ジャカルタ首都圏統合沿岸域開発事業(NCICD)により、
2022年までに汚水処理率75%まで整備する必要がある。
 経緯
第1処理区
全体事業費:約450億円
2013年3月 F/S調査終了
2014年2月 ジャカルタ特別州下水道整備事業(E/S)のL/A締結
(円借款額:約20億円)
2014年2月 ジャカルタ特別州下水道整備事業に係る補完調査
(JICA)に着手
受託者(日水コン・日本工営・オリエンタルコンサルタンツ・
ウォーターエージェンシー・ 北九州市のJV)
下水道管新設工事の詳細設計、下水処理場建設候補地の調査
ジャカルタ首都圏統合沿岸域開発事業(NCICD※1)
※1 National Capital Integrated Coastal Development
第6処理区
第1処理区
短期計画(~2020)
中期計画(~2030)
長期計画(~2050)
ジャカルタ汚水管理マスタープランの処理区
2015年7月 E/S発注手続きを開始
7/7PQ公示、8/6〆切
来年早々の契約を目指しているところ。
第6処理区
2013年3月 F/S調査終了
事業化は第1処理区の次の予定
17
インドネシアに関する取組
政府間関係構築
セミナー・WS
公共事業省との社会資本整備分野に係る覚書の調印
国土交通省とインドネシア公共事業省との間で、WS開催等を通じた情報交換や専門家派遣による調査研究な
どの社会資本整備分野の協力促進に関する覚書を締結(H25.9)。下水道も協力分野の一つ。
政策対話等により、下水道事業実施のための財政制度等について日本の経験を共有。
また事業化にあたっては、次の3点を設計に反映させるべく提案中。
①分流式より効率的かつ早期の整備が見込める合流式の採用
②狭小な処理場用地に適した膜分離活性汚泥法の採用
③道路交通への悪影響を低減する推進工法の採用
政府間協議の実施状況
日時
件 名
開催地
協力機関
H25.7
日尼政府間協議
ジャカルタ
北九州市・JS
H25.9
日尼第1回建設次官級会合
ジャカルタ
北九州市
H25.12
日尼政府間協議
ジャカルタ
H26.2
日尼政府間協議
ジャカルタ
北九州市
H26.6
日尼政府間協議
ジャカルタ
北九州市
H26.8
日尼政府間協議
北九州市
北九州市
H26.11
日尼第2回建設次官級会合
ジャカルタ
北九州市
H27.1
日尼政府間協議
ジャカルタ
H27.10
日尼政府間協議
ジャカルタ
覚書の締結式(H25.9)
日尼第2回建設次官級会合(H26.11)
JICA専門家派遣
 公共事業・国民住宅省に1名派遣中。ジャカルタ特別州に北九州市から1名派遣中。
18
チリウン川地下放水路建設現場を尼国大統領・知事・大臣が視察
 平成25年1月にジャカルタ特別州で発生した大洪水を受けて、大統領命令によりチリウン川地下放水路建設事業が事業化。
 本邦下水道推進工法関連企業JVは、設計施工計画・施工指導およびそれに伴う資機材の提供により協力。
 平成27年1月より掘進が開始され、2/17発進式、2/18新大統領による現場視察等、現地の注目度は高い。
背景
インドネシア国大統領・知事・大臣による現地視察
H25.1の大洪水を受けて、チリウン川地下放水路建設を事業化
H27.2.18、 ジョコウィ大統領・アホック ジャカルタ特別州知事・
バスキ公共事業国民住宅大臣の3名が現地視察
知事
大統領
大臣
大使館前の道路状況
(H25.1)
冠水した宮殿内を視察するユドヨノ前大統領
(H25.1)
事業概要
本邦下水道推進工法関連企業による地下放水路建設
事業内容:内径3,500mm 延長約1.3km×2本の地下放水路建設
本邦企業担当部分:設計施工計画・施工指導、資機材提供
H27.10、放水路側の工事完了。
残り半分(取水側)については、
来年春頃より着工予定。
本邦企業:機動建設工業・ヤスダエンジニアリング・イセキ開発工機
国土交通省は、トップセールス、政府間協議、セミナー、研修により、
下水道推進工法関連企業の参入を支援
19
マレーシアに関する取組み
 下水道普及率は約70%と高い水準ではあるが、小規模下水道が乱立し、下水管路も老朽化するなど、維持
管理が不十分。
 水資源の確保も課題。
セミナー・WS
エネルギー・環境技術・水省との政府間協議・下水道セミナー開催
H24.7、H27.7に開催。
日本の下水道事業に関する政策、技術、経験およびノウハウを提供し、
マレーシアの下水道事業における課題解決に資するソリューションを提供。
マレーシアの下水道整備に関する講演会(H27.7)
政府間関係構築
国土交通省は、引き続き、二国間協議等の実施を通じて、本邦企業のプロジェクト受注を支援。
政府間の関係を基礎に、さらに他地区、他都市(ジョホールバルなど)への水平展開の可能性を検討。
現地規格
マレーシアSPANへの日本製ディフューザの製品登録
国土交通省・日本下水道協会は、本邦企業の散気装置に関する現地規格取得を24年度より支援。
26年度、SPAN取得。
ランガット地区下水道整備プロジェクト
-
対象面積 : 約80k㎡、計画人口:約90万人、計画下水量:約20万㎥/day
事業形態 : 下水道施設の設計・建設・維持管理までの一括事業
H26.10、住友商事・MMCのコンソーシアム(共同企業体)とマレーシア政府が契約合意。
東京都下水道サービスが技術支援。
汚染が進むランガット川
20
サウジアラビアに関する取組
 水資源の確保(再生水利用率:約18%) とともに、公共用水域(地下水、海)の水質汚濁、
下水管路の老朽化が課題。
 地区ごとに下水道事業の包括民間委託の動きあり。
政府間関係構築
 上下水管理における協力に関する日本国経済産業省及び日本国国土交通省とサウジアラビア王国水電力省
との間の覚書(H23.9締結)
 サウジアラビア水電力省との政府間協議
日 時:平成25年11月26日(火)10:00~13:30
場 所:サウジアラビア水電力省内講堂
(サウジ側)水電力省(開発担当次官、アリ下水道局長他
国家水公社(NWC)
(日本側) 国土交通省下水道部(加藤流域管理官他)
水ing、積水化学、神鋼環境ソリューション、日立など
- 下水道事業に関する最近の政策動向、管渠のストックマネジメント、人材育成に関し議論
- 本邦民間企業による技術紹介を実施
研修受入
国交省「サウジアラビア下水道研修」
時期:H26.1の6日間(神戸市)
対象:サウジ国営水公社(NWC) 2名
内容:下水道事業経営、処理水再利用及び管路管理等
本邦研修の様子
 今後も、在サウジアラビア大使館のアタッシェ(国交省出向者)を中心に情報収集を実施
 ビジネスマッチング、現地セミナーの開催も検討
21
カンボジアに関する取組
下水道整備の現状
 カンボジアには下水処理場が3箇所存在
(シェムリアップ、シアヌークビル、バッタンバン)
 ただし、バッタンバン市の処理場については稼働停止中
 首都プノンペンには下水処理場はなく、現在JICA技プロ
にて下水道マスタープランを作成中
シェムリアップ市
(安定化池、流入水量:11,400m3/日)
シアヌークビル市
(安定化池、対象人口:30,000人)
これまでの国土交通省による調査
• カンボジア国における下水道事業等の整備計画策定調査業務(プノンペン都下水道プレF/S、平成23年度)
• 平成24年度カンボジア国地方都市における下水道整備計画等策定業務(シェムリアップ市下水道プレF/S、平成24年度)
カンボジア対象本邦下水道研修(平成25年度)
(日時)平成26年1月27日~2月8日
(目的) ①下水道マスタープランの作成
②下水道施設の維持管理
③本邦下水道技術の紹介
(対象者) 3名 (公共事業運輸省、プノンペン都、シェムリアップ市)
カンボジア政府幹部とのビジネスマッチング
(日時)平成26年10月22日
(招聘者)カンボジア公共事業運輸省公共事業総局副局長
(内容)GCUS企業等より自社技術・製品紹介
プノンペン都下水・排水改善プロジェクト(JICA)
(協力期間) 2014年8月~2016年2月
(相手機関) プノンペン都 公共事業・運輸局
(調査範囲) プノンペン都行政区域全域
(上位目標)
プノンペン都において2035年までに適切な汚水
対策及び排水改善がなされ、浸水被害や周辺環
境汚染が緩和される。
(内容)
1)汚水対策・排水改善マスタープランの策定
2)MPで策定された優先プロジェクトのプレF/S
3)汚水対策・排水改善に係る計画策定能力強化
22
ウクライナ ボルトニッチ下水処理場改修事業




首都キエフ市(人口約280万人)唯一の下水処理場である『ボルトニッチ下水処理場』の改修等事業。
2014年3月G7首脳会合にて、安倍総理より本事業に最大で1,100億円の円借款を供与する旨発表。
本邦技術活用条件(STEP)案件。
JSがJICAより案件監理業務(設計品質の管理)を受託。
事業概要
《目的》 • 1964年に供用を開始した老朽化が著しい
ボルトニッチ下水処理場の改修等を通じ、
衛生・居住環境の改善に貢献するもの。
• 下水処理水放流基準について、EU基準
適合を目指し、高度処理の導入を図る。
位置図(キエフ市)
老朽化状況(沈砂池)
《規模》 総事業費:約1,400億円
円借款額:約1,082億円(H27.6.15 L/A締結)
STEP案件
《概要》 1.水処理施設の改修・新設
(3系列で処理能力157万m3/日)
2.汚泥処理施設の新設 ※
3.汚泥焼却施設の新設 ※
4.コンサルティングサービス
※現在の汚泥処分場は容量的に限界であり、汚泥
減容化(上記2及び3)施設の導入が喫緊の課題。
※本邦調達比率も上記2.3が大部分を占める予定。
老朽化状況(最初沈殿池)
経緯・スケジュール
2012.11 ウクライナ政府より円借款要請
2014. 3 G7首脳会合にて安倍総理より円借款供与を発表
2014.10 STEP説明会開催(関心企業が参加)
2015.6. 6 E/N署名(安倍総理・ポロシェンコ大統領が立会い)
2015.6.15 L/A締結
23
インドに関する取組
 インドの下水道普及率は低く、今後も下水道関連市場は成長していく見込み。
※2011時点で下水道人口普及率は11.7%(Global Water Market 2014)
 JICA円借款事業もコンスタントにあるが、インドの地場企業の競争力が高く、本邦企業は苦戦(入札への参
加も少ない)。
 鉄道以外ではSTEP案件がなく、通常のODA案件でもDBがほとんどで、本邦企業が有利となるスペックイン
が困難。
政府間関係構築
SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)
• 都市開発分野に関する協力に係る日本国国土交通省と
インド国都市開発省との間の了解覚書(H19.5締結)
• 以降、都市開発に関する日印交流会議を計8回開催
※ SATREPS は 、 科 学 技 術 振 興 機 構 ( JST) と 国 際 協 力 機 構
(JICA)が共同で実施している、地球規模課題解決と将来的な
社会実装に向けて日本と開発途上国の研究者が共同で研究
を行う3~5年間の研究プログラム
※ プロジェクトの規模:1課題あたり1億円程度/年
【内訳】 JST:3,600万円程度/年JICA:6,000万円程度/年
JICA円借款事業においても本邦企業は苦戦
• 2010~2014年の円借款案件の応札結果として、
→応札案件26件の内、本邦企業の参加は1件
(落札はインド企業JV)。
※上下水一体を含む本体契約10億円以上の案件
→それ以外の案件も、インド企業もしくはインド企業+
他国のJVが落札。
• 原因
1.インド企業は、技術力・価格競争力を有し、本邦企業
は苦戦。
2.通常の案件はほとんどがDBで、本邦企業が有利と
なるようなスペックインが困難。
•インド国アグラにおいて「エネルギー最小消費型の下水
処理技術の開発」を実施中
研究代表者:東北大学 原田教授
実施期間:H23~ 5年間
研究内容:・UASB(上昇流嫌気性汚泥床)の後段に、
DHS(下向流懸垂型スポンジ)リアクター
を設置した水処理技術を実規模で実証。
・UASB-DHSシステムの実機化・普及のた
めの設計指針・維持管理マニュアルの作成。
24
テーマ・分野毎の取組
25
下水道に関連する主な国際標準化の取組み
ISO
 知的財産戦略本部の「知的財産推進計画2010」を決定。同計画内で、国際標準化を進めるべき特定戦略分野(7分野)の一
つに「水分野」が位置づけられたことを受け、「国際標準化戦略アクションプラン(水分野)を策定
 以降、同プランに基づき、下記の国際標準化に関する活動を官民連携して実施中
専門
委員会
ISO/
TC138
対象分野
流体輸送用プラスチッ
ク管、継手及びバルブ
類
幹事国
日本
国内審議団体
日本プラスチック
工業連盟
具体的な規格
• ISO11296-3 Close-fit Pipes
• ISO11296-4 Cured In Placed Pipes
• ISO11296-7 Spirally-wound Pipes など
• 上記規格を議論していたWG12(配管更生)がSC8に昇格
ISO/
TC 224
上下水道サービス
フランス
日本下水道協会
•
•
•
•
•
ISO/
TC 251
アセット
マネジメント
(全インフラ共通)
英国
京都大学ビジネス
リサーチセンター
(KBRC)
• ISO/FDIS 55000 アセットマネジメント(概要、原則、用語)
• ISO/FDIS 55001 アセットマネジメント(マネジメントシステム:要求事項)
• ISO/FDIS 55002アセットマネジメント
(マネジメントシステム:ISO55001適用のガイドライン)
ISO 24510、24511、24512: 2007
上下水道のアセット・マネジメント(WG6:策定中)
クライシス・マネジメント(WG7:策定中)
トイレに流せる製品(WG10策定中)
雨水管理(WG11:策定中) 等
※英国規格PAS 55がベース
• 2014.1に国際規格(IS)発行
ISO/
TC 275
汚泥の回収、再生利用、 フランス
処理及び廃棄
日本下水道事業団
日本下水道
施設業協会
• 2012.7 フランス提案を受けて2013.2に作業開始が決定
• 2013.11 第1回会合、2014.9第2回会合を開催
• ①用語の定義②評価方法③消化④土壌還元⑤熱操作⑥濃縮と脱
水⑦無機物および栄養塩類の回収、の7つのWGを設置。
ISO/
TC 282
水の再利用
国土交通省
下水道部
• 第1回会議を2014.1に東京にて開催。
SC1:灌漑利用(イスラエル提案)
SC2:都市利用(中国提案)
SC3:リスクと性能評価(日本提案)
2014.4に承認済み
• 第3回会議を2015.11に中国で開催
日本
中国
(議長国)
イスラエル
26
ISO/TC224/WG11(雨水管理の国際標準化)
ISO
 ISO(国際標準化機構)の専門委員会TC224(飲料水及び下水サービス)において、日本が提案していた雨水
管理に関する国際規格づくりのためのワーキンググループ(WG11)の設置が、各国委員の投票(平成26年12
月)の結果、賛成多数で承認。
 WG11の議長は、国土技術政策総合研究所下水道研究部の榊原下水道研究官。
 平成27年4月16日、オーストリア・ウィーンで最初の会合を開催。
 第2回会合(平成27年11月16日~17日、カナダ・トロント)に向けて、日本としての対応方針等を検討するため、
10月13日に第1回雨水管理国際標準化検討会を開催。
1.国際規格の内容
2.日本の狙いと国内体制
• 本規格は、下水道管理者に「雨水管理システム」※のた
めの施設整備の基本的な考え方と計画策定プロセスの
ガイドラインを示すもの。
※「雨水管理システム」とは、雨水の流出に伴う浸水や水
質汚濁を防いだり緩和する物理的インフラとその制御シ
ステムから構成。
• 国際規格づくりを主導することで、本邦企業がいち早く規格に沿った計画手法や国
際規格に基づくビジネス展開の検討を行うことができる。
• 本邦技術を意識した規格づくりと規格の活用を行うことにより、日本の優位技術の
海外展開に寄与。
• 下水道部流域管理官を中心に、日本下水道協会、地方公共団体、国内関係企業
等が連携しながら規格化を推進。
雨水管理国際標準化検討会 委員名簿
座長
副座長
委員
ウィーン会議の様子:約20名の参加
〃
〃
〃
〃
〃
〃
特別出席
事務局
第1回雨水管理国際標準化検討会
〃
〃
東京大学大学院工学系研究科 教授
TC224/WG11 Convener/
国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部 下水道研究官
TC224/WG11 Expert/
北九州市上下水道局西部工事事務所 所長
東京都下水道局計画調整部計画課 課長代理(基本計画担当)
横浜市環境創造局下水道計画調整部下水道事業調整課 担当係長
名古屋市技術本部計画部 計画第二係長
大阪市建設局下水道河川部事業計画担当課 担当係長
福岡市道路下水道局総務部下水道経営企画課 企画第1係長
(一社)全国上下水道コンサルタント協会
国土交通省水管理・国土保全局下水道部 流域管理官
TC224/WG11 Secretariat/
日本サニテーションコンソーシアム 調整官
国土交通省水管理・国土保全局下水道部流域管理官付
TC224国内審議団体/日本下水道協会
古米 弘明
榊原 隆
田中 文彦
神田 浩幸
黒羽根 能生
河合 克敏
檜山 幹
樽井 史朗
古屋敷 直文
加藤 裕之
フラマン・
ピエール
-
- 27
ISO/TC275(汚泥の回収、リサイクル、処理、処分)
ISO
規格化の動向
AFNOR(仏)の提案により、仏を幹事国として、H25.2にTC275(専門委員会)が設立。(日本はPメン
バーとして積極的に参加。国内審議団体は、日本下水道事業団・日本下水道施設業協会。)
現段階のスコープは、任意の水処理施設からの汚泥が対象であるが、これまでの全体会議の議
論においては、主として下水汚泥を対象とするという議論がなされている。
第1回会合(パリ、2013.11)での議論の結果、 ①用語の定義②評価方法③消化④土壌還元⑤熱
操作⑥濃縮と脱水⑦無機物および栄養塩類の回収、の7つのWGが設置
H27.11.9~13に第3回TC275会合をオーストラリアで開催。
日本の対応としては、
・WG5(熱操作)
・WG7(無機物および栄養塩類の回収)
に積極的に関与。
第2回全体会議の様子
今後の対応
規格化されたものは、WTO政府調達協定に基づく地方公共団体への調達のみならず、ODAにおけ
る調達案件等の要件にも、適用されることが想定される。
平成27年度も、下水道関係企業、国内審議団体(日本下水道事業団、日本下水道施設業協会)と
連携し、国内メーカー技術の国内展開、更に海外展開を念頭に対応。
28
ISO/TC282(水の再利用)
ISO
 膜処理技術に関する信頼性の向上、我が国の優位技術の国際競争力の向上を図るべく我が国が主導してISO専門委員
会(TC282)を立ち上げ、幹事国となった。第1回TC282会議は平成26年1月に東京で開催。
 具体の議論を進めるため、再生水利用システムにおけるリスクと性能の評価に関する分科委員会(TC282/SC3)を設置。
同年11月に、第2回TC282会議と合わせて第1回SC3会議をリスボン(ポルトガル)にて開催。
 SC3において、水の再利用に関する健康リスクの適正な評価・表示、水の再利用のための処理技術に関する規格を提案。
今後、平成29年度を目途に我が国が主導的にこれらの国際標準を策定し、国際競争力の強化を図る。
TC282の枠組み
TC282:水の再利用(議長国:イスラエル、幹事国:日本、中国)
SC1:灌漑利用(イスラエル)
TC282参加国
P-members(投票権有):
平成27年9月時点
Austria, Canada, China, Egypt, Ethiopia, Finland, France, Germany, India,
Ireland, Israel, Japan, Kenya, Korea, Mongolia, Peru, Portugal, Rwanda,
Spain, United States, Viet Nam (21か国)
SC2:都市利用(中国)
SC3:再生水のリスクと性能評価(日本)
※国内審議団体:国土交通省下水道部流域管理官
O-members (投票権無):
Argentina, Armenia, Belgium, Colombia, Czech Republic , Denmark, Iran,
Italy, Lithuania, Malaysia, Netherlands, New Zealand, Poland, Serbia,
Singapore, Sri Lanka, Switzerland, Thailand, United Kingdom(19か国)
会議開催状況(予定含む)
ISO化が期待される膜処理技術
MF膜(平膜)
○下水を膜を透過させ処理する
膜分離活性汚泥法(MBR)に
より良質な水質の再生水を供
給することが可能。
○我が国の膜処理技術は膜の口
径の均一性や省エネ性能等に
MF膜(セラミック膜)
おいて海外製品に比べて優位
TC282
SC1
SC2
SC3
1st
-
-
-
平成26年6月(リスボン)
-
1st
-
-
平成26年11月(リスボン)
2nd
2nd
1st
1st
-
3rd
2nd
2nd
3rd
4th
3rd
3rd
-
5th
4th
4th
4th
6th
5th
5th
平成26年1月(東京)
平成27年5月(バンクーバー)
平成27年11月(北京)
平成28年5月(アメリカ)
平成28年10月(テルアビブ)
29
下水道分野におけるISO55001適用ユーザーズガイド(案)
ISO
規格の概要
 上下水道・道路・鉄道・電力など、様々なインフラに適用されるアセットマネジメントに関する国際規格。
 物的アセットのマネジメントに加えて、情報アセット、金融アセット、無形アセット、人的アセット等を総合的にマネジメントするため
の規格
 外部機関による認証/登録制度が想定される。
下水道部の対応
 ISO55001アセットマネジメント(平成26年1月発行)を見据え、「下水道分野におけるISO55001ガイドライン検討委員会」を設置し、
下水道分野におけるISO55000シリーズに対する認証ガイドラインを検討
 検討会の枠組みの中で、認証機関と連携し自治体・企業等を対象とした「試行認証」を実施
 平成26年度には、ユーザーズガイドをより実務に役立ち普及を促進するものとするために、自治体職員からなる自治体ワーキン
ググループを設置
 認証取得に必要な体制・取組・文書類等に関するユーザーズガイドを作成
 今後、第3者機関による認証制度を活用した自治体・企業等へのISO55001の普及を通じ、各機関のアセットマネジメント体制の
構築を促進
下水道分野におけるISO55001適用ガイドライン検討委員会
(委員構成)
・学識者
・自治体
・認定機関
・企業 など
・日本規格協会
・日本マネジメントシステム
認証機関協議会
・関係団体
など
試行認証
平成25年度:仙台市、水ing
平成26年度:愛知県、愛知水と緑の公社
自治体ワーキンググループ
情報システム審査(仙台市)
ISO55001登録証(水ing)
下水道分野におけるISO55001適用ユーザーズガイド(案)
・要求事項の解説
・認証取得に必要な体制、取組、文書等の記載、例示
30
水・環境ソリューションハブ(WES-Hub)
WES Hub
とは?
 日本の水・環境インフラの技術と政策を海外に積極的に提供していくための都市・下水道事業団による
連合体のこと。(H27.4時点で11団体)
 下水道をはじめとした水・環境インフラ分野の民間企業の海外展開にあたっては、政府間での協力基盤
の活用が有益。
 特に、下水道分野では下水道事業を運営している地方公共団体に、政策的・技術的ノウハウが蓄積され
ており、海外都市との都市間協力をビジネス展開の基盤として活用することが有益。
水環境ソリューションハブ
登録都市・技術専門機関
Japan Sewage
Works Agency
Kobe City
City of
Sendai
Shiga
Prefecture
Saitama
Prefecture
Tokyo
Metropolitan
City of
Kitakyushu
City of
Kawasaki
Technology 技術
先進的な技術開発のためのフィールド
の提供と本邦技術のショーケース化
Osaka
City
Fukuoka
City
City of
Yokohama
窓口・情報集約
事務局
Learning 学習機会の提供
水インフラの運営ノウハウや
水問題等の解決に関する経験
を海外向けに発信
Networking 交流
都市の国際交流・
海外展開支援の経験の共有
31
水・環境ソリューションハブ(WES-Hub)
先進的な技術開発のためのフィールドの提供と本邦技術のショーケース化
AAAにおけるショーケース施設整備
 各AAAにおいて、下水処理場内等で海外向けショーケースを整備
今年度供用開始・供用予定の施設
北九州市:ウォータープラザを中核施設に整備
日明浄化センター管理棟建替えに併せて整備
 技術、製品の展示
 ビジネスマッチング
 実施設を活用した国際研修
 官民一体での研究開発
 国際会議、セミナーの開催
 環境学習、産業観光にも活用
横浜市:北部下水道センター内に拠点整備
北部下水道センター内に設置(H28.3供用開始予定)
① 実際の施設をわかりやすく見学できるショースペース機能
② 公民の技術紹介やビジネスマッチングの場を提供するプロモーション・商談機能
③ 民間活力を最大限活用した技術開発を推進するテストベッド機能
32
人材育成・情報発信・収集
セミナー・WS
海外(学術)技術交流会議(セミナー)
国際的人材の育成に貢献。
日本の官民の優れた技術を世界に発信。
欧米の先進的情報を収集し、国内に施策に反映。
第5回EWA/WEF/JSWA特別会議
 日 程:H27.6.8~10
 主 催:米国水環境連盟、
欧州水協会、日本下水道協会
 会議場所:米国ワシントンD.C
 テーマ:水とエネルギー、資源の
有効利用
 内 容:口頭論文発表(10件)、
ポスター発表(6件)
WEFTEC2015




日 程:H27.9.26~30
主 催:米国水環境連盟
会議場所:米国シカゴ市
内 容:口頭論文発表(5件)、
ポスター発表(3件)
日米下水道シンポジウム
 日 程:H27.4.20~24
 主 催:日本下水道協会
 会議場所:東京国際フォーラム、
大阪市、神戸市他
 内 容:WEF会長講演(処理場のエ
ネルギー自立 )、パネルディスカッ
ション、会員との出前意見交換会
33
情報収集・発信・マッチング①
 国内関係機関や海外派遣専門家等を講師として招き、
海外の下水道整備に関する最新の情報を会員企業にフィードバック
日 時
テーマ
プラットフォーム機能
セミナー・WS
内 容
第1回
H24.2
JICAの有償勘定支援
円借款の実績と最近の動向、日本企業が留意すべき事項等について
第2回
H24.2
インドの下水道事情
インドの組織体制、最近の下水道プロジェクトの説明、水ビジネスに関する情報
第3回
H24.4
世界水フォーラム
フランス・マルセイユで行われた第6回世界水フォーラム・展示会出展報告について
第4回
H24.7
インドネシア情報の提供
インドネシアに駐在のJICA専門家より最新の下水道事情について
第5回
H24.12
ベトナム情報の提供
ベトナムの下水道組織体制、下水道状況の把握、課題、案件形成あるいはビジネス展開を行うために必要な情報等について
第6回
H24.12
東欧下水道情報の提供
フィンランド、オーストリア、ポーランド3ヶ国の下水道の実態把握、先端技術ニーズ、北欧諸国とのネットワーク形成について
第7回
H25.2
ODA有償勘定支援
円借款の実績と最近の動向、海外下水道事業の課題と対応等について
第8回
H25.3
インド展示会報告
インド・チェンナイで行われた水展(Indo Expo)の出展報告について
第9回
H25.6
海外セミナー報告/中国水環境事情
ロシアで行われた下水セミナーの参加報告及び中国深圳市駐在の学識者による中国の水環境事情についての報告
第10回
H25.9
JICAの下水道事業
円借款の実績と最近の動向、日本企業が留意すべき事項等について
第11回
H26.1
モンゴルの下水道事情
モンゴル建設・都市計画省のオンドラハ氏より下水道・環境事情についての報告
第12回
H26.2
ベトナムホーチミン
プロジェクト報告
ベトナムの下水道現状と将来計画、JICAのホーチミン市下水道管理能力向上プログラムについての報告
第13回
H26.6
モンゴルの下水道事情
JICAシニアボランティアによりモンゴルの下水道事情について
第14回
H26.9
インドの下水道事情
インドの下水道事情について(JICA長期専門家 国土技術政策総合研究所 榊原氏)
第15回
H26.9
ベトナムの下水道事情
ベトナムの下水道事情について(JICA長期専門家 大阪市松浦氏・藤田氏)
第16回
H26.11
MBR事情
世界のMBRの現況と今後の展望について(株式会社日水コン 村上氏)
第17回
H27.7
ODA有償勘定支援
円借款の実績と最近の動向、海外下水道事業のニーズ(JICA 佐々木氏)
第18回
H27.8
インドネシア情報の提供
インドネシア及びジャカルタの下水道事情と将来計画(JICA 西氏)
34
情報収集・発信・マッチング②
マッチング
マッチングセミナー
企業が自社技術・製品を外国政府幹部等にアピールする機会を提供
外国関係者から当該国の下水道事情を情報収集
国名
関係機関・関係者
時期
カンボジア
カンボジア国公共事業運輸省公共事業総局副局長
2014年10月
タイ
タイ国バンコク都庁下水道局副局長ほか
2015年3月
マレーシア
マレーシア国エネルギー・環境技術・水省事務次官ほか
2015年7月
アルジェリア他
アルジェリア国 国家衛生機構 衛生排水部 課長ほか12ヶ国15名
2015年10月
カンボジア政府とのビジネスマッチング
日 時:H26.10.21
内 容:GCUS会員企業による製品等PR
参加企業:八千代エンジニアリング、
メタウォーター、 JFEエンジニアリング、
日立機材、石垣
タイ・バンコク都庁とのビジネスマッチング
日 時:H27.3.4
内 容:GCUS会員企業による製品等PR
参加企業:積水化学工業、クボタ、
石垣、日立機材、メタウォーター
マレーシア政府とのビジネスマッチング
日 時:H27.7.30
内 容:GCUS会員企業による製品等PR
参加企業:クボタ, 日本工営,日立機材,
日之出水道機器, 石垣, JFEエンジニアリング
神鋼環境ソリューション, 水ing,
ダイセンメンブレンシステムズ
JICA研修生とのビジネスマッチング
日 時:H27.10.30
内 容:GCUS会員企業による製品等PR
参加企業:TECインターナショナル, 石垣,
オリジナル設計, メタウォーター,
積水化学工業
35
情報収集・発信・マッチング③
海外展示会への出展
マッチング
本邦下水道技術を海外に発信する目的で実施
企業会員の要望に基づき製品・技術をアピール
国名
ポルトガル
ミャンマー
ロシア
展示会名
展示企業等
IWA世界会議・展示会
日本の下水道技術一般
2014年9月
MyanWater2014(ミャンマー水展示会)
TECインターナショナル, JFEエンジニアリング,
日立機材, メタウォーター
日立機材、日水コン
2014年12月
日本の下水道技術一般、川崎市、大阪市、神戸市、
福岡市、北九州市、横浜市、イセキ開発工機、ヤスダ
エンジニアリング、JSC
日本の下水道技術一般
2015年4月
ロシア極東水展示会
第7回世界水フォーラム
韓国
中国
ポルトガルIWA展示会
時期
IWA-Aspire 2015(アジア太平洋地域会議・
展示会)
ミャンマー展示会
ロシア展示会
韓国・世界水フォーラム
2015年2月
2015年9月
中国IWA展示会
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情報収集・発信・マッチング④
本邦技術資料の海外発信
下水道法、設計指針等の英訳版を作成し、WEB掲載、展示会での配布、研修生への配布により、日本下
水道情報を海外向けに発信
国際会議等での日本からの発表資料も掲載(発表者から許可が得られたものに限る)
主な冊子名
Essence of Japanese
Sewerage Law
内容
下水道法制定・改定の経緯、下水道法の主な内容を
海外の方が理解しやすいよう説明
日本が誇る非開削技術(更生工法、推進工法等)、汚
Wastewater Technology in
泥処理・利用技術等を紹介
Japan
Green Energy Production
from Municipal
Sewage Sludge in Japan
Design Standard
For
Municipal Wastewater
Treatment Plants
GCUSホームページへ本邦技術を掲載
日本の下水汚泥利用の推移、汚泥炭化の事例紹介、
バイオガス事業の事例紹介
「下水道施設計画・設計指針と解説」の水処理部分
(活性汚泥法、OD法)を説明
設計指針等の英語版冊子
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第7回世界水フォーラム
開催日:平成27年(2015年)4月12日(日)~17日(金)、開催場所:韓国 大邱市及び慶尚北道
世界水フォーラムは3年に1度開催される水分野で世界最大の国際会議。
国際的な政策提言、関係者との合意形成、国際的な主張・PR、技術の提言、ネットワーキングなど、さまざま
に活用。
フォーラムの構成は、「テーマプロセス」、「政治プロセス」、「地域プロセス」、「科学・技術プロセス」、「水のエ
キスポ」、「市民フォーラム」など。
「テーマプロセス」には、大きな4テーマを設定。日本の下水道に関する政策、技術などを広く世界へ発信す
るため、次のセッションを主催あるいは参加。
2.循環経済への参加を促す資源の回収や再利用
1.リサイクルと再利用-都市のための有益な資源
「汚泥の再利用について」(国土交通省/若公補佐)
(主催:Veolia、JSC)
基調講演、ケーススタディ、パネルディスカッション 3.都市内の水
「日マレーシアにおけるエコ水処理技術適用事例」
日本より東大の滝沢先生、下水協の松宮課長、
(JSC/橋本顧問)
メタウォーターの岡本部長が参加
4.都市サニテーションと放流水域の保全
「パネリストとして参加」 (国土交通省/若公補佐)
5.持続的な下水道運営と再利用
「パネリストとして参加」(北海道大学/船水先生、
JSC/ピエール調整官)
パネルディスカッション
「水のエキスポ」では262団体が出展
日本パビリオンには18ブースを設置
GCUSブースを確保し、GCUS会員の
技術等の情報発信
ジャパンパビリオン
GCUSブースでの説明
GCUSブースでの説明
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